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昨日もいつもの行きつけの地元の居酒屋でカラオケやトークで盛り上がりました。いきつけの居酒屋「酔亭菜」は通天閣からおよそ10分ほどミナミに下ったところにある昔で言う遊郭、赤線地帯の形態をほぼそのままに残した風俗店街、飛田新地の真ん中にあります。西成の飛田新地という場所は風俗街としては少し異質で、観光マップには載らない、全国で屈指の裏観光名所なのです。その居酒屋に一見でくる客は北は北海道南は沖縄まで、その顔ぶれはさまざまですが、どの客さんもアンダーグラウンドの一種独特のムードを感じ、「いい経験ができた」と喜んで帰ります。常連客はみんな個性的です、風俗店に勤める女性や、刑務所から出てきたばかりのヤクザ、おかま、僕のように地元で育った人間。店主の「おかん」は自己破産したこともあるバツ2の60歳・・・こんな常連の中で、地方からのお客はそろってこんなセリフを残して帰ります。「大阪のパワーはすごい」と・・・・みんなの唄に全員が手拍子をし、おかんのシモネタの替え歌を常連が合の手ややじで盛り上げます。そんな元気な酒場が持つ雰囲気はある意味ラテン民族的なのりを感じさせるほどです。元気で明るいパワーを持ったラテン系大阪人・・・・一見のお客さんは、そこでストレスを発散し、楽しんで店を後にします。しかし、地元で暮らす人間はそのパワーとのりがどこから来るものなのかを知っています・・・・・決して、明るい元気なだけの人間の集まる場所ではないと言う事を・・・・・・この場所に住んでいると驚くほどに不幸と呼ばれる状況が存在する事を知る事になります。その風俗店に勤める女性の哀しい生い立ち、覚せい剤に手を染めた父親から逃げるために施設で育った地元の男の苦悩、自己破産した末、ヤミ金融の追い込みから逃げてこの場所にたどり着いた人間のそうなるまでのいきさつ・・・・そんな人間たちがごく身近にいる場所だからこそ、そこには独自の生きるパワーが存在するのです。楽しくお酒を飲んで、日々の不安を取り払おうとしているのかも知れません・・・・ラテン音楽は、貧しい治安の悪い国だからこそアレだけ激しく陽気なリズムだと言います。人は本当に不安であったり悲しかったりしたとき、バランスをとるために陽気になります。そこに「負けるもんか」と言うパワーが加わり、独特の雰囲気が作られるのだと思います。哀しい顔をして人に不幸を語る人はまだ余裕があるのかもしれません、生きると言う事は実はかなり大変な事なのです。僕自身もいつ、今の生活から転落するかも知れません。ホームレスも若い頃には夢のあった人たちです。そんな人生に不安を、毎日明るさと笑いと元気さでぶっ飛ばしていく・・・これが、アンダーグラウンドのパワーなのです。自分もストレスや仕事の悩みがないわけではありませんが、このパワーさえ失わなければ、最悪、全てを失って裸になったところでまたはい上がる事が出来る・・・・そういう開き直りの気持ちをこの町は持たせてくれます。現実問題、オフィス街にはない社会がここにはあります。永田町も日本なら西成も日本なのです。今日も居酒屋「酔亭菜」は様々な人生のドラマの楽屋として人を包み込むために、ちょうちんに灯りをともします。
Apr 17, 2004
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4月から温泉の旅番組のプロデュース兼ディレクティングも担当する事になり、一度目は三朝温泉の斉木別館と言うホテル、そして今回は長崎、雲仙温泉の高級旅館 旅亭半水盧を取材しました。三朝温泉も豪華で素敵なホテルだったのですが、今回の雲仙の旅館の豪華は、予想をはるかに上回るものでした。6千坪の日本庭園に、それぞれが70坪あまりの数奇屋作りの離れ、一部屋が一棟すべて貸しきる形になっており、まさにひとつひとつが京都の高級料亭のようなもの・・・http://www.hanzuiryo.jp/一泊、一人当たり、52500円・・・・最初、下見で取材したときは、「どうせこういう旅館は、お金の余っている人がお忍びで使うか、企業の偉い人が接待つかうもの・・・一般人には縁のない世界なんだろう」とそう思っていたのですが、取材を続けていくうちに、必ずしもがそうではないことがわかってきました。