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書名あした、弁当を作る。 [ ひこ・田中 ]感想2023年183冊目★★★タイトルと表紙が気になっていた本。ちらっと内容見た感じ、「今まで毎朝息子と夫のお弁当をつくっていたお母さんが『なんで毎日わたしが作らないといけないのよ!』とブチギレて弁当作りをボイコット、息子と父は初めての弁当作りに挑戦する」という話かと思ったら違いました。勘違いがはなはだしい。思春期男子のお話でした。仕事人間の父、専業主婦の母、一人息子のタツキ。ある朝、タツキは玄関で自分の背に触れようとした母の手に「ぞわり」とする。母のつくる弁当にも「なんだかいやだな」という気持ちになり、自分で弁当を作ることを宣言。父に「母さんの仕事を奪うな」と言われ、母に「私が嫌いなの」と泣かれても、弁当作りを続ける。息子にベッタリの母は、息子の世話をすることで自分の存在意義を確かめていた。愛情という名前をした、支配。それから逃れようとするタツキの、反乱の物語。「ただの弁当を作る話やなくて、なんかすごい話を聞いたような気がするわ。それって反抗期かなあ」アヤが首をかしげた。「絶対、反抗期だよ。いや、すげー、すげーよ、タツ。反抗が弁当作りっていう、斜め上の発想がすごいよ。自分で弁当作る反抗期なんて、オレには絶対に思いつけない」主人公タツのこれは、反抗期、なんだろうなあ。でもそれを、友人に「自立」と言われ、そうかと納得する。自分で自分のことができるようになりたい。ひとに自分のことを決められたくない。やってみたい。試してみたい。失敗してみたい。ぼくはぼくでいたいだけだ。私は実家暮らしだったとき、家事をしなかった。母がやっていてくれたことの有難みを感じたのは家を出てからで、でも同時に自由だとも思った。家事をしたくても、あるいはしてみても、そのたびに「ダメ出し」されることが嫌だった。贅沢なことなのであろうけど。自分のやり方がベスト。それ以外は間違っている。新規参入者に排除の方向で働くのは、あかんよな。自分も自分の子供にそうなってしまいそうで、自戒。この本は、児童書。「小学校高学年から」とある。本当に反抗期になったティーンエイジャーはこんな本読んでくれないんじゃないかと思うので、小学校の高学年くらいの(特に男子)に読ませたい一冊でした。先日、ひさしぶりに会う中学1年生の甥っ子にプレゼントしようとしたけど書店で見つからず、取り寄せる暇もなかったので、代わりにミヒャエル・エンデの『モモ』を選んだ。これもまた読んでくれなさそうなものを。そして買った後で気づいたけど、私たぶん甥っ子の父(私の兄)が就職した後、『モモ』プレゼントしたことあるな…。まあ、『モモ』なんてなんぼあってもええですからね!ひとり一冊どころか何冊かあってもね!笑にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.20
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書名ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした [ マーク・ボイル ]目次プロローグ 自分の場所を知る 冬 春 夏 秋 シンプルであることの複雑さ後記無料宿泊所〈ハッピー・ピッグ〉について感想2023年182冊目★★★2023.01.03「2023年の課題図書48冊」の1冊。もともと、前に読んだぼくはお金を使わずに生きることにした [ マーク・ボイル ]が結構衝撃で(1年間、お金をまったく使わずに生活してみる試み)、その著者が出した「続編」を見つけて「この人その後どうなったんやろう」と思っていた。タイトルから、「スマホ断ち」「オフグリッド(電力自給自足)」みたいな話なのかなと。違いました。テクノロジーを使わずに生きる、の徹底っぷりがすごい。舞台は著者の故郷、アイルランド。貨幣経済が、資本主義が、根こそぎ自然も社会も変えてしまった、そのあとの世界。そこで著者は、すこしのお金で生きていける「自給自足」を行う。スマートフォン?もちろんない。離れたところの両親との連絡手段は、手紙。この本も、鉛筆と紙で書かれた。時計もない。誰かに会いたい時は、歩いていく。野菜を育て、魚を釣り、薪を割り…。際限なくある「仕事」で忙しくしながら、著者は「なぜ自分はこうしているのか?」を問う。それでも、元の暮らしには戻れないのだと。少なくとも自分がこうしている限り、自分は自分に嘘をつかずに済む。万が一にもできるならば、産業文明が濫造した「レンズ」を取りはずして、自分自身の目で、この世界をありのままに見たい。もっとも根源的なレベルにおいて人間は動物であるけれども、その事実が真に何を意味するのか、ぼくにはまだ、ほとんどわからない。何年も前にこう決めた。生計を立てるためにわが人生をついやすのではなく、わが人生をじかに生きよう、と。(略)自分の魂を、いちばん高値をつけた入札者に売りたいとは思わなくなった。今のわたしたちの暮らし。一握りが享受する、便利で快適な暮らし。誰かを、何かを、多大に消費し、犠牲にし続ける生活。それに目を瞑って、気付かないふりをして。SDGsなんて言葉できれいに覆って、未来をラッピングする。「持続可能な開発目標」の裏返しは、「壊滅的な衰退」が現状の延長にあるから。今、そこに繋がる道を着実に歩んでいるから。何かが、徹底的に、決定的に、間違っている。その感覚を拭えない。違和感を抱えたまま、矛盾を孕んだまま、日々に忙殺される。そんなことを考える暇もないくらい。今が良ければいい。自分が逃げ切れるなら。けれど、そのあとは?使わない能力はたしかにおとろえるものの、思うに、まともな字を手で書けない第一の原因は、一分間に四十ワード書こうとするから、ようするに電子メールと同じ速さで手紙を書きあげたがるからだ。速度を落としさえすれば、きちんとした字を書くのは易しくなる。速度を落としさえすれば、何事にせよ、きちんとやりとげるのが易しくなる。時々、道を歩いていて思う。私はこのまわりに生えている植物の名前をほとんど知らない。それが食べられるのかどうかも、薬になるのかも、何に使うのに向いているのかも。雲の形から天気を予測することも、飛んでいる鳥を捕まえることもできない。たった数十年前には、当たり前だった知識は、のきなみ失われた。冒険図鑑 野外で生活するために (福音館の科学シリーズ) [ さとうち藍 ]子供の頃、『冒険図鑑』という、野外で生活する術が図解された分厚い辞書のようなこの本をずっと読んでいた。何かあったらーーーこの本で身につけた知識を活かそうと思いながら。木から器を作る方法。川での魚の捕まえ方。大きな森の小さな家 インガルス一家の物語1 (世界傑作童話シリーズ) [ ローラ・インガルス・ワイルダー ]『ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした』を読んでいる間じゅうずっと、懐かしいような気持ちだった。何故だろう、と思っていたら、これも子供の頃何度も読んだ『大きな森の小さな家』の世界と、著者の暮らしが同じだったから。厳しい暮らしなのに、それに憧れるような気持ちがあるのは何故だろう。生きている感じ、がするからかな。荒々しい自然と対峙して真剣勝負をする。剥き出しの生。そうしたら、生きている、と思えるんだろうか。でも一方で、この著者の暮らしに疑問を覚える自分もいる。そこまでしなくていいんじゃないの?今の少子高齢化が叶ったのは、技術進歩があったからじゃない。それを否定するだけの、「後退」の価値はあるの?それでもスローダウンは必要だと思う。でもこの世界で生きていくにはお金も必要で。猛暑が続く。エアコンの適切な利用を。この機械がなければわたしたちはどうなるの?でもそもそも、この機械を使い続けることがもっと暑い日を生むんじゃないの?どうやって作ったかも、どうやって動くのかも分からない機械。自分で作れも直せもしない機械が、命を握っているなんて?それでもエアコンを使わずにはいられなくて、それこそが今の問題そのものみたいに感じる。問題だと思って、でもそれに気づいたときには、それなしではいられないようになっている。テクノロジーを使わずに生きることにした著者は、でもこの世界で、ひとりでそのやり方をするには限度があることにも気付く。世界の毒は、どこにも回る。影響を受けずにいられるものはない。けれど、それでも、「何かがひどく間違っている」世界の片隅で、昔の技術を学び、実践していく著者はすごい。もしかしたら、医療やエネルギーの先端技術はそのままに最小限の精鋭として、それ以外を違う形で変えていくことはできるのかも。テクノロジーを使わずに生きることはできない。著者も自問する。火を使うのはテクノロジー?ナイフは?そのバランスを、見直さなくては。わたしたちにとっての火と、ナイフは何なのか。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.19
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書名祖母姫、ロンドンへ行く! [ 椹野 道流 ]感想2023年181冊目★★★★これはね、良かったです。「ステキブンゲイ」でのWeb連載「晴耕雨読に猫とめし」の書籍化。素敵な表紙は、よく見るとちぎり絵になっている。しかもこれ、ネットのページを見たらカバー装画は、『90歳セツの新聞ちぎり絵』で話題の、超絶センスのおばあちゃん・木村セツさんが担当。「祖母と孫」のお話にふさわしい新聞ちぎり絵(クロテッドクリームと苺ジャムのせスコーン)が目印となります。とのこと。椹野道流さんは、ドラマ化もされた『最後の晩ごはん』シリーズなど、ライトノベル系・BL系の小説を多く書かれている方。ちなみに法医学者、監察医でもいらっしゃる。私は「最後の晩ごはん」シリーズが好きで、そこから入ってほかのシリーズも読んでます。今回、エッセイは初めて。内容は、フィクションかと思うようなお話。2時間ものの映画にしてみたいと思うような物語。ドタバタコメディ、そしてヒューマンドラマ。リッチな旅行のホテルの内情を知ることもでき、また少しのラブストーリー要素もある、盛りだくさんの英国滞在記。著者はおそらく現在、50代後半〜くらいじゃないかと思うのだけど(1996年にデビュー)、その彼女が20代後半くらいだったころのお話。正月に集まった親戚たちの間で、祖母の「死ぬまでに英国へ行ってみたい」という願いを叶えてやろうという話になる。スポンサーは叔父たち。ガイドに白羽の矢が立ったのは、英国留学経験のある著者。著者はアテンドとして姫君気質の祖母を連れ、二人はファーストクラスの飛行機に乗り、5つ星ホテルへ滞在し、日々気まぐれで配慮が必要な祖母と観光にでかけていく。「大切なのは、お祖母様には何ができないかではなく、何をご自分でできるのかを見極めることだと思います。できないことを数え上げたり、時間をかければできるのにできないと早急に決めつけて手を出したりするのは、結局、お相手の誇りを傷つけることに繋がりますから」お年寄りの介助をしたこともなかった著者は、行きの飛行機でCAに教えを請う。CAは、数時間かけて著者に高齢の乗客に対するサポート方法を伝授してくれた。「当ホテルのゲストでいらっしゃるからには、このロンドンで、ひとりぼっちで解決しなくてはならないことなど何ひとつありません。困ったことがあったら、必ずお電話を」宿泊先の5つ星ホテルは、専属のバトラーが付き、世話を焼いてくれる。ホスピタリティの権化。ここ、映画「クレイジー・リッチ!」の冒頭を見たところだったので(シンガポールの大富豪の夫人が、アジア系というだけでスイートルームの予約を「お間違いでは?」と追い出されそうになる)、本当の高級ホテルは「東洋の猿め」みたいな態度を取らないのだな、と感心した。当時は今よりもっと人種差別がひどかったのでは?と憶測するのだけど、この本には(意図的かもしれないけれど)一貫して登場しない。祖母が寝た後、留学時代の仲間と再会するため、夜の街へ繰り出す著者。それを見たホテルの従業員たちは、彼女を「お金持ちの老婦人と、その秘書」と誤解する。同じ「仕えるもの」として親しみを込めて、仲間内のように扱ってくれるホテルの人たち。ここがこのお話(エッセイ)の肝。「祖母と孫娘」ではなく、「奥様とお付」と誤認されたからこそ、ホテルの従業員たちは裏側を見せてくれる。最後、ソウルメイトでもあった元ボーイフレンドに会いたいという著者の願いを叶えようと、みんなが力を合わせるところは、ロマンチックで涙が出そうに美しい。きらきらしたものが好きな祖母を連れ、観光で美術鑑賞に赴く著者。5歳くらいの男の子が絵の前にはられたロープをくぐったところを目撃する。そのとき、美術館の人はただ腰をかがめて、子どもにこう言う。"Be a little gentleman!" 「小さな紳士であれ」そして「ご協力ありがとうございます」と子どもと握手をした。その光景に胸を打たれた著者。祖母もまた男子には「小さな武士であれ」、女子には「小さな清少納言であれ」と言うべきであったかと口にした。なぜ小野小町や紫式部ではなく清少納言なのか?と尋ねる著者に、祖母は面白い文章を書いて主を支えた清少納言の生き方こそ美しいと言う。「小説を書いて食べていくんなら、そういう書き手になりなさい。有名になりたい、褒められたい、売れたい……そういう欲はグッと抑えて、何より、誰かの心に寄り添うものを書きなさい。自分のためだけの仕事は駄目よ。たとえ売れたとしても、儲かったことより、たくさんの人の心に触れられたことをこそ喜んで、感謝もなさい」なるほどなあ、と思った。椹野さんの作品は、「誰かの心に寄り添うもの」だ。寒い日のあったかいお鍋みたいなお話が多い。滞在中、おしゃれに興味もなく、化粧っ気もない著者に、「お姫様」な祖母は言う。「もっと綺麗になれる、もっと上手になれる、もっと賢くなれる。自分を信じて努力して、その結果生まれるのが、自信よ」堂々とした態度で、いつも物怖じすることなく突っ込んでいく祖母。その源は、たゆまない努力だった。そして、その努力を続けられる自分への、信頼。自信満々であること。自分を卑下する著者を、祖母は「自信がないだけではなく、自分の値打ちを低く見積もっている」と一刀両断する。「謙虚と卑下は違うものなの。自信がないから、自分のことをつまらないものみたいに言って、相手に見くびってもらって楽をしようとするのはやめなさい。それは卑下。とてもみっともないものよ」(略)「楽をせず、努力をしなさい。いつも、そのときの最高の自分で、他人様のお相手をしなさいよ。オシャレもお化粧も、そのために必要だと思ったらしなさい。胸を張って堂々と、でも相手のことも尊敬してお相手をする。それが謙虚です」ぐっさーと刺さる著者。これ、私にも刺さった。「私なんてこんなもんなんで」と相手にへらへら媚び諂う。「たいしたもんじゃないんで」。そうして自分を下げておけば、踏みつけられても笑っていられる。相手に見くびってもらって、楽をしようとしている。本当の自分を見せるのが怖いから。本当の値打ちを知られるのが怖いから。努力をしない努力をする。たぶん一番怖いのは、人に自分の値打ちを知られることじゃない。自分が、自分の本当の値打ちを知ってしまうことだ。祖母姫はそれを許さない。自分を信じて、努力を続けるよう、叱咤激励する。その結果生まれるものが「自信」だと。自分を、信じること。祖母と孫娘。ふだんそんなに親しく交流しているわけでもない距離感の二人の旅。一度きりの濃密な時間。世代を超えて伝えるもの、語り継ぐこと。私は父方母方、どちらも祖母が存命だけれど、こんなことはないだろうな、と思った。微妙な関係性もあり、あと十年、二十年前だったとして、こんな風に祖母と孫で旅に出ることはなかっただろう。だから本を読んでいて、ちょっと著者が羨ましかった。繋げなかった糸。私にとっては、本が祖父母でもあるんだろう。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.18
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書名ジェイソン流 お金の増やし方 [ 厚切りジェイソン ]目次CHAPTER.1「Why!? お金を増やしたいのにどうしてなにもしないの?」CHAPTER.2「お金を増やすための最初の第一歩は支出を減らす」CHAPTER.3「ジェイソン流、お金を増やす10の方法」CHAPTER.4「資産形成は自分の人生を手に入れる手段」<コラム>・「良い借金」と「悪い借金」など感想2023年180冊目★★★この本長いこと売れてるなあ、と思って、読もうと思って間違えて2023.05.29 パックン式お金の育て方 [ パトリック・ハーラン ]を読んでました。それ厚切りジェイソンじゃなくてパックンや。「白人男性」という括りが大雑把すぎる。厚切りジェイソン(アツギリジェイソン)1986年アメリカ・ミシガン州生まれ。17歳の時に、飛び級でミシガン州立大学へ入学。卒業後、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校へ進み、エンジニアリング学部コンピューターサイエンス学科修士課程修了。現在は3姉妹のイクメンパパながらIT企業の役員も務める二刀流芸人であり、NHK「えいごであそぼwith Orton」にレギュラー出演するほか、情報番組でコメンテーターを務め、ドラマや映画に出演するなど幅広く活動しているというわけで同い年だったよ厚切りジェイソン。読んでみて、「なんでこの本がそんなに売れているんだろう…」と思った。いや、面白いし、こういう本をあまり読まない人にはためになる内容。でも、よくある投資本(どちらかというと「徹底した倹約」×「ドルコスト平均法での積立投資信託」なので、FIREの人の本に書いてある内容)だった。「ジェイソン流・本気の節約術」が、① 自動販売機やコンビニでなるべくペットボトル飲料は買わない!② 必要がないならコンビニに行かない③ 交通手段はまず歩く!④ より安いスーパーで大量買い&割引買い⑤ スペックが大して変わらないなら安い代替品で対応⑥ 洋服は基本買わない or お下がり⑦ 飲み会には基本行かない⑧ ジムは公共施設を活用⑨ サブスクリプションサービスは見直す⑩ ポイント倍増にだまされない。ポイントはごほうび遣いをしない。⑪ 欲しいものは少し待ち、安いものを買う⑫ 家族がお金に大して同じ価値観を持つここに「自炊」「固定費の見直し」も入れたほうがいいと思う。①のペットボトル飲料。先日気づいたんですが、うちの子、たぶん自販機でものを買ったことがない。まずは水筒を持っていく。それがなくなれば、スーパーがあればスーパーで買う。どうしてもなければ、コンビニ。自販機で買うことはない。「いつか自動販売機でジュースを買ってみたい」とうちの子は言う。②のコンビニ。私は年に1〜2回しか行かない。やっぱりスーパーに行くので。3の「交通手段はまず歩く」は、東京に住んでいないと出来ないな…。我が家は車がないので、移動手段は「徒歩」「自転車」「電車」。それを言うと周囲の人に驚かれる。え、あそこに住んでて、車乗らないとかあるの…?1家庭に2台とかあったりするよね…?徒歩20分でも30分でも歩いていくけど、「かわいそう」な目で見られることが解せぬ。環境にも良いし運動にもなる。お金もかからない。一石三鳥ではないか。④スーパーでの大量買いは、私はあるだけ使っちゃう(在庫を抱えていることが精神的負担。管理できないから)ので、向いてなかった。スーパーに行くとつい「ついで書い」をしてしまう。レジに行って「え?」という金額に…。私に一番効果があったのは、「店に行かない」こと。毎週、宅配生協を頼んでいて、上限税込み6000円と決めて注文している。それが一番節約になっているし、スーパーに下手したら2〜3週間行かない。⑤の代替品は、ものによる。耐久性があるもの(靴やバッグ)は、自分が本当に欲しい物を手に入れないと、永遠に「手軽な代替品」を取っ替え引っ替えすることになり、安物買いの銭失いになりがち。それなら「本物」を買うほうがいい。ただ、私はコーヒーをよく飲むけど、ドリップコーヒーをやめてインスタントにした。ドリップのほうが美味しいに決まっているんだけど、ゴミも多く出るし、コストも高い。「コーヒーを飲む」という行為自体が気持ちの区切りになっているだけなので、インスタントでもよいと割り切ることにした。(ちなみに白湯はチャレンジしたけど挫折した。白湯ではだめなのだ…)⑥洋服はねえ。年上の男の子がいる家庭が複数あって、息子はお下がりをたくさんもらうのだけど、娘はない。子供の服は、うちは「娘・息子」ということもあり、西松屋の安い服を数枚買って着潰している。エコじゃないなあ、と思うんだけど。⑦飲み会は、月1回くらい行っちゃう。1次会で帰るようにしているけど、なかなか知人と会う機会もないので、それくらいしかお金使うタイミングないから良しとする。⑧ジムは公共施設を活用…は、そもそもジムに行ってない。子供が大きくなったらジムに通ってスイミングをやりたいなと思っていたけど、この本読んでいたらそこらへん歩いてるだけ(ウォーキング)で充分じゃね?と思ってきた。「スイミングに行く」という行為のステップを想像しただけで行く気なくなるしな(特に雨の日とかあったら絶対行かないよな…)。⑨サブスクリプションサービスは見直す、も、そもそも入ってない。株主優待で「Hulu」の利用期間がプレゼントされて3ヶ月無料利用中なのだけど、はじめこそ「見よう!」と思っていたけど、2週間も経つと見なくなった。ジェイソンさんは「見たい映画が溜まったら登録する」そうだ。それが賢いと思う。⑩ポイント倍増にだまされない。ポイントはごほうび遣いをしない。…ぐさ。私はネットだと気が大きくなってぽんぽん買い物しがち…。特にポイントなんて「実質○円値引きで○円になるじゃん」とか思っちゃう。ジェイソンさんは言う。ポイントは現金と同じだと…。笑⑪欲しいものは少し待ち、安いものを買う⑫家族がお金に大して同じ価値観を持つここらへんは、私より夫のほうが輪をかけて吝嗇なので大丈夫。3ヶ月暮らせる現金は絶対残して、生活費を除いた収入はすべて投資に回すこれなあ。私は「貯金」がベースで、「投資」は横でちょこちょこやっているだけ、というイメージだった。でもいろんな本を読んで考え方を変えました。今、額面月給の2倍以上の額を、定額で投資信託にまわしてます。(現金の貯金を、投資信託に振り替えていくイメージ)それで、個別株も投資信託も20%の利益が出たら売却して利益確定、その資金をまた投資に回す…という風にしていました。でも、ジェイソンさんはいくら上がり続けるインデックスファンドを買っていてもチョコチョコ切り崩していたら、その都度手数料や税金がかかり、十分なリターンを得ることができないと言う。うーん。どうしようかな。債権とリート(不動産)株も買ってみたけど、やっぱりしっくり来ないので買い増すのはやめた。(ジェイソンさんは不動産投資信託もやっていないそうだ。)手持ちのお金を計算するほど、「FIRE(早期退職と経済的自立)って夢のまた夢…」となる。65歳定年で60歳手前くらいでなら辞められるかもしれないけど、それでいいのか。我が家は現金比率がまだまだ高いので、家庭資金(夫と私の共同口座)と子供資金も投資にある程度回したいなあ。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.17
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書名不要なものを手放して、50代からは身軽に暮らす 自分、おかえり! [ しょ~こ ]目次CONTENTSFLAG1住まいをととのえるインテリアには人生を変える力があるFLAG2働き方を変える時代を味方に、無理せず楽しく働こうFLAG3暮らしをアップデートするこれからを気分よく生きていくためにAnd now自分おかえり!軽やかな気持ちで私らしく生きていく感想2023年179冊目★★★台風の影響か、インターネット回線が不通になってしまい、タブレットパソコンが使えない〜。と思っていたらスマホからデザリングすればよいのでは?と思って更新してみているなう。私、楽天モバイルのベーシックプラン(低速200kbpsの代わりに容量制限なし)なんですよ。回線が驚きの遅さ!笑娘から感染した喉風邪も順調に悪化の一途を辿っています。しんどい。というわけで昨日の分のブログ記事です。ちなみに、公開しているブログ記事がこれで2000本めと相成りました!下げた記事が30本くらいと、一部「公開しているけど非公開」もあるけども!閑話休題。この本はねえ、団地好きの人におすすめ。私は本多さおりさんが団地暮らしをしていらした頃の本が好きなので、この本も好きな感じでした。キッチンの壁がくすんだ青色タイルなんだよ〜!うらやましすぎる。カーテンは白。私もカーテン(レースじゃないほう)白にしたいなあ。明るいよねえ。ただ、団地は昔の間取り(天井も低い)だから、暮らすのにはアレンジが必要。そこの創意工夫を見るのがたまらなく好きです。タイニーハウスとかにも通じる、なんだろう、そこはかとない「ままごと感」?どこか、ごっこ遊びをしているような雰囲気。懐かしいような、愛しいような。我が家も新築ピカピカ!ではなく、古ぼけた賃貸。どうせな、と諦めの気持ちが漂い始めると、家がくすんで見える。そんなときにこういう本を読むと、やる気になる。そして何かを変えると、確かに家は輝き出すんだ。不思議と。荒んだ雰囲気って、細部に宿るのかしらん。空間に手を入れると、部屋を愛おしむと、「あんた、意外と悪くないやん」と思える。むしろ私、綺麗に作られた新品で気取っているやつより、あんたが好きやわ。著者は、しょーこ(ショーコ)1967年京都生まれの京都育ち。高校を卒業し、OLを経て結婚。専業主婦からヤクルトの販売、広告代理店勤務を経てフリーライターに。おもな活動はインテリア雑誌『Come home!』(主婦と生活社)や『暮らしのまんなか』(扶桑社)など。40歳でシングルとなり、53歳からInstagramのインフルエンサーとして活動中という方で、この本は後半は「生き方」についての話が多かった。「我が家をサンクチュアリ(聖域)にするための心もち」は、心に留めておきたい。1 引っ越す気持ちで行う2 いったんゼロに3 もし明日死んでしまったら?4 余白をつくる5 いつかじゃなく、今6 理想の部屋って?7 どう過ごしたい?8 どこまで捨てる?私は特に1の「引っ越す気持ちで行う」と、3の「もし明日死んでしまったら?」かな。引っ越すなら、「とりあえず置いておいているもの」は処分するだろうなと思う。自分ひとりで、引っ越す。あるいは明日死ぬ。なら、必要なものは本当に僅かだ。ただ、子供を産んで育てていて分かったのは、「もう要らんと思ったものがあとで要ることがある」(しかもけっこうな割合で)。大人ひとり、夫婦ふたり、だとそういう変数がないからコントロールしやすいのだけど、子供はしかたないわね…。小2になった娘の小1のときの教科書とか一式、どのタイミングで捨てたらいいのか悩む。もういいかな?と思っていたら、年度初めに「1年生のときの教科書を持ってきてください」と言われてヒエエエとなったことが。たぶんちゃんとプリントに書いてあったんやろうけどな。いつも流し読みで、まともに読んでへんからな…。(よく見たら、朝顔の鉢植えだって、「これはもう使わないので、もう処分してもらっていいです」とか、「これは3年になっても使うので、保管しておいてください」と書いてくれている)著者は「書くことを仕事にしたい」と広告代理店の編集アルバイトをはじめ、フリーライターになる。ここらへんの熱意と行動力、すごいなと思った。いいなあ、と思いながら、「でも無理だな」と諦めている。出版関係の求人を見たら、東京ばかり。でもそういうやり方じゃないものも、あるのかも。1 過去の自分を振り返ってみる2 軽く始めてみる3 好きなことと得意なことは違うかも?4 頭ではなく心が喜ぶことは?5 もっているものを掛け合わせてみる6 「ない仕事」をつくってみるこうして見ると、自分が好きなことって結構子供の頃から一貫している。私の場合だと、「本を読むこと」「絵を描くこと」「何かを書くこと」。本1冊、紙1枚、鉛筆1本。それがあればワクワクして、幸せ。それすらなくても、頭の中でずっとお話を考えて。仰々しくそれを仕事に、と考えずに、何か私が好きで得意で…ということを、今後に生かしていけたらなあ。今の仕事にその要素、ゼロだもんな…。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.16
