仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2007.11.04
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カテゴリ: 雑感
NHKの番組サイエンスZERO「 日本人の起源に迫る

曖昧模糊とした縄文人と弥生人の関係を解き明かしてくれるか、蝦夷とは何かの説明もあるか、などの期待をもって、ノートを取りながら見た。放送大学を受講するような気分で。しかし結局は人類の起源やグレートジャーニーの説明、日本人がどこから来たかの説明などがあったが、縄文人と弥生人の関係などに細かな説明はなかった。

ゲストとして解説されたのは、国立科学博物館の篠田謙一さん。

科学番組であり、分子生物学の最先端とその面白さを伝えることがメインなのだろう。それでも折角の勉強なので、以下に整理する。

1 手法と分布状況
 ミトコンドリアDNAは、16500個の塩基配列によってグループ分けされる。そして、人の姿や形を決める核DNAが両親から受け継ぐのと異なり、母親からしか伝わらない。兄弟は同一。父は異なる。母の母も同一だから、母方はずっと同一のDNAである。
 日本人の場合は16のグループに分けられる。16人の母にさかのぼるということもできる。
 もっとも16のグループ(16人の母)も更にもともとは共通の母のはず。数百世代に1回の割合で突然変異が生じるからである。世界では約80のグループに分類されている。


2 日本人の場合
 16のグループのうち、日本人の約3分の1を占め、最も多いのがD4グループ。世界では中国北部や朝鮮半島に多い。中国北部がおそらく故郷で、半島を経て日本へ。
 Fグループは東南アジアから日本へ。
 M7aグループは世界でも日本にしか居ない。沖縄九州など南に多い。このグループと兄弟のような関係にあるM7bとM7cは、24000年前にMグループから分かれた集団である。これら3グループが重なり合う所は東シナ海である。現在は海だが当時は氷河期で海面が低く陸続きだったろう。
 B4グループは日本人で2番目に多い。中国南部、台湾など南から来た。アジアに人類が入ったかなり早い時期に来たグループ。

3 世界のグループを見ると
 世界の人類の約80のグループには、何個かの「母の中の母」とみなされるグループがある。ここから枝のように他のグループが派生しているのだ。N、L3、R、Mなどがそれで、これらも更にさかのぼればアフリカの共通の祖先に立ち返る。

071104ミトコンドリアDNA1

 現在では、人類の動きがかなり明確にわかっている。すなわち、約20万年前に新人と呼ばれる人類がアフリカに出現。6~7万年前に紅海を渡り(氷河期で陸続きか)、R、N、Mなどのグループに分かれた。東南アジアには約5万年前に入り、やがて日本にも渡来する。

071104ミトコンドリアDNA2

さらに一部はヨーロッパへ。また北上してバイカル湖方面に向かったグループもあった。これがやがて北から日本にも入ってくるのである。

人類の旅はさらに進み、陸続きのベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸へ。南アメリカ大陸の先端までは約1000年という早さで到達した。また、2~3千年前には太平洋にも進出し、約1500年前に、壮大なグレートジャーニーは終わる。

071104ミトコンドリアDNA3

4 縄文人と弥生人

 ミトコンドリアDNAでみると、現代では世界で日本人だけのM7aグループは縄文人にもみられる。しかしN9aなどはみられない。弥生人(渡来系)では、逆にM7aはないがN9aがみられる。
 縄文人と弥生人の後に大量の流入はないから、現代日本人のミトコンドリアDNAグループは、これら縄文人と弥生人を材料として形成されている。

071104ミトコンドリアDNA4

■関連する過去の記事  縄文人と弥生人 (07年6月5日)





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最終更新日  2007.11.04 23:14:44 コメント(26) | コメントを書く


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