定年退職した夫婦がそれまでのお互いの労をねぎらって、退職金の一部を使って利用したり、還暦のお祝いに、子供達がお金を出し合って親夫婦を招待したり、積み立てで仲のいい友達と、何年か間貯めたお金で泊まりにきたりと・・・・人生の記念日に使う人が意外と多いそうなのです。一日目のロケが終わり、静かな旅館の中で日本庭園を眺めながら、色々なことを考えました。人によって贅沢の意味は様々、僕のように毎日のように仕事終わり、居酒屋でみりん干しをあてに焼酎を飲むのが楽しみな人間も、いるけれど、このお金を半年貯金すれば間違いなく、一泊5万円の高級旅館に泊まる事ができる。考えてみると、実は、半年間、毎日、居酒屋で酒を飲めると言う事も、半年に1回ここに泊まるのと同じくらいの贅沢なことなのです。不景気のこのご時世、毎日、楽しくお金を使って、その上、年に何度か贅沢の出来る人はほんの一握りの人たちかもしれません、しかし、毎日を切り詰めて、自分に褒美を与えると言う意味で、綺麗にお金を使っている人は案外多いように思えます。どんなお金の使い方が、一番人生を豊かにするのだろうかと・・・そんなことを考えさせられました。セコく貯めてきれいに使う人、毎日気前よく人におごるけれど、人生に多くのイベントは持たない人・・・・・一軒家を買って、毎月のローンに追われる人、文化住宅に住んで、毎月旅行に行く人・・・・・自分の身の丈にあった贅沢を自分なりに考えて、毎日を楽しく生きる。お金を持っている人もリッチですが、人生の中で上手く計算してお金の配分を考え、無駄なお金を贅沢にあてるという生き方もある意味リッチなんだと・・・・そう思いました。明日から編集に入ります。様々な思いで宿泊したお客さんたちの思い出が詰まった旅館の重みを感じながら、お客さんと旅館の出会のきっかけを作れるよう、ワンカットごとに思いを込めてつないでいこうと思います。
Apr 15, 2004
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この3ヶ月は、ドラマ、特にフジ系列のものが好調で、その系列局で仕事をしている僕にも恩恵はありました。高視聴率を記念して、5000円分のクゥオカードが配られたのです。中でも我々の業界内でも話題になったドラマといえばやはり、「白い巨塔」主人公の壮絶な結末もわかっているのに、どんどん惹き込まれていったのは僕だけではなかったと思います。そもそも僕は、あまりハッピーエンドで終わるドラマや映画は好きではありません。そのあとに起こりうる、ピークを過ぎた部分までも考えてしまう、余計な想像力のせいだと思います。「死」完結されるシナリオはリアリティがあります。終わってからもドラマに出てきたセリフの意味を深く考えることが出来るのは、この類のドラマならではのことです。ハッピーエンドのドラマは、その瞬間は感動しますが、心に残りにくいようにも思えます。人の人生にとって、最終回はその全てが「死」で締めくくられます。現実の恋愛の結末も最終回は「別れ」です。だからこそそれまでの展開や山、谷、セリフの一つ一つが意味を持つのです。ハッピーエンドはどれもドラマならではの中途半端な区切り方に他ならないのです。片思いが実り、愛が成就されて終わるラブストーリー、どうしてもそのあとの冷めていく二人を想像してしまいますし、出世して終わるサクセスストーリー・・・・そのままずっと上手くいくとは思えません。仕事も恋愛も、ハッピーなとき、落ちていくとき、それを全て含めてドラマなんだと思います。その全てを、見た感想として、充実していればハッピー、中身が薄ければハッピーではない・・・・そう言えるのかもしれません。別れた恋愛は全て悲哀と考えるとそれは寂しいものです。別れた事によって、再会から始まる第二部がある可能性もあります。人生ドラマのようにはいかないと思いがちですが、誰の人生も全てはドラマティックです。ただ最終回という区切りがないため、そう思ってしまうだけです。最終回を「死」に設定すれば、落ちていく様も、ハッピーなときもそれはワンシーンにしか過ぎないのです。不幸も辛い事もドラマを盛り上げる演出です。どれだけの長さの自分の人生のシナリオを演じているのかはわかりませんが、最終回を迎えるまで、与えられたシーンをよりいい役者として演じていきたいものですね・・・・・
Apr 2, 2004
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