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書名日々臆測 [ ヨシタケシンスケ ]感想2023年178冊目★★★ヨシタケシンスケさんが好き。特にヨシタケさんの、こういう「なんでもないスケッチ」みたいなのがすっごく好き。こんな風に絵が描けたら楽しかろうなあ、と思う。羨ましい。これは、日々の「これってなんだろう…」「もしかして〇〇…?」「いやでもまてよ…」「ひょっとして…」みたいな脳内妄想(日々臆測)をイラストにしたスケッチ集。これ、やるよねえ。関西人はよく、レストランで頼んだメニューが出てくるのが遅かったら、A「ほんま出て来ぉへんな」B「親子丼なあ。いつになったら来るんやろな」A「たぶんこれは、あれやな。鶏さばいてるわ、裏で」B「ちゃうで。こんなけ遅いねんから、山に捕まえに行ってんねんて」A「親子丼の鶏って、野鳥なん?」B「キジ…とかやな」A「桃太郎やん」B「ま、食べるねんけどな。鬼退治でけへんな。」A「お腰につけたきびだんごはどうなるねんな」B「それはな、きびだんこを餌にこう、食べた瞬間ほら、籠が落ちるやつに使う」A「絵に描いたような罠や」B「そんでその捕まえたキジを育ててやな」A「そのキジ食べへんのかい」B「そのキジが産んだ卵とな、親子丼にする」A「ひっど!」店「おまたせっしゃ〜した〜!こちら、親子丼になりま〜す」B「という親子丼やねんな、これは」A「涙なしには食べられへんな」という作り話で一席打つのが定番なわけですが(定番じゃない)。現実という枠組みを抜けていくのって、楽しい。「思った通りじゃない時」に私はよく子供とこういうやり取りをします。このイラスト集のなかで私が好きなのは、・トイレのどのボタン押すかわからないときに「前の扉が開く」じゃなくてよかったと思う。・赤ちゃんとかの「何されてるかわからない可愛い状態」って、宇宙人も人間にそう思ってるのかも。・言葉のイントネーションが独特の機械は、地方の工場で作られたのかも。・渋滞にハマってげんなりしている人の写真集があったら買いたい。・空港の顔はめ写真のパイロットは、切り取られた自分の顔を引き出しに入れてるのかも。「わかる〜!」ってなるのは、洗濯物の干し方。私、変態的な意味ではなくて人様のベランダに干された洗濯物を見るのが好きなのですが(あ、もうこれ字面だけ見たらめちゃくちゃやばくない?)、「何が干してあるか」じゃなくて、「どう干してあるか」を観察するのがすごく!好きなんです。ヨシタケさんも「風通し」というイラストでそれを描いていて、パーカーとかどう干すかで「わかる〜!」ってなる、こう干した人とは友だちになれそう、っていうのを書いていらした。同じ建物の中に、外国の方が住んでいるのだけど、洗濯物の干し方が独特で。「そう…来るか…!」という斬新な干し方をしているので目が離せない。自分の中の「当たり前」とか「常識」ってつくづく「当たり前」でも「常識」でもないのだと思う瞬間。ちなみに私はパーカーなら厚手のハンガーにかけて、フードの部分を竿にピンチで止めて干す派です。ぬいぐるみ洗濯して干してあるのとかも、「なるほど、そう干しますか?!」というものが多くて好きです。車に乗っていてもそういうのばっかり見ているのね。ヨシタケさんの最近の娯楽であるという、大型リサイクルショップを「誰かが途中でやめちゃったものミュージアム」として鑑賞するというのもなかなか乙。おすすめは楽器コーナーだという。いやもう、リサイクルショップの楽器コーナーに並ぶギターの数よ。男子中学生及び男子高校生はおしなべて皆ギターを弾いてみるものなの?ウクレレじゃだめなの?そういやあ私の兄も、中高生のときにギターを買って爪弾いていたなあ…。リサイクルショップって、「これは…?」というものもたくさんあるし、夢破れて感がすごくて、諦念をまとったそれがすごくこう、味があっていいよね。前にハードオフのCMかで、「新しいことに挑戦するならハードオフ(中古)で気軽に始めよう」みたいなのを見て、なるほどと膝を打った。もうそれ失敗ありきやん。挫折を織り込み済みやん。夢を見なくなったわたしたちはつまらない大人になってしまったな!日々妄想しかしていないし、臆測に塗れている。数ヶ月前に、「はあ、今日も仕事か」と憂鬱な気持ちで通勤電車に乗っていたら、前の席の男子大学生風の子が、「HAVE A NICE WEEKEND」と書かれたベースボールキャップを被っていた。なんかこう、神様からのメッセージみたいでいいな、と思った。もしかしてこの子は金曜日はこの帽子を被ることにしているんだろうか、なんて考えた。月曜日から日曜日まで、毎日日替わりの帽子を被って世の中にメッセージを…?涼宮ハルヒみたいに…?(月曜日がストレートで、火曜日がポニーテール、水曜日がツインテール、木曜日が三つ編み…と髪型がひとつずつ変わっていく)みんな、そういう臆測を(妄想を)日々蓄えているのだろう。ヨシタケさんのイラストみたいに、みんなのそれを見てみたいなあ。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.15
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基本情報・仕事でも日常でもまったく使わない完全趣味の英語学習。・2022年6月受験時はTOEIC870点(リスニング455点+リーディング415点)。・いずれ、TOEIC940点や英検1級が取れたらな。・毎朝起きてから1時間程度、勉強しています。・NHK語学講座(アプリ「らじる★らじる」「NHKゴガク」)での学習がメイン。・英語を学んでいるときの私の気持ち→「I Road(ラジオ英会話を学ぶ日々の心象風景の寓話)」今週のふりかえり相変わらずです。「ニュースで学ぶ現代英語」のシャドーイングと反訳トレーニング、洋書("Red,White&Royal Blue")読みもできてない。なんとか「ニュースで学ぶ現代英語」を週のうちにこなして精一杯。それも気が散りまくりで集中できていない。心身の不調で朝起きられないのがまず第一の原因。あと飲み会とかピクシブとかな。「そんな頑張って起きたってな」という気持ちがある。でも、先週できていなかったところを遡りでやりもした(茶色)ので、そこは頑張った。ブログを予約投稿していないとき、「もう最後にした投稿で、このブログ終わろうかな」と思う。揺蕩い風化し忘却されていく、ネットの海の藻屑。別にそれで何がどうということもない。義務感を感じているならやめてしまえばいい。でも投稿する、のは意地になっている(自分に負けた気がする)のと、やっぱり何か書いて形に残すのが好きだからなんだろう。と、思いながら今日も書く。ブログの一番最後に「日本ブログ村」のアクセスランキングの投票ボタンを設置しているけれど、そんな日に限って「おーい、更新ないぞ、大丈夫かー?」というようにたくさん押してくれる人がいる。なんというか、毎朝公園でひとりでテニスのボールを壁打ち練習していたとして。ちっとも上手くならないし、チームプレイは苦手だし、対戦相手はいないし、雨の日も風の日も公園で一人で何やってんだろ私…となって、足が遠のいた時。それを通勤とか犬の散歩で毎日何気なく目にしていた人が、「あいつ、どうしたのかな」と思ってくれているみたいでちょっと嬉しかったです。そのうちにまた、楽しく感じられる日が来るだろう。今週のニュースで学ぶ「現代英語」月曜日放送分英語やんのしんどいわ、となっているので日本語訳を写すのやめてみました。反訳トレーニングやろうと思ってもできないな!笑鉛筆もボールペンに変えてみたりして気分転換。火曜日放送分ディスカッションの会話が大体聞き取れると、嬉しいです。知らない単語はあとで調べる。ディスカッションの日本語訳もホームページに掲載してくれたらいいのにな〜。望み過ぎか〜。水曜日放送分ブランケットの思いがけない意味。ブランケットといえば、BBCドラマ「シャーロック」で、第1話の最後に「このブランケットが目に入らないのか!」と言うシーンが好きです。"I'm in shock,look,I've got a blanket."木曜日放送分過去完了形の話。私、英文を読んでいても「なんで?」とあんまり思わないんですよね…。「私が知らないだけで、ネイティブはそう使うんだろう」が頭にあり、自分の無知と不勉強が原因だというのが分かっているから、アンテナに引っかからない。そういうもんだと思っているからスルーしている。言われて初めて気づく。金曜日放送分40度超える気温ってどうなるんか。「吸血鬼になるしかないね!あっはっは」のところ、好きだわ。来週の計画来週は、「ニュースで学ぶ現代英語」がおやすみ(過去放送からのセレクション再放送)です!ひゃっふう!溜まってるシャドーイングと反訳やろ。そして再来週も「ニュースで学ぶ現代英語」はお休みです!…え、だいじょうぶかな。勉強の習慣がまるっと消えてしまいそう。なので、過去のノートを見ながら再放送回も聴くことにします。(勉強の週間が途絶えないように再放送してくれているんだろうし)そして、できれば洋書読みを過去分も含めて進めていきたい。ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.14
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書名「買い方」を変えたら、人生変わった! つい集めすぎちゃう私のお買い物ルール [ ひぐちさとこ ]目次はじめに 買い物大好き、なんでも集めてしまうあなたへプロローグ 好きなものから余計なものまで……気づいたら部屋が無法地帯!?「つい」を重ねて「素敵な部屋」とは真逆の状況に「買い方」さえ見直せば、もう片付けなんて必要ない?こうして「いいこと」のループに入っていく欲しいものは、あなたにとってコレクション? 実用品?第1章「全部買わなきゃ気が済まない」がなくなる!お金も時間も豊かになる10のルール「欲しい!」と思ったら、自分と会話する「安いから」だけで買ってはいけない「普段使い」のものを買うときのお約束失敗しないコツは「ボロボロになったもの」が教えてくれるベーシックなアイテムは「2個持ち」がいい消耗品で「キャラ欲」を満たす「ファンだから」という義務感で買っていませんか?イベントグッズは「平面」のものをチョイスもう二度と「お土産」で後悔しない!衝動買いには「お花」がもってこい第2章「もったいなくて使えない」がなくなる!「タンスの肥やし」にしない、買ったものの活用法あえて「コレクション」を使ってみたら、こんなにいいことが!このやり方で「使っていないマグカップ」が大活躍!「ちょっといい消耗品」こそ、ガンガン使うポストカード、チラシ、チケットetc.「紙もの」と上手に付き合うもう倒れない、ごちゃごちゃしない! コレクションの飾り方あえてコレクションを「しまって保管」する第3章「買わなきゃよかった」がなくなる!「つい散財」を防ぐ片付けの秘密片付けしたら「買って後悔」がなくなった!「好きなもの」は堂々と残していい!「1年間着ていない服」を捨てたら、8割なくなった話「好きだから手放せない」は思い込みだった!?第4章「いつの間にかものが増えてリバウンド」がなくなる!毎日が気持ちいい「見直し」の習慣【3ヵ月に1回】気づいたら増えている「靴下」を見直す【1週間に1回】散らかりがちな「財布の中身」を見直す【やる気が出ないとき】暮らしの「地味に嫌なこと」を書き出す【ネット通販で】「注文ボタンを押す前の1分」が分かれ道おわりに 日々の小さな選択が、人生を動かす感想2023年177冊目★★★著者は漫画家。コレクター気質があり、片付けられない性分だったが、買い物をするときの「マイルール」を決めたら、散らからなくなった…という内容。すべて漫画のコミックエッセイかと思ったら、時々漫画をはさむ文字がメインでした。著者はお菓子の缶を、「なにかに使えるかも」と取っておいてしまう気質だったという。うう、耳が痛い。私、元々好きなんですよ、缶が。ほら、丈夫だし?保存にも密閉性が優れているし、色柄もクリアで美しいし、使い終わった後は容器として使えるし、使わなくなってもリサイクルに出せるしエコじゃん?と、前からコレクション気味ではあったのですが。・素晴らしきお菓子缶の世界 [ 中田ぷう ]・もっと素晴らしきお菓子缶の世界 [ 中田ぷう ]を見て「いやもうお菓子の缶めっちゃええやん?!」とドバーッと汁(何それ)が出た状態になり、現在うごうごと缶が増加しています。パッケージとか色味とかかなり吟味しているのだがッ!「収納に使えるから」という言い訳は苦しい。だって、缶って微妙なサイズ感だもの。大きな収納の中を仕切るならまだしも、それを容器として使うには小ぶりで不便なサイズ。小さな缶が積み上げられて、どれに何が入っているか分からない。さらにお目当ての中身を探し当てるには、積み上げた缶を避けないといけない。むろん、崩れる。がらがらがっしゃーん★…小さいカンカンは、引き出し収納の代わりにはならない。ということを噛み締めている今日このごろ。カン・ビン回収の日に出すには心苦しいほどのハイ・クオリティ。日本の過剰包装にかける情熱がうらめしい。ジャケ買いしちゃうじゃんこんなん!!さらに私、百均も大好きである。何か日常で「ここを、これこれこういう風にしたいんだけどな」と思いついたら、百均に物色に行く。そして漏れなく関係ないものを買う…。一時、ものを溢れさせていた時代は、百均でストレス買いすることもしばしば。1回の購入が1,500円を超える…なんてざらにあった。何買ってたんだ。絶対いらんやろ。いまでもその名残がある。百均危険。セールにも弱い。値引き額が大きい=元の値段の価値との差額のお得!というほうにばかり目が行ってしまう。そして買ったものの、サイズが微妙にあっていなかったり、色味があわなかったり、お蔵入りになる可能性の高さよ。それならセールで2つ買うんじゃなく、正規で1つ買えばよかったじゃん…。という後悔を繰り返して幾星霜。貧乏性なので成長が感じられない。安物買いの銭失いとはおいらのことさ。この本では、「これが定価で売っていても買うか?」を問いかけろと言う。あるいは「これが百円じゃなかったとしても買うか?」か、かわない…。なしてこない当たり前なことをオラは…。ものを増やさないための買い物の工夫として、著者は「もともと生活に必要な消耗品×好きなキャラクター」をおすすめする。キャラクター、かわいいよね。私はムーミンが好きなのだけれど、ムーミンの服飾品は持たないようにしている。キャラクターを身につけた自分というものが「うへえ」となるので。歯磨き粉とかシャンプーとか、そういう日用品ともよくコラボしているから、そういうのを買って「キャラ欲」を満たせばいいのか。なるほど。ついモノが欲しくなる(所有欲)けど、消耗品だとまた違うものでも楽しめるからいいな。そのキャラクターのために要らん消耗品買ってたら本末転倒やけども。目からウロコの使い方だったのが、「お気に入りのマグカップを冷蔵庫収納に使う」。なるほど、確かに有効活用だ。私は「小さくてかわいい瓶」も缶と同じく捨てられなくて、カトラリーを立てて仕舞っているのだけれど、そんなに瓶ばっかりいらない。次は冷蔵庫の収納に使おう…。また、おすすめの衝動買いアイテムは「切り花」という。これね。みんな言うよね!しかし花を飾るスペースがないのだが?!え、皆さんどこに花を置いてらっしゃるの?卓上?ごはんのときにじゃまになるやん?子供が倒すやん?キッチン?牛乳パック乾かしてる横とかかわいそうすぎるやろ?ちなみに我が家、「机」「椅子」くらいしか家具らしい家具がないので、ほかに飾るスペースはないのである。…飾り棚、ほしいな。無印良品の「壁につけられる家具」みたいなやつ。いやでもうち(賃貸)の壁、画鋲刺されへんねんな。いつか切り花を衝動買いして飾れる暮らしがしたい。素敵なもので溢れている世の中。ぼんやり過ごしていては、「偶然出会ったもの」だけを流されるまま買って、一生が終わってしまいます。「買い方を変える」とは、もの選びを他人まかせにせず、自分の手でコントロールしていくということ。それはまさしく、自分の人生を自分で切り開いていくということなのです。著者のこの言葉は、そうだなと思う。ほんとうに世の中、モノがたくさんある。ちょっと都会へ出れば、どの店にもキラッキラした素敵なものがこれでもか!と陳列されている。しかもそれは、手の届くお手頃プライスで展開されている。そしたらさあ、特に何も考えてなかったら、買っちゃうじゃん。素敵だし。可愛いし。綺麗だし。便利そうだし。役に立ちそうだし。でもそうすると、どうなるか。しんどくなる。というのが、私の経験。誰かの考えた「素敵」も「可愛い」も「綺麗」も「便利」も「役に立つ」も。それは、漠然とした架空の、空想上のもので。私、ではなかったんだなあ、と思う。手に入れたものとのギャップが、そのまま自分の不完全さを表しているようで。打ちのめされて、落ち込んで。もっと別のものなら、今度こそは、とまた買って。失敗を押し込めて隠して、入り切らなくなったら捨てて。それでも永遠に、誰かの考えた「素敵」に到達しない。じゃあきっとこれは、私が悪いんだ。私が、だめなんだ。今ではそれは、違う、と言える。私は私で、理想の自分を描くときに、雑誌の中に出てくる「誰々さん」みたいである必要はない。不完全さに、無様にもがいても。いまだにひどく落ち込んでも。誰かが「素敵」と思ったものを片っ端から「ほしい」だとは思わなくなった。素敵、でもいいわ。それは、私らしくないから。素敵、でもいいわ。私は、もうじゅうぶん持っているから。ありがとう、でも、今はいいの。知識についてはまだそこまで到達できていない。作成している新刊の「読みたい本リスト」が600冊に到達したので、「本当に全部読みたい本なのか?」を精査して、300冊まで減らした。でもねえ、それがジャンルが見事に偏っているの。1 お金もっと手に入れる系2 知識もっと得たい系3 自己肯定して安心したい系4 生活を楽にする系ちょっと自分の病んだ読書リスト見て、「お前な」と思った。お金があったら仕事をやめて家事をちょっとしてあとは1日本を読んで生きていけるのに。という願望がもろに詰まっている。そんなわけで私は「お金欲しいしもっと賢くなりたいし人間関係(会社も親子関係も含む)に悩まなくなりたいし、できれば家事したくない」という欲望むき出しなんだぜ。表面を取り繕っても、綺麗な言葉を並べても。宝くじ当たらんかな?!これ、買い物でも同じだ。足りない、を埋めたくて、買う。だから「買い方」を変えることは、自分を見つめて問い直すこと。切り花を買えるようになりたいな。実用的でないもの。刹那のもの。それをもったいないと思わない自分になりたい。うつくしいを享受したい。それを自分に許したい。あなたの家に花を飾ったっていいんだよ、と。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.13
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書名「大好きなもの」しか持たない 少ない暮らし 時間とお金に愛される ミニマリスト7人の毎日 [ 日本文芸社 ]目次はじめにminimalist questionnaireminimalist 01 MIHOものを手放したことで、「自分を慈しむ暮らし」を叶えることができたminimalist 02 megumi繊細な性質の自分をいたわる、「セルフオーダーメイド」の心地よい暮らしminimalist 03 あい持ち物もパートナーシップも、大切でないものに惑わされず、必要なものだけに目を向けるminimalist 04 odeko捨てない家族がいるなら、はんぶんミニマリストとして自分だけの聖域をつくるminimalist 05 ゆくゆったりとものを手放しつくりあげた、レトロ可愛いミニマルルームminimalist 06 小菅彩子ものを手放すうち、「足りないものは何もない」ことに気づいたminimalist 07 よしかわりな自分の「好き」を積み重ね、幸せになれるものだけを身の回りに置く感想2023年176冊目★★★もはや、ブロガーでもインスタグラマーでもなく、YouTuberが書籍化される時代になったのだなあ…と隔世の感。インスタすら見ていなかったのに、You Tubeなんてもっと見てないよ…。映像で情報得るの、効率悪すぎん?と思ってしまうのだけど、読まなくていい(むこうが勝手に再生してくれる)から、こっちのほうが効率的なのか??欲しい情報がどこに載っているか分からないから、私は動画は好きじゃないのだが。というわけで、ミニマリストYouTuber7人を集めた本。4人目の「Odeko」さんという方が、夫と二人暮らしだけども夫が「タメコミニスト」(ってすごい名称だな)で、自分のぶんだけを減らす「はんぶんミニマリスト」をしているというので、「ほお、うちと同じだな」と思ってクローゼットの写真見たら「左が私のクローゼット(ミニマリストの聖域)」と並んで映っている夫のクローゼットがめっちゃきれいやったんですが。ミニマリストって、家族おるとむずかしない?うちは、夫がタメコミニスト(マキシマリスト、ではない)。ほとんどモノを買わない代わりに、めったにモノを捨てない。レシート一枚も捨てない。Tシャツが色褪せていても捨てない。下着が破れていても捨てない(物理的に「着られなくなる」まで着る)。ふっつーに小学生の頃からの愛用品とかある。おまえ何歳やねん。夫の部屋(ひとり部屋)は、独身男性寮?っていう散らかり具合。夫の実家の部屋は、床からいくつも書類の「塚」(蟻塚をイメージしてほしい)が形成されていた。なので、夫の部屋はノータッチだけど、毎回「うへえ」ってなる。私は、今のところ夫の部屋以外について「主婦」(主たる婦人)としてコントロール権を有していて、キッチンや浴室、洗面所、トイレ、子どものもの、家族のもの…についてはミニマムを心がけているけれど、娘(小2)についてはそろそろアウト・オブ・コントロール。この支配からの卒業。子ども、物欲の塊。増えるモノども。最初はすぐにだめになったり要らなくなるものを際限なく欲しがることを「嫌だな」と思っていたけど、最近すこし考え方を変えた。子どもって、サイズが安定しない。服だって靴だって、すぐに小さくなる。子どもにとっては、ほかのモノも同じなのでは?そしてそれは、「買い物に失敗する権利」でもある。親としては、いろいろ口を出したくなる。もっと長く使えるものにしたら?とか、偽善的だけどエコなものにしたら?とか、思う。ところをグッと堪えられるように、小2の7月から「お小遣い制」にした。300円×年齢(7歳)=2,100円。この範囲で買うものについては、「無」であろうと。娘は「漫画の単行本買いたいから、月刊誌は我慢する」ということを学びつつある。娘が「これ、お小遣いで買わないと駄目?」というたびに、夫がすぐに「いいよ〜買ったるよ〜」というのをどうにかせなあかんねんけど。息子が来年小学校1年生。ランドセル置き場に教科書置き場、新しい家具を買おうかと検索して、思いとどまる。今あるもので行こう。数時間かけて片付けをし、遊ばなくなった玩具を仕舞って、様子を見る。現状に合わせてモノを減らして、新しいものを取り入れられるように。私に関して言えば、カバンが3つ(普段使いの革バッグ、旅行用大型トート、冠婚葬祭用ハンドバッグ)から、4つになりました!ほしいほしいと言い続けていた帆布のトートを購入。めちゃくちゃ要件絞って探して買ったけど、使っているとやっぱり「前のかばんが使いやすかったな…」となる。粗が目立って別れた元カレの良さを、今になって噛みしめるみたいな…。でも新しい彼も素敵なところがたくさんあって、欠点が気になるところもあるけれど、仲良くやっていけそうです。この本で印象的だったことば。ミニマルライフと推し活を両立させるために忘れてはならないのは、『心の中でオタクであればいい』というマインドなにかにハマるとついついグッズが気になっちゃう。それを持っていないとファンじゃないという感じがあるけど、そうじゃないよね。すっきりと片付いた家は「華やかな何か」ではなくて「地道な作業の繰り返し」でできている休日に、目についたすべてが「やらなければいけないこと」に見えてしんどい時がある。牛乳パック切り開いて…洗面所の鏡を磨いて…トイレの便座の固定ボルトを締めて…。はああああ、とため息がもれる。でもその地道な繰り返しが、「整った家」なんだよなあ。つらい…。この本に五徳まで吊るして収納している人がいて、「おおおう」ってなったよ。ミニマルに暮らすとは、必要以上に自分に厳しくしてしまう心も手放すことで、上記の「ミニマムな暮らし」「ていねいな暮らし」「大好きなものしか持たない暮らし」「少ない暮らし」等々にこだわり始めると、家中がきゅうきゅうするし、自分も家族もしんどい。ベースは少なく、でも余裕をたっぷりと、が理想ですね。難しいその塩梅。先日、2泊3日で名古屋へ旅行に行くのに、下着が足りなかった(2セットしか持っていないので、「今着ている」ものと「洗濯中」しかない)。少ないもので暮らすというのはそういうことなのだ。ホテルで毎日手洗いしようかとも考えたけれど、生乾きになりそうなのでやめた。(ホテルにはたいていコインランドリーがあるけれど、使用中のことが多い)バックパッカーの名残でロープとS字フックも持参したけれど使わず。結局2セット買い足した。冬のコートがくたびれているので、次はコートを買い替えたい。黒のユニクロのウルトラライトダウンかなあ。この本でも、羽織物としてもインナーコートとしても使えるし、コンパクトになるとオススメされていた。ミニマリストには愛用者が多い。増えて、減らして、あるいは減るから増やして。自分は何をしているんだろうなあ、と思うことがたまにある。最小限にすると、何かと不便。少なくて管理できる量、という自分の最適解を見つけるのが大事。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.12
