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2021.10.02
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テーマ: 読書(8289)
カテゴリ: 【読書】料理
本のタイトル・作者


父ちゃんの料理教室 [ 辻 仁成 ]

本の目次・あらすじ

まえがき
フランス風イカめし
チキンときのこのクリームソース
クロックマダム
ラモンおじさんのスパニッシュ・オムレツ
牛肉のタリアータ
じゃがいもとベーコンのタルティフレット

チキンピカタ
中華風蒸し魚
ラタトゥイユ
スモークサーモンとほうれん草のパスタ
ボロネーゼ
ボンゴレ・ビアンコ
有頭海老のパスタ
ミントと松の実の蕎麦サラダ
煮込みハンバーグ
ポトフ
チキン・ココナッツ・カレー

グーラッシュ、牛肉のパプリカ煮込み
メンチカツ
魚のポワレ、オレンジ塩かけ
キッシュ・ロレーヌ
ロティ・ド・ポーク

鴨のくるみだれ蕎麦
サーモンのパイ包み
ポム・ドーフィン
濃厚抹茶のパウンドケーキ
辻家のアメリカン・クッキー
あとがきにかえて

引用


(略)
パパがなんで料理をするのかというと、料理をしていると嫌なことを忘れられるからだ。ついでに美味しいものが出来るからね。完成した時は嬉しいし、君が食べている姿を見ていると、よかったな、と思えて幸福になる。つまり、嫌なことを回避するのにキッチンは最適な場所なんだよ。


感想

2021年読書:222冊目
おすすめ度:★★★★

フランスで暮らす著者による、レシピと思い出のエッセイ。
台所からもうすぐ巣立って行く息子へ、愛情をこめて書いた別れの手紙のような。
幼い頃から今までの、アルバムをめくりながら語るような。
そんな、素敵な一冊。

シングルファザーになって、毎朝米を研いでいた時の話。
とにかくこの子に食べさせなくてはいけない。
作って、作って、作って。
食べてくれた。美味しいと言ってくれた。元気になった。
泣きたくなるような日常の積み重ね。

登場するレシピは、どれもシンプル。
でも、時間や手間がかかっている。
写真もきれいで、とても美味しそう。
作らなくても、見ていて、読んでいるだけで食べた気になる。

この方は、ほんとうに料理が好きなんだなあ、と思う。
なにかを作って、食べさせるのがすきなひとだ。
そして、そういうひとが語る話は、とてもすてきだ。
毎日ごはんを作ってきた人の自負。地に足がついている者の強み。

料理は祈りだ、と『料理と利他』を読んだ時に思った。
それと同じことを、この本を読んでも感じた。
祈っている。朝に、昼に、夕に。作ることで。食べることで。
どうか、私が、私の愛する者が、すこやかであるように。
さいわいであるように。つつがなく、幾久しくあるように。
日常のなかにあってそれは俗な「ケ」なのだけれど、聖でもある、気がしている。

ミントと松の実と蕎麦なんて、どんな味がするのかしらん。
きのこと栗の組み合わせは、美味しそう。試してみたい。

玉ねぎの皮のむき方、片側は切り落とすときに少し残してべろっと剥がれるようにするというの、はじめて知った。今度やってみよう。

レシピの中で一番作ってみたい!と思ったのが「辻家のアメリカン・クッキー」。
ハイカロリーそうで常備おやつにするには危険そうだけど!
最近クッキー作っていないから、作ろうかな。

レシピのすごいところは、それが「再現可能である」ということだ。
もちろん、材料が手に入るか、だとか、手法が道具が、ということはあるのだけれど。

何かを本で目にしても、それは基本的には自分とは関係ないところにある。
でも、レシピは、「自分でもそれを作り出すことができる」。
どこでもドア?3Dプリンター?
そういうものに似た興奮を覚える。
私がその気になれば―――この美味しそうな料理をすべて、私が作って食べることができる!
できる、と思うだけでも、楽しい。

料理は苦痛だ。
日々追われる労役。
でも、それだけじゃない。

これまでの関連レビュー

なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない [ 辻仁成 ]
料理と利他 [ 土井善晴×中島岳志 ]




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最終更新日  2023.01.01 20:43:25
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