『慈愛の輝き』 ジョージ・ハリスン 「George Harrison」 George Harrison(79) 二年以上の空白を吹き飛ばす夢の共演!! 親友エリック・クラプトン、スティーヴィー・ウィンウッド等を迎え、ジョージ・ハリソンが作り上げた待望のニュー・アルバム!!
A面 1.愛はすべての人に- Love Comes To Everyone ノット・ギルティ- Not Guilty 3.ヒア・カムズ・ザ・ムーン- Here Comes The Moon 4.ソフト・ハーテッド・ハナ- Soft Hearted Hana 5.ブロー・アウェイ- Blow Away B面 1.ファースター- Faster 2.ダーク・スウィート・レディ 3.永遠の愛- Your Love Is Forever 4.ソフト・タッチ- Soft Touch 5.イフ・ユー・ビリーヴ 今月1日付で職場異動があり、慣れない環境で悪戦苦闘中の今日この頃。もうクタクタ……。 そんな時に聴きたくなるのが、ジョージ・ハリスン(George Harrison)が79年にリリースした7thアルバム「慈愛の輝き(George Harrison)」である。 セールス的にはまずまずであったが、ファンの間ではこのアルバムをジョージの最高傑作として挙げる人も多い。レコーディング中に愛息・ダーニ(Dhani)誕生。更に訴訟問題やら妻・パティ・ボイド(Pattie Boyd)との破局やらでどん底だったジョージを支え続けてくれた恋人・オリヴィア(Olivia Trinidad Arias)とも再婚し、最も人生が充実していた頃の作品だけにアルバム中に愛が溢れている まさに「慈愛の輝き」という邦題がピッタリの名盤だ。とはいえ原題はただのセルフタイトルなのだけど。
きっかけはルックスだったが、ジョージの一癖も二癖もある音楽も好きだった。特に「ラバー・ソウル(Rubber Soul)」以降の彼の曲は、ビートルズの曲というよりもまさに “ジョージ・サウンド” だった。ビートルズ解散後の70年11月にリリースされたジョージのソロアルバム(それもいきなり3枚組!)「オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Puss)」が各方面から絶賛され、全英で8週・全米でも7週連続1位に輝いたのも当然かと思われる。
話をこのアルバムに戻すと、1曲目の “愛はすべての人に(Love Comes To Everyone)” からすでにジョージらしい温もりと優しさがひしひしと伝わってくる。幸せ絶頂期だった彼からの、幸せおすそ分けソングだ。イントロのリードギターは親友のエリック・クラプトン(Eric Clapton)が弾いており、モーグ・シンセサイザー&バッキング・ヴォーカルでスティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)も参加している。 続く “ノット・ギルティ(Not Guilty)” はビートルズ時代の未発表曲で、その次の “ヒア・カムズ・ザ・ムーン(Here Comes The Moon)” もビートルズ時代の名曲 “ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Comes The Sun)” の続編といえる曲だ。 “ブロー・アウェイ(Blow Away)” はこのアルバムを作るにあたり最初に書いた曲だそうで、ジョージ曰く 「ある日、庭にいたときにすごい土砂降りになって、それでがっかりしている自分に突然気付いた。天候の変化に影響されている自分にね。忘れちゃいけないのは、自分の周囲のあらゆるものが変化しても、内なる魂は変わらないということだ」。 “ファースター(Faster)” はジョージが大好きだったF1の歌だが、当時大事故から見事復活したF1ドライバー・ニキ・ラウダ(Niki Lauda)と出会い、話をする機会を得たジョージは、ニキが家でリラックスして好きな音楽を聴いている時が一番いいと聞き、“ニキが休日に楽しんでくれるような曲なら作れるかも” と思ったという。そして2年ちょいぶりに制作されたのがこのアルバムであった。 もしも天国があるのならば、きっとこのアルバムの音楽がどこからか風に乗って優雅に流れているのではなかろうか…なんてことを聴く度に思ってしまうほどに心地よい癒しアルバムだ。 明日からも元気出して頑張ろうっと