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「おれたちの野球」は敗れ去った。矢野阪神の集大成ともいうべきレギュラーシーズンは143試合目でV逸、CSは3位巨人に完敗した。
吉田 惜しかったし、むなしいシーズンになってしまいました。今シーズンはなんだったんだろうかと思いますな。あれだけ開幕から突っ走ったが、終盤になって優勝をさらわれた。もったいないし、不思議でした。ここで巨人に連敗したのも、岡本和の出場が難しいから阪神に優位に傾くと思いきや、巨人に全員でカバーされた感が強かった。
目に見えている場面では、3回の中野、8回の大山のエラーが失点につながった。
吉田 だれがみても軽率なミスで致命傷になった。中野は守備機会ごとにうまくなった。逆に3回裏1死一、二塁で、梅野の三塁線への難しいゴロを若林にうまくさばかれゲッツーになったのは両極端でした。大山は守備も、打撃にも自信と不安が入り交じってプレーには迷いがみてとれる。阪神はチーム全体が“球際”を鍛えるべきだ。時代が変わったで片付けているようでは、いつまでたっても守備力は上がらないし、毎年言ってるが指導力ですわ。
1点差だったら勝敗の行方はわからなかった。だが8回に大山が坂本の三ゴロをファンブルすると、続く4番丸に三塁側にセーフティーバントを決められた。亀井の犠打、ウィーラーの犠飛で加点された。
吉田 この2戦だけをみると、原監督の采配が1枚上だった。丸のバントは間違いなくベンチのサインだろうが、巨人はシーズン中に10連敗を喫し、阪神も勝ち越したのに、短期決戦で機をみた1点のとり方はさすがと言わざるを得なかった。
今シーズンは優勝する絶好のチャンスだったが、ファンの期待は裏切られた。
吉田 チームを引っ張って勢いをつけたのはサンズと佐藤輝でした。ロハスではない。その2人を使いこなせなかった。特にサンズは終盤から、このCSも出番なしで、影も見られなかった。ヤクルト、巨人と比べて打つほうの軸はさておき、投打に総合力では劣っていない。監督と選手の信頼関係がどうだったのかというのは気になった点です。世代交代は進んだものの、惜しかったで済ませてはいけない敗退でした。
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