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2022.05.26
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テーマ: 読書(8289)
カテゴリ: 【読書】子育て

本のタイトル・作者



学校が合わなかったので、小学校の6年間プレーパークに通ってみました [ 天棚 シノコ ]

本の目次・あらすじ


プロローグ やめてもあんがい大丈夫だった
  ホームスクーラーになってみた
  プレーパークに通ってます
  学校に行っていないとどうなる?

ミルコ小学一年生、学校からはみだすまで
  学校の下請けになっていた
  「〇〇くんはバカだよ」ショック
  どんな教室だったのか
  ミルコの異変と学校訪問

  子どもには決められない?
  一人ひとりの成長を支える場はたしかにある
  学校に「やめます」と伝える

ミルコ小学二年生、勉強もときにする
  週三十分の学校滞在
  プレーパークの「いいかげん」な距離感
  ミルコの時間がゆったり流れる
  電車通いでデモクラティック・スクールへ
  「自分に合わない場」を感じとる力
  遊ぶって、こういうことだよね

ミルコ小学三年生、市民活動にも参加してみる
  ミルコ、ディスカッションに参加する
  ミルコ、学校について意見を言う

  母シノコ、目からうろこをはがされる
  子どもに聞けばよかったんだ
  家族の時間と、異年齢集団と
  ミルコのチャーハン記念日

ミルコ小学四年生、本気で遊んで、遊んで学ぶ
  ふたたびの漢字ブーム到来

  「教育機会確保法」で雰囲気が変わった
  行かない学校とどうつきあうか
  祖父母や親戚には「心配してくれてありがとう」
  パートナーとの話しあいは何度でも
  一致点を見つけ、情報をもちよる
  ミルコが「怖い」と言ったのは……
  母シノコ、入院する
  子どもたちは今日も本気で遊んでます

ミルコ小学五年生、こどものまちで仲間と盛り上がる
  脱力系? 子どもがつくる「こどものまち」
  「大人のお膳立て」からどう抜け出すか
  子ども会議は踊ったのち、進みはじめる
  ミルコ、ハロウィンのイベントを企画する
  学年が上がると忙しくなる子どもたち
  遊ぶ、失敗する、学ぶ
  鬼ごっこトレーニング最強説
  習いごと漬けだった子ども時代
  しんどさの果てに見つけたもの
  ミルコ、林間学校では火おこしスキルを封印

ミルコ小学六年生、修学旅行や学芸会に参加する
  ワクワクの修学旅行とクラスメイトたち
  主役をやった最後の学芸会
  イヤなものをイヤと言えること
  「いま」がどれだけ貴重なものか
  おしゃれ大好き、走るの大好き
  親も「○○でなければならない」から自由に
  スクールを探してみる
  楽しみきった六年間の先へ

引用



百貨店でも、ショッピングモールでも、靴は山ほど売っている。学ぶ場所だって、自分にあったところを、本当は選んでいいはずだ。


感想


2022年129冊目
★★★

引用部分の言葉に、ブレイディみかこさんの著書『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で紹介されていた「他者の靴を履く」を思い出した。
でも、そもそも自分の靴が合っていなかったら?
無理にでもその靴で歩き続けないといけないとしたら?

著者は、子どもをもともと共同保育(というのか、あの、保護者が子どもたちを公園などに連れてきてお互いに遊ばせる)に娘を連れて行っていて、保育園や幼稚園には通わせていなかった。
そして、小学校。
子どもが他の子を馬鹿にする発言をし始めたことにショックを受け、子どももまた画一的な教育環境のなかで、逸脱を叱責されるクラスメイトを目の当たりにし、学校に行きたがらなくなった。
そこで1年生で自主退学(制度的には「退学」ではなく、在籍はしている)。
ホームスクーリングを選択する。

はじめは「デモクラティック・スクール」(子どもたちでルールを決めて運営する学校)も通ってたけど、遠くて通わなくなる。
近所にある「プレーパーク」(解放された遊び場)に通い始め、小学校六年間を過ごす。

私は家系的に不登校一族なので(どんな家系だ)、うちの子もそうなるかもな、と思っている。
というわけで、こういう先輩方の本を読んでは「ふむふむ」と思っているんだけど…プレーパークだけってすごい。私はここまで思い切れない。
特に学習面において、著者は子どもが自分で気づき、学ぶまでは無理やり教えない。
いや…無理やわ…。せめてその学年の単元は習得させてしまう。
だって子供には、己の無知を知るすべもないのだ。
生活のなかで触れる「知りたい」だけだと、どうしても世界は狭くなると、思う。

ただ、娘さんにとってこの六年間はきっと、すごく濃厚で楽しかっただろうな、と思う。
毎日毎日「明日何しよう」って目覚められたら、それはもう、子育ての正解だ。
私?「明日目覚めるまでに世界が滅びていますように」って願いながら毎晩眠りに就いていた。
そして朝起きるたびに絶望していた。

四角い部屋で前を向いて座る。何時間も。
みんながカリカリ鉛筆の音を立てる。
四角い時間割。時計がのろのろと進む。
私は立ちあがって叫びだしたくなる。
ここにいたくない。
それでも私は椅子に座っている。
必死に頭の中で違うことを考えながら。
何時間も何時間も、遠くへ逃げ続ける。

私は大人になって好きなことが出来るようになり、ほんとうに良かったと思うし、だから子どもにはみんな大人になるまで生き延びてほしいと願っている。
でもそのために、こども時代が犠牲になってよいのか。
我慢したから、今があるのか?
でも私がやりたかったことは子どもの頃から変わらなくて、そのまま大人になっているのに?
学校は、「会社員」という労働力になるための訓練なのだろうか?

今年の小学校入学前、娘には「学校というところがあるが、そこに行きたいか」と訊いた。
「行かなくても生きていけるが、自分で勉強しなくてはいけない」
娘はしばらく考えて、「自分で勉強するのは大変そうだから、とりあえず行っとくわ」と答えた。
今のところ毎日楽しく通っていて、私は過去の自分と娘は違う人間なのだと痛感する。
でも私は、娘に言いたかった。

そこは絶対の場所じゃない。
選択肢はあなたにあるのだ、と。

娘が学校に行かなくなったら、私はきっと狼狽えるだろう。
どうして、と問うだろう。
制度ではなく、娘のほうを。
悩み、詰るかもしれない。
でも、そうじゃない。
それを娘に問うことで、その時が来た時のために自分でも覚えておきたかった。

あなたは他の靴を履くこともできる。
自分に合った靴を見つける権利がある。
だから、だいじょうぶだよ。

踵を切り落とさなくても、ぶかぶかの靴で遊ばせなくても。
あなたには、あなたの靴がある。
それを見つけられる。
ぜったい、だいじょうぶだよ。




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最終更新日  2022.12.04 00:10:45
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