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2004/08/28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今年の夏も終わりを告げています。
今年の夏は記録的な猛暑に、アテネでのオリンピック選手の大活躍による睡眠不足などで例年以上に夏バテの人が多いかも知れません。
夏バテに著効のあるものは知っていますが、今日は古代の知恵、夏バテ対策を2つご紹介いたします。
うなぎを食べて食後に甘酒でダブルパワー!?
私は完璧な健康管理を実践し続けていますので、例年と変わらず絶好調です。

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◆うなぎは“万葉歌人も御用達”の強壮栄養食
うなぎは「土用の丑の日」だけが食べどきなのではない。むしろ夏の疲れがたまった今が本当の食べどきだ。
「土用の丑の日」にうなぎを食べる風習ができたのは江戸時代以降のこと。実はそのはるか以前から、日本では、うなぎは夏負けを回復する強壮栄養食品として、食用されていた。万葉集には大伴家持が吉田連老という人に贈ったこんな歌が収められている。


(大伴家持 巻十六―三八五三)

「石麻呂」は吉田連老の字名で、たいへんやせた人だった。この歌は、夏場の暑気に当たってさらに夏やせした石麻呂を見かねた家持が、「うなぎは夏やせに効くと聞いている。うなぎをとって食べたらどうだ」と勧めている歌である。

日本人は世界一のうなぎ好きで、1年間に5億尾も食べている。日本人がうなぎを食べるようになったのはかなり古く、縄文人も食べていたともいわれるが、文献上でうなぎを食べていたことが記されたのは、この大伴家持が最古の記録になるということだ。その日本最古の記録から、万葉の時代には、すでにうなぎが夏やせに効果がある栄養食品として広く知られていたことがわかる。
実際に、現在の栄養学からみても、うなぎは非常にバランスの良い高栄養食品なのだ。とくにビタミンが豊富なのに驚く。うなぎに含まれる主なビタミンは、ビタミンA、D、E、B1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸など。中でも、体力回復のカギを握るビタミンB1と、皮膚や粘膜の潤いを回復し、かぜなどへの抵抗力をつけるビタミンAは特に多い。
ビタミンB1は炭水化物代謝を助け、体調を整える。水溶性なので、汗とともに失われやすいとされ、夏の消耗を補う一番重要な栄養素だとされる。このビタミンB1が、うなぎなら100gの蒲焼きで0.75mgも摂れてしまう。これは牛乳の25倍、ほうれん草の10倍にもあり、これだけで1日の必要量がまかなえてしまう。ビタミンAは蒲焼き100gあたり5000国際単位含まれる。
さらに、体調を整える作用があって発育に欠かせないビタミンであるビタミンB2も100g当たり0.74mgと魚介類の中でもっとも多く含まれる。ちなみに、これはマイワシの2倍、サンマの3倍、牛乳と比べても5倍に当たる。また、ビタミンEはマイワシの7倍、サンマの3.5倍といった具合だ。
そのほかに、うなぎはカルシウム、亜鉛、鉄などのミネラルもとても豊富に含む。さらに、血液をサラサラにし、眼や脳、血管や細胞の健康維持に注目の不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も、それぞれイワシやサンマなどの青魚と同じかむしろ多く、たっぷりと含まれる。
まさに、うなぎはマルチビタミンなマルチ栄養食品。夏の疲労回復にはほぼ完璧な栄養源だといえる。ただし、うなぎの栄養上の唯一の弱点は、ビタミンCが全く含まれないことだ。ビタミンCだけは、新鮮な野菜や果物で補う必要がある。

家持は「うなぎ」を「むなぎ」と詠んでいる。万葉の時代には、天然うなぎは胸が黄色いことから「むなぎ(胸黄)」と呼ばれていた。それが時代とともに「うなぎ」になったとされる。うなぎは、東シナ海近海の深海で生まれ、黒潮に乗って日本近海にたどりつき、春先に各地の川を上っていく。成熟すると、晩夏から秋にかけて、産卵のために川から海に向かって下っていく。この下りうなぎが栄養価も高く、一番おいしいとされる。つまり、今がうなぎの本来の旬なのだ。
もっとも、現在日本で消費されているうなぎのうち、天然うなぎはわずか1~2%。とはいえ、最近の養殖技術によれば、養殖モノといえども天然モノとまったくそん色のない味のうなぎができるようになっている。漁獲された時期や場所で質がばらつく天然ものよりも、むしろ養殖もののほうが安心しておいしいうなぎが食べられるという食通もいるほどだ。
高級店のうなぎも、スーパーなどで買える安いうなぎも、栄養価には差はない。職人の割く中腹を秘伝のたれで味わうか、自宅でのんびりくつろいで食べるか。やっぱり、うなぎは今が食べどきだ。



◆江戸時代に重宝された! 知られざる“甘酒パワー” 点滴に匹敵する栄養で夏バテ防止
「甘酒」といえば、ひな祭りのときに定番の飲み物。甘いお酒と思っている人もいるかも知れないが、実はアルコール分は全く含まれていない。しかも、江戸時代は真夏に飲んでいたというから驚きだ。

甘酒は、日本の伝統的な発酵食品の一つ。まず蒸した米にカビの一種である麹菌(こうじきん)を加えて繁殖させ、麹をつくる。この米麹とご飯を混ぜたものにお湯を入れて保温状態に数時間置いておくと、砂糖が不要なくらい甘い飲み物、つまり甘酒ができる。一晩でできることから、甘酒は一夜酒(ひとよざけ)とも呼ばれる。アルコールが入っていなくても「酒」と呼ばれていたのは、昔は造り酒屋が酒造りの傍ら甘酒を造っていたからだという説もある。
発酵食品に詳しい東京農業大学応用生物科学部醸造科学科教授の小泉武夫氏によると、江戸時代の夏バテ対策といえば、金持ちはうなぎ、庶民は冷やした甘酒だった。京都や大阪、江戸などでは夏の間だけ、甘酒売りの人たちが甘酒を売っていた。このため、俳句の季語辞典では、今も甘酒は夏の季語になっているそうだ。
甘酒の甘みは、麹菌が分泌する糖化酵素(アミラーゼ)により米のでんぷんが分解されてできたブドウ糖によるもの。甘酒には、ブドウ糖が20%以上も含まれている。またエネルギー源となるブドウ糖のほかに、ビタミンB1、B2、B6などのビタミン類や必須アミノ酸などの栄養分が豊富に含まれている。これは麹菌が増殖するときに、ビタミン類や必須アミノ酸などを作って麹の中に蓄積してくれるからだ。


麹菌は、甘酒以外にも清酒やみそ、醤油など、日本の特色ある発酵食品をつくる原動力となっている。麹菌は、前述のアミラーゼ以外にもたんぱく分解酵素(プロテアーゼ)や脂肪分解酵素(リパーゼ)などきわめてたくさんの酵素を産生するので、「酵素の宝庫」といわれている。
さらに甘酒の原料となる米麹などからは、いろいろな機能をもつ物質も見つかっている。例えば甘酒を使った動物実験では、血圧上昇を抑制する作用などが報告されている。さらに麹製品には、人体の免疫力を高める作用があることなども報告されている。
甘酒は、自宅でも電気炊飯器を使って手軽に作ることが可能だ。冷やした甘酒に、少量の塩やおろしショウガを加えると、一層引き締まった味が楽しめる。この夏の疲れを癒すために、ぜひ手作りの甘酒に挑戦してみてはいかがだろうか。
(出典:ni k k e i b p)





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最終更新日  2004/08/28 08:47:51 AM
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