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2021.03.08
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テーマ: 読書(8289)
カテゴリ: 【読書】未分類

本のタイトル・作者



最後の晩ごはん 地下アイドルと筑前煮(14) (角川文庫) [ 椹野 道流 ]

本の目次・あらすじ


土砂降りの雨の中、定食「ばんめし屋」を一人の客人が訪れる。
派手な頭をした彼女は、東京進出を前に空中分解した地下アイドルグループ「オオサカ・オクトパス」のレイナ。
泥酔した彼女は、「憧れのカイリくん」に会い、日替わり定食「和風おろしトンカツ」を食べ、思い残すことがないように最後の晩餐を終えようとしていた。

引用


「死にたいときにも、美味しいもんは美味しいなあ」


感想


2021年読書:027冊目
おすすめ度:★★★

シリーズ14作目。幽霊の影がうすかった(というか登場しなかった)。
久々の淡海先生は、そういう役回りとは言え「え、何で知り合いなん?」「よう知らんかったわりに親しくない?」と思ったり、まあ物語なので…。
前巻『最後の晩ごはん 閉ざした瞳とクリームソーダ』に登場した中山瞳さんと坂口君のその後も「よかったね」という感じ。

私はとてもよく食べるので、定食ならがっつり系。ご飯は大盛。

「ええこっちゃ。食べるんは、生きていく力やからな」
古い食堂で、「はよ、熱いうちに食べ食べ」と定食をすすめられながら、思った。
食べる力がなくなったら、食べるものなんて何でもいいと思ったら、何を食べても美味しいと思えなくなったら。
それって、かなりヤバい状態なんだろうな。

誰かがごはんを作ってくれる。
それは、誰かを生かすってことだ。
口から入れたものだけが身体を作り、命を繋ぐ。

美味しいものを食べて、美味しいと思えること。
あれ食べたいな、と楽しみに出来ること。
未来を、明日を待つこと。

それが、難しくなること。


ひとりぼっちで、何もかも失って、どこにも行き場がなくて。
でも、そんなときにでも、「ほな、何でも好きなもん作ったる。何がええ?」と訊かれたら、それを寄る辺に出来るんじゃないだろうか。
じゃあ、明日まで、その時まで、生きていよう。
夏神さんは、自分の料理の力を信じていた。

正義も言ってましたね。「もうちょっと生きていたいかも」と思える、宝石のようなものがあれば。
宝石商リチャード氏の謎鑑定 久遠の琥珀 [ 辻村七子 ]

ごはんを作る人、が登場する小説が好きで、たぶんそれは「生きていくこと」についての行動だからなんだと思った。
生かすこと。生きるために淡々と作り続けること。日常を継いでいくこと。命を続けること。

冬瓜の清汁スープ、アオサと生姜を加えたのん、さっぱりして美味しいやろなあ。
ジャガイモにサバの味噌煮缶を加えたコロッケ。どんな味になるんだろう。
甘栗入りの筑前煮!これぜひ試してみたい。

ね?そんなふうに思えたら。
それを積み重ねて、大事に抱えて、生きていけるよ。

これまでのレビュー


○最後の晩ごはんシリーズ
2019.11.07  最後の晩ごはん 聖なる夜のロールキャベツ [ 椹野道流 ]
2020.02.13  最後の晩ごはん 秘された花とシフォンケーキ [ 椹野道流 ]
2021.02.08  最後の晩ごはん 閉ざした瞳とクリームソーダ [ 椹野道流 ]

○ほか
2020.07.08  ハケン飯友 僕と猫のごはん歳時記 [ 椹野道流 ]
2021.03.01  男ふたりで12ヶ月おやつ [ 椹野道流 ]


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最終更新日  2021.03.08 00:00:22
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