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書名シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々 (河出文庫) [ ジェレミー・マーサー ]感想2023年175冊目★★★★いわた書店「1万円選書」で選んでいただいた本。(2022.02.06「2022年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本」)かつ、2023.01.03「2023年の課題図書48冊」の1冊。これを選んでもらったのは、たぶん絶対選書カルテの「これまでに読まれた本で印象に残っている本BEST20」に『ブックセラーズ・ダイアリー』を挙げたからだと思う。(2021.11.28「ブックセラーズ・ダイアリー [ ショーン・バイセル ]」)雰囲気がとっても似ている。カナダのオタワで犯罪担当の新聞記者をしていたジェレミー(著者)は、酒と薬物に溺れ、犯罪ルポの本で犯罪者の本名を暴露し脅される身に。フランス・パリへ這々の体で逃れてきたものの、資金は一月ですぐに底をつく。ある雨の日にジェレミーは、偶然立ち寄った英語書籍を扱う書店で、店主のジョージが途方に暮れた人間や物書きをただで書店に泊めていると聞く。こうしてジェレミーは書店に転がり込み、ほかの奇妙な居候たちと共同生活を始める。しっちゃかめっちゃかの「伝説の書店」シェイクスピア&カンパニーの一員として。本人の自伝でもあり成長譚でもあり、店の歴史でもあり群像劇でもあり、店主の回顧録であり現在進行系のヒューマンドラマでもある。これ、実話なんですよね?というくらいキャラの立った面々が登場し、こういう「家族でない人たち」の好悪のゆるい繋がりが好きな私はとても楽しく読んだ。すごいなあ、こんな場所がまだあるんだ。そもそもこの本屋さん、めちゃくちゃ有名らしいのだけど、知らなかった。(ちなみに、サンフランシスコには店主ジョージの友人・詩人のファーリンゲティが開いた姉妹店「シティ・ライツ書店」があるのだけど、こちらも超有名らしい。)この本で書かれているのは「二代目」シェイクスピア&カンパニーで、初代は「第二次大戦期まで、パリにおける英米文学とモダニズム文学の中心地」であり、アーネスト・ヘミングウェイやスコット・フィッツジェラルドも店へ通っていたのだという(ウィキペディア)。初代を開いたシルヴィア・ビーチも回想録『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』を書いていると言うし、アーネスト・ヘミングウェイは『移動祝祭日』にこの書店のことを書いているというから、次はこれらを読んでみなくっちゃ。この「移動祝祭日」というタイトルが(本の内容は知らないのだけど)、この「シェイクスピア&カンパニー書店」にぴったりなのだ。毎日毎日、入れ代わり立ち代わり、さまざまな出来事が起こる。くるくる回るメリーゴーランドみたいに。夢が輝く街で、幻燈のように煌めく。でもその場所からは動かずに。無料の食事と宿を提供する本屋は、その時々の居候メンバーを中心に運営される。店主を含めいつも貧乏だ。紅茶は使いまわし、ピクルスのつけ汁はスープに。ジョージは金銭こそが人を奴隷化する最大の原因であることを悟り、金銭への依存を減らすことで、人間を束縛する社会の支配力を弱めることができると思っていた。「みんな自分は働きすぎだ、でも、もっと稼がなきゃと言う」ジョージは僕に言った。「そんなことをして何になる。できるだけ少ない金で暮らして、家族といっしょに過ごしたり、トルストイを読んだり、本屋をやったりすればいいじゃないか。ばかな話だ」店主のジョージは長年共産主義者だったが、資本主義社会で生きていかざるを得ない以上、「できるかぎり害をおよぼさないようなやり方で経済に参加する」ことを選んだ。経済に参加するということは、「仲間に害をなすことで報酬を得る」ことを前提にしている。ジョージは言う。「少なくとも本を売っていれば、だれも傷つけずにすむ」本当は無料で本を貸し出す図書館をやりたかったのだと。「貧しい人々を見ろ、シングルマザーを、囚人たちを見ろ。文明を測る基準はそこにある」この言葉は、偶然にも、ぴったりちょうど2023年08月09日 174.モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 [ 内田洋子 ]の「露天商賞」(イタリアの本屋たちが選出する文学賞)を受賞した作品が刑務所や病院、生活困窮者の支援所などの図書室へ寄贈されることと重なる。「何者でもない」存在として、店に居候をするジェレミーは、鬱々悶々とした日々を送る。当初は刺激的で楽しいけれど、同時に空疎な夢のような毎日。ここにいてはいけない、と思う。祝祭の中で人は永遠に生きてはいけない。彼は最後に書店を出る。僕は水面すれすれに飛んでいった一匹の蜂が海に呑みこまれるのを見た。そこまで泳いでいき、水から救い出そうとしたが、刺されるのが怖かった。(中略)いつもこうだ、岸に戻りながらそう思った。いつだって善意はあるのに、充分なことができたためしがない。ジェレミーがスペインを三週間かけて周っているときの、この何気ないエピソードが、すべてを表しているように思う。ほとんどの人間は、そうなのだ。けれどこの書店は違う。水面に現れたボート、救命装置、シェルター。溺れるものを引き上げ、粗末な食事でもてなす。裏切られ、騙され、盗まれても。それは天使が姿を変えて訪れたかもしれないのだから。こういう反撃の仕方もあるのだな、と思う。資本主義社会への痛烈なアンチテーゼ。店主は、生き別れとなった娘に店を継がせることを夢見る。病を得た店主のために、ジェレミーは娘を探そうとする。どうなるのだろう、とドキドキハラハラしながら読んだ。この話は、もうずいぶん前のことだから、その後の書店はどうなっているのだろう。今はホームページもできて、大きく変わったのだろうな。「古き良き時代」は過ぎ去るーーーそれでも資本主義の魔手から逃れていてほしいと願うのは、わがままなことなんだろう。この本に登場する、写真だけ撮って立ち去るミーハーな観光客のように、私もいつかここを訪れたい。そのときに読める本を買えるように、英語力を磨いておかなくてはね。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.11
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2023年7月に読んだ本まとめ151.虹と雲 王妃の父が生きたブータン現代史 [ ウギェン・ドルジ ]152.小説 魔入りました!入間くん(4)アクドルくろむちゃんとアメリの決断 [ 西修 ]153.あさってより先は、見ない。 [ 山本ふみこ ]154.夜空に浮かぶ欠けた月たち [ 窪美澄 ]155.戦物語 [ 西尾維新 ]156.本好きの下剋上 第五部「女神の化身」(10)[ 香月美夜 ]157.競争の番人 [ 新川帆立 ]158.競争の番人 内偵の王子 [ 新川帆立 ]159.先祖探偵 [ 新川帆立 ]160.なんだろう なんだろう [ ヨシタケシンスケ ]161.より少ない家大全 [ ジョシュア・ベッカー ]162.捨てなくても大丈夫 [ TJMOOK ]163.月と散文 [ 又吉直樹 ]164.書医あづさの手控 [ 白戸満喜子 ]165.闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由 [ ジェーン・スー ]166.君のクイズ [ 小川哲 ]167.令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法 [ 新川帆立 ]168.森の端っこのちび魔女さん [ 夜凪 ]169.言語沼 [ 堀元見×水野太貴 ]170.読んで旅する海外文学 [ 重松理恵 ]171.ナージャの5つのがっこう [ キリーロバ・ナージャ ]172.神戸・続神戸 [ 西東三鬼 ]173.絶滅危惧職、講談師を生きる [ 神田松之丞 ]174.モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 [ 内田洋子 ]7月に読んだ本は、24冊でした。今月は、新川帆立さん尽いてましたね。どうしても自分が好きな感じの本(好きな作家、好きなジャンル、好きなテーマ)に偏ってしまうのがよくないなあと思う。相変わらず通勤時間に本を読んでいる。昼休みは10分くらいで食事をして、あとは仕事をしている(よくない)。昼休みも読書にあてたいなあ。ツイッター(エックス?)を辞めたので、そしてTikTokもYou TubeもInstagramもやっていないので、ちょこっと言いたいことをどこで言えば良いのかわからない。というわけでここに書いておく。息子(5歳)が、「強く〜する」「弱く〜する」を「強気でする」「弱気でする」というのが可愛い。私「もっとしっかり握って!」息子「強気ってことー!?」私「シャワーめっちゃ出てるやろ!止めて!」息子「じゃあ、弱気でする?」みたいな。親の命令口調のほうが気になるわ。笑あとは、息子が「そして、平和になった」とよく言うのが好き。息子「そんで〇〇くんが、△△くんのつくったラキューこわして、けんかした」私「仲直りしたん?」息子「そして、へいわになった」私「良かったね…」その締めの言葉、めっちゃいいな、と思う。そしてへいわになりました。めでたしめでたし。7月終了時点での2023年ベスト10冊1月007.テヘランでロリータを読む [アーザル・ナフィーシー]2月036.もしも彼女が関ヶ原を戦ったら [ 眞邊明人 ]045.目の見えない白鳥さんとアートを見にいく [ 川内有緒 ]3月056.編めば編むほどわたしはわたしになっていった [ 三國万里子 ]058.パリの空の下で、息子とぼくの3000日 [ 辻仁成 ]4月076.人新世の「資本論」 [ 斎藤幸平 ]084.語学の天才まで1億光年 [ 高野秀行 ]5月107.英語と日本人 挫折と希望の二〇〇年 [ 江利川春雄 ]6月136.千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話 [ 済東鉄腸 ]7月151.虹と雲 王妃の父が生きたブータン現代史 [ ウギェン・ドルジ ]7月は1冊追加。自分では絶対に読まない本だったのと、ブータンに行きたい気持ちを思い出した。1月から1冊減。2023年の課題図書 進捗状況2023.01.03「2023年の課題図書48冊」172.神戸・続神戸 [ 西東三鬼 ]173.絶滅危惧職、講談師を生きる [ 神田松之丞 ]174.モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 [ 内田洋子 ]の3冊を(ついに)読みました!引き続き、課題図書も読んでいくぞー。これから読みたい本明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記【電子書籍】[ 平山亜佐子 ]NHKラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」で紹介されていた本。なんかもうすごい時代のすごい女性記者たちの話が読めるそうで。女性管理職が悩んだ時に読む本 [ いくみ@女性管理職&ブロガー ]もうまったくやる気なくて、「仕事やめようかな」とも思ってる。ので、ちょっと読んでみようかと。ベスト・エッセイ2023 [ 赤木明登 ]この毎年出る「ベスト・エッセイ」は珠玉のエッセイが集められていて、好きな作家さんもよく入っているし、おすすめ。うどん陣営の受難 [ 津村 記久子 ]心が荒んでいるときには津村記久子さんを読む。もやもやしたら、習慣かえてみたら? 37人が大切にしているルーティン [ 一田 憲子 ]一田憲子さんの新刊。もやもやしてるー!この夏の星を見る [ 辻村 深月 ]辻村さんの新刊。表紙がスカイエマさん(アマチュアのころからファン)。縁切り上等! 離婚弁護士 松岡紬の事件ファイル [ 新川 帆立 ]そして引き続き新川帆立さんを。クロワッサン学習塾 (文春文庫) [ 伽古屋 圭市 ]どういう話かまったく分からんのだけど、表紙の感じが好きなのと、「学習塾」に前に読んだ・金の角持つ子どもたち [ 藤岡陽子 ]みたいな話だといいなあと思って。図書館のお夜食 (一般書 428) [ 原田 ひ香 ]原田ひ香さんは、お金のテーマに毎回「もうええかな」と思うのだけど、今回は「図書館」とついていたので読んで見る。書店、図書館、作家…という題材の小説が好き。2023年に読んだ本・2023年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本・2023年2月に読んだ本まとめ/これから読みたい本・2023年3月に読んだ本まとめ/これから読みたい本・2023年4月に読んだ本まとめ・2023年5月に読んだ本まとめ/これから読みたい本・2023年6月に読んだ本まとめ/これから読みたい本2019年から2022年に読んだ本・2019年に読んだ本213冊まとめ/ベスト10冊・2020年に読んだ本255冊まとめ/ベスト10冊・2021年に読んだ本310冊まとめ/ベスト10冊・2022年に読んだ本336冊まとめ/ベスト10冊にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.10
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書名モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 (文春文庫) [ 内田 洋子 ]目次それはヴェネツィアの古書店から始まった海の神、山の神ここはいったいどこなのだ石の声貧しさのおかげ行け、我が想いへ中世は輝いていたのか!ゆっくり急げ夏のない年ナポレオンと文化の密売人新世界に旧世界を伝えてヴェネチアの行商人たち五人組が時代を開く町と本と露天商賞とページに挟まれた物語窓の向こうに感想2023年174冊目★★★いわた書店「1万円選書」で選んでいただいた本。(2022.02.06「2022年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本」)かつ、2023.01.03「2023年の課題図書48冊」の1冊。選書カルテの「これまでに読まれた本で印象に残っている本BEST20」に『戦場の秘密図書館 シリアに残された希望』『麦本三歩の好きなもの』『ブックセラーズ・ダイアリー』の「本」に関する3冊を挙げたから選んでいただいたのかな。表紙がこう、厳か〜な感じだし、表紙をめくったら扉に中世っぽい絵があるし、「これは…なんかこう、中世の…キリスト教が云々の歴史書系…?」と及び腰になっていました。歴史苦手。でも、NHKラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」でも、「「読む」ことを支えた村の行商人の歴史」(2023年4月21日放送)として紹介されていて、概要を聴くと全くそんな話じゃなかったの。ハードルが低くなったので読んでみた。ちなみに「旅する」とタイトルに入っているから、名古屋旅行に持っていきました。著者は、内田洋子(ウチダヨウコ)1959年兵庫県神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒。通信社ウーノアソシエイツ代表。欧州と日本間でマスメディアに向けて情報を配信。2011年、『ジーノの家 イタリア10景』で日本エッセイスト・クラブ賞、講談社エッセイ賞を同時受賞。2019年、ウンベルト・アニェッリ記念ジャーナリスト賞、2020年、イタリア版の本屋大賞・第68回露天商賞受賞式にて、外国人として初めて“金の籠賞(GERLA D’ORO)”を受賞物語は、著者が移り住んだヴェネツィアから始まる。ヴェネツィア関連の本を扱う古書店。代々ここに店を構えてきたのかと尋ねる著者に、店主は答える。まだここは息子で4代目、もとはトスカーナ州のモンテレッジォの出身である。特産のない村。ほかの農地へ出稼ぎに行っていた男たちは、景気が悪くなって働き口がなくなると、本を売るようになった。毎年に開催される夏祭りで、本の収穫祭を行うという村。どういうこと?何一つ情報が得られないなか、著者は村を紹介するサイトを見つける。緯度と経度と標高、そして個人の名前に電話番号。矢も盾もたまらず連絡を取り付けた著者は、村の有志代表たちに連れられ、村を訪れる。そこからどんどん紐解かれていく村の歴史。それは、印刷と本の歴史でもあった。物語が来た道。15世紀にグーテンベルクが登場し、活版印刷が始まった。大きくて重い判型に、荘厳な装飾。文字は仰々しいゴシック体で、高価。本は、「机に置いて恐る恐るページを繰る」特権階級のものだった。「本の恩人」こと、イタリア人のアルド・マヌツィオは、それらを全て逆にした本を作る。小さく、薄く、軽く、簡素な装丁にし価格を下げ、当時の人気書体を調査して流行写本家を雇い、美しいオリジナル書体を創り出した。出版社ブランドの始まりであり、著作権もここから生まれていく。イタリックという書体はここから始まったのか。知らなかった。いつでもどこでも、読書ができる。劇的な出版革命だった。これを機に、若者や女性も本に親しむようになった。アルド・マヌツィオの出版社の書票の写真が載っている。碇に勢いよく絡むイルカ。これは「ゆっくり急げ」という意味なのだという。かっこいい。今、私が通勤中に本が読めるのも、アルドさんのおかげだったんだなあ。はじめは、聖人の祈祷入り絵札と生活暦。そして廉価になって広く庶民にも流通するようになった本を、版元から売れ残りやワケアリの状態で集め、モンテレッジォの男たちは売り歩く。本の行商人。自分たちの強みは、毛細血管のようにイタリアの隅々まで本を届けに行く胆力と脚力である。本は、世の中の酸素だ。皆で手分けして、漏れなく本を売り歩こう。戦時下には禁書を隠して売り歩いた村人たちも、近代化により村を離れていく。モンテレッジォの村の人口は、2018年当時わずか32人。4人が90代だというから、村の消滅も目前に迫っている。1952年に本への感謝祭として開催された「本屋週間」。それにあわせてモンテレッジォへの表敬訪問が行われ、その翌年、「露天商賞」(イタリアの本屋たちが選出する文学賞)が創設され、今も毎年受賞作が選出されている。そうして村の名前は、刻まれる。「露天商賞」の受賞作は、少なくとも二千部以上は実行委員会が買い上げ、そのうち半分の部数は刑務所や病院、生活困窮者の支援所などの図書室へ寄贈すること。残り半分は、全国の露天商たちに配本して売り広めてもらうこと。と規範に掲げられている。これぞモンテレッジォの行商人の心意気。イタリアでも、本を読む人は減っている。紙の本を年に1冊も読まなかった人は、2016年の調査で57.8%。しかし新型コロナでロックダウンが行われた時、イタリアは「本は大切な友達」として書店を閉めなかったのだという。友を失うわけにはいかぬ。日本だって同じだ。本を読む人は減っていく。当たり前だった「本」がなぜ必要なのか、改めて問われているような状態。私は、モンテレッジォの人々が自分たちを毛細血管にたとえ、「本は、世の中の酸素だ。」と言ったことを思い出す。酸素がなくなったあとで、気付いても遅い。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.09
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書名絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫) [ 神田 松之丞 ]引用振り返ってみても、あのときの客席の視点っていうのは、すごく大事でした。迷ったときは、あのときの自分だったらどう思うか、というのを僕は絶対基準にします。演者って、お客さんの時代が長ければ長いほど良い芸人になれる気がします。(略)でもお客さん時代が長くて、こじらせていた期間があった人は、本当に俺はこういう芸人が聴きたかったのかな、とか常に自分に問いかけるし、プレイヤーであるときも、あれ、俺間違ってねえか、ここは昔の俺だったらどう思うかな、っていうのを客時代の一番頭おかしかったときの自分を基準にするでしょう。感想2023年173冊目★★★いわた書店「1万円選書」で選んでいただいた本。(2022.02.06「2022年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本」)2023.01.03「2023年の課題図書48冊」の1冊。落語は、聞いたことがある。私が大学生だった頃、宮藤官九郎のドラマ「タイガー&ドラゴン」(長瀬智也と岡田准一が落語家を演じていた)から一時期流行り、私も大学の図書館でCDを借りて聞いていた。お気に入りは「たちぎれ線香」。終わり方が秀逸。けれどそのうちに聞かなくなった。能…は、「蝋燭能」を一度きり(秒で寝た)。文楽は、三浦しをんの小説を読んで「面白そう」と見に行ったけど、はまらず。歌舞伎と狂言は見たことがない。伝統芸能ってもんはどうもこう、小難しくて退屈だという印象がある。で、講談師ってナニ?っていうレベルでこの本を読んだので、落語家とは違うのか…というところから理解した。…「にほんごであそぼ」の神田山陽さんは、講談師だよね?(っていうことを思うと、「にほんごであそぼ」という番組の革新性とメッセージ性と幼児への日本古典のサブリミナル効果すごいな)べべんべん、と扇子を打つ、あれ?著者は、1983年東京生まれ。1〜4歳を父の仕事の関係でブラジルで過ごす。小学3年のときに父が自死。内にこもる中学時代にラジオと出会う。その後、プロテスタント系の私立高校に進学し、無二の親友と巡り合う。「ラジオ深夜便」でやっていた落語をたまたま聞いて興味を持ち、武蔵大学経済学部に進学後は寄席へ通い詰める。大学を卒業後、神田松鯉へ弟子入り。講談師の道を歩み始める。なんで俺がこんなことやらなきゃなんねえんだ。という、反骨精神あふれる下っ端。着物たたみ方?メモとっちゃだめ?動画で覚えりゃいいじゃん。師匠や兄弟子たちは、さぞ手を焼いただろうなあ。この本は、御本人へのインタビューと、周囲の方へのインタビューが両方入っていて、「当事者から見たあのとき」の主観と、他者の視点が補足され、認識のズレもまた面白い。しかし、絶滅危惧職であった「講談師」の存在をいかに世間に訴えていくか、そのためにどう「見せる(魅せる)か」。考えて考えて、戦略的にやっている。ここらへん、伝統芸能でありながら若手の劇団員のようだった。「二ツ目のうちは挑戦をしていい、それこそいかに良質な恥をかけるか、という勝負の時期」と著者は言う。そうして圧力を恐れずどんどん新しいことに挑戦していく。それに客がつく。なんていうかな、存在が2.5次元俳優みたいな…?著者の講談への思い入れはすごくて、ものへの執着もなくて、講談の台本と着物さえあればいいと言う。大事なことは、この人の話を読んでいて、「講談って落語とどう違うんだろ、聴いてみたいな」と思うことだ。調べてみると、居酒屋や喫茶店、区民センターや市民ホールでやっている。値段も安い。特に夏休みは、子ども向けのものも開催されていて、子どもを連れて行くのも良さそう。ちなみに、落語や講談に娘(小2)を連れていけないかなと思って、手始めにお笑い(漫才)に連れて行ってみた。結果は惨敗。若手が半分、年配が半分で、ネタは1/4も理解できなかった模様。最後は退屈していた…。もともと夫がお笑いが嫌いで家で見せていないので、素養がなかったのも原因か。みんな、映画を2時間見られなくなったという。じっと座って、スマホを手に呟かずに、ただ映画を見るということが出来なくなった。派手な映像で受け身なだけの映画ですらそうなのだ。集中と想像が必要な「聴く」芸、あるいは「読む」ことだってそう。絶えず自分好みの刺激を与えてくれるものを手に入れて、わたしたちは何を失ったんだろう。しかし、タイパ(タイムパフォーマンス)でオーディブルブックが人気になっている今、落語や講談はある意味とっても良いポジションにいるのではないかしらん。私も今回聴いてみようと思ったけど、古典ばかりだと「うーむ」となる。著者は、話のまくらを入れたり、ダイジェストであらすじや時代背景を紹介してから噺に入っていくという。そういうサポート、必要。これが伝統芸能でござい、と胡座をかいていれば、積み上げた座布団はどんどん高くなって、世間から乖離していって、誰も見られなくなる。エンタメだよ。語り継がれる楽しみのかたちなのだから。「面白い」に、人は惹きつけられる。「新しい」「なにそれ」「どういうこと?」。「知りたい」。古いは、忘れられるからこそ、また、新しい。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.08
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基本情報・仕事でも日常でもまったく使わない完全趣味の英語学習。・2022年6月受験時はTOEIC870点(リスニング455点+リーディング415点)。・いずれ、TOEIC940点や英検1級が取れたらな。・毎朝起きてから1時間程度、勉強しています。・NHK語学講座(アプリ「らじる★らじる」「NHKゴガク」)での学習がメイン。今週のふりかえり驚きの白さ!(=やってないことが多い)今週はめためたでしたね!毎週言ってるけども!先週末に2泊3日で名古屋へ行ってきたんですが(レゴランドは未就学児〜小学校低学年に超おすすめ。待ち時間5分とかで、それ建物入ってから乗るまでの5分)、つまりは休みなしだったようなもので。体調も崩してしまい、朝しんどくて起きられない。「いやもう、英語なんてやってもしかたなくない?」という悪魔の囁きが聞こえる。「ブログなんてやめちゃえば?」のところは抑え込んで、なんとか毎日のブログ更新はしていたんですが、となると英語がままならず。集中力も途切れがちで、数分ですぐに別のことに意識がいってしまう。そんな中、なんとか「ニュースで学ぶ現代英語」の放送は聞きました。ボキャブライダーはまだ先週の水曜日から聞いてない!笑「ニュースで学ぶ現代英語」の復習(シャドーイング、反訳トレーニング)なんて夢のまた夢。洋書読み?なにそれおいしいの?まあそんなときもあるよね、という。(そんなとき、のほうが多い気もするが)今はそういう時なんだろう。やめなきゃいいや。ずっとこうじゃなきゃいいや。ラジオ英会話のことNHKラジオアプリ「らじる★らじる」で、たまたまピックアップに「あさこ・佳代子の大人なラジオ女子会」(8月3日放送分)が出てきていて、「ゲスト:大西泰斗」に「は?おーにしせんせー?!」ってなり、聞きました。いとうあさこさんは、今年度の春から定期購読して聞いているんだそうだ。こういう番組に言語学者(としての大西先生)が登場するのってめちゃくちゃ珍しいと思うので、面白かった。私は今年はもう完全に聞き流しになっていて、ほぼ記憶に残っていない。笑それもリアルタイム視聴から、NHK語学のアプリでの翌週聞き逃し配信のまとめ聞きに…。週末に家事をしながら聞いてます…。私のスピーキング・ライティングの能力は「ラジオ英会話」がぴったりのレベルなので、ここをちゃんとやったほうがいいんじゃないか?とも思うんだけども。リーディングやリスニングとしては物足りないのと、「ニュースで学ぶ現代英語」が「私がわかりたい英語」に近いので、今年度は視聴講座を一本化した(それもままならないのだが)。「ラジオ英会話」は面白いしわかりやすいし、感覚で英語が理解できるようになったのは間違いなくこの講座のおかげ。BBC GLOBAL NEWS PODCASTSpotifyでポッドキャストが1日2回配信される「BBC GLOBAL NEWS PODCAST」(英国営放送)を、イギリス英語に耳を慣らすため毎日聴いています。週末は「The Happy Pod」として、ほっこりするニュースが紹介されるんですが、8/5の「The Happy Pod : The Norwegian Nepali duo reaching new heights」でなぜか岩手県滝沢市のすいかまつりが紹介されていました。「ちゃんとしたスーツ着て、深刻な表情で…すいかの帽子を被っているのがめっちゃいい」とBBCの人に言われていて、どういうシチュエーションなん…と検索してみたら、「「もう外していただいて…」 かぶり物で市長がスイカまつりをPR」これやね。市長が通訳の人とBBCに出演して答えていました。どこからどうやってインタビュー来たんやろう…日本からしたらそんなに特筆すべきニュースじゃないのだけど。市長もびっくりしたのではないか。「びーびーしー…?」って。で、こういう「世界のちょっとおもろいイベント」をBBCが紹介した後、「○月○日、どこどこで開催されます。お近くの方はぜひ!」みたいに言ってくれるんだけど、大体が辺鄙な田舎町で、これまで「行けるかーい!」「誰が行けんねーん!」と思ってた。今回は初めて行けそうでした。岩手県か…(いかんけど)。「ニュースで学ぶ現代英語」でだいぶ語彙が増えて、BBCニュースを聞いていても、「あ、この単語はニュースで学ぶ現代英語でやったやつだ!」と聞き取れて意味がわかることが増えてきました。今週のニュースで学ぶ「現代英語」月曜日放送分火曜日放送分水曜日放送分木曜日放送分金曜日放送分来週の計画「寝かしつけのあとに起きて、今日の終わってないノルマやればいいや」→起きられない「明日の朝はやく起きて、今日できなかったノルマやればいいや」→起きられないほんっと最近起きられない。メンタルとフィジカルが弱っているのもあるし、起きたくなる仕組みがないのだよな…。課題が積み重なってきたので、そろそろ「ニュースで学ぶ現代英語」が再放送週にならんかと期待してそんなすぐ再放送週にならんかって、まあ今週もがんばります。鉛筆が末期(片側折れた)。ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.07
