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2022.11.09
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テーマ: 読書(8289)

本のタイトル・作者



倒産続きの彼女 [ 新川 帆立 ]

本の目次・あらすじ


祖母と二人暮らしの美馬玉子は、風邪を引いた同期の代理として、先輩・剣持麗子と組んで倒産間近なゴーラム商会の内部通報を調査することになった。
曰く、経理部の近藤まりあは、転職前の会社がすべて倒産しているという。
彼女が暗躍し、ゴーラム商会を倒産に導いているのか―――?

引用



叫びながら、涙と鼻水がこぼれてきた。
「逃げるな!生きて働け!」


感想


2022年289冊目
★★★

元彼の遺言状 [ 新川帆立 ]

の続編。
と思って読み始めたら、主人公が麗子じゃなくて「あれ?」となった。

主人公は、麗子の1年後輩の女性弁護士・玉子。

祖母と二人で東京へ出てきて、奨学金で大学へ通いながら勉強。
弁護士になり、大手事務所に入って暮らしは楽になったが、ハードワークに加え、祖母の面倒も見ないといけないので生活は楽になっていない。

麗子とは真逆のような玉子(しかし彼女もまた優秀)。
自分は化粧しないと可愛くない、こういう格好をしないといけない、男受けを狙って…。
と、卑屈でジェンダーに縛られていた彼女が、麗子の影響を受けて変わっていく様子は応援したくなった。

物語のストーリー仕立ては「ふうん」という感じで、特に首切りのあたりは「いやそれは」と思った(そんなこと可能なの?)。
あといくら復讐のためとはいえ、制度そのものの転覆を狙う割にやってることがズレているというか、そのために毎月30万円をどうやって工面していたんだろう…。

前作「元彼~」で麗子ファンになった私としては、第三者視点で麗子を見られて面白かった。
そうだよね。自分自身の内面の葛藤って目に見えないし、悩みの大きさって人それぞれ。
麗子は、玉子からしたら恵まれすぎるほど恵まれ、すべてを手にしているように見える。
一方で麗子は、玉子が持っているものを欲しがって、得られなくてもがいていた。


経営者の保険が自殺でも出るのって、「最後の最後に死んで清算する」という道を残しているような気がしてぞっとした。
自己破産してもいいんだぜ。生きていれば何とかなる。
迷惑をかけるから、死んでお詫びする?
そんなこと、ない。絶対にない。

生きていれば大丈夫だ。死んでどうにかしようと思えるなら何でもできる。


と、その間際の両親の暗い顔をずっと見てきた、商売をしていた家の娘の私は、おもうよ。

自分だけ身軽にならないで。楽になって、赦されようと思わないで。
逃げるな。生きて働け。
生きていてほしい。それだけが望みだ。

これまでの関連レビュー


元彼の遺言状 [ 新川帆立 ]



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最終更新日  2022.12.03 23:21:07
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