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March 27, 2006

NARUTO短期連載小説第２５話「額当て」

(5)

テーマ：お気に入りの漫画は？？(2234)

カテゴリ：企画

『キメラの勾玉』NARUTO-ナルト短期連載小説
※サスケ奪回任務後。

予告編はこちらから
初めから読みたい方はこちらから
※通常更新履歴は日記にて記載しているのですが、連載中はFreepage List（フリーページ）「更新履歴（仮）」に記載します。

第２５話「額当て」

　毒気に当てられ倒れたナルトに、呪印を解いたサスケは近寄っていった。

　ナルトは、せいいっぱい笑ってみせる。
「一生言ってろ。このウスラトンカチが……」
　サスケは、ナルトの胸に光るキメラの勾玉をつかむ。そしてブチッと紐を引きちぎり、奪い取った。そのときサスケの目に入ったのは、ちぎれた紐が空を舞う中で、ナルトのふところから落ちた――傷ついたサスケの額当てだった。それは終末の谷での別れ際、サスケが落としていった、木ノ葉の里の額当て……。
「サスケ……」
　かすれた声で、サスケの名を呼ぶ。動かない体で、ナルトにはそれがせいいっぱいだった。
「……オレの、額当て……」
　サスケは、呆然とつぶやく。
「へへ……。繋がり……」
　ナルトは、笑ってサスケを見上げた。笑顔の中に、悲しみをそっと秘めて。
「……」
　サスケは、ナルトに背を向けた。二人の間を、風が吹き抜けていく。

　サスケは背を向けたまま、近くの木の枝にシュッと飛び移った。そのとき、ナルトの頬に落ちてきた数滴の雫。それは、ナルトのものではなかった。サスケは、そのまま去っていった。
「へへ……シカマル。オレの選択……正しかっただろ？　アイツは、サスケは里を襲わなかったってばよ……。イタチの情報……手に入れようとしてきたのによ……。けど……」
　ナルトは、ほとんど力の入らない手で、必死にサスケの額当てを握る。
「けど……けど……本当は……」
　ナルトの目がうるむ。

　ナルトの叫び声は辺り一面に響き、涙が飛び散った。

☆次回予告☆
サスケを連れ戻すことが出来なかった皆の気持ちは……。

サスケ『ナルト……。オレは……』
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