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書名神戸・続神戸 (新潮文庫) [ 西東 三鬼 ]引用山口県の山中、道路に添って小川が流れている。その路傍の一軒一軒の前に、四斗樽が置いてあって「防火用水」と書いてあった。小川がドンドン流れているその前に。又、背後に山々を負った小さな村々に、必ず火の見櫓ほどの、何々村対空看視哨というものが建てられていた。裏山に馳け登れば瀬戸内海が見えるような村に。(略)白井氏は「ごくろう様」といってニッコリ笑った。私も仕方なくほほえもうとしたが、頬の筋肉がひきつただけであった。感想2023年冊目★★★2022.02.06「2022年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本」で書いたように、北海道のいわた書店さんがやっている「1万円選書」に申し込んで幸運にも当選し、カルテを書いて提出して、本を選んでいただきました。しかしそこから読まず^^;2023.01.03「2023年の課題図書48冊」として、今年は読もう!と心に決めてみるも、実行できず…。夏なので、自分の決めた課題図書を読もう!と集中的に読むことにしました。で、一番薄っぺらな文庫本のこれから手に取る。オシャレで異国情緒漂う神戸の町の気怠い滞在記…を想像していたら、違いました。薄さに見合わない濃さだった。著者は、西東三鬼(サイトウサンキ)1900-1962。岡山県生れ。日本歯科医専卒業後、シンガポールにて歯科医院を開業。帰国後、33歳で俳句を始め、新興俳句運動に力を注ぐ。1940(昭和15)年、いわゆる「京大俳句事件」で検挙される。’42年に神戸に転居。終戦後に現代俳句協会を創設。一時、雑誌「俳句」の編集長も務めた。句集の他、自伝的作品『神戸・続神戸・俳愚伝』でも高い評価を得る私はこの人を全然知らなくて。有名な人…?この本は、戦前戦後に東京から神戸に逃れてきた著者が、混沌としたホテル住まいを描いた記録。当時の神戸では、さまざまな国の人間が入り乱れ、暮らしていた。今の「気取った」神戸のイメージが一新される。なんというか、戦争についての記録とか証言って、偏っているよなあ。残したいもの、見せたいもの。の、裏側にある、隠したいもの、話したくないもの。外国人を相手にした娼婦たち。以前、京極夏彦の小説で赤線が出てきた時に、大学生だった私は初めてそれを知ったんだよ。きれいもきたないも、やさしいもひどいも。薄い文庫本なのに、ひとつひとつが、短編映画のような濃いお話。読み始めは、時代背景的なものもあり取っ掛かりにくく、「これ、読み通せるかな」と思ったけれど、数章読むと引き込まれて最後まで一気に読んでしまった。むちゃくちゃなのだ。でもそれが、読んでいて楽しい。これはなんていうか、ちょっと、この時代の空気だからこそ書けるものという気がする。文中に登場する「月下氷人をつとめる」って何?と思ったら仲人のことなんですねえ。きれいな表現。故事の組み合わせがもとになっている。まさかの「ゼクシィ」に用語解説があった。「1万円選書」ならではの楽しみとして、「いわた書店さんが私にこれを選んでくれたのは、なぜだろう?」と考えながら読む、というのがある。当時提出した選書カルテを読み返していると、「いちばんしたい事は何ですか?」の質問に、私は「海外または国内で、別の場所を短期滞在しながら旅するように暮らしたい。…違う世界に身を置いて、価値観ぐらぐらさせられたい。打ちのめされて、それでも変わらないものは何なのか知りたい。」と書いていました。改めて思ったのだけれど、私はこういう「様々な人が行き交う」、「袖すり合うも他生の縁」のような暮らし、「祝祭的な日々」が好き。そこに傍観者、観察者として参加したいというか。驚いたのが、この本の解説が森見登美彦氏(私の一番好きな作家)だったこと。選書カルテには一言も書いていないのに。こんなところでトミーに会うなんて!登美彦氏は、この手記を「圧倒的な密度」で書かれた「千夜一夜物語」だと言う。まさにそうだと思う。魅力的な登場人物が現れては立ち消える。魔法のランプの煙のように。作中にずっと漂う「フワフワした空気」が、まさにその煙に映し出された幻のようであるからだろう。現代から見ればなおさら。この本、選書してもらわなければ多分一生手に取ることはなかったと思う。ふだん、人から本を勧められても、「うん、でも今手持ちの本でいっぱいいっぱいでね」となってしまい、素直にすぐ読むということができない。推薦や選書だけじゃだめで、現物として手元にあること、が大事なんだろう。そしてそれを読むことね!積読じゃなく!笑書かれた言葉は、待っている。「その人」に読まれることを。その誰かに声をかけ取り持つ。それが選書ということだろう。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。* これまで日曜日は英語学習記録を投稿していましたが、月〜日の記録なので、終了後の月曜日(明日)に投稿することにしました *
2023.08.06
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書名ナージャの5つのがっこう [ キリーロバ・ナージャ ]感想2023年171冊目★★★・6カ国転校生ナージャの発見 [ キリーロバ・ナージャ ]の絵本版が出たので、娘に読んでもらおうと思って、自分も読んだ。(学校の教科書でも「外国の学校を紹介する」という単元があって、興味を持っていたので)いやあ、改めて「自分の当たり前は世界の当たり前じゃない」と気づく。日本の公教育しか受けたことがないので、私の当然が共通認識だと思っている。学校とはそういうものだと。でも、所変われば品変わる。著者のナージャさんは、小学生の時に数学者の父と物理学者の母の仕事の都合で、5カ国(ロシア・イギリス・フランス・アメリカ・日本)の学校に通う。教科書はどの国も複数年使う(お下がり・貸与)。日本は全員に毎年ピカピカの教科書をあげる。ノートは、外国では「方眼」と「線」の2種類だったり、1種類だったり。日本は教科ごとにすべてノートが違う。(これは、漢字の練習や縦書きの文化の影響もあるかも)日本の学校の紹介で、「え、これが『ふしぎ』なんだ?」と挙げられている項目に思う。入学式?名札?上靴?スイミングキャップ?プール?スクール水着?ピアニカ?下敷き?掃除当番?給食当番?防災頭巾?体育座り?跳び箱?逆上がり?集団登校?黄色い帽子?組体操?ラジオ体操?公教育の学校って、その国の人全員の「最小公約数」を作っている場なんだなあ…。こう見ると、日本って「専用のもの(ひと)」を決めてやるのが好きだよね。だからこそ応用がきかないし、融通がきかないし、大量のモノが必要なんだけど。最後のページには、「6つめのがっこう」を自分で考えて描いてみよう、というページがある。大日本図書の「キミがかんがえたきょうしつをおくろう!」に応募してね、と。私がずーっと憧れているのは、『窓ぎわのトットちゃん』の古い電車の車両を利用した教室。いいなあ、そんな教室。畳でゴロゴロできるのもいいよねえ。冬はこたつを置いて(勉強できない)。夏は板の間でひんやりして。勉強は基本がタブレット形式で、その子それぞれの進度にあわせた学習。提案される課題の中から、自分でその日の目標と順番を決めて取り組んで、終わったら本を読んでいていいの。先生はそれぞれの学習状況を見て、それをコーディネートする役割で…。体育は「体を動かす楽しさを知る」「生涯を通じた健康の維持」に特化して、イベントは希望者参加制で。未来の学校を考えるとワクワクする。今の学校にワクワクしない理由が、そこにあるんだろう。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.05
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書名読んで旅する海外文学 24の国と地域の旅行記×77冊の読書ノート [ 重松 理恵 ]目次1章 世界一周読書旅行 -読書旅行の計画を立ててみよう2章 旅行記と本の紹介韓国、台湾、中国、タイ、カンボジア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、インドネシア、インド、アラブ首長国連邦、エジプト、トルコ、ロシア、イタリア、スペイン、ドイツ、オーストリア、チェコ、フランス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ニューカレドニア3章 対談(重松理恵×金原瑞人)海外文学を読む楽しみと、翻訳ウラ(?)事情付録 ・その他の国の本のレビュー ・2章紹介したすべての本のブックリスト感想2023年170冊目★★★タイトルが気になって手に取った本。コロナで海外へいけなくなった頃から、「読んで旅する」系の本がよく出ているので、その仲間かと思って。表紙裏には「こんな読者にオススメします!アメリカ、ヨーロッパ以外の地域の作品をもっと知りたい!図書館司書をしているが、海外作品の蔵書を充実させたい。」とあるので、学校図書館の選書のためのブックガイド?と想定していたら、ちょっと違った。著者は、重松理恵(シゲマツリエ)広島大学卒業後、東京大学・広島大学などの生協にて長年、書籍の仕入・販売を担当。現在は大学生協事業連合書籍商品課に在籍。生協全体の書籍仕入れのアドバイスなどを行っているということで、販売の選書の方。世界一周に憧れ、しかし「内向的で気弱」な性格と英語での挫折から、英語だけではない世界を含めた、「読書での世界一周」を思いつく。ここ、「マジ天才やん…」と思ったんですよ。めっちゃおもろいこと思いつくやん自分…。色んな国の本を次々に継いで読んでいくことで、世界を一周するなんて!しかし読み進めていくと分かるのですが、著者ぜんっぜん「内向的で気弱」じゃない…。この本の「読書での世界一周」で選ばれている国も、著者が実際に行ったことがある国。オーストラリアではワーキングホリデーで日本語教師アシスタントを勤める、結婚して子どもが生まれてからも単身旅へ出る、etc…など、真性鎖国体質の私からしたら「うそつき!外交的で社交的で行動的じゃないかっ!」と言いたくなる(僻み)。でもまあ、試みは面白いよね。著者が決めた「世界一周読書旅行」の注意事項は次の通り。各国につき、①首都/大都市が舞台か、その国の代表的な作家の作品②ローカル地方が舞台の作品③歴史や文化に関わる作品を1点ずつは最低でも読む。そして、納得する3点に出会えるまで読む。なお、その国出身の著作でなくても可とする。これはなかなか大変そう。その国に付き、納得できる3冊に巡り合うまで…?その国を出られなくなりそうだぜ…。頭の中で世界地図を描き、あの国を通って、この国を…と考えていて気づく。英米文学以外で、日本語に翻訳されている作品って少ない…。この本で紹介されていて読んでみたくなったもの。僕の狂ったフェミ彼女 [ ミン・ジヒョン ]再会した元カノがフェミニストになっていた、という韓国の小説。クレイジー・リッチ・アジアンズ(上) [ ケビン・クワン ]クレイジー・リッチ・アジアンズ(下) [ ケビン・クワン ]これは、ジェーン・スーさんがおすすめしていた映画の小説版。そんなに面白いのかあと映画を見てみたけど、冒頭20分くらいでつまらなくなっちゃったんだけど、ここから面白くなるのか…?小説は面白いのか…?インドネシアの人気警察小説シリーズ『殺意の架け橋』は書影が出ず。「インドネシアの人気警察小説」っていう枕詞だけで読みたくなる。【中古】 もうひとつの街プラハの図書館の書庫から繋がる町、という設定にときめく。セーヌ川の書店主 [ ニーナ・ゲオルゲ ]フランス。これも本屋さんが舞台の物語。船着き場の船が書店!船に乗って出発した書店主、ベストセラー作家、失恋したイタリア人の話らしい。侍女の物語 グラフィックノベル版 [ マーガレット・アトウッド ]誓願 [ マーガレット・アトウッド ]これは有名なやつ。たしか「高橋源一郎の飛ぶ教室」でも紹介されていたんじゃなかったっけ?読んだこと無いので読んでみたい。穴の町 [ ショーン・プレスコット ]「穴」や「隙間」がテーマの話がすき。穴が拡大していく町で、何事もないように日々を送る人々の小説らしい。その不合理感、すきだ。清少納言を求めて、フィンランドから京都へ [ ミア・カンキマキ ]これもずっと読みたいと思っている本。色んな国の本を読みたいなあと思っても、結局気がつくと英米文学に偏っている。それは日本に翻訳されて入ってくる本がそう、ということもあるし、そもそもその国で作家が職業として成り立つか、ということでもあるんだろう(ルーマニアでは作家は兼業しかないと前に読んだ本で言っていた)。メジャーな言語で書くということは、それだけ流通し、翻訳されるということでもある。図書館の本棚を巡るときに、外国(海外)の作家は、国別・地域別で並んでいることが多い。そのとき、意識的に英米でない棚を見るようにしている。私が読めない言葉。私が知らない世界。そこで書かれた物語。きっと反対側の世界で、同じように本棚を巡る誰かがいるのだろうな、と思う。ちいさな町の古ぼけた本棚の、端っこに、村上春樹はいるのだろう。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.04
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書名言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ 言語沼 [ 堀元見 ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2023/8/3時点)楽天で購入(いつもの書影リンクが貼れないので、別の方法で)目次第1章 「のこと」沼第2章 「バテる」沼第3章 「えーっと」沼第4章 「あいうえお」沼第5章 「パンパン」沼第6章 「を」沼感想2023年169冊目★★★★言語が好き。「文字を読んだ時に頭の中でする『声』はどうやって決まるのか」を知りたくて、私は大学で言語学を選んだ。(結局新入生歓迎会で日本語学の教授に「それは言語学ではないのでは」と言われ撃沈)本が好き。物語が好き。文字が好き。言語が好き。どんな言葉でも。大学でやった日本語学も面白くて夢中になったけど、その後もずっと「言語学っておもろいなあ」と思って折に触れて本を読んでいる。この本は、タイトルに惹かれて読んだ。言語スキーは日常生活に周りに仲間がそんなにいないので、「言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ」言語沼、というタイトルが気になった。そんな友だちいたら羨ましすぎる。言語学の研究者(オタ)が、友人に語り尽くして沼落ちさせた話?エッセイ?と思ったら違った。まさかのYouTube本だった。著者2名は「ゆる言語ラジオ」というチャンネルをやっている。が、この本は完全に新ネタの書き下ろし。すごい。対談形式の言語学本ってたしかに新しい。読んだことなかったかも。勉強の参考書が対話形式になると途端に読みやすくなるように、この本もボケとツッコミがあって面白く笑いながら読めた。大学の言語学講義でやるような内容も入っているし、本文中の解説も丁寧だし、図解やイラスト、枠外参照もあって、非オタにもわかりやすい親切設計。著者のお二人の本業は、堀元見(ホリモトケン)1992年生まれ。北海道出身。慶應義塾大学理工学部卒。専門は情報工学。作家とYouTuberのハイブリッドで、知的ふざけコンテンツを作り散らかしている。YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で聞き手を務める水野太貴(ミズノダイキ)1995年生まれ。愛知県出身。名古屋大学文学部卒。専門は言語学。出版社で編集者として勤務するかたわら、YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で話し手を務めるというわけでお若い。そして話し手の人がほんまに本業の言語学者じゃなくてオタだった。好きこそものの上手なれ。キモオタバンザイ(褒めてる)。この本で私が面白かったもの。・「尾ひれ」と「尾びれ」 連濁(尾のひれ)によって並列関係(尾とひれ)を区別している。・「科学的発見には第一発見者の名前がついたことはない」という法則をスティグラーの法則という。しかもスティグラーの法則を見つけたのもスティグラーじゃなくてマートン。・舌の高さは、 前 高 後 い う え お あ という位置関係のため、「え」と「お」は他の母音と区別が難しく優先順位が低い。 (アラビア語の母音は「あ」「い」「う」だけ)・オノマトペを使うことで子どもは言語の習得が早まる(動詞の一般概念化) (逆に、日本語学習者にはオノマトペが理解しづらい)・「イギリス人は動詞で泣く、日本人は副詞で泣く」 動作の様子を表現するために、英語では動詞を変える。日本語は副詞を加える。 「〇〇な様子で泣く」というときに、英語に変換する時「泣く」を使うのは得策ではない! →これ、英語は単語で区別し、日本語は漢字で区別するというのも同じだと思った。 泣く、啼く、哭く。 日本人は「武志」と「剛」を同じとはみなさない。まあこんな感じで一冊まるごと言語学の「へえー!」「ほおー!」「ふーん!」が詰まっていて面白いです。特に、本に載っている「これとこれってどう違うの?」を子どもに訊いてみると、子どもならではの言葉の捉え方の回答が返ってきてすごく興味深い。5歳や7歳の子どもでも、日本語がインストールされていて、その概念でものごとを理解しているんだなあということがよく分かる。驚き。で、思うんだよね。いくら翻訳アプリが発達して相手が言うことをリアルタイムで理解できたとして、その人の思考ベースってその使用言語に拠っているから、本当は全く違う回路を経てそれは出力されているものなのだろうな、と。だから外国語を学ぶのは楽しいし、大事なことだと思うのだ。おいでよ!言語沼。ふだん自分が何気なく使っている言葉が、こんなに不思議なものだったなんてという驚きがあるよ。楽しいよ〜!笑にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.03
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書名森の端っこのちび魔女さん [ 夜凪 ]感想2023年168冊目★★表紙の絵が可愛くて好みだったのと、装丁が『本好きの下剋上』と同じ感じだったので読んでみた。うーむ。2023年冬に続刊発売、コミカライズ企画も進行中…ということだけど、もういいかな…。森の奥に母とふたりで暮らす少女・ミーシャ。母の教えを受け、ようやく薬師の見習いとして認められた頃だ。ある日、貴族の父が危篤であるという知らせを受け、母とふたりで屋敷へ向うがーー。最初はあんまりで(お母さん二回も突き落とされるの可哀想過ぎん…)、旅に出てからのパートのほうが面白かった。特殊能力に幻の民…金髪碧眼。努力もあるけれど、「血筋」が大きい主人公チートな感じ。しかしどうして異世界モノってこう、世界観がテンプレなんだろうか。中世ヨーロッパ(似非)みたいな。妹に言うと、「ゲームの世界観なんじゃない?」と言っていた。FFなのか。そして根底にあるのは「名誉白人」的な人種意識じゃないのか、と思う。でもそういう「前提」のもとに描かれたファンタジーみの異世界モノ、好きなんだよね。自分の中に嫌な部分を見る。異世界モノやトリップモノが大好きで、子供の頃からよく読んでいた。中でもお気に入りは、中山星香の漫画『花冠の竜の国』!羽が生えた猫にムカデ(?)に乗り、大きな花の上にある町。この世界観が好きで、ずっとこういう作品を読みたいと思ってる。これもまた、イギリスの少女が銀髪の王子様と恋に落ちる物語。想像上の、架空の西洋からの脱却。そうでないものを描こうとすると、徹底したリサーチと世界構築が必要になる。半端な知識量じゃ書けない。上橋菜穂子さんがその典型だ。みんな現代社会に疲れているのか、異世界トリップものが花盛りだ。もう主人公じゃなくて脇役になったりスライムになったり剣になったり自販機になったり〇〇になったり…と暇がない。あとは職業。元サラリーマンではなく元〇〇が異世界で活躍もの。設定捻るのそっちなんかーい!、と私は読み手として思う。いや、それはそれでおもろいねんで?おもろいねんけどな。中世ヨーロッパっぽい世界観のほうは揺らがないんだよなあ。ここが不思議で。オリジナリティ出したいながらそっち変えたほうが早くないか?と思うんだけど…。「え、まじで?そう来る?」みたいな異世界モノ、読みたいなあ。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.02
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書名令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法 [ 新川 帆立 ]目次【収録短編および各話の架空法律】◇第一話 動物裁判礼和四年「動物福祉法」及び「動物虐待の防止等に関する法律」◇第二話 自家醸造の女麗和六年「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達(通称:どぶろく通達)」◇第三話 シレーナの大冒険冷和二十五年「南極条約の取扱いに関する議定書(通称:南極議定書)」◇第四話 健康なまま死んでくれ隷和五年「労働者保護法」あるいは「アンバーシップ・コード」◇第五話 最後のYUKICHI零和十年「通貨の単位及び電子決済等に関する法律(通称:電子通貨法)」◇第六話 接待麻雀士例和三年「健全な麻雀賭博に関する法律(通称:健雀法)」引用いくら着飾っても、芯のところで人間としてダメだと見抜かれてしまうような気がした。がらんどうな自分のを中を誰にものぞかれたくない。自分が無敵のように感じる日もあるのに、ちょっとしたきっかけで、どうしようもなく気分が沈む。感想2023年167冊目★★★・元彼の遺言状 [ 新川帆立 ]・倒産続きの彼女 [ 新川帆立 ]・剣持麗子のワンナイト推理 [ 新川帆立 ]・競争の番人 [ 新川帆立 ] ・競争の番人 内偵の王子 [ 新川帆立 ]・先祖探偵 [ 新川帆立 ]最近、新川帆立さん特集かという。面白いんよな。やはり本職の知識量をもって書かれたものはバックグラウンドの、表面化しない深層部分の情報量が豊富だから、読んでいても違和感がない。今回の小説は、短編集。異なるそれぞれの「レイワ」の時代、動物の人権(動権?)が認められた世界、酒造りが家庭の味として家で行われている時代、仮想現実の国ができている時代、現物の通貨が廃止され、すべて電子貨幣に移行した時代、あるいは麻雀が合法の賭け事として認められ、賄賂の受け渡しに使用されるようになった時代ーーー。どれも架空の法律ではあるのだけれど、そのどれもが「ひょっとするとこうなっていたかもしれない」「もしかしたらこうなるかもしれない」過去であり現在であり未来であるという感じがする。引用部の「第二話 自家醸造の女」は、家庭醸造のお酒、をそのまま家庭料理、に置き換えても通用するもの。ひとつのテーマについても、たとえば第一話の「動物裁判」では、動物福祉+YouTuber(被出演者の人権)+デジタルタトゥー+女性の性被害+肉食の是非と人口代替肉…と盛り込まれていて、作り込みが細やかで荒唐無稽な設定を違和感なく受け入れられた。私の好みは、第三話の「シレーナの大冒険」。メタバースのような拡張現実がリアルな世界を凌駕していったなら、その「肉体の置き場」としての国を南極大陸に…というのもありえないことではないのでは?このお話は、映画「アバター」っぽくもあり、ファンタジーみとSFみがあって、すごく好きな感じでした。終わり方も、最愛のプログラムは、果たして再起動したあとは同一性を保つのか、はたまた再び目覚めることを彼女は望むのか…というところで終わっていてすき。新川さんといえば、持ち前の法律知識×荒唐無稽なキャラクターでぐいぐい読ませるミステリ?というか、連続ドラマ仕立てにしやすそう、というエンタメ性を感じさせるものが多かったので、この短編集はけっこう意外な感じがした。へえ、こんなものも書くんだなあという。『元彼の遺言状』で、「面白いけど、大衆迎合的」みたいなイメージを新川さんに抱いた人(ごめん、私)にはぜひこちらも読んでもらいたいという1冊でした。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.01
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書名君のクイズ [ 小川哲 ]引用クイズに答えているとき、自分という金網を使って、世界をすくいあげているような気分になることがある。僕たちが生きるということは、金網を大きく、目を細かくしていくことだ。今まで気づかなかった世界の豊かさに気がつくようになり、僕たちは戦慄する。戦慄の数が、クイズの強さになる。感想2023年166冊目★★★『地図と拳』(未読)で、第168回直木賞を受賞された小川哲さんの本。タイトルのクイズというのは象徴的な「君の謎」みたいな意味だと思っていて、男女間の失踪だとか虚偽系ミステリかと想定して読んだら違った。ほんまもんのクイズやった。スポーツのような生のエンターテイメントを目指す、生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』。賞金1000万円が懸かった決勝戦で、会社員のクイズプレーヤー三島は敗北する。両者拮抗するなか、最後の一問で勝敗が決するという時。対戦相手の本庄は、問題が一文字も読まれないなかで解答し、優勝した。これはやらせなのか、それとも?三島は、本庄の過去を探ることで、最終問題の謎を解こうとする。日本で1番低い山が天保山じゃなくなっていたなんて知らなかった。東日本大震災により、宮城県の日和山が1番に。クイズに答える人の頭の中ってそういう思考回路になってるんだね!というのが分かって面白かった。文中に「世界の可能性を剪定する」という表現が出てくる。無限にある回答の選択肢の中から、いち早く正解を見つけること。それには純粋な知識だけではなく、出題者の意図の理解、人間の心理学的性質なども考慮する。はああ、たかがクイズと思っていたけれど、奥が深い。全体的に映画「スラムドッグ・ミリオネア」を彷彿とさせる感じ。クイズに正解するということは、その経験が、記憶があるということ。人生まるごとをかけた、生き方の解答。主人公は、クイズの正解音が「ピンポン」と鳴る瞬間が好きだという。それは、問題に正解したというだけではない。これまでの人生を肯定する音でもあるのだ。クイズに正解すること。自分がこれまで生きてきた証を見せること。なぜ決勝戦で、対戦相手の本庄は、一文字も読まれない問題に、解答することができたのか?本庄の過去を知った主人公は、その理由を本人に確かめる。そして、納得する。けれど。ラストは後味が悪くて私は好きじゃない感じ。そこは本庄にきれいな存在でいてほしかったというか。謎解き終了、証明完了のあとの一捻りがそれかー、というか。裏切られたようなザラついた感触が残った。もうちょっと違う方向の「本当の目的(大義)」みたいなものがあれば良かったんだけどな。新しい仕事(業務)に就くと、自分が知らなかっただけで、世界はこんな仕組みになっていたのかと驚くことがある。そうして思う。私が知っていることなんて、本当に世界の隅っこの隅っこの、マイクロな、ナノなことなんだろうな。そしてそんなものが無数に存在し、世界を形作り、日々を動かしている。無知に気付き、それゆえに世界がいかに豊かであるか気づく、戦慄。クイズプレーヤーっていうのは、それに取り憑かれた人なのかもしれない。世界は途方もない。そのことを少しでも、把握しておきたいという欲望。生きていることは、君のクイズだ。全身全霊、そのすべてで解答する問題。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.31
