おしゃれ手紙

2022.09.26
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カテゴリ: 父の麦わら帽子

当時は、野菜、果物、味噌、漬物・・・なんでも家で作るのが当たり前。
その中心に米があった。
田植えをし、草取りをし、稲刈りをした。
田植え、稲刈り期間の数日は、学校が休みになったくらいに、皆で米を作った。
 なのに、米の飯が食べられるのは、正月と祭だけ。
あとは、毎日、麦飯だった。
 中学生になって学校に持っていく弁当も、もちろん麦飯。
母は、弁当に入れる御飯の部分になるべく米が多くなるようにと心を砕いた。
炊きあがると、米と麦は釜の中で上下に分かれる。
重い米は、釜の下に、軽い麦は釜の上部になる。
そこで母は、下の米をグイとすくって、私の弁当箱に入れた。

その後、残った釜の中の米と麦を混ぜるのだった。


 おかずは、野菜のたいたんでも入れてくれたのだろうか?
大根の漬物や梅干は必ず入っていた。
今の弁当のおかずの定番、玉子焼きやウインナーなど一度もなかった。
家でニワトリは飼っていたけれど、卵を産むのは時々で、
1つ産めば、味噌汁に入れて家族みんなで食べたし、
数個産んだら、現金が欲しいので、買ってくれる近所のおばあさんの所に売りに行ったからだ。

必ず入っていたのが、イカを干してレースのように薄くし焼いて醤油をつけたものが、ご飯の上に必ず乗っていた。

おかずは玉子焼き、ご飯はもちろん、銀飯、デパートの包み紙に弁当箱を包んで持ってくるような子もいる中、私は、麦飯、粗末なおかず、新聞紙に包んだ弁当を食べる・・・。

中学生の私には、昼食は、みじめな時間だった。
しかし、親の懐具合を知っているから、文句など言えるはずがなかったが・・・。
案山子 もうすぐ、稲刈りの季節。

しかし、貧しいからと麦飯を炊く家は今はない。
「貧乏人は麦を食え!」 という政治家の有名なセリフも、もはや知る人もいないのではないだろうか・・・。
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Last updated  2022.10.08 00:02:29
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