星とカワセミ好きのブログ

2022.02.06
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カテゴリ: 本、雑誌、記録
2022年2月5日、飯田橋のフランス語書籍専門店「欧明社本店」に行きました。2022年2月末で閉店との事で、多くの人々が店を訪れ、フランス語の本を購入していました。

店内には、サン=テグジュペリの「星の王子さま」のパネルがあります。私は学生時代にサン=テグジュぺリの「星の王子さま」、「人間の土地」、「夜間飛行」を読んだことがあり、とても懐かしい感じがしました。

「サドから『星の王子さま』へ フランス小説と日本人/稲垣直樹/丸善ライブラリー」を持っていますが、p145~180「第5章 サン=テグジュペリ 『星の王子さま(1943)』、『夜間飛行(1931)』について紹介されています。

p150では「『星の王子さま』誕生秘話』として、作品がどのように生まれたかが書かれています。

p150「『星の王子さま』はサン=テグジュペリの作品のなかで唯一、作者自身が挿し絵を描いたものだ。 ~ 『星の王子さま』と挿し絵がこんなにも一体になっているのも実は当然と言えば当然で、この作品はもとはといえば、挿し絵から生まれたものなのである」

p151「サン=テグジュペリは喫茶店とか、汽車のなかとか、散歩中とかに浮かんだアイディアを、すぐにその場で、絵や文章で紙片に書きとめる癖があった。そんな紙片で彼のポケットはいつもいっぱいだった」
「こうした絵のなかにときどき顔を出す、不思議な少年がいた。喫茶店で雑談をしているときや、レストランで食事を終えたあとなどに、ふと、なんの気なしにメニューやナプキンにサン=テグジュペリが描いた少年の絵」

p152「サン=テグジュペリの本の出版を一手に引きうけていた出版社の取締役はカーティス・ヒチコックといったが、カーティス・ヒチコックがこうした少年の絵を初めてサン=テグジュペリに見せられたときの様子を、妻のペギー・ヒチコックが文章に残している。彼女の回想によると、それは、画家で彼らの共通の友人であるベルナール・ラモットのマンションでのことだった。
ヒチコック夫妻とラモットとサン=テグジュペリはロースターをベランダに持ち出して、闇市で仕入れた牛肉で豪華なステーキを焼きながら食事をしていた。そんなとき、サン=テグジュペリがみんなに披露したのが、「髪はぼさぼさで、スカーフを風になびかせた」(航空雑誌『イカロス』1978年春季号収載、ペギー・ヒチコック「著者と出版社の間柄」)少年の絵だった。


『どうだろうか、この少年を主人公にして童話を書いてみては?』
『えっ、このぼくが・・・・・・』と、童話を一編も書いたことのないサン=テグジュペリは最初は面食らったが、そのうちにしだいにこの提案に魅力を感じて、ついに仕事に取りかかったという」

p154「シンプルななかに、やるせない哀愁を漂わせ、限りないやさしさで読者を包みこむ挿し絵。そうした約50葉の挿絵が全編にちりばめられた、あの、私たちになじみの『星の王子さま』はこうして生まれ、年が明けて、1943年3月(4月とも言われている)に英語版とフランス語版が同時にニューヨークで出版の運びとなったのだ。


p161からは、「原題は『星の王子さま』ではない」という興味深い記載があります。
p162「この作品の邦訳者である内藤濯(ないとうあろう)が、ほとんど天才的ともいえるタイトルの付け方をしたためだ。内藤濯はこの作品刊行当時70歳、翻訳家として功成り名遂げたベテランだった。この作品のフランス語原題は Le Petit Prince (『かわいい王子』程度の意味)なのだが、それに内藤濯は単独で「星の」という語句をつけ加えたのだ。『星の王子さま』とは、なんと純粋で、上昇への憧れを秘めた美しい名前だろうか!」

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話は変わるのですが、私は八神純子さんの「夜間飛行」をよく聴いていました。サン=テグジュペリの作品「夜間飛行」も読んだことがあり、「夜間飛行」と聞くと、両方を思い出します。

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↑ 「星の王子さま」 サン=テグジュペリの挿し絵。



↑ 「星の王子さま」 サン=テグジュペリの挿し絵。

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↑ 八神純子さんCD「素顔の私」。





↑ 八神純子さん「夜間飛行」。





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最終更新日  2022.02.14 06:12:24
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