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基本情報・仕事でも日常でもまったく使わない完全趣味の英語学習。・2022年6月受験時はTOEIC870点(リスニング455点+リーディング415点)。・いずれ、TOEIC940点や英検1級が取れたらな。・毎朝起きてから1時間程度、勉強しています。・NHK語学講座(アプリ「らじる★らじる」「NHKゴガク」)での学習がメイン。今週のふりかえり頑張ったような、そうでもないような。「ニュースで学ぶ現代英語」は、これまで予習として1週間分の英文を日曜日に写していましたが、日本語訳は後日になってしまい、対訳を意識せずに日本語だけ写しているのなんだかなあ、と思っていました。そこで、今週は放送を聞く日に英文と和訳を写すことに。このほうが良かったです。解説も読むし。そのあと、英文、和訳、解説を経てからの放送。しかし反訳トレーニング1週間分溜まってる…。ボキャブライダーを聞くとき、ボキャブライダーのアプリクイズを解くとき、洋書を読むときに、踏み台昇降運動やりながらにして、「じっと座っているととにかく気が散る」自分を集中させてます。なんで英語勉強してるんやっけ、というときに眺めるノートの見返し。やめなければ、細々とでも続けていたら、いつかどこかへ行けるのか。娘のお下がりのちびた鉛筆がダースであるので、消費のためにボールペンをやめて鉛筆にしているのですが、鉛筆の筆記距離が長すぎて(ボールペンが数km、鉛筆は50km)、ぜんぜん無くならない。いつまでもどこまでも書ける…。もうすぐ鉛筆ホルダーで掴めなくなりそう。ボールペンはすぐになくなるからしょっちゅう買っていたのに、鉛筆のもちの良さよ。今週のニュースで学ぶ「現代英語」月曜日放送分火曜日放送分水曜日放送分木曜日放送分金曜日放送分来週の計画8月のハビットトラッカーを作りました。7月に辞めたこと(中高生の基礎英語、英会話タイムトライアル、ラジオビジネス英語、脚パカ)はなし。代わりに始めた踏み台昇降の欄を設ける。起床時間の欄も復活。「遡ってやったこと」(その日のノルマを別日にカバー)の色塗りは、「できなかった」という空白を埋めようという気持ちになるのでおすすめ。これまでは、別日にやっても反映されなかったからね。ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.30
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書名闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由 [ ジェーン・スー ]目次はじめに齋藤薫(美容ジャーナリスト・エッセイスト) -「自分の顔を知るって、本質を見つけるということ」柴田理恵(俳優・タレント) -「自信がついたのは、自分たちがやってきたことが、人の役に立つとわかってから」君島十和子(美容家・クリエイティブディレクター) -「出会った人と、出会った出来事で成り立っている」大草直子(スタイリングディレクター) -「あらゆることをやってます。それは自分を好きでいられるためのステップなんです」吉田羊(俳優) -「やればできる、できないわけじゃないと自分を鼓舞してる」野木亜紀子(脚本家) -「少しでも心が動くもの、残るものを目指してやっている」浜内千波(料理研究家・食プロデューサー) -「女性が輝いているところで、私も一緒に輝きたい」辻希美(タレント) -「頑張っていれば、悪いことはないのかなって。何事も」田中みな実(俳優) -「この経験はしないほうがよかった、近道があった、と思うことはひとつもありません」山瀬まみ(タレント) -「ものの考え方だけで、ある日突然、いろんなものが幸せに感じました」神崎恵(美容家) -「やりたいことができるようになったら、誰からも好かれる容姿も必要なくなった」北斗晶(タレント) -「自分ができないことを補って助けてくれる人たちがいれば、人生回るんだよ」一条ゆかり(漫画家) -「私はずっと、私のためだけに存在する私の椅子が欲しかった」おわりに感想2023年165冊目★★★「週刊文春WOMAN」vol.1〜5、7〜13、17号掲載の再編集して収録。6年にわたる13人の女性へのインタビュー。いろんなジャンルの有名な人が登場する。テレビで見る一面だけしか知らない人たちの、内側。もちろん「きれいな」インタビューだから、全員「すごい」「いいひと」に見える。私は特に辻希美さんなんか、「よく知らないけど漠然とネガティブなイメージを持っている」状態だったので、へえと思った。艱難辛苦をくぐり抜けてきた彼女たちだからこその、噛んで沁みるような言葉たち。私が印象に残ったもの。「口幅ったくて、いい答えにならないかもしれないけれど、知性しかないのかなと思います。歳をとって、いくら若くてきれいで、金持ち風に見えても、決定的に知性がなかったら、汚く見えてしまう。知性がないまま、美しさと引きかえに削れてしまう人生は、送るべきじゃない」美容ジャーナリストの齋藤薫さんの言葉。何度も紹介しているけれど、私はマルグリット・デュラスの『愛人(ラマン)』で、最後のシーンが好き。それは年老いた「かつての美少女」であった主人公にかけられる「私は今のあなたの顔のほうが好きです、嵐が通り過ぎたあなたの顔のほうが」という台詞。先日の飲み会で、美人と評判の年上女性が「〇〇さんは、きれいだから」と声をかけられていて、それはいつまで価値があることなのだろうか、と考えていた。やっかみと言われるとそれまでなのだが。ジブリの映画「ハウルの動く城」で、魔法で老婆に変えられてしまった少女・ソフィーが言う。「私は美しかったことなんて一度もないわ!」けれどソフィーは、きれいなんだ。老婆になっていたって。それは何故か?外面より内面、ということではない。そりゃあ被っている皮の造形が整っていることは価値がある。けれどそれはなんていうか、多大な部分は別に単なる運である。そしてその美しさは、多くの場合、歳を重ねるほどに失われていく。削り取られていく。この歳になって、内側に蓄えているものが試されていると感じる。それで勝負するには全然足りない。削り取られていく人生の中で、積み増していくもの。母親に対する気持ちにも変化が訪れた。「こうしてほしかったという思いを、ずっと抱えて生きてきました。でも、やってもらえたことや赦されたことのほうがはるかに多い。そこに目を向けていなかったんだと、手紙を読んで改めて気づきました」俳優の吉田羊さんの言葉。両親に対して、屈託がない人というのが、私には眩しく、また信じがたい(それは私の夫であるのだけれど)。すべての親は毒親であり(自分も含めて)、その毒とどう生きていくかということが、この世に子として生まれた時に課せられた呪いみたいなもんだと思っている。どうしても、過去にしてもらえなかったことだとか、そういうところにフォーカスしてしまうけれど、アルバムをめくると「愛されて育った子ども」としての自分が映っている。大人になってから、その事実に驚愕した。これは誰なんだろう。今は、子の立場から、負の面からだけ親を糾弾するのはフェアじゃないと感じている。自分の子供を見ていてもそうだ。子には子の都合と思いが、親には親の都合と思いがある。永遠にマッチングしない矢印の双方向。「中堅になると、下にも上にも挟まれて、にっちもさっちもいかなくなるときってありますよね。若手にも行けないし、おばさんの部類にも入れないし」(略)「中途半端な時期を、どう跨いだらいんだろうという問いは自分の中にもあったんだけど、大人になったって、わからないものはわからないじゃないですか。そこで、わかる振りをするおとなになるか、わからないと言える大人になるかの岐路に立たされる。選択肢はふたつしかないから、私はわからないと言えるほうに。そういうのを求められている座席であれば」タレントの山瀬まみさんの言葉。私は現在、37歳。アラフォー。あ、あ、あらふぉー?!こんなに未熟でグズグズなのに、「右も左もわからない若い女の子」と甘やかしてもらえる時期は過ぎて、かといって「すべて任せられる存在」とは見なしてもらえず、中途半端だなあと思う。10や20年上のオジサマがたには、扱いにくい存在。発言すると窘められる。発言しないと役職に応じた仕事をしろと言われる。どっちやねん。でも最近、新しい会社での動き方も分かってきたし、もう遠慮するのやめようと思った。顔色を見ながら、角が立たないように、お伺い立ててやっていたけど。好きなようにやったろうと。ある人に、「ノマちゃんは、上の人にとっては脅威なんだよ」と言われた。だから、気にしなくて良いと。それでちょっと、気分を持ち直した。相変わらず「しんどいなあ、つらいなあ、やめたいなあ」と思う日々だけど。またある人には、「ノマちゃんは、尖りすぎててぶつかるねん」と言われた。もっと上手に生きていく術を学ばなくては、と。そうやねん。でも出来へんねん。だって私が正しいから!(笑)おまえ、そういうとこだぞ!私は、わからないと言える自分でいたい。そうして自分のできることを増やしていきたい。だってそのほうが楽しいから。それは私の喜びだから。「勝ったか負けたかわかるのって、目を閉じる瞬間ですよ。私はまだ人生に勝つってどういうことなのか、勝ち負けで済むものなのかもわからない。ただ、いろんな国に行っていろんなことを経験して、いろんな人と出会えた。勝ち負けよりも、人生は足し算みたいなもんだなと思ってます。最終的に残るのは一人か二人かもしれない。でも、足し算の最後の答えが自分ひとりじゃなきゃいいなって」元プロレスラーの北斗晶さんの言葉。私、ここの文章が引っかかって、でも前後の文章も含めて何度も読み返したのだけどよく分からなくて、それが「足し算の最後の答えが自分ひとりじゃなきゃいいなって」という部分。この言葉の後に、お祖父さんの「自分ができないことを補って助けてくれる人たちがいれば、人生は回るんだよ」というお話が続くんですが、だからこれは、「はやく行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければみんなで進め」と同じ意味なのかなあ。人生の最期の時に、今際の際に。人生に勝ったとしても(私にも何が「勝つ」ということなのか分からないのだけれどーーーあえて言うなら、「死ぬまで生きること」だろうか)、その勝利が自分ひとりのものであったなら、それは意味があることなんだろうか。「この先も、どうせ周りが文句を言って私を汚したりするに違いないから、絶対に自分に汚点をつけてはいけない。どこまでも自分を正しくかわいがってやろうと思ったんです」漫画家の一条ゆかりさんの言葉。「自分を正しくかわいがる」って、すごく難しいことであるけれど、必要なことだと思う。正当な自己認識と、適切な自己肯定。生きていると、そしておとなになると、別に誰からも褒められないじゃないですか。仕事だってやっていて当たり前なんだから。でもそれじゃあ、甲斐がない。「ラジオビジネス英語」のEメールの講義のときに、パーソナルタッチを入れていきましょう、というアドバイスがあるけれど、もう私のメール、パーソナルタッチまみれだからね。あなたの仕事がいかに誰かの役にたっているか、というのを伝えることを心がけている。けれど自分を省みると、出来ていない。周囲はね、よってたかって否定するほうじゃないですか。肯定よりも否定、賛同よりも批判。それなら、自分くらいは自分の味方でいてあげなくてはね。「どんなに嫌な自分でも、いつも真正面から自分と闘いたい。『あなたの敵は?』と聞かれたら、今日の私と答えます。一番の味方は、明日の私。明日の私に褒められるように、今日の私と闘うのよ」これも一条さんの言葉。私なんて毎日毎日、今日の自分に負けてますよ!笑明日の自分に託して、明日の自分から怒られてる!闘いの庭、咲く女。日常というバトルフィールドで、踏みつけられて。あるいは上からアスファルト舗装されたとしても。なにくそ、と咲ける自分でありたいよね。自分がそこにいる理由、を探しながら。誰かがその花を見て、笑んでくれると嬉しい。そしてまた、そのあとにそこに誰かが花を咲かせられるように。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.29
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書名書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控〈クロニクル〉 [ 白戸 満喜子 ]引用「ライブ?」「そう、古書は生演奏。楽曲を作った人自身が演奏するのを生で聴くのはもちろん最高だと思う。でも、その曲を好きな人がその人なりのアレンジで楽しみながら演奏しているのも聴いていてワクワクするでしょ。同じように、たとえ写しであっても、人が書いた文字が伝える魅力って、音楽と同じだと思うんだ」「そう……、かな?」「文字情報っていうけど、その本をどういう紙で作ろうとしたか、っていうのも情報なの。(略)音楽は一度に何人もの人が感動できるし、素晴らしい演奏にはアンコールっていう反応があるよね。書物は音楽のように同時に多くの人を感動させることはないけれど、例えば古書に手擦れがあったら、何人もの人が楽しんだ痕跡、アンコールなんだって思う。読んだ人の感動が古書自体に残るのが古書らしさなの」感想2023年164冊目★★★「書誌学入門ノベル」という言葉と、「書医」という見慣れない単語、そして初出が「日本古書通信」に掲載(2010年〜2012年)されていたというのを見て読んでみた本。本が好きな人って、本という紙媒体も好きじゃね?(偏見)YA(ヤングアダルト)小説かと思って手に取ったけど、どっちかというと大人向けだった。しかしなんというか、画期的かつ斬新な試みではあるのだけど、内容(書誌学)と物語(中学生向け?)のバランスがいまいち。小説として読むには流れが悪いというか、設定も「?」と思うところあり。連載という発表形態もあるからか、途切れ途切れなのも気になった。作者は、白戸満喜子(シロトマキコ)博士(文学)。青森県立弘前高等学校卒業。慶應義塾大学文学部国文学専攻卒業後、法政大学大学院にて日本文学(近世)を専攻。指導教授は松田修。原典・現物にこだわる研究姿勢を継承している。慶應義塾大学の無料公開オンライン講座FutureLearn「The Art of Washi Paper in Japanese Rare Books(古書から読み解く日本の文化、和本を彩る紙の世界)」で講師を勤めるという専門の方。本を修理する専門の「書医」(この小説の造語)の家に生まれたあづさ。若くして世を去った兄・葵の後、家業を継ぐことを志し、目下修行中の身。あづさと双子の妹であるさくらは、紙の素材が「色」で見える特技を持つ。あづさとさくらは、さまざまな古書と、本に携わる人々に出会い、学んでいくーーー。自分が専門家だとして、その普及のためにいっちょ小説にしてみっか!とあふれる愛を注ぎ込むというのは、なかなかできることじゃない。専門家でないと書けないだろうなっていう知識。内容(書誌学)は「ほおお」「へええ」と思うことばかり。和本・漢籍・朝鮮本という分類があることすら知らなかった。籠字(かごじ)は、一文字ずつ輪郭をたどって写し取られた白抜きの文字。双鉤填墨(そうこうてんぼく)は、その中を墨で塗りつぶしたもの。コピーがなかった時代、原本をそのまま写そうとすると、そうするしかなかったんだなあ。ものすごい労力。そりゃあ本が貴重になるわけだ。(ここらへん、『本好きの下剋上』の活版印刷を始める前を思い出す)私は大学で日本文学の授業を履修し、そのときに一通り和本についても教わった。その時面白いなあと思ったのは、昔はすべて手で写していたから、もちろん写し間違いがあったり、展開がちょっと変えられたりしているということ。それをまた人が写すから、どんどん元の本から離れていく。それを辿っていく文学研究(あるいは言語研究)があるのだと知って、教科書で教わる古典=ひとつ、と思っていた現代人の私はびっくりした。そうかあ、手で写すってそういうことなんか。双鉤填墨は、薄葉(うすよう)の斐紙をトレーシングペーパーのように敷いて写す。だから、写し間違いがなく、また筆致もそのままに写し取ることができる。朱墨套印本(しゅぼくとういんぼん)というのも、そういう本があるんですねえ。これは、中国各地の官僚から皇帝への上奏文を墨で書いてあり、皇帝の意見が朱墨で印刷されているものなのだって。習字の先生が朱で直すような感じか。アルノ川の洪水とヨーロッパの書物修復については、・忘れじのK 半吸血鬼は闇を食む [ 辻村七子 ]・忘れじのK はじまりの生誕節 [ 辻村七子 ]でも確か出てきたな。B4やA4の紙のサイズは、私世界共通なのかと思っていた。この本の巻末にある「浅利先生の書誌学講座」(全10講)は興味深いことばかり。え、美濃紙の大きさ(B)と半紙(A)に由来するの???しかもこの「版本の大きさと名称」の出典が『牧野富太郎 叢書の世界』なんだけど?富太郎ここでも何してんの?笑電車好きが、電車に乗ることを、電車の走る音を、電車の駅の音を、車両を、時刻表を、愛するように。本を愛するものは、本の内容と同時に、作者を、そして本という形態を愛する。電子書籍が広まっていったら、紙の本はどうなっていくのだろう。引用部で、著者は言っていた。読んだ人の思いが、古書には残っている。紙の本が今よりももっと貴重だった時代。一冊一冊を大切に大切に読み継ぎ、人から人へ渡していった時代には、もっともっと「思い」が濃厚に積み重なっていただろう。活版印刷の後、そういうものは、薄れていった。古本屋で手に取った本に、はがきやレシートが挟まれていることがある。それが誰かの○周忌のお知らせだったことがある。あるいは大学生のテストの答案だったこともある。書き込みがあることもある。折り癖も。私はその人が読んだことに思いをはせる。電子はそれに代わりうるか?にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.28
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書名月と散文 [ 又吉 直樹 ]引用呼吸をしているだけで恥ずかしいのだ。それなら、せめて好きなことをやって自由に恥をかきたい。自由に恥を掻くことは、阿呆になることとよく似ている。「恥ずかしい」を「アホ」という言葉で塗りつぶすと、苦しかった時間や風景が愛しさを伴った愚かさに変化する。喋ってもアホ、黙ってもアホ、踊ってもアホ、踊らなくてもアホ、ということは、なにをしていてもアホということだ。どうしようもないことを好きなように書く。その瞬間は純度の高い阿呆になれる。それを繰り返すと、自分が阿呆の膜に覆われていく。阿呆の膜に守護されている時だけは恥ずかしいことから解放される。阿呆の膜のなかで無呼吸の自由演技を続ける。情けない感情や暴れ出した混乱が極まり阿呆の膜が破れると、ようやく息を吸うことができる。すると、やっぱり恥ずかしくなってしまって、また阿呆の膜を紡ぎ始めるのだ。感想2023年163冊目★★★小説だと思って読んだらエッセイだった。オフィシャルコミュニティ『月と散文』に週3回書き下ろし配信したもののまとめ。紙媒体の原稿と違うので、長さもまちまち。読みやすくて、「は?お笑い芸人の書いた小説なんて読めるか」というスタンスの人(アンチすぎるやろ)にもオススメのエッセイ。そう、これはお笑いコンビ「ピース」の又吉さん(小説『火花』で第153回芥川賞を受賞)が書いたもの。お笑い芸人らしく(というのは偏見なんだけどね。この本よりも私は三浦しをんのエッセイ読むときのほうがヤバい)読んでいて「ぶふっ」と噴き出しまうこともあり、小説とエッセイって同じ原材料で出来ているんだよな、と思う。その作家の人の世界。その言葉。そのものの見方。感じ方。それがフィクションのかたちをとるか、散文のかたちをとるか。エッセイとはいっても、起承転結を設けるから、ある意味ではつくりものの枠にはめているのだし。散文のなかに、江戸川乱歩の『赤い部屋』という短編が紹介されていて、これが信号待ちのときに赤だけどまるで信号が変わったように振る舞うことで、ぼんやり一緒に渡った人を事故にあわせる…というくだりなのだけど、「あ、これが伊坂幸太郎の『マリアビートル』の元ネタだったんだ?!」と気付いて面白かった。引用部はまえがき。私は「阿呆」ときくと、つい反射的に森見登美彦氏を想起してしまう。しかし、まあ、「阿呆」という言葉って、よいよね。芥川龍之介『或阿呆の一生』しかり。自虐的でありながら愛がある。自意識過剰の自己愛。それすら自嘲するような。対人に使う場合でも、「あんたアホやなあ」には、愛がある。相手を包み込んで許容するあたたかみがある。硝子の自尊心は、些細なことで粉々に砕ける。透明で繊細な内側。だからそれを守るために、より何重にも、そしてより高く硝子を張り巡らせることになる。囲まれて、ようやく息をつく。どうか、誰も、何も、これ以上、触れないで。玻璃の内側にあるやわらかい私を壊さないで。見渡せば、みんながみんな、強固なダイヤモンドを纏っているように見える。そのことに驚愕する。きっとあれもまた砕けやすい硝子のだと、私には信じることが出来ない。「阿呆」という言葉は、硝子を氷にするくらいの効果がある。玻璃の宮殿より、阿呆の城に立てこもるほうが、よっぽどマシだ。触れた場所から熱を得て、それは溶ける。かたちを変える。怖くてそこから完全に出ることは出来なくても。私も阿呆の膜を被って生きていきたいなあ。アホやなあ私、と自分を許して、アホやなあんた、と人を許して。或阿呆の一生。ある種の特性がある人は、言語によるコミュニケーションが不得意で、「喋りすぎる」という特徴がある。私もまさにそれで、喋りすぎて失言してしまう…。最近その自分を観察していて、私の失言は「ツッコミ待ち」状態のボケなのだと気付いた。誰も突っ込んでくれへんから滑ったみたいになって失言になってるだけで。そして思い返してみると、高校生くらいにも同じことを親しくないクラスメイトから「ノマちゃんいっつもおもろいこと言うてるのに、スルーされてること多いよな」と言われたことがあった(「だからほんまは仲良くなりたいと思っててん」)。文章ではセルフツッコミをできるから、私は自由に阿呆になれる。日常生活での阿呆度は、その場に適切な発言を心がけよう…。ツッコミ不在のボケほど辛いものはないのだから!にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.27
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書名捨てなくても大丈夫 (TJMOOK)目次五木寛之モノと記憶とともに生きていく。五木寛之さんが語る「捨てない」豊かさ京極夏彦累積するモノの機能を追求した究極の在処田原総一朗本があふれるこの部屋が最前線に居続けるための拠点赤峰幸生(インコントロ代表)「装う」を極めてたどり着いた真髄と哲学が宿るアトリエの風景吉田豪(プロインタビュアー)地層のように積み重なった捨てられない歴史と生きる郷古隆洋(Swimsuit Department代表)世界中から集められたモノと笑顔にあふれる家族の住処福田春美(ブランディングディレクター)歴代の好きなモノが織りなすくつろぎの“巣”下田昌克(画家、イラストレーター)恐竜が住む部屋で愛着あるモノたちに囲まれてパトリック・モリエス膨大な美術品が物語る独自の美学に満ちたメゾンベアトリス・バロッシーニ/ファブリス・バロッシーニ家族代々のモノと異国のオブジェが同居する感性の住まい積み上がるモノとともに生きたレジェンドの遺品の行方脳の働きから考える好きなモノ・大切なモノと生きる豊かさ捨てない、のその先を考えよう モノの行き先準備ガイド書き出すことで見えてくる!私のモノ手帖感想2023年162冊目★★★甘いもののあとにはしょっぱいもの、ミニマリスト本2023.07.25「161.より少ない家大全 [ ジョシュア・ベッカー ] 」のあとにはマキシマリスト本。この本のタイトルが、世の「捨てるが正義」「物は持たないが正解」という風潮、長く続く断捨離ブームに「大丈夫だから!」と立証しようとするようで頼もしい。私は京極夏彦さんが掲載されているのを目当てで読んだ。しかしこの本、表紙からまずうっとりするでしょう?こんなにモノが多いのに。それはひとつには本が多くてうっとり、ということでもあるのだけれど。インタビューされている面々も豪華。冒頭は物書きが続くので、膨大なコレクションも本が多い。いやもうこれ、どないすんのって量。田原総一朗さんなんて、ホテル住まいなんですよ?なのに床から無造作に積み上がる本・本・本のタワーたち。京極先生の本棚は対象的にピシーっと一部の隙間もなく詰まっている。本が続いた後は、服飾や雑貨が続く。赤峰さんという方のワードローブのコレクションは圧巻。この方は、朝に散歩をしているときの朝焼けの色からその日の服装を決めたりするのですって。いろんな絵の具で絵を描くように。だから少ない服で着回す、私服の制服化は理解できないという。私が一番身近に感じ、「この家いいなあ」と思ったのは、郷古さん。民芸品やら何やらが雑多に組み合わさった、この本で唯一の子育て世代。カラフルでごちゃごちゃ、古いものと新しいものが混在。機械的なものと手作業のもの。歴史と未来。「BEAMS AT HOME」とかに出てきそうな感じの雰囲気のお家。自分で作った恐竜の模型(布で作ったぬいぐるみみたいな骨格標本)がでーんと天井から吊り下げられた下田さんの部屋も面白かった。ここのお家は、カーテン代わりに掛けられた布の透け具合や、玄関ドアに貼られたいろんなもの、マグネットのカオスがアトリエっぽくて素敵。この本で印象的だったのは、五木寛之さんの言葉。そこにモノがあれば、ふわーっと記憶が蘇ってくる。どんなに小さなガラクタであっても、そうした記憶の依代となるものを大事にしたいのです。人は過去の記憶に支えられる存在。記憶を大切にするというのは、(略)人生で困難が訪れたときに、幸せだったころの記憶や、過去に困難を乗り越えた記憶を思い返すことで、今を耐えることができる。それが、前向きな記憶というものです。今をしっかりと生きていく。そのために、記憶を簡単に手放さないで、むしろモノをきっかけに取り戻す必要があると思うのです認知症になった人に、昔の思い出の品を触ってもらうという治療?があるらしい。五木さんがいうように、モノは記憶を呼び覚ますキッカケになる。その当時の思い出を下ろす「依代」に。よく、捨てられない思い出の物は写真に撮って残しておきましょう、という。でもそれでは駄目なんだよね。どこからか出てきたモノに、「あ、これ」と一瞬で記憶が蘇ることがある。手にとって、触って、はじめて依代として機能する。モノがあるからこそ。けれど現実に、すべてを置いておけるスペースはなく、私はたくさんのモノをコントロールできる能力もない。羨ましいな、とコレクションができる人を思いつつ、自分は違うところで記憶を残そうと思う。そもそも私、めちゃくちゃ記憶力悪いから、過去を思い出そうとするとだいたい空白(真っ白)だからな〜。必要ないやん…。より少ないことがより良い。という考え方がニュー・スタンダードのように私は語るけれど。そうじゃないこともあるんだよな、と思う。私は曽祖父だかの一本の木から作った将棋盤を受け継いでいる。将棋も出来ないのに。玄関でちょっとした物置として使っている。高さがあわずにガタついている将棋盤。濃い色に変わった時を経た木。そこにある傷を撫でる時、私は顔も知らない先祖のことを思う。仏壇がないから、先祖のことなんて考えるのはそのときくらいだ。捨てられないもの。手に触れる記憶。捨てなくても大丈夫。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.26
