60ばーばの手習い帳

60ばーばの手習い帳

PR

Profile

ブルーピー

ブルーピー

Calendar

Comments

ブルーピー @ Re[2]:●○御簾(みす)を隔てて○●(08/07) 安藤商会さんへ  ありがとうございます…
安藤商会@ Re[1]:●○御簾(みす)を隔てて○●(08/07) ブルーピーさんへ ブログを読んでくださ…
ブルーピー @ Re:●○御簾(みす)を隔てて○●(08/07) 安藤商会さま 『数学指導者の資格を取り…
安藤商会@ Re:●○御簾(みす)を隔てて○●(08/07) お久しぶりです。 数学の学習は順調に進…

Keyword Search

▼キーワード検索

April 10, 2017
XML
カテゴリ: 詩とやまと歌と
星 散…サン、ち(る)ち(らす)ち(らかす)


世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし   在原業平

いつ散るかとはらはらさせられる桜の存在がなかったら、
もっとのどかな心で春を過ごせるのでしょうに。


 詞書は「渚の院にて桜を見てよめる」

 もちろん、業平も桜がないほうがいいと本気で思っている訳ではありません。
開花の期間が限られているだけに、いつ咲くかとはらはらさせられ、
咲いたら咲いたで、今度は散るのが惜しくてはらはら。
 こんな存在はほかにない、と言っているのです。

 春には、梅もチューリップも菜の花も見ますが、花が終わることを、桜ほどは
惜しまないですものね。

 業平と一緒に居合わせたもうひとりの人が詠んだのが、

 散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき

散るからこそ桜はいっそうすばらしいのでしょう。
この世でずっととどまるものなどありはしないのですから。





 上から4月5日、7日、9日の桜(二か領用水)

 桜の開花から散るまでは、人の生き方とも重なります。

残りなく散るぞめでたき桜花有りて世の中はての憂ければ

 うつせみの世にも似たるか桜花さくと見しまにかつちりにけり


 二首とも古今集の、よみびと知らずの歌です。
恋の終わりは嫌なものだから、潔くさっと散ってしまうのがいい。
と桜を見たり、あっという間に終わってしまう人生を思いながら
桜を見たり、花見しつつ思うことはそれぞれです。


春ごとに花のさかりはありなめどあひみん事はいのちなりけり

来る春ごとに花のさかりはきっとあるでしょうが、そこに出会うことは
命あってのことでしたよ。


 同じく古今のよみびと知らずの歌です。
年ごとに、深く心に落ちてくる歌です。

古来、桜は咲く間の短さから、はかなさと潔さが詠まれてきました。
咲く日を待ちわび、満開を喜び、そして、散るのをこんなに惜しまれる花は
ほかにないでしょう。

 花吹雪、桜吹雪、飛花(ひか)、花つもる、花筏…と、
散る桜を指す優雅な言葉もたくさんみつかります。


 新宿御苑にて 花積もる 修善寺寒桜(3月7日)


 飛花、桜吹雪(二か領用水にて 4月9日)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  April 27, 2017 09:01:58 AM
コメント(0) | コメントを書く
[詩とやまと歌と] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: