水彩画紀行  スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

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水彩画人 俊介

水彩画人 俊介

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Spain Pilgrim road


SpainPilgrim road 2


スペインの西の果ての岬の町


スペインの忘れえぬ人々


スペインの忘れえぬ人々 続編


巡礼路で出会った人々


嫁ぐ娘への懺悔録


人の心は水彩画


ヨーロッパ世界の裏の恐ろしさ


嘘のような本当の話


イラクの恐ろしい現実


未来を奪われた子供たち


逆説「大好きなアメリカ人」


倉敷の美観地区と美味しい店


ユーモアのある家庭


シルクロード紀行


カスピ海の国アゼルバイジャン


アゼルバイジャンの女流陶芸家


シルクロードの悲劇


カスピ海の女人の奔放さ


ロシアの華麗なバレー団 TODES


ロシア料理店への招待


カスピ海の夏の海


アゼルバイジャン気質


不思議な少女との出会い


カスピ海美人に招待される


アゼルバイジャンの黄昏時


白いロールスロイスの花嫁


豊富な食材で料理を楽しむ


恋人たちの季節


テニストーナメント参戦記


カスピ海の夜の出会い


安くておいしいコーカサス料理


ある春の一日


俳句は詩的な日記帳


美しい言葉 風花


桜の城 高遠


俳句を始めたい方


短歌 青春挽歌


風鈴や亡き人影の窓よぎる


兄と妹の物語


父と娘の物語


青春の光と影 恋


神さまは存在する!


娘へ贈る結婚の言葉


モーツアルトが大好き


珠玉のモーツアルトの作品より


水彩画紀行


風の盆 越中八尾の美しい町


風の盆 妖艶な夜の舞


風の盆 深夜の町流し


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カテゴリ: スペイン巡礼路



描きながら旅する楽しみは、予測できない事が待ち構えていること。

ツアーだと、今日、どんなとこに行って何があるかおおよそ予測して旅することができるが

巡礼路のよさは、今日、次の町で何があり何が待っているか?

まったく予測できないこと。

思いがけないことがいつも待ち構えていた。

それだけに拾い物をしたような感動があった。

地平まで麦畑の乾いた一本道が続いたあとに、やがて

オアシスのような緑の濃い町に入っていく。

貧しくてもスペインの田舎町は

日本やソ連圏のくすんだ色彩の乏しい田舎と違って

国民性の故か、はるかに豊かな色彩がある。


清潔で、窓辺に花があふれ、いつ人々は生き生きとしている。


ある日、森の向こうからフラメンコの曲が聞こえてきた。

何かありそうだと、足を早める時のときめき。

やがて広い牧場の馬場を囲んでたくさんの人だかり。

黒いハット黒い乗馬服に身を固めた男が

白い美しい馬を自在に操っている。

そこに着飾ったスペインの踊り子が現れた。

馬を操る騎士と踊り子が対になってフラメンコを踊り始めた。

いななきながら後ろ足で棒立ちになった白馬が

スペイン娘と、やがては絡み合うように身近に踊った。


の


窮屈な日本の管理体制なら、馬のひずめに蹴られたらと

責任を負いたくない主催者が認可しそうにない危険な踊り。

日曜日の学校の運動場すら税金を払っている国民から隔離されていく日本。

スペインはそういう思慮とは無縁な国。

人々の心が自在で豊かで拘束がない。

熟練した馬術と美しいスペイン娘の勇気がそれを可能にしていた。


いや、ふたりは、若者でも娘でもない。

壮年と言って良い年柄だった。



海外に行って良く思うこと。

海外では、40代、50代の格好良い男と女が

まだ恋と人生の只中といった風情で生きている。

日本人は、かっこいい絵になる大人ほんとうにが少ない。

ヨーロッパの橋の上を歩く男を何度か描いた。

トルコのイスタンブールですら、みな絵になった。

日本では・・・・みな、農協職員のような方々ばかり。


恋や情熱とは無縁でくたびれてて絵にならない。


ともあれ本題。

そんな馬術祭りの屋台に、まなざし鋭く絵になる娘を見つけた!

赤い帽子を斜めに構えてなかなか様になっている。

猛然と絵心が勃発!早速、売っているソーセージとビールを注文して描く。

描いていると、次は私を描いてくれと人だかり。

赤い帽子の娘のそばから覗き込んでいたデブがやけになれなれしい。

誰?と聞いたら旦那だとうれしそうに答えた。

おい、もっといい男を見つけろと言いたかったけど。

何も言わずに、ひたすら黙々と描いた。


話してみると気の良い旦那。

ぜひ売ってくれという。

けど、酔っ払って心地よく描いた絵は二度と描けない。


僕の絵は楽天の本職の画家JUCOU氏のように緻密な絵とはわけが違う。

その場の雰囲気と居合わせた人との片言の会話で生まれる絵。

いつも二度と同じものが描けない。

やむをえず、もう一枚、より美人に描いてあげた。

旦那は至極喜んでいたけど、

僕が気に入ったのは、この鋭い気丈なまなざしの不美人の一枚。

赤い帽子

忘れえぬ人の一人となった一枚。

今ごろ、どうしているだろう?

あの優しい旦那の子供が生まれて幸せ一杯か。

もう一度、あの巡礼路を歩いても、出会う可能性はほとんどない。


そのことがなぜか切ない。

そんな感じの「忘れえぬ人」の一人。
















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Last updated  2004/11/20 05:50:16 AM コメント(1) | コメントを書く
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