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書名より少ない家大全 あらゆることから自由になれる [ ジョシュア・ベッカー ]目次PART1 なぜものを減らすのか第1章 ミニマリズムでわが家を大改造する第2章 ものを減らして豊かになる「ベッカー・メソッド」PART2 部屋ごとにものを減らしていく方法第3章 家族ですごす時間を取り戻すーリビングルームのミニマル化第4章 心地よく休息して健康になるー寝室のミニマル第5章 自分らしいスタイルを見つけて維持するークローゼットのミニマル化第6章 機能を優先して家族の清潔さを保つーバスルームとランドリールームのミニマル化第7章 食事を楽しみ「おもてなしの心」を育むーキッチンとダイニングルームのミニマル化第8章 ストレスをなくし頭脳を解放するーホームオフィスのミニマル化第9章 過去に別れを告げるときー物置部屋とおもちゃ部屋のミニマル化第10章 わが家の見た目を変えて理想に近づけるーガレージと庭のミニマル化PART2の付録ーミニマリストのためのメンテナンスガイドPART3 ミニマリズムで広がる未来第11章 小さな提案ー小さな家に引っ越す第12章 ミニマリズムはすべてを変えるー人生の新しい可能性感想2023年161冊目★★★2016年発刊『より少ない生き方 ものを手放して豊かになる』のジョシュア・ベッカー氏の続刊。ミニマリスト全盛期(ブーム時)に出たときと比べると、一定落ち着いて、定着と忘却が進んでいる「ミニマリスト」。ミニマリスト(笑)みたいなニュアンスがある。かっこわらい。だから「ゆるミニマリスト」だとか「シンプリスト」だとか「〇〇系ミニマリスト」だとか、「私はがっちがちのミニマリスト原理主義者じゃありませんよ!」と名乗る人も多い。それで何が変わるんだっていう話でもあるのだが。曲解と派生と亜流。この本は、「物」より「家」にフォーカスした本。アメリカのだだっ広い一軒家が思考ベースなので、日本とはちょっと違うかなと思った。ただ、それこそアメリカ的な「家」観に疑問を呈している本。広くて、大きくて、ものがたくさんあって、それが「豊か」なことなんだろうか?そのスペースを埋め尽くすほどの物を買い続けるお金。それを管理し続ける時間。家というのはフローだ、というのは面白かった。作家のジョン・シェッドも言っているように、「港に停泊した船は安全だが、船は停泊するためにつくられたのではない」ということだ。つまり家とは、人生の潮が満ちたときに、そこから出航するための場所でもある。このようにより少ない家(ミニマリスト・ホーム)は、そこに「帰りたくなる場所」であると同時に、そこから「出かけたくなる場所」でもあるという2つの利点がある。よく、新生児が生まれたお母さんにかける言葉として、「掃除なんてしなくてもいいのよ、今は身体を休めることが一番、ホコリで人は死なないんだから」というセリフを聞く。私はこれ、駄目だった。部屋が散らかっていると精神が死んだ。人によっては、掃除や整頓、「片付いた状態」がそのまま人生のコントロール感に繋がる。思わず目を背けたくなる部屋、扉を開けたくない家で、健全に生きていけるだろうか?そして私にとっては、「減らす」ことでしか、「コントロール」にたどり着けない。娘(現在小2)が小学校に上がるとき、大量のおもちゃを処分した。売って、譲って、捨てて、そうして小学校用のスペースを確保。ランドセルと学用品以外は何も買わずに、もともとおもちゃを入れていたスチールラックを、ランドセル置きや教科書置きに転用(勉強はリビング)。来年は息子が小学校に上がるので、また遊んでいないおもちゃを徐々に片付けている。今回も特に何も買わずにいきそうだ。そのかわりと言ってはなんですが、それぞれ「自分の持ち物(秘密のもの)」を入れる小引き出しを1人1つ購入。しかしダイソーで300円の買ったらサイズ微妙だし開けにくいしで失敗でした。ちゃんとしたの買えばよかった…。私は手持ちの革バッグが傷んできて、内布が破け、金具にあたる革部分が千切れてきた。軽いカバンがほしいなあ…と、手持ちのバッグでしばらく代用。ランチトートのようなちっちゃいバッグでミニマリストごっこしています。通勤の時だと中に入れているのは、・ハードカバーの本・A5のウィークリーバーチカル手帳・ワイヤレスイヤホン・スマートフォン・4色ボールペン&シャーペン・エコバッグ・お弁当(おにぎり)・財布→2018.08.03「三つ折り極小財布」だけ。これをテトリスのように組み合わせ。日傘は手持ち。荷物が軽い。ちっちゃい。肘かけ持ちなのが玉に瑕。肩掛けか斜め掛けがいい…。キャッシュレス決済が進み(楽天ペイが普及してきたので移行)、財布に小銭を入れなくなりました。財布の中には、1万円札と千円札を1枚ずつ。それと、クレジットカードと電車のICカード。使わなくなった小銭入れ部分には、家の鍵と自転車の鍵、コンタクトの予備とヘアゴム。ポイントカードもスマートフォンに入れているので、カード入れ部分の余りには「折りたたんだコンビニ袋」と「絆創膏3枚」。つまり、ポーチを廃止して財布にすべて統合。目薬は入らなかったので、職場の引き出しに入れておき、家の化粧道具一式にも入れておく。外では目薬をささないので問題なし。ただ、A4資料やパンなどを買うと、エコバッグを出さないと入り切らない。さらに肘掛けだといつかカバンごと置き忘れそうで、怖い。というわけで、コットンのトートバッグ(斜めがけできる・A4入る・中に仕切り付き)を新たにZOZOTOWNでポチりました。メインバッグを挿げ替えよう。布バッグは雨の日が困るけど。まだ届いてないから、楽しみ。靴も3足しか持っていなかったんですが(ぺたんこパンプス、レインスリッポン、スニーカー)、レインスリッポンの底に穴が空き、スニーカーの横が破れて足が見えるようになったので新しい靴を買いました。スリッポンが便利すぎて、色違いで2足購入。レインスリッポンは同じものを買い替え。靴は4足になりましたよ!保育園や学童の送迎時に脱ぎ履きが本当に楽。スリッポンバンザイ。あと最近、ずーっと人数分揃っていなかったフォークとスプーンを買いました!笑柳宗理で揃えていて、息子が生まれて「大きくなって使うようになったら買おう」と思って5歳だよ。箸使ってるがな。要するに何が言いたいかというと、「その人その人の適正量がある」ので、コントロールできる範囲で愛用して使い倒して新しいものを買うと、「新しいものを買う」ことがレアイベントなのでめちゃくちゃ悩むし楽しいし嬉しいし大事にする、という話。私たちは、自分の痛みや悲しみ、満たされない気持ちを、何かを買うことで埋め合わせようとすることがあまりにもたくさんある。でもその過程で、内に秘めた情熱や能力にも蓋をしてしまうことになる。ミニマリズムを実現すると、一種の自信につながります。たとえば、他の人たちにどう思われようと気にしなくなる。周りの目を気にする段階を乗り越えて、もう元に戻る必要もなくなるような地点に到達すると、まったく新しい可能性に満ちた世界が目の前に広がるのです。私はまだ、埋め合わせをしようとしちゃうことがある。ストレスを、「違う(もっと素敵な、もっと〇〇な)自分」になれるような気がして、何かを買ってしまいそうになることが。この本では、子どもにもミニマリズムの有用性を説き、理解してもらうよう勧めている。でもこれ、難しいなと感じている。小2の娘、今月からお小遣いを開始した(ちなみに、前に読んだ本を参考に300円×年齢で2,100円。私が子供の頃からしたら破格の値段だ)。もうね、物欲の塊。ガチャガチャしまくり。笑指輪がすごい数あるので、「指な、10本しかないやろ?」と言ったら、一本の指に何個も重ね付けしてきた…。あんまり子どもにミニマリズムを押し付けると、反動でマキシマリストになるんじゃないかと心配なので、好きにさせようと思っている。ただ、「こんだけしか置くとこないよ?」という枠だけ示して、必要なら収納家具を揃えるも已む無し。彼女には失敗する権利がある。自分が自由に使えるお金を貰えるって、嬉しかったよなあと思い出す。なんでこんなものを、と後悔したことも含めて。働き始めたら、すべてのものが「これは私の時給○時間分…」に見えたっけ。お金は力だ。でも一方で、その先にあるものにたどり着きたいとも思うんだよ。それはいっぱいいっぱい失敗したからこそ、言えること。いまだに失敗するしなー!宅配生協で注文したやつ、大体届いたら「ちっちゃ!」てなるしな!にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.25
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書名なんだろう なんだろう [ ヨシタケシンスケ ]感想2023年160冊目★★★絵本ではない、本でもない、その間くらいの本。幼稚園くらいには難しいくらいのレベル感。もとは、道徳教科書(小1~中3/光村図書)のコラムで、そこに描き下ろしを加えたもの。「なんだろう なんだろう 『〇〇』ってなんだろう」からはじまる、〇〇についてのいろんな考え方。なんだろう?で終わって、答えがないのがいい。私は「夢」のところが好きと思った。夢をもっている人って、かっこよく見える。じゃあ、夢がないのははずかしいことなの?先日、息子(5歳)に「まま、しょうらいのゆめ、きまった?」と訊かれて、答えに窮した。えーっと、宝くじに当選して、一億円くらい手に入れて、それを運用しながら不労所得を得て、ちょびっと働く…みたいな。夢がない夢!笑南の島で毎日家の前が海、みたいなところに住みたいし、ブータンにも行きたい。子どもをそういうところに連れて行ってもあげたい。どうせ打ちのめされるなら、うんと広い世界に。今の仕事をしていて何になるのか、という話をしたら、「余裕があるからそういうことを言えるんだよ」と言われた。お金を得ることに必死なら、そんな選択肢がそもそも存在しないから。あなたは贅沢なんだ、本当に困っていないからそんなことが言えるんだ。今の仕事をやめたら後悔するよ。そうなのかな。そうなのかもしれない。でも今の仕事をやめなくても、後悔はするんだろうね。そのどちらを自分が選ぶかであって。FIRE(早期退職)は手段であって、「夢」ではないよな。けど私からしたら、そこから離れることはかなりの幸福度を上げる。金銭との相対効果が取れるほど。いやもう、働きたくないでござる〜。労働どころか社会生活を送って生きていくのに向いてない〜。って言いながらみんなやってるんだよ、と言われるんだけど。私から見ると、みんなどうして普通に生きていけるんだろうと思うんだよ。娘の登校しぶりや「生きづらさ」みたいな問題って、そのまんま私にも当てはまる。この世界で、この自分で生きていくしかないのだから。順応と適応ーーーなんて、この年になっても無理なのに。なんだろう、なんだろう。私ってなんだろう。頭の中で「なんでだろう〜なんでだろう〜」とテツandトモが歌い出すのを止めて。このままの自分じゃ駄目で、調整が必要になっている私。やりたいことがあったほうがそりゃ、毎日楽しいよね。でも、いろいろ選んだり、試したりするのもきっと楽しいから、ゆっくりのんびり探してもいいんじゃない?人生って死ぬまでトライ・アンド・エラーで、なんとかこれでやっていけると思ったら局面が変わってまた新たな方法が必要になる。その繰り返し、ネバーエンディング・ダンジョン。めんどくせぇ、と思ってしまう。ようやくなんとか、やっていけると思ったのに!それを楽しめる余裕がない。間違えることをおそれ、新しい方法を怖がる。プライドが高いということは、自己肯定感が低いことの裏返しでもある。何とか保っている「なけなしの自分」を、誰かの否定は粉々にされてしまうから。こんにゃくゼリーくらいの弾力性をもって、生きていけたら良いのにね。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.24
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基本情報・仕事でも日常でもまったく使わない完全趣味の英語学習。・2022年6月受験時はTOEIC870点(リスニング455点+リーディング415点)。・いずれ、TOEIC940点や英検1級が取れたらな。・毎朝起きてから1時間程度、勉強しています。・NHK語学講座(アプリ「らじる★らじる」「NHKゴガク」)での学習がメイン。今週のふりかえりさぼりまくり!ブログでアップするからと思って今日(日曜日)朝からめっちゃやったわ。笑衆人監視大事。反訳トレーニングどころか、「ニュースで学ぶ現代英語」の本放送すら遅れがち。洋書読みも進まない。じっと文字を追うのが苦手なので、踏み台昇降と組み合わせてみたりする。かわりと言ってはなんですが、Huluで「SHERLOCK」を再視聴しており、夜の皿洗いのときに英語音声+英語字幕で再生しています。シャーロックが早口すぎてまったくついていけないんだぜ。Season2のEpisode2(パスカヴィルの犬)まで来ました。ライヘンバッハ・ヒーロー見たいけど見たら辛いからつらい。その後はなー、ジョンが結婚しちゃうからなー。最近の気持ちの代弁はこの歌。私の一桁〜十代はCoccoに染められていたのですが、それゆえに成人してから聞くことができなくなっていました。(フラッシュバックするから)最近の気持ちがどん底だったので、「いやこれ過去の傷と被せてもいけるのでは?」と聞いたら聞けた。細胞に染み入る。離れた後の新曲を聞けるのが嬉しいです。そしてですね。えー、いろいろしんどいこともある日々、ある漫画のある御方にドボンしまして。この一週間は寝ても覚めてもひたすらpixiv眺めてたっすね。通勤中も昼休みもずーっと見てましたね。眼精疲労だわ。その人を右側に置いたタグで検索しまくり。組み合わせワードの履歴がやばい。いろんなカプ試してみたけど、結局最初に沼ったカプに落ち着きました。私は「世界で一人ぼっちだった人が、ある人に出会って、うまれてはじめてひとりじゃなくなる」シチュエーションが大好物なんですが、いやもう!これはもう!ってなってます。自分と並び立つ存在を得られる稀有。運命の邂逅。神様の贈り物じゃん…。そんな感じで楽しく生きています。萌は人を救う。ということで忙しくて朝ドラ「らんまん」を見る暇がなく、土曜日放送の「一週間おまとめ版」でダイジェスト視聴しました。タケオも出てこんようになったし、これでええかも…。ダイジェスト見て、気になるところの回だけ見ようかな。もはや英語学習記録じゃない「今週の日記」やな。まあ、英語はぼちぼちやりましょう。Take it easy, Pelan-pelan!今週のニュースで学ぶ「現代英語」月曜日放送分「アファーマティブ・アクション」って、アジア系は入ってないんだというのが衝撃。火曜日放送分美味しそうなワイン。「たとえば、葡萄 [ 大島真寿美 ]」を思い出した。水曜日放送分ニュース映像で、スマホで自撮りしている人がいて、「今どき」との対比が面白かった。いまいちイメージしにくいのだけど、お伊勢参りみたいなことなんだろうか。木曜日放送分このニュースこわすぎん?中国いかれへんやん…。金曜日放送分ハワイの交通渋滞がそんなにひどいなんて知らなかった。ニュース映像を見るとかなり広い感じの車内?サーフボードも積み込めるというのがハワイらしい。砂まみれにならんのかな…。来週の計画予習書写はやめて、当日の勉強のときに英語&日本語を写すことにしてみます。来週末は名古屋にいきまーす!ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.23
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書名先祖探偵 [ 新川 帆立 ]目次第一話 幽霊戸籍と町おこし第二話 棄児戸籍と夏休みの宿題第三話 消失戸籍とご先祖様の霊第四話 無戸籍と厄介な依頼者第五話 棄民戸籍とバナナの揚げ物引用動けば状況をよくできるのに動かない。そんな西口たちにじれったさを感じる。だがそういう人たちがいるのも痛いほど分かった。動く余力がないほど困窮し、疲れている。感想2023年159冊目★★★・元彼の遺言状 [ 新川帆立 ]・倒産続きの彼女 [ 新川帆立 ]・剣持麗子のワンナイト推理 [ 新川帆立 ]・競争の番人 [ 新川帆立 ] ・競争の番人 内偵の王子 [ 新川帆立 ]の新川さんの単独本(シリーズ物じゃない)。「先祖探偵」というタイトルから、推理好きのご先祖様の守護霊と会話しながら謎を解く…みたいな話を予想していたら、全然違う話だった。(ちなみにこの「全然違う」というのは誤用ではなく、「全然〜ない」という呼応のかたちで使われるようになったのは後づけである。)閑話休題。「先祖探偵」というよりは、「戸籍探偵」だった。捨て子だった風子は、依頼人の戸籍を調査することで先祖をたどることを生業としている。風子は依頼人の仕事をこなすうち、自らの出自を明らかにする機会に出会いーーー。以前、韓国語の先生に「日本の人は先祖のことを知らないことにびっくりする」と言われた。この本にも、自治体から高齢の曽祖父のことを訊かれ、存在すら知らなかったことに驚いたひ孫が依頼してくる。たった三代前のことなのに、知らない、分からない。自分はどこから来た何者なのか。父と母。2人。それぞれの父と母(祖父母)。4人。そして祖父母のそれぞれの父と母。8人。私が知っているのも祖父母までで、そのさらに上となると、うっすら話を聞いたことがあっても、名前や兄弟構成など知っているわけではない。なぜ無関心でいられるんだろうね。親戚が集まっている時に説明を受けた、「あれはおじいちゃんの従兄弟」みたいなのって、ぼんやりとした「親戚」という集団に統合される。「〇〇のおっちゃん」「△△屋の〜ちゃん」みたいな呼称に落ち着く。(名字が同じだとややこしいから、というのもあるけれど)昔の戸籍を取り寄せて見たことがあるけれど、昔って養子も離婚も再婚もあるし、子どもがいっぱいいて、幼くして・あるいは戦争でたくさん亡くなっている。それを系統立ててどんどん遡って、家系図を作っていくのが、先祖探偵・風子の仕事。血縁者と思われる人に手紙を書き、現地を訪れてご近所さんの話を聞き、郷土資料館の写真を見て…。この小説でひとつ驚いたのが、棄児戸籍(捨て子)には日本は簡単に戸籍を作ってくれるのに、無戸籍だったり、南米から引き上げてきた人の戸籍は作るのがとても難しいということ。そしてその人達が、戸籍がなく生きていくことがいかに困難か。最後、風子は自身の出自を知る。何も分からない、何も覚えていないと言いなさい。母が子を棄てたのは、子どもに戸籍をつくるためだった。私は旧姓使用で仕事をしている。社会的には私は、生まれたときから同じ名前の「私」として連続している。けれど、戸籍上に掲載された名前は、婚姻により姓が変わった私だ。会社からたまに「本名を記入してください」と指定のある書類が来るとき、そこに書かれた名前を誰なんだろう、と馴染みのない他人を眺めるように思う。私が死んだ後、戸籍に残る名前はこの名前だ。墓(があるのなら)に刻まれる名前だって。私のようで私でない、他人のような女の名前。西尾維新『戦物語』では、伴侶の姓を自らの姓に変えることは、相手を安い絵の具で塗りつぶしたような、人を刺したような感触だと、夫側が言う。しかしそれを、過去の自分から剥がれる「グレート・リセット」と言っている本もあった。私の子孫がいたとして、三代先くらいまでのまだ記憶にある段階であったって、私はただ下の名前で認識されるんだろう。顔の上から張り紙をされたようなその状態。キョンシーみたいに。私は私のままであるのに、そこに私はいない。無戸籍であっても、それは同じことだろう。その存在はたしかにそこにあるのに。社会的な管理の網の外にある。そこにいるのにそこにいない存在。戸籍という不可思議で絶対的な紙。にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.22
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書名競争の番人 内偵の王子 [ 新川 帆立 ]引用「僕、迷ったんですけど。でもやっぱり、色々やってみたいと思いました。せっかく働いているんだから」石山がはにかむように笑った。笑顔がまぶしかった。「なんで働いているのか、分からなくなるときもあるけどね」「本当にそうですよね。でもまあ、辛いことのほうが多いですけど、悪くないなって思える日もあるから」感想2023年158冊目★★★・元彼の遺言状 [ 新川帆立 ]・倒産続きの彼女 [ 新川帆立 ]・剣持麗子のワンナイト推理 [ 新川帆立 ]の新川帆立さんの小説。・競争の番人 [ 新川帆立 ] の続編。警察学校を辞め、公正取引委員会に入庁した白熊楓。ノンキャリ・武闘派の彼女は、エリート・キャリア組の小勝負とタッグを組み捜査に当たっていた。その後、白熊は東京の本庁から九州に異動になる。そこでは、パワハラの上司、白熊のことを敵視する後輩、約束の時間に現れない同僚。着物業界の不正を追うも、白熊はすっかり仕事環境に嫌気がさしていた。しかし、ひょんなことから「内偵の王子」と呼ばれる同僚・常盤の実力を目にして…。1作めでいい感じだった小勝負くんがもう出ないかとヤキモキした。今回は新たな王子ポジションである「常磐」さん(御曹司)も登場するから、毎回お相手が変わっていくタイプのバディものなのかと。安心して!小勝負くん来ますから!そんでじゃっかんデレる!小勝負くんが白熊のことを気にするの、度を越したお人好しだからなのだけど、それが自分のお母さんのことを重ねているってのはちょっと引いた。いや、わかるんだけども。拗らせてるな、小勝負くん。第1作めはホテル業界とウェディング、卸の花屋さんの不正取引。今回は、着物業界と暴力団がテーマでした。着物業界大手の会社担当が、まったく悪気なく、不正を働いているという意識もなくやってるの、分かる…と思って怖くなった。たとえばイベントに出店する際の人員応援。業界の慣例と言われればそれが当たり前で、「あ〜また動員か〜」くらいにしか思わない…。国家公務員は、管区ごとの採用ではあるけれど、全国転勤があるんだよねえ。これ、かなり厳しいよな…と思う。キャリアだった人が、国家公務員は1〜2年で転勤だから、「来たときから引き継ぎ資料作りながら仕事してるよ〜」と言っていた。白熊ちゃんは色々あってまた東京の本庁に戻ることになるんだけど、今度は小勝負くんが異動になっちゃいそう。これからこの二人どうなるん〜。続編まだ出てない。気になる。作中、同僚である御曹司に、着物一式用意してもらう白熊ちゃん。ここ、「こいつも白熊ちゃん狙いか?!」となったけど、最後に明らかになるように、ハニートラップでした。前の職場の上司も、小勝負くんも、バッチバチに牽制してたもんな。そこで、「祖母が集めていた帯の中に白熊柄があったから」って御曹司が持ってくるんですけど、いやそんな白熊柄の着物の帯とかあらへんやろ、と思って検索したらありました。白熊って名字の人、実在するんだろうか…。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.21
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書名競争の番人 [ 新川 帆立 ]引用「人に押しつけていいものだけを正義と呼ぶのよ。正しいことをしなくちゃ。あなた、公務員なんだから」「でも、正しいことをした結果、死人が出てもいいんですか」(略)「正しいことが行われない結果、死人が出るよりいいでしょ」感想2023年157冊目★★★・元彼の遺言状 [ 新川帆立 ]・倒産続きの彼女 [ 新川帆立 ]・剣持麗子のワンナイト推理 [ 新川帆立 ]の新川帆立さんの小説。デビュー2年めに書かれたもの。ドラマ化もされていたんですね。最近テレビを見ないので全く知らなかったぜ。警察官の父を持ち、警察学校へ通っていた白熊楓。しかし父の負傷をきっかけに警察学校を辞め、公務員試験を受けて公正取引委員会へ就職。万年二位の空手を生かし、荒事もこなす新人だ。しかし彼女が聴取していた役所の職員が、談合への関与を明かした後に自殺した。彼女は別の案件に回され、東大卒の天才で、海外留学から帰国したばかりの小勝負勉とタッグを組むことになるのだが…。というわけで、ふだん日の目を見ない弱小官庁「公正取引委員会」を舞台にしたバディもの。実は私、就職のときに国家公務員試験も受けまして、東京で官庁訪問もしてたんですよ。結局、内定貰ったけど、ならなかった。国家公務員って、試験に合格→訪問して面接の日程を取り付けるor採用官庁が合格者リストから電話で採用面接アポ取り、という手順(今は知らんけど)。不人気官庁は電話をかけまくってひたすら呼び込む。おそらくリストの底辺にいた私にすら電話がかかってきた。世の中には自分が知らない世界と仕事がたくさんあるのだなあ、とお仕事モノの小説を読むといつも思う。私の仕事もまた、ある人から見ればそうなのだろう。小さな歯車がたくさんたくさん組み合わさって、動いて、世界のネジを巻く。今日という日をつつがなく、明日へ送るために。ノンキャリの白熊ちゃんと、エリートの小勝負くん二人のやり取りが楽しくて、ギャップのある相棒ものって良いよね!ってなる。白熊ちゃんが鈍くてねえ。小勝負くんは自覚しているっぽいのに、周囲も公然の仲と思っているのに、「は?」ってなってる白熊ちゃんが良かったです。正義の味方って色々あって、それは警察官とか検事(これもドラマ「HERO」で一気に知名度があがった職業だ)とか裁判官とか、いろんなかたちでいろんな人が持ち場を守っている。公正取引委員会は、民主的で健全な競争を守る。けれどそれをすることで、職を失うひとがいる。村八分にあう人がいる。それでも、と白熊の上司は言うのだ。正しいことを貫く。人に押しつけてもいいものだけを正義と呼ぶのだと。自分は正しいことをしているのかな。社会人になると、「そういうもん」が増えていく。長いものに巻かれて、諦めていく。ローカルルールが絶対ルール。抗わない、逆らわない、異を唱えない。しかたないでしょ。変えようがないのだからと、肩をすくめて。そうして次は、自分がそのルールの側になっていく。その時に、「正しいこと」を「正しいままに貫ける」のは、やっぱり官庁なんだろうな。競争の番人。白熊の上司は言う。あなた、公務員なんだから。正しいことをするのが仕事なのだと。ああそうか、だから公務員バッシングは、そういうことでもあるのか。正義はなされるのだと、信じられなくなるから。キャッチャー・イン・ザ・ライ。その境界を「法律」と呼ぶ。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.20
