星とカワセミ好きのブログ

2021.09.19
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カテゴリ: ドイツ/Germany
「文藝春秋 2021年9月号」に、芥川賞受賞2作が掲載されていました。受賞者・石沢麻衣さんの「貝に続く場所にて」という作品は、舞台がドイツのゲッティンゲンでした。
主人公が留学しているゲッティンゲンに、東日本大震災で亡くなった友人の霊がやってくるというところから話が始まります。表現や内容がとても難しい幻想小説で、何度も前に戻って読み直しました。

小説で記憶に残ったのは、ゲッティンゲンの町に「太陽系の惑星モニュメント」があるという事や、ゲッティンゲンは漢字で「月沈原」と書く事、そして学者の寺田寅彦氏もゲッティンゲンに留学していた事です。

ゲッティンゲンは大学都市として有名で、1737年に大学が創設されました。グリム童話で有名なグリム兄弟は、このゲッティンゲン大学の教授として教壇に立っていました。ところが、憲法を進歩的・民主的にするか、王政に戻すかという大論争があり、1837年に、王が進歩的な考えの教授を国外追放するという「ゲッティンゲン7教授追放事件」が起こり、グリム兄弟はゲッティンゲンを離れ、ベルリン大学に行きました。

1990年代前半、私がオランダに住んでいた時、車で時々ドイツに遊びに行きました。ブレーメンとフランクフルトを結ぶ「メルヘン街道」を進み、途中のゲッティンゲンを訪れた事があります。
グリム兄弟がまとめたグリム童話の舞台となった町が、街道の途中に点在しており、「メルヘン街道」と呼ばれています。

棚を探すと1994年5月22日付で私が撮影したゲッティンゲンの写真が出てきました。
ゲッティンゲンのマルクト広場に建っている「がちょう番の娘リーゼル」の噴水像や、居酒屋で私がビールを飲んで酔っ払っている写真でした。

「がちょう番の娘」は、グリム童話の中にある話です。王女が別の国の王子に嫁ぐとき、待女に脅されて立場が逆転して苦労しますが、最後はハッピーエンドになります。


当時、アムステルダムで購入した「メルヒェン街道物語 監修:高橋健二、写真・文:橘川真/グラフィック社/1990年6月25日 初版第6刷発行/77.25ギルダー」のp61~72に、「ゲッティンゲン」が紹介されており、勉強になりました。
その頃、ドイツの旅行ガイド本は、ゲッティンゲンについて数行しか書いていなかったので、いかに「メルヒェン街道物語」が詳しいかが分かります。

日本に帰国した後、「グリムありますか メルヘン街道とその周辺/著書:ひらいたかこ/磯田和一/東京創元社/1999年5月10日 9版」を購入して読みました。p68~71にゲッティンゲンの事が絵入りで書いてあり、読むと楽しいです。

いつか写真の整理が出来たら、ヨーロッパで当時撮影した写真をブログに紹介したいと思います。

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↓ 1994年5月22日にゲッティンゲンのマルクト広場で、私が撮った「がちょう番の娘リーゼル」。








↑ ゲッティンゲンのマルクト広場。


↑ ゲッティンゲンでビールを飲む私。(1994年5月22日)

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↓「文藝春秋 2021年9月号」


↓ 芥川賞受賞・石沢麻衣さんの「貝に続く場所にて」。ドイツのゲッティンゲンが舞台。




「メルヒェン街道物語 監修:高橋健二、写真・文:橘川真/グラフィック社/1990年6月25日 初版第6刷発行/77.25ギルダー」


p61~72に、「ゲッティンゲン」が紹介されている。

↓p61。「ゲッティンゲン グリム兄弟が教鞭をとったゆかりの大学都市」
「がちょう番の娘リーゼルの噴水」。


↓p62~63。「ゲッティンゲン 7教授追放事件」。大学教授のグリム兄弟も、1837年にゲッティンゲン大学を追放された。





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「グリムありますか メルヘン街道とその周辺/著書:ひらいたかこ/磯田和一/東京創元社/1999年5月10日 9版」






↓ p70。がちょうの娘の像の紹介。





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最終更新日  2021.09.26 06:38:51
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