星とカワセミ好きのブログ

2022.03.21
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カテゴリ: 美術 / Art
芸術新潮2022年2月号「楳図かずおの大いなる芸術」は、表紙を見ただけですぐに購入しました。

p78~79に「美人画の秘密と恐怖の演出」というテーマで、江口寿史さんがインタビューを受けられています。

私は楳図かずおさんの「漂流教室」と「まことちゃん」、江口寿史さんの「ストップ!!ひばりくん!」が大好きなので、興味深く読みました。

色々な角度から江口さんが楳図さんの絵をコメントされていますが、特に印象的な部分を紹介します。

p79で江口さんは楳図さんの「おろち」のイラストについて言及されています。
「この(おろちの)口の描き方ですが、口の端に影ができていますね。それと、上唇のラインが三つのカーブになっています。これ、今まさに僕が描いているやり方なんです。僕は楳図さんの絵を見て描いたわけじゃないんですけど、人間の顔を丁寧に観察して描くと、こうなるんです。上唇のラインは3分割されているんですが、マンガ家はだいたい一本で描いて、ラインの中央の膨らみを描かないんですよ。
それから、この「おろち」の顔では、鼻の脇に、ふたつ影がありますよね。僕も下書きではこれを描きます。僕の場合、仕上げる時には、この部分を消すんです。今、僕がやっている描き方と近いことを、楳図さんは昔やっておられたんだと、今これを見て、ゲゲッと思いました(笑)

記者が「楳図さんは、髪の毛を一本ずつ描かれています。ベタッと黒く塗っているわけではありません」と言うと、江口さんは「これもかなり珍しいです。面倒くさいんですよ。で、髪というのは、実はいくつかの束が集まってできているんです。楳図さんはそういう描き方をしておられる」と話されました。

最後に記者が「『おろち』は1969年から70年にかけて描かれています」と言い、江口さんは「ぜんぜん古い絵じゃないもんなあ。凄く観察して描くとこうなるんですよ。はああ、楳図さんがやっていたのかあ・・・。びっくりしちゃった(笑)」とコメントされていました。



【おろち】楳図かずおさんが1969年に描いた。




↑ 江口寿史さんの「おろち」のコメント。(芸術新潮 2022年2月号 p78~79)
「この(おろちの)口の描き方ですが、口の端に影ができていますね。それと、上唇のラインが三つのカーブになっています。これ、今まさに僕が描いているやり方なんです。僕は楳図さんの絵を見て描いたわけじゃないんですけど、人間の顔を丁寧に観察して描くと、こうなるんです。上唇のラインは3分割されているんですが、マンガ家はだいたい一本で描いて、ラインの中央の膨らみを描かないんですよ。
それから、この「おろち」の顔では、鼻の脇に、ふたつ影がありますよね。僕も下書きではこれを描きます。僕の場合、仕上げる時には、この部分を消すんです。今、僕がやっている描き方と近いことを、楳図さんは昔やっておられたんだと、今これを見て、ゲゲッと思いました(笑)」



↑ 江口寿史さんが描く女性。





↑ 芸術新潮2022年2月号「楳図かずおの大いなる芸術」。





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最終更新日  2022.03.26 15:43:41
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