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書名本好きの下剋上第五部「女神の化身10」(5-10) [ 香月美夜 ]感想2023年156冊目★★★表紙がうつくしい!成長したローゼマイン、まじ女神の化身。今回はリアルに、英知の女神メスティオノーラに身体を貸出して、ぴかぴか内側から神々しく光が漏れるようになっちゃったり、ほんとこの子ったら!というわけで、毎回「前回どこまでいったっけ?」と話を思い出すのに苦労する。アーレンスバッハの礎を奪って、貴族院襲撃&奪還の巻でした。王の証であるグルトリスハイトを持つ3人のツェント候補たち。彼らは女神の提案で、王となるよう競い合うことになるーーー。のだけど、ここ一瞬で終わりましたね。フェルディナンド様の暗躍で。というわけで、今回のフェルマイポイント。「では、君が勝手に案じていればよかろう」もう成長したローゼマインに人目も憚らず、貴族の外聞ぶっちぎりで、むしろ周囲に見せつけて牽制しまくりの所有権主張しまくりの自覚後のフェルディナンド様が、はたからみていてやばい。側近たちがドン引きしている(けど怖くて言えない)のが目に見える…。女神に「図書館で本読み放題!」のかわりに身体を差し出したローゼマイン。「ローゼマインに何をしたのですか!?」お貴族様で、感情を表に出さないことにずーっと誰よりも長けていたこの人が、顔色を変えたんですよ。うわあ、情緒育ってきたなあフェルディナンド様。そして、女神の図書館から戻ってこないローゼマインに、必死に呼びかけるフェルディナンド様。傍から見ていたジェルヴァージオに「よほどマインが大事らしい」と言われるくらい。「クインタはマインの中から貴方に関する記憶がなくなっているのと、残っているのとどちらを望んでいるのかしら?」女神の言葉は、恋愛感情を抱かれない存在としての新たに認識されることと、家族枠で認定されている記憶のある状態と、その間で揺れているフェルディナンド様の複雑な心境。どっちもほしいんだろうな、この人は。そして目覚めるローゼマイン。吐息を感じるくらいに近い。切羽詰まった心配そうな眼差しが至近距離にある。無自覚なお姫様は、無自覚なままに。ああ〜フェルディナンド様可哀想…。こんっなにアピールしているのに、ちぃーっとも意識されていない。師匠で主治医で保護者で…のほうがどうしても強くなっちゃって。ジルヴェスターには「おま、領主の許可も取らんうちに求婚してんじゃねー!」的なことを神々比喩で言われてましたね、フェルディナンド様。それがなにか?みたいな顔してたけどね。ドヤ。最後、ツェント候補はローゼマインとフェルディナンド様のふたりになっちゃって、しかもふたりとも半々ずつしかグルトリスハイトを持ってないんだよね。そりゃもう結婚結婚!てなるやん。あ、でもツェントじゃなくてアウブ・アーレンスバッハとして図書館都市を作るんだっけ?たぶんもうそろそろ本当に完結。長かったなあ。そんでこの感想、本好き〜を知らない人からしたら何言ってるかまったく分からない内容だなあ。続刊が出ているので、はやく読みたい〜。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.19
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書名戦物語 [ 西尾 維新 ]引用「何度でも繰り返せるし、何度でもやり直せる。それが家族なのだから」感想2023年155冊目★★★戦物語とあるから、時勢を反映した内容で、いまだにバトルなのかなあと思ったら。阿良々木ひたぎという名前がどうもしっくり来ない。からはじまるので驚いた。つまりこれは、戦場ヶ原ひたぎさんと阿良々木暦くんの結婚の話であり、ふたりが「戦場ヶ原」を訪れるハネムーンの話でした。「化物語」のアニメの映像が目に浮かぶようだった。高校生だった彼ら。尖っていたあの頃。ちなみに二人は曰くと因縁にまみれた北白蛇神社で神前式を挙げたのだそうだ。迷子の神様は、コンプライアンスに基づき成人型に。そんなわけで大人になったふたりは結婚し、戦場ヶ原ひたぎは阿良々木ひたぎになることになった。ということで、阿良々木くんは、伴侶から名前を奪ってしまったことについて考える。だいたい本の半分くらいその話である。名前を奪うことへの罪悪感。加害者意識。阿良々木くんは意識高い系だな。だって多くの「名前を奪われない」男は、きっとそんなこと気にもしない。気づきもしない。免許、マイナンバーカード、パスポート、銀行口座、保険証、ポイントカード、資格の数々。枚挙にいとまがない、名義変更の厭わしささえ。結婚するとはそういうことだと、一時のことじゃないかと、言える奴らが。絶対に自分の名前を奪われることがないと信じ切っている奴らが。私は大嫌いだ。生まれ落ちてからそれまで生きてきた名を、剥ぎ取ってしまう。一生、別のものになれと強いる。それはひとつの死じゃないか。阿良々木くんは、戦場ヶ原の名を変えたことを「格安の絵の具で塗りつぶしてしまったような」「人を刺したみたいな感触」と言う。(「褫奪」(ちだつ。はぎとること。とりあげること。)という言葉は初めて知った。)そして気づくのだ。もうひとり、名を奪われた者がいたことに。忍野忍。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。名に縛られる怪異。そういえば忍とひたぎは、まったく接点がないという設定だったんだね!お互いに認知しているけど接触しないという。忘れていた。忍を養女にしようとする暦と、新婚旅行に同行する神原駿河。いつものように相談相手として登場する毒舌幼馴染の老倉育、最後にプロとして名前だけ登場する千石撫子と、暦のイマジナリー羽川翼。オールスター出演感があって良いな。高校生だった頃の怒りを、抱き続けられるか?といったら、難しいんだよね。この物語では、忍を養女にしようとする暦に、忍が問う。吸血鬼は人を喰うが、よいのかと。戦場ヶ原はそれを許容できるのか。これから生まれくる二人の子はどうなる。薄くなって、鈍くなって、汚れて、ぼやけて。簡単に流されて、許して、そういうものだと思う。おとなになるって、そういうことなのか。昔より簡単に人を許せるようになった。自分もろくなものじゃないことを知ったから。怒り続けることに疲れた。怒りの無意味さを知ったから。悲しみ続けることに飽いた。悲しんでも悲しみはなくならないと理解したから。優しくなったという言いかたは可能だろうが、それは傷つき続ける自分に優しくなったという意味では?あがいて、もがいて、戦って。高校生だった頃の、あの頃の自分の精一杯。でも、陳腐な言葉ではあるけれど、あの時があったから、今がある。戦場ヶ原の雨雲を斬り、晴れ渡る星空に思う。あれからいろんなことがあった。みんな、おとなになった。だから選べることがある。だから出来ることがある。家族という形で歩み始めることを選んだ3人。最後に盛大な前フリがあるのだけどーーーこれからどうなるのだろうね。物語シリーズ、ファミリーシーズン。ずっと追いかけてきた読者として、暦と同じことを思う。みんなしあわせになってくれ。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.18
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書名夜空に浮かぶ欠けた月たち【電子書籍】[ 窪 美澄 ]感想2023年154冊目★★★・夜に星を放つ [ 窪美澄 ]・夏日狂想 [ 窪美澄 ]・タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース [ 窪美澄 ]の窪美澄さんの本。表紙のタイトルは文字が少し欠けている。裏表紙は、作中にも登場するゴッホの「夜のカフェテラス」を意識した色味。「純喫茶・純」の近くにある「椎木メンタルクリニック」。精神科医の夫と、カウンセラーの妻が2人でやっている、ごく普通の一軒家のような医院。そこに口コミで訪れる患者たちの物語。リレー形式で物語がつなっていくオムニバス小説。・答えは市役所3階に 2020心の相談室 [ 辻堂ゆめ ]ともちょっと似た感じ。心がつかれた人が読むと沁みる。私はメンタルが弱弱なので、たぶん病院へ行くと「うつ」とかそういう名前がつくんだろうなあと思う。生きていく上でさまざま問題を抱えているし。これまで病院に行かずに生きているけれど、いずれ行く時が来るんだろうとも。それっていつなんだろう。どこまで行けば「これはメンタルクリニック行かな」ってなるのかな。「うつなんて心の風邪みたいなもんだから」というけれど、その風邪のハードルが高い。だって普通に体調悪かったら自分で治そうとするじゃない?だからその喩えはよくないんだと思う。・うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち [ 田中圭一 ]では、「うつは心のガンだ!!」と言っていたね。メンタルで病休していた人たちは、「カウンセリングで話を聞いてもらうだけでも気は楽になる」というけれど、同時に「薬がな」と言葉を濁す。薬で楽になるけど、薬をやめるのが怖くなる、とも。この小説の中に出てくる人たちは、みんな真面目で一生懸命。だからこそしんどくなるんだろうな。「篠原さん、これからは自分のできたところを加点方式で褒めてあげてね。うつになってしまう人は、まじめすぎて自分に厳しすぎて、つい減点してしまうのね。どんなことでもいいの。顔が洗えたでも一点。ベッドが整えられただけでも一点。……それに本当は篠原さんが生きているだけで百点なんだよ」この本で、カウンセラーのさおり先生は言う。ほんとこれ。私はもう減点につぐ減点で、自己評価が常にマイナス。周りの人にもそう思われているだろうっていうバイアス。(押韻)でも意外と人に聞くとそうじゃなかったりする。生きてるだけで百点で、加点されていくばかりなら、そう思えたら良いのにね。結局こういう「思考の癖」を直そう直そうとして本を読み続けて数十年経つ。むしろ自分で自分を虐めるのが好きなんじゃないかって思うくらい。SでMなんか。小説にはADHDの男性も登場する。生きにくさに名前がついたらなあ、と思って自分の発達障害も疑ってみたけれど、どうも違うような気がする(普通の人が当たり前に出来ることが出来ないけれど、かといって特徴全てにあてはまらない)。カウンセラーのさおり先生は、生後まもなく娘を亡くした。それから、人生はうまくいかないものとして、いいことを日記に付け始める。生きていくうえでの困難さ。地の底より低い自尊心と自己肯定感。そんなものを抱えていかなければならないとしても。私は、明るい方を見よう、と思っている。種が芽吹くように。太陽に向かって蔓を伸ばすように。いつもそうしていよう、と決めたのだ。Forget it, let it go.最近、子どもたちがNHKのEテレでやっている「びじゅチューン」にハマっていて、一緒に見ている。私のお気に入りは「貴婦人でごめユニコーン」。失敗ばっかりの毎日だけど、この曲をバックに流すとどーでもよくなる。笑自分がダメダメだと駄目だしの嵐になってしまう時、この「私の代わりに謝るユニコーン」を心に召喚したい。私は欠けていて、みんな欠けている。浮き沈み、満ち欠けて、生きていく。高校生の家庭科の授業で、絵本を作ったことを思い出した。「穴」というその絵本で、女の子はある朝目覚めたら胸に穴が空いていた。彼女は自分のうしなわれた欠落を探しに行く。どこかでそれが見つかれば、自分は完全な存在になれるのだと、自分になれるのだと信じて。あちこち探して見つけたそれは、新月の夜に、月のかわりに空に浮かんでいた。あくる日、彼女の胸に戻ったその欠けた部分は、いつまでもピカピカと輝いていたことだろう。「ニイはやっと、ニイになりました。」その女の子を、私は「ニイ」(中国語の「你」=あなた)と名付けた。胸に空いた穴を抱く、不完全な私であなた。そしてそれが月のない夜に、誰かを照らす。私たちは皆、夜空に浮かぶ、欠けた月たち。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.17
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基本情報・仕事でも日常でもまったく使わない完全趣味の英語学習。・2022年6月受験時はTOEIC870点(リスニング455点+リーディング415点)。・いずれ、TOEIC940点や英検1級が取れたらな。・毎朝起きてから1時間程度、勉強しています。・NHK語学講座(アプリ「らじる★らじる」「NHKゴガク」)での学習がメイン。今週のふりかえり英語?やってないわ。英語勉強して何になるねんな、という思いが根底にあるんだろうなあ。こんなことして何になるんだろう、何の意味もないじゃないか、って。というわけで以下は愚痴です。仕事のほうでメンタルごりごり削られていて、ほんと「これメンタルクリニック行って病休出そうかな」と思う感じでして…。究極「自分が悪い」に行き着くのがまたしんどい。自分のダメっぷりに打ちのめされている。しんどいしか言ってない。私は係長なんだけど、情報がほぼ入ってこない。課長は別ラインの係長かな?というくらい分担している業務が違う感じ。「なにかあってバタバタしている」という時も、何が起こっているのか共有されない。教えてもらえないかと口を出すと「そういうことされると担当がぐちゃぐちゃになるので」「ノマさんはいいから」。で、係員の人には知らない間に雑談レベルで共有されていて、私ぼっち、みたいな。そこで無邪気に入っていけたら良いんだけど入っていけないコミュ障よ。無駄にプライド高いしな。東大植物学教室における田邊教授ポジ…!(朝ドラ「らんまん」)つらい、つらいよね、田邊教授、わたしにはわかるよ…!せめて自分の担当業務を淡々とやっていこうとしていると、部長から別室に呼ばれる。係の仕事を把握していない、係長の仕事をしていない、と。いやまあそれはもうそうやから申し訳ないんやけど。状況みて?私がやっている仕事について「これはどうなってる」「あれはどうなってる」「あれもこれも出来てない」と部長からダメ出しの嵐。電話の応答から、部下への声掛けから、常に監視されている感がすごい。ちょっとしたことですぐに別室に1対1で呼ばれる。部下が回してきた稟議書を決裁して回したら、部長から私のところに「ちゃんと把握しているんですか?」と付箋がついて帰ってくる。新規案件取ってきたら「自分の好きな仕事ばっかりして、そんなことしてるから自分の机の上が伝言メモだらけになるんでしょう」と言われる。ほかにも枚挙に暇がない。なんかもう「だめな子」認定されているので、すべてを疑われている感じ。期日に遅れているわけではない。担当業務もちゃんとやっている。まだ全部の業務を把握しているわけではないし、人間関係構築に躓いてるのは確かだけど、いやもうこれパワハラなのでは…。都合のいいときだけ「係長」で、同時に「なんにもできない新人の女の子」みたいな扱い。否定に次ぐ否定で、私の「良さ」がまったく生かされず、私の「悪さ」が全面に押し出されて目立ってしまう。で、部下の人からも腫れ物に触るように接せられ…の悪循環。閉じて貝になる。まあ、私が悪いんですけどね!すまんね?!手を上げて出向して来たのに、「なんでここに来たんだろう」と思う日々。「ここに私がいる意味あるのかな」。いや、ないな…と思う毎日。前の会社の人に相談したら、「いや、そんなことないよ!ノマちゃんめっちゃ頑張ってるやん?!」と慰められて励まされた。一生懸命やってるんだけどなあ…。一方、娘は毎日学校行き渋りで、やさしくやさしくしていても、仕事に遅れるギリギリになってくるとそんな余裕もなく。時短勤務で帰ってはやく学童にお迎え行って、生活にゆとりをもたせようと思って、仕事の余裕がなくなる。はー…。(重いため息)スクールカウンセラーからは「共感して寄り添う」ように言われたけど、どうせいっちゅうねんな。娘のことにかこつけて「仕事やめよっかな」となるよね毎日。お金のためだけに働いている。それもまあ部長から「給料分働いてない」と言われるんだけど。仕事を変わったって、どこに行ったって同じことがあるのだろうけど。夫には「自分、どこでも文句ばっかりやな!」と言われている。「自分に問題があるんちゃう?」と。分かってる、分かってるよ〜。適応障害ってやつですよ。そんな状況下で英語を学び続けることの意味ね。どこへも行けない自分が、こんなことしていて何になるのかと。本当は何がしたいなんてこともなく、どこへ行きたいなんてこともないんじゃないかと思う。ただ、英語を学んでいたら、どこかへ行けそうな気がするだけ。自分をどこかへ連れて行ってくれそうな気がするだけ。倦んで、飽いて、自暴自棄になって。それでも英語を学ぶ。細々と、淡々と。種を植えて、芽吹く日を夢見て。それがどこへ辿り着くわけでなくても、歩いてきた道に花を咲かせたくて。(2022.12.19「I Road(ラジオ英会話を学ぶ日々の心象風景の寓話)」)いつかそれを、振り返りたいから。今週のニュースで学ぶ「現代英語」今週はおやすみ週。いやっふう!と浮かれていたけれど、学習リズムを乱さないために、セレクト再放送を聞くだけでも聞いたほうがいいんかなと思う。あとはHuluでBBC「SHERLOCK」を英語字幕英語音声で見てました。萌えが蘇る。pixivで二次創作アップし始めたの、この作品がはじめだったんですよう。再燃して、今週はタグ巡りに時間を費やしていました。あと娘と「推しの子」を見ていて、最後まで見終わりました。私はかなちゃんが好き。これ続きどうなるの?!気になる〜。来週のニュースで学ぶ「現代英語」月曜日放送分米最高裁 入学選考で人種考慮は違憲U.S. SUPREME COURT REJECTS AFFIRMATIVE ACTIONとりあえず月曜日分だけ写しました。あとはまた写そう。火曜日放送分甲府でワインの仕込み作業始まるYAMANASHI WINERY HARVESTS UNRIPENED GRAPES水曜日放送分イスラム教徒の大巡礼“ハッジ”が最高潮MUSLIMS GATHER IN SAUDI ARABIA FOR HAJJ PILGRIMAGE木曜日放送分中国 改正「反スパイ法」が施行CHINA'S REVISED COUNTERESPIONAGE LAW TAKES EFFECT金曜日放送分ハワイで“完全自動運転”の鉄道 運行開始FULLY AUTONOMOUS RAIL SYSTEM OPENS IN HONOLULU来週の計画学習リズムを戻そう。とりあえず「ニュースで学ぶ現代英語」の放送を聞くことを最低ラインに。そして必要十分条件としよう。アニメ「るろうに剣心」が新しく始まったのも見たい。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.16
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書名あさってより先は、見ない。 [ 山本ふみこ ]目次第1章 旅するように暮らす元旦はハムエッグ!ジルべールとセリアあなたたちとわたし眠りの森 ブランコいまが最上〈その後〉の〈その後〉の‥‥‥二〇二三年・いま─旅するように暮らす第2章 食べる置かれる黒豆あちちの小瓶赤えんどう豆二〇二三年・いま─食べる第3章 泣きそうになる連絡帖歩く通路大切な日あけびの籠を提げながら佃煮せっかくだからなんでもないけどなんでもなくない二〇二三年・いま─泣きそうになる第4章 日常愛そのひとの隣りにオールド・スポート夏の記憶灰汁抜き遊びくり返しくり返し玉ねぎと卵のおみおつけ摘む草のこえ二〇二三年・いま─日常愛第5章 くまがや日記二〇二一年五月八日─十一月おわりに─十年後のわたし引用友だちが云うのです。「十年後の自分と、話してみるよ」「……」「十年後の自分は、いま、するべきことをおしえてくれるかもしれないよ」「そうか、やってみるね」「ときどきでいい。ふだんはあなたらしく、あさってより先は見なくていい」感想2023年153冊目★★★随筆家(なんだ?)の著者による新作。一部ブログ「ふみ虫、泣き虫、本の虫。」のまとめのよう。(ところで「おわりに」のブログが「ブロク」になってるんだぜ…締まらねえ)埼玉・熊谷にある築150年の古民家に移住されたんですね。本の中で、古民家を「磨けば光る原石」と言われていたけど、本当につやつやとして綺麗。飴色の、という表現があるけれど、琥珀のようだと思う。タイトルの「あさってより先は、見ない。」という言葉が素敵だなと思って手に取った。歌舞伎役者の坂東玉三郎さんがテレビ番組で「遠くを見ない。明日だけを見る」と仰っていたことから、著者が「あさってより先は、見ない」という言葉を心に留めたのだという。引用部にあるように、十年後の自分と話したらどんな感じなんだろうね。「仕事を続けてる?」「今の自分に満足?」「後悔していることは何?」でもさ、そう訊かれても困るよねえ。だって私は、あなたなんだから、と。私はあなたの選択の結果なんだよ。十年間のあなたが選んだ私。「こうあってほしい」と願うのなら、それをやらなければその未来に到達しない。やりたいこと、やりたくないこと。行きたいとこ、したいこと。こうあってほしいと願うこと。それは今の私の続き。うん、見えないなあ。十年後の私の姿。彼女はきっと困ったように眉を寄せて、諦めたように苦笑する。何を諦めて、何に流されて、何に口を噤んで、そこまで来たの?そうして十年前の私になんて声をかける?そんなことしてる場合じゃないわよ、十年前の私。けど今の私が十年前の私と話をしたとして。果たして「こちらへ進め」と言えるかといえば、言えない。何が正しいかなんて分からない。選んだようで選んでいなくて。どの道も正解で、同時に間違いなんだろう。結局はそのすべてに自分で「イエス」を与えられるかだけで。ただ、「イエス」を言えないのであれば、後悔を肯定できないのであれば、ちょっと考えたほうがいいだろうね。流されても、迷っても、間違えても良い。それでも自分の人生に「いいね!」出来るかっていう。著者の「旅するように暮らしたい」という願いは、よく分かる。私もいつも最小限で、身軽にいたいと思っている。子どもの頃、「魔女の宅急便」のキキが箒に乗って家を出る時、大きな斜めがけの鞄ひとつで飛び立つのに憧れた。ただ、それが成長期のこどもには負担なのかなとも感じている。娘が「置くところないし」「どうせすぐ捨てられちゃうし」と口にするのを聞くと、やりすぎかなとも…。ただ、子どもの工作を永遠にすべて保管しておくわけにはいかない。子ども、散らかしっぱなしの放りっぱなしで、全く片付けへんしな。となると、「適切に管理できる量」に収めることは必要で。しかしその量が、私はとても小さいので、成長期の子どもにはもっとたくさんの「量」の余裕が必要なんだろうなとも思う。難しい。いつかどこかへ行こうと思っていた幼い頃の私。飛び出して二度と戻らない。けれど現実には生まれた街から離れずに。漫画「メテオ・メトセラ」で、はじめて広範な地図を見た主人公の少女は言う。この地図おかしいよ、ボクの町の名前がどこにもない。故郷を追われた少女はこう返す。「世界はうんと広いんですのよ」私は遠いどこかへ憧れ続ける。どこかへ行ける気なんてしないけれど。あさってより先は、見ない。なら明日の心配をしよう。その一歩を遠くへ踏み出せるように。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.15
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書名小説 魔入りました!入間くん(4) アクドルくろむちゃんとアメリの決断 (ポプラキミノベル ノベライズ 10) [ 西 修 ]引用「貴女はいつも、野望にまっすぐで。自信を持って、自分の野望のためなら、どんな困難も打ち破る。その姿勢に、みんな、憧れていたんだと思います。……貴女は自分の本当にしたいことをするべきです」(略)「大丈夫。顔をあげてください」(略)「どんな姿でも、性格でも。夢を追う貴女は、すごく素敵な女性です」感想2023年152冊目★★★少年チャンピオン・コミック『魔入りました!入間くん』第5巻(38話)〜第7巻(53話)のノベライズ。真心料理バトル、アクドルくろむちゃん、入間の生徒会入会、アメリの性格改変。「魔入りました!入間くん」が好き。親に放置されてサバイバル環境で育った鈴木入間14歳が、親の借金の方に悪魔に売り飛ばされる。「幻の生き物である人間はごちそう」という悪魔界において、どんな目に合うかと思いきや…高位の悪魔であるサリバンに「僕の孫になって!」と言われ、でろでろに甘やかされる生活が始まる。入間は、サリバンが学長を務める悪魔学園に入学し、個性豊かな仲間たちとランク昇級を目指し切磋琢磨の日々を送る。これだけ聞くとイロモノじゃんと思われるかもしれないんだけど、基本はコメディタッチだけどすごい良い物語なんだよ〜!いろんな意味での自分のトラウマだったり、人から押し付けられた「こうあらねばならない」という理想だったり、そういうものと戦う個人の成長譚であるだけじゃなく、人と人との影響によって変わっていくお話でもある。絵もきれいで描き込みも丁寧だし、小学生くらいが読むにはすごく良いと思うの!NHKでアニメも何シーズンも放映されてるよ〜!今回は、一族の落ちこぼれだった「くろむ」がアイドルとして活躍するようになった話と、学園を統率する生徒会長のアメリが「可愛い女の子」になりたかったという話。そのどちらも入間は肯定する。そのうえで、前へ進むように言う。かっこいいよな、入間くん。そりゃもう主人公総愛されですよ。小説版はコンパクトにマンガの内容がまとまっているし、アニメから入った子はノベライズもおすすめだよ〜!にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.14
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書名虹と雲 王妃の父が生きたブータン現代史 (ブータン・チベット仏教文化叢書) [ ウギェン・ドルジ ]目次黄金の重みのラマ「意」と「口」の化身の家系が一つに若きシャプドゥンの死サン・チュコル・ゾンの火事ギャンツェ、そしてカリンポンへシェカ・ダに引きこもる家長で細密工芸の達人だった祖父ペドン・ゴンパのラマ巡礼と行商の旅タロの剣「宝の丘」の歌声ついに故郷へノプガンでの十年首都に店を出す材木商になる「至福の宮殿」でのロイヤル・ウエディング神の鷲の飛ぶ地黄昏の金色のかすみの中で引用だがどこへ行っても、私は自分の祖国ほどよいところはないと思っている。進んだ国をいろいろ見てきたが、やはり私はブータンを、そして自分がブータン人であることを誇りに思う。この国の風景、人々、文化を、私は心から愛している。感想2023年151冊目★★★ブータンにずっと行きたくて。定期的にブータンの情報を摂取しておこうと思う。いつか来るその日のために。これは、ブータンに行ってきた友人がオススメしてくれた一冊。判型が…なにこれ?っていうくらいデカくて横長。巻物ですか?そして歴史本だと思ったら、近代化の波に飲まれていくブータンの当時の様子を、3年間に渡って王妃がお父さんに聞いて書き残した回顧録でした。もとはブータンの国語(ゾンカ語)で語られたものを、英語に翻訳。それをさらに日本語訳したもの。ブータンはチベット仏教ドゥク(龍)派の「化身」(第17代座主、聖俗両面の長シャプドゥン・ンガワン・ナムギェルの転生者「意」「口」)による支配体制から、1907年にワンチュック家(元は東の地方長官)の世襲王政へ移行した。王妃 アシ(王家や貴族の女性の敬称)・ドルジ・ワンモ・ワンチュックの、お父さんであるヤブ(父に対する敬称)・ウギェン・ドルジは、1925年生まれ。お父さんの叔父さんは、ブータン最高位の転生ラマの1人であるシャブドゥン・ジクメ・ドルジ。そして兄チョクレ・トゥルク・ジルメ・テンジンもまた、転生ラマの1人だった。叔父は6歳で暗殺され(2代目国王による暗殺の真相はこの本で初めて明かされたそうで、ブータンでは長らくタブーとされていたそうだ)、一家は安息の地を求め各地を放浪する。やがてブータンに戻り事業を興し、4人の娘を4代国王ジクメ・センゲ・ワンチュックに嫁がせる。という一生が描かれた一大物語。まずブータンの人の名前が難しすぎる。全然覚えられない。途中で覚えることを諦めた。どうしても「ん?」となるときだけ、巻末の家系図?を参照。(ブータンは夫婦別姓であり、また「姓」がない。家族や兄弟に共通の要素もない。名前は完全に個人のもの。)お父さんとお母さんの恋物語もあり、最初は取っ付きにくかったけど途中からは楽しく読めた。「創作のネタにもなると思う!」と友人が言うように、なんかもうこれファンタジーなの?っていうくらいの世界観。リアル『精霊の守り人』…。宗教的文化的に「え、そうなんだ?!」という価値観がさらっと描かれているので、自分の当たり前が当たり前じゃないっていうことを思い知るよね。はー、面白い。外務省による「ブータン基礎データ」が概略をすっきりまとめてあって、ブータンについて知るにはおすすめ。こういった伝統的な世界観が、近代化と西洋化の迫る中でどうなっているのかを知りたい。またそこらへんの本も読みたいなあ。ブータンと言えば国民の「幸福度」を目標に掲げている国として有名だけど、フィンランドやスウェーデンといった北欧の国が福祉大国で幸福の国とされているのと同様に、光を集めるそこには翳りがあるのだろうなと思う。この本のタイトルは、『虹と雲』。虹は、宗教的な場面でも何度も顕現するなど「うつくしく、尊いもの」の象徴であって、雲はそれを遮る障害の数々を意味している。このお父さんは、それでもブータンは虹の王国なのだと言う。自分の国を誇る。日本は、恵まれた国だよね。けれどこの国は、虹の国だろうか。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.13
