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2022.03.13
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本のタイトル・作者



それわ英語ぢゃないだらふ [ 大西 泰斗 ]

本の目次・あらすじ


第1章 学校文法
第2章 新しい文法
第3章 イメージ
第4章 英会話の学習

感想


2022年061冊目
★★★

NHKの「ラジオ英会話」、「英会話定番レシピ」を担当されている大西先生。
私の英語学習の心の師匠。

今年度は文法がテーマの「ラジオ英会話」。

はじめて目が開けたというか、皮膚感覚、イメージ、身体感覚として、助動詞や過去完了形などの時制を感じることができた。
これまでぼんやりしていた、とめどない「?」が、ようやく分かって来た。
ああ、そういうことだったのか、と。

中高、大学(も少し)と英語を学んで来て、それでも英語が話せないのは何故なのだろう?
英文を読めば、時間はかかるけど、「読み下す」ことは出来る。
私の場合、受験の際は日本語の知識でかなり英語を補っていて(本をたくさん読むので)、何とかなっている部分が大きかった。
でも、海外に出れば―――私はヨーロッパを何か月かバックパッカーで回ったり、英語しか話せない場所で数か月過ごすことがあって、まったく聞き取れない・話せない自分に驚愕した。

どうして?

日本語と英語は懸け離れているから、日常的に英語を話す機会がないから。
言い訳をしても、同じ条件の非英語圏の人たちが、英語圏の大学レベルで会話をしている。
私はとてもそれに付いて行けない。

努力が足りない、勉強が足りない。それだけなのだろうか?
何かが間違っている気がする―――そもそもの、前提が。

きっとそれは、英語じゃないのだろう。

大西先生のこの本は、はじめタイトルから英語に関するエッセイだと思っていた。
違った。

「ラジオ英会話」と「英会話定番レシピ」で繰り返し繰り返し先生が仰っていることが、この本にも登場する。
けど英文法の本として読むには英語教育語りが多く「ちょっと違うな」となると思うので、ピザで言うとハーフ&ハーフみたいな感じ。
先生の日本の英語公教育に関する義憤と、新たな英語学習方法獲得への啓蒙、何より英語愛にあふれている。
いつもダジャレ飛ばしているから忘れちゃうけど、大西先生ってカリスマ言語学者(英語)なんですよね。
この本も論文形式の脚注があり、「ああそうだ、大西先生って『教授』だったんだ」と(失礼)思い出した。
(ところで私は大西先生の本のイメージ説明のイラストがちょっと苦手。黒塗りでたぶん金田一とかコナンの犯人を思い出すから。)

冠詞は名詞につくのではなく、英語話者はあくまでも語順通りに、冠詞→名詞という意識なんですね。
フランス語やドイツ語を勉強した時に、「女性名詞・(中性名詞)・男性名詞」によって冠詞が違う、というのを習った。
その時にフランス語の先生が言っていた。
普段使わない単語は、ネイティブでも冠詞を間違える。ただ、冠詞と名詞はセットでひとつの単語として認識しているから、口の中で何度か転がすと正しい冠詞を選べるのだ、と。
今私は、英作文する時に一生懸命名詞から冠詞選んでます!苦笑

しかし大西先生のフィルターで英語を見るようになり、意識が変わったな、と思うのは、英単語帳をやっていても、その「単語」より、例文の「冠詞」や「助詞」「助動詞」に目が行くようになったこと。
どうしてここに、これを使うんだろう?
そのイメージは、感覚は、どういったものなんだろう?
それが知りたい。分かりたい。使えるようになりたい。

042. 頭のいい人が実践する 6回やるだけ勉強法 [ 齋藤孝 ]

で、「生理感覚勉強法」が紹介されていた。
たとえば先生が「He play tennis.」と言った時、「おえっ」という動作か、「ほっ」という動作をする。
その表現が自然かどうか、違和感を動作で反射的に示すことで、生理的に表現の正しさを身に着けていく…というもの。
大西先生は音読を続けることで、英語の「自然さ」を体得するように仰っている。
私は先生が音読音読言うてるのを右から左に聞き流していて(日本語だけに)あかん生徒なんですが、本当に音読は本気でやったらめちゃくちゃ効果ある、と思う。

日本人は読むのが絶望的に遅い、というのも、英文を漢文方式の「書き下し文」にしているからなんですよね…。
今年また薄い洋書にチャレンジして、自分のスピードがもう壊滅的に遅くて、苛々した。
単語が分からない。それは仕方ない。
それだけじゃなく、一文を読んでから、前に戻って文法構造を見ようとしている自分がいる。
英語は英語のままに!
戻らないようにしたら少しずつスピードが上がって来た。
たぶん3割くらいしか理解できてないけど!笑

出来るだけたくさんの文章を覚えること。
そしてそれが口から出るようになること。
「英作文は英借文だ」という言葉も聞いたことがある。
大西先生は「共通のリソース(貯水池)の水をくみ上げて会話をしている」と仰っている。
ここらへん、村上春樹氏が小説を書く時の「井戸を掘る(各個人に共通する感情の基盤、記憶のようなものに触れる)」ということにも通じている。

私には、英語は海の向こうの島、に思える。
けれど同じ岩盤で繋がっている―――海で隔てられていても。
私はそこへ行きたい。そこから何が見えるのか知りたい。
だから、勉強する。

私にとって、大西先生の「ラジオ英会話」は、温水プールでの泳法授業。
「英会話定番レシピ」は、「嵐が来たら」や「上陸したら」のサバイバル授業。
そこで身に着けたものを携えて、私は海へ出る。
少しずつ遠くまで距離を伸ばして、いつかあの島へ辿り付く。
その時見える景色を、私は楽しみにしている。
(たとえそこから、更にその島の山へ登らなくてはならなくとも!)

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最終更新日  2022.12.04 00:31:46
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