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2023年6月に読んだ本まとめ124.夢をかなえるゾウ0 [ 水野敬也 ]125.老人ホテル [ 原田ひ香 ]126.はい!こちら子ども記者相談室デス! [ かめおか子ども新聞 ]127.続・子育てにマニュアルなし! [ 吉野由美 ]128.しろがねの葉 [ 千早茜 ]129.りゆうがあります [ ヨシタケシンスケ ]130.書楼弔堂 待宵 [ 京極夏彦 ]131.われらの牧野富太郎! [ いとうせいこう ]132.未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること [ 河合雅司 ]133.ゆうべの食卓 [ 角田光代 ]134.キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘 [ 西尾維新 ]135.牧野富太郎 草木を愛した博士のドラマ [ 光川康雄 ]136.千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話 [ 済東鉄腸 ]137.自分流 光る個性の道を行く [ 辻仁成 ]138.本屋、地元に生きる [ 栗澤順一 ]139.考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール [ 益田ミリ ]140.60歳は人生の衣替え [ 地曳いく子 ]141.徹底的にかみくだいた「自己目標管理」ドラッカーが本来伝えたかった目標管理 [ 二瓶正之 ]142.プロティアンシフト 定年を迎える女性管理職のセカンドキャリア選択 [ 田中研之輔+西村美奈子 ]143.貸本屋七本三八の譚めぐり [ 茶柱まちこ ]144.答えは市役所3階に 2020心の相談室 [ 辻堂ゆめ ]145.首取物語 [ 西條奈加 ]146.ニッポンのアンティークしおり [ 豊嶋利雄 ]147.しかもフタが無い [ ヨシタケシンスケ ]148.給食のおばさん、ブータンへ行く! [ 平澤さえ子 ]149.飽きっぽいから、愛っぽい [ 岸田奈美 ]150.残月記 [ 小田雅久仁 ]6月に読んだ本は、27冊でした。半年で150冊、年間で300冊くらいかなあというペースですね。先日、書店長さんとお話する機会があり、「年に300冊本を読む人と初めて会った」と言われました。ネットにはめっちゃおるねんけどな。私もリアル社会でそんな奴に会うたことがない。「ほかにやることないんか?!」って言いたいわ。「書を捨てよ、町へ出よう!」6月終了時点での2023年ベスト10冊1月007.テヘランでロリータを読む [アーザル・ナフィーシー]026.自分の意見で生きていこう 「正解のない問題」に答えを出せる4つのステップ [ ちきりん ]2月036.もしも彼女が関ヶ原を戦ったら [ 眞邊明人 ]045.目の見えない白鳥さんとアートを見にいく [ 川内有緒 ]3月056.編めば編むほどわたしはわたしになっていった [ 三國万里子 ]058.パリの空の下で、息子とぼくの3000日 [ 辻仁成 ]4月076.人新世の「資本論」 [ 斎藤幸平 ]084.語学の天才まで1億光年 [ 高野秀行 ]5月107.英語と日本人 挫折と希望の二〇〇年 [ 江利川春雄 ]6月136.千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話 [ 済東鉄腸 ]6月は1冊を追加。これか、『夢をかなえるゾウ0 』かで迷いました。私は本当に、「ここではないどこか」へ行けるひとの話が好きなんだなあ。そのぶん、1月から1冊を減。2023年の課題図書 進捗状況2023.01.03「2023年の課題図書48冊」えー、5月に引き続き、6月も課題図書の進捗は0でした!もはや「読もう」という気を失ってるからな。時が来たら読むんや。本は。必要な時に必要な本が、向こうから来るんよ。不思議とその時に巡り合うように出来ている。今はそのときじゃないのかもしれない。な!?(笑)これから読みたい本戦物語 [ 西尾 維新 ]西尾維新、物語シリーズの新刊。いまだにシリーズ完結しないのがすごいな。最近は新しいシリーズが出てもすぐに終わっちゃうから、昔のやつのほうが古いファンに人気なんだろうなあ。祖母姫、ロンドンへ行く! [ 椹野 道流 ]「最後の晩ごはん」シリーズの椹野さんのエッセイ。最後の晩ごはん 兄弟とプリンアラモード(19) (角川文庫) [ 椹野 道流 ]そして、「最後の晩ごはん」シリーズの最新作。兄弟ってことは、カイリとお兄ちゃんの話かな?空想の海 [ 深緑 野分 ]『ベルリンは晴れているか』の深緑野分さんの新作。墨のゆらめき [ 三浦 しをん ]三浦しをんの新作。たぶんタイトルから察するに今回は書道家がテーマだな?言語沼 言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずりこんだ [ 堀元見/水野太貴 ]言語が好きなので、タイトルが気になった本。私はありとあらゆるものにガチ勢ではないので(浅瀬でチャプチャプ遊びたい派)、ガチの人の話を引き気味に聞くのが好きだ。メメンとモリ [ ヨシタケシンスケ ]ヨシタケさんの新刊。エッセイ?かと思ったら、哲学的な「おはなし」らしい。読んで旅する海外文学 24の国と地域の旅行記×77冊の読書ノート [ 重松 理恵 ]海外文学って、その本を読んだだけで、その国の陽射やアスファルトの照り返しまで感じることが出来る気になる。というわけで「読んで旅する」という枕詞が非常に気に入った(気になった)本。本好きの下剋上第五部「女神の化身Ⅺ」(5-11) [ 香月美夜 ]まだその前の既刊最新刊も読んでいないのにまた新刊が…!追いつけない!毎回読み始める度に「で、前の巻ってどこで終わったんだっけ…?」となる。もうそろそろ終わりが見えてきたように思うんだけども。しかしこのシリーズ、一大長編スペクタクルよな。分厚さもさることながら。冊数がすごい。2023年に読んだ本・2023年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本・2023年2月に読んだ本まとめ/これから読みたい本・2023年3月に読んだ本まとめ/これから読みたい本・2023年4月に読んだ本まとめ・2023年5月に読んだ本まとめ/これから読みたい本2019年から2022年に読んだ本・2019年に読んだ本213冊まとめ/ベスト10冊・2020年に読んだ本255冊まとめ/ベスト10冊・2021年に読んだ本310冊まとめ/ベスト10冊・2022年に読んだ本336冊まとめ/ベスト10冊にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.12
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書名残月記 [ 小田雅久仁 ]目次そして月がふりかえる月景石残月記感想2023年150冊目★★★2022年本屋大賞第7位。これで、2022年の本屋大賞は西加奈子さんの『夜が明ける』以外のノミネート10作中、9作読了。本屋大賞に取り上げられていなかったら、読んでなかっただろうし、知らなかっただろう作品。「吉川英治文学新人賞」と、「日本SF大賞」もW受賞してらっしゃる。私はてっきり、ひとつの現代小説だと思っていて、章立てが3つに分かれていることを目次で読み、読みはじめて第一章で「これはどう繋げていくのかなあ」と思い、第二章でがらっと変わって「ん?最後にどうまとめるん?」となり、第三章で「もしかしてこれ、『月』をテーマにした連作でいろんな世界観に挑んだ連作ってこと…?」となりました。月をテーマにしていても、・月の立つ林で [ 青山美智子 ]とはえらく趣きが違う。苦節を経て、大学で教えるまでになった男。テレビのコメンテーターをするようになり顔も売れ始めた。糟糠の妻に、かわいい盛りの子どもがふたり。しかしある日、月が裏側を見せたその時、世界は停止し、見知らぬ同姓同名の男が彼に成り代わったーーー「そして月がふりかえる」。おばが持っていた月の風景のように見える石。それを枕の下にいれて眠ると、ひどい夢を見るのだという。ーーー「月景石」。月の満ち欠けに呼応する月昂病を発症した男。彼は竹刀の腕を見込まれ、独裁者のために闘技場で剣士として生き残りをかけて戦うことになるーーー「残月記」。というわけで、直接関係しない3つの小説が収められています。帯にはディストピア小説とある。私の困惑をぶっ飛ばすくらい3つ目の「残月記」は良かったです。著者は、小田雅久仁(オダマサクニ)1974年宮城県生まれ。関西大学法学部政治学科卒業。2009年『増大派に告ぐ』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、作家デビュー。12年に刊行した受賞後第一作の『本にだって雄と雌があります』で、第3回Twitter文学賞国内編第1位を獲得するなど熱い支持を得るというわけで、この本が3冊目。2009年デビューというから、ゆっくり書いていらっしゃるんだな。専属作家ではなく、兼業作家なのだろうか。しかし筆力があるなと読んでいて思った。作り込むのがすきなんだろうなあ。大人になれば孤独な人間はごろごろいるけれど、あの歳で背負う孤独は、きっと世界という名の冷たい井戸の底にでも落ちたような心地だろう。「特技は、四歳のころに始めたピアノです。趣味は、音楽を聴くこととと、映画を見ること……」テロリストに囚われた娘が、堕落した物質文明の象徴として世界に向けて空疎なメッセージを強いられているような、どこか痛ましい雰囲気があった。こういう、ちょっとした比喩が冴えわたっている。透明な石みたいにひんやりとして、まるっこくてなめらかで、美しい。磨いて磨いて、このかたちになったんだろうなという気がした。「残月記」の瑠香が、姥捨て山のように老人が死を待つ「長寿園」で働くうち、心身を疲弊させて自分に鞭打って仕事に向かうが、頭に箍をはめられたような鈍痛が消えず、意識はつねに薄膜がかかったまま。それでも追いたてられるように立ち働くが、日に日に不手際が増えてゆく。誰かがやらねばならない仕事だと自分に言い聞かせても、心が、体が、立ちあがろうとしない。そしてある日、とうとう自分の芯が朽ち木のように折れてゆく音を聞いた気がし、もう駄目だとわかった。続けられない。一日でも早くここをやめねばならない。と思うところ、すごく今の自分みたいだと思った。全然追い詰められている切迫度は違うのだが。どこに行ってもなにかしらあるよねえ。一生懸命やっているんだけどねえ。最近、「あなたはやさしいのだ」と言われて、誰かを、何かを、騙しているような気になった。偽物の壺でも売りつけようとしているような。本が好きな人は、自分の周りにバリケードを築いているんだよね、とある人に言われた。だから本当は本が読みたいんじゃないんじゃないかって、思ってると。人の和に入りたいのに入り方が分からないから、本を読んでるんじゃないかと。お前に何が分かるんだよ、と私は思った。本を積み上げて、一冊一冊積み上げて、自分の周りに砦を築き上げて。その中でようやく息を吐ける、その気持が分かるか?本で作った鎧で、それを身に纏わないと世界へ出ていけない、その気持がわかるのかよ?そうまでして、この世界でなんとか生きていこうとしているんだよ。そして、ファックユー、本が大好きで本が読みたいんだよ。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.11
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書名飽きっぽいから、愛っぽい [ 岸田 奈美 ]感想2023年149冊目★★★岸田奈美さんを、映画「かもめ食堂」などのフードスタイリストの方だと思っていた。最近はテレビにも出てはるし、エッセイも書きはるんやなあと。それ飯島奈美さんや。奈美ちがいや。というわけで、岸田奈美さんです。岸田奈美(キシダナミ)1991年生まれ、兵庫県神戸市出身。大学在学中に株式会社ミライロの創業メンバーとして加入、10年にわたり広報部長を務めたのち、作家として独立。世界経済フォーラム(ダボス会議)グローバルシェイパーズ。Forbes「30 UNDER 30 JAPAN 2020」「30 UNDER 30 Asia 2021」選出全然違う人やんか。(当たり前)フードのフの字もないやないの。この本は、『小説現代』の連載を収録したもの。場所と記憶(思い出)をテーマにしたエッセイ。関西人らしいセルフツッコミが随所に散りばめられていて面白かった。なぜ関西の人が書く文章はこうなるのだ…。自分に自分で突っ込まずにはおられんのか。喩えがまた面白くて、「法事は祖母にとってのフェス」は笑った。はじめに、で「百文字で済むことを二千文字で書く」とあり、私も私も!と肯う。ブログを書き始めた頃は百文字書くのも四苦八苦していたのに、今やもう指先から流れるように文字が出るんよ…。むしろ長すぎるねん。毎日毎日誰が読むねんこんな長いブログ。岸田さんはその冗長になりがちな自身の文章をして「食べざかりの中学生を抱えた家庭の、大皿料理のような制作過程」という(韻を踏んでいる)。まさにそれだ。どーんと出して、あとは好きなん好きなだけ食べてー!という感じ。今回のエッセイではじめて岸田さんのことを詳しく知ったのだけれど、弟さんはダウン症で、中学二年生のときにお父さんが急死、高校一年生でお母さんが下半身麻痺に。それはなかなか大変だったろう。でもこの方には、「っていうてもな!」という吹っ切れ感というか、明るい笑いが底にあって、だから読んでいても陰鬱な気持ちにならない。そういえば、意味のないことへの後ろめたさを感じるようになったのは、最近になってからだ。というのは、よく思う。役に立つこと、将来のためになること、コストパフォーマンスがいいこと。最近ではタイムパフォーマンスがいいこと、も入るのか。なんかしてないといけないのか。なんかこう、有意義なことを。岸田さんは、いらんことを「なんか知らんけど、自分が愉快になる」効用があるという。関西では「いらんことしい(不必要なお節介や手出しをする人)」と言うけれど、そういうことや人があって、余白があって余裕があってこそ、ギシギシ軋まずに生きていけるのだ。みんなもう、頑張りすぎよな。私も効率厨だけど。しゃかりきになってガムシャラに。もうええやん!みんなパンダになろ!お母さんの手術が終わるのを岸田さんがスーパー銭湯で待っている間、わたしは、パンダだ。こうしているだけで価値があるのだ。こうしているだけで価値があるのだ。馬鹿げていてもそう思い込まなければ、自らの非生産性に耐えられぬ。と自己暗示をかけていたのだけれど、これってもう日常全般に適用していきたい。私、パンダなんで。いやほら、パンダですから。とはいってもパンダなので…。そうかあ、しかたないよねえ、パンダもんねえ。(ってならんかな)エッセイの中に出てきた「ごちそうカレー」は、楽しそうだなと思った。ふつうのカレーに、めいめい好きなトッピングをするというもの。我が家はふつうにカレールウからカレーを作るより、レトルトカレーのほうが子どもが喜ぶ。自分でカレーの種類を選べるところが良いらしい。さらに鬼滅カレーやらすみっこぐらしカレーやらには、シールも付いてくる。それにスーパーで調達したカット野菜のサラダ(大根のツマが安くてお気に入り)をつければ夕食が完成するのだけど、岸田家ではゆで卵にチーズ、福神漬け、冷凍からあげ…などをそれぞれ好きに調達してきて乗っけるのだそう。さらにお楽しみが追加されて「自分好み」が具現化されて良いですな。今度やろう。エッセイの中で一箇所、幼い頃に遊んだゲームセンターの「新丸ゴ」を思い出せる、という描写が出てきて何のことか分からなかったのだけれど、調べると「新丸ゴ」は、モダンなゴシック体として人気の高い「新ゴ」をもとに誕生した丸ゴシック体です。とのこと。ゲームセンターの「らんらんらんど」の看板の文字の字体まで覚えている、という意味だったのね。これは校正の人も常識だから見逃したのかなあ。一般人に通じひんやろ。あと、飛行機の話で、イエモンの歌(THE YELLOW MONKEY「JAM」)で「乗客に日本人はいませんでした」っていうのがある…というところ。私もこれひどいなと思っていたんだけど、外務省や大使館に問い合わせが殺到しないようにするという実務的な理由なんだ。知らなかった。イエモン聞くときの心持ちが変わるわ。そんなこんなで楽しくエッセイを読み終わろうとしたら、最後に、岸田さんは「わたしはなんのために、エッセイを書いてるんだろう」と記す。書くことが楽しくなくなった。自分のことが嫌いだ。過去の自分を利用して、語り直す。名前をつけて美しい話に作り変える。そうして今の自分を肯定して、好きになろうとした。過去の自分というストックを、オーダーに応じて調理して出せばいい。メソッドが確立し、手早くエッセイを書けるようになった。そんな時、編集者から岸田さんは言われる。「岸田さん。全部の物語に、むりやり教訓をつくらなくていいんだよ。」(略)「なんていうのかな、岸田さんは最初にまず伝えたい結論をつくって、それを説得するのにちょうどいい材料を過去へ探しに行ってる感じがするよ」記憶の中に、嘘を混ぜた。自分を好きになれるように、話を盛った。それを何より、自分がよく知っていた。最後に、岸田さんは「書けないこと」の先に行こうとしているところで終わる。このラストのエッセイ(あとがき?)が、私には結構衝撃だった。なんというか、ある意味「ごめん、今までの全部ウソ入ってる!信じたでしょ?だってさ、私自分のこと嫌いだからさ、こうならいいな、こう言ってほしかったなっていうのを入れて、みんなが読みやすくしたの」っていう告白じゃないですか。大いなるネタバレ。種も仕掛けもありました。それは読者への裏切りを明かすこと。でもこの人に嘘をつかれたとか、そういう印象は残らない。ああ、そうなんかあ。と思う。たぶんエッセイを書いている人には、みんなこれがある。なにか日常の出来事、ある人の一言、そういうものから私はこういうことを考えて、こういう思いを浮かべて、教訓を得て…。でも何もかもがそんなにうまく、きれいにまとまるわけじゃない。こじつけも、嘘も、誇張も、装飾も、ある。エッセイはひとつのフィクションだ。読者はそれをほんのりと知りながら、透けて見える薄紙越しの真実と受け取る。私もブログを書く時に、内容紹介から始まって、「最後は何かいい感じにふわっと終わる」ということを心がけるようにしたらうんと書きやすくなった。でも毎回毎回なにかしらの学びやら気づきがあるわけじゃなくて、そこには「盛って」ることもある。それを言うか言わないかで。岸田さんは正直な人なんだろうな、と思った。さて、じゃあ、自分の中にその「嘘」を許さなくなったのなら。何を書くかというのは、けっこう大変なことでもあると思うのだ。次に岸田さんは、何をどう書くのだろうな。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.10
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基本情報・仕事でも日常でもまったく使わない完全趣味の英語学習。・2022年6月受験時はTOEIC870点(リスニング455点+リーディング415点)。・いずれ、TOEIC940点や英検1級が取れたらな。・毎朝起きてから1時間程度、勉強しています。・NHK語学講座(アプリ「らじる★らじる」「NHKゴガク」)での学習がメイン。今週のふりかえりぼちぼちでんな。目標不達成で遅滞気味。出来たことを数えよう。反訳(日本語を英語に直す)も、いちおうやってますよ!青鉛筆の書き込みだらけになる。で、これまで、4月から1 ニュースで学ぶ現代英語2 ボキャブライダー3 ラジオ英会話4 中高生の基礎英語 in English5 英会話タイムトライアル6 ラジオビジネス英語 を聴取してきました。ラジオ英会話と中高生の基礎英語は朝にリアルタイム聴取。ボキャブライダー、タイムトライアル、ラジオビジネスは夜家事タイムにながら聴取。ニュースで学ぶ現代英語だけはちゃんとしっかりノートを取りながら聞いていました。週末のリアタイ放送がない時は、ゴガクルのアプリで先週分をまとめ聞き。しかし、ちょっと色々やり過ぎで、「やらなきゃ」に追い詰められている気がするので、4 中高生の基礎英語 in English5 英会話タイムトライアル6 ラジオビジネス英語は辞めることにしました。NHKのアプリ「らじる★らじる」もすっきり。先週分が放送されるNHKの語学アプリ「ゴガクル」もすっきり。色々手を出しても、ながら聞きは本当に効果を感じられない。ラジオ英会話も今年度はながら聞きなので、何やったかまったく記憶にない…。意味ねえ。なによりも心理的負担軽減措置。二兎を追う者は一兎をも得ず。今週のニュースで学ぶ「現代英語」月曜日放送分米国務長官 習近平主席らと会談ANTONY BLINKEN MEETS XI JINPING火曜日放送分エンタメ業界に広がる“イマーシブ”体験JAPAN'S IMMERSIVE EVENTS LET VISITORS BE PART OF THE SHOW水曜日放送分ロシアの戦術核 ベラルーシへ搬入RUSSIAN NUKES ARRIVE IN BELARUS木曜日放送分世界の難民・避難民 過去最多にUNHCR: RECORD 108 MIL. PEOPLE FORCED TO FLEE HOMES金曜日放送分フランス 航空ショーで“空飛ぶクルマ”PARIS AIR SHOW FEATURES SMALL VERTICAL-TAKEOFF VEHICLE来週のニュースで学ぶ「現代英語」「そろそろ休みの週を挟むんじゃないかなあ」と期待していたら、来週は放送おやすみ(再放送週)でした。いやっふう!まじめにふまじめ学習者ノマなので、来週はのんびりします。来週の計画娘が「推しの子」が見たいと言うので、Huluに登録しましてね。そしたらBBCドラマ「SHERLOCK」が全シーズン見れるし、なおかつ英語字幕がつけられるじゃないですか!というわけでちまちま見ていきたいの。萌えたいの。腐成分を補給したいの。そんな時間どこにあんねんっていう話なんだけどねー。小2の娘、先日学童からお迎えコールがあり、学校の宿題をしようとすると腹痛と発熱。そこからもう毎朝「学校いきたくない」「学校やめる」。肉体的な不調も訴えるしで、なかなか大変です。毎朝学校まで送っていくのですが、「ずっといて。ろうかの外に立っていて」。懇談を前に担任の先生と話をし、声掛けなど対応に配慮してもらうことをお願いしました。(担任の先生はクラス全体の宿題を減らすなどしてくれました。そこまでしてくれなくても、と言ったけど「それでこの子の心理的負担が減るなら、宿題なんてなんぼでも減らします」と。いいひとやった)本人の認知のゆがみもあるので、夏休み前にスクールカウンセラーと保護者と本人の面談をねじ込んでもらい、夏休み明けにもスクールカウンセラーの3者面談を用意してもらいました。ほか、スイミングスクールも同様に「おぼれる、やめる」と言うのでコーチに相談。歯列矯正も「きもちわるい、吐く」というので院長と相談。方方からケアしてもらえることになり、この子は幸せやなと思っています。みなさんありがとうございます!とまあ、いろんな「プレッシャー」の一因が親でもあるので、私も気を抜こうと思ったんですよ。というのが、英語学習に繋がる部分ね。のらくらいこう。気を抜くと全力で頑張ってしまうからな!小心小心、hati-hati.にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.09
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書名給食のおばさん、ブータンへ行く! [ 平澤さえ子 ]目次第1章 給食のおばさん、単身旅立つ第2章 給食のおばさん、孤軍奮闘する第3章 給食のおはざん、決断する第4章 給食のおばさん、異文化を楽しむ第5章 給食のおばさん、夢へ踏みだす「ヘレヘレじいさん」(ブータンの民話)巻末付録 簡単につくれる「ブータン料理」&「人気の給食」レシピ引用「いつか、あれをやりたい」と考えていても、条件が整うまで待っていたら「いつか」はずっと先になってしまう。「いまやろう」と決めて行動を起こせば、きっと夢は現実になっていくものだと、私は信じている。感想2023年148冊目★★★ブータンに行きたい。と、ずっと思っている。小学生の頃に読んだ『ブータンの朝日に夢をのせて』。1964年に農業指導でブータンを訪れ、1992年に亡くなった西岡京治さんのブータンでの暮らしを描いたノンフィクション。1996年発刊のこの本を私が図書室で見つけて手に取ったのが、10歳くらいの時。この世界に、ブータンという国があるのだと知った。いつかそこへ行きたいと思った。先日、中学生からの友人に会った。彼女は最近ブータンに行ってきたと言う。ブータン!私にとっての夢の国。幻の王国。そうだ、そこは現実に存在する場所だったんだ。図書館に行き、一冊だけあったブータンの本を手に取る。それがこの本だった。著者は、平澤さえ子(ヒラサワサエコ)1953年、新潟県生まれ。19歳で結婚し、2人の娘を出産したが29歳で離婚。生活費を稼ぐため、夫の仕事の関係で調理師の免許を持っていたことから給食調理員として働くことを決意。1983年から31年間、東京・渋谷区の7つの小中学校で定年まで勤務した。2011年、ツアー旅行ではじめてブータンを訪問。2013年、2014年、ブータン南部のゲレフの高校にそれぞれ3週間、3か月間滞在し、現地の高校生や主婦に料理を教える。2015年から10か月間、ブータンの首都ティンプーの幼稚園から高校まである学校で、料理の先生および留学生の寮母を務めたという方。なんというか、「好き!」という気持ちを強く持って、それを発信していると、道が拓けるのだなということを思った。この本の内容は、高校で3週間滞在したときと、その後3ヶ月滞在したときの内容。その後の10ヶ月の話も知りたいところだ。この本が発刊されたのが2016年なので、その後どうしていらっしゃるのだろうと検索。ブログ「給食のおばさんブータンへ行く」を見つけたけれど、更新は2017年で途絶えている。facebookはたまに更新していらっしゃるようなので、お元気なのだろう。なにより。ご本人は本の中で「私は給食をつくることしか能がない」と仰っているのだけど、それってすごい強みなんだなと思った。私には何が出来るんだろう、と思って自分を見ても何も無い気がして。そして突き抜ける「好き!」が、そんなに強い何かが、私には無い。自分って空っぽだな…と胸に手を当てて思う…。ブータンについての記載は改めて興味深かった。多民族多言語国家で、公用語はゾンカ語。小学校から英語の授業を行い、授業も英語で行うため、みな英語が堪能。公の場では民族衣装を着ることが義務付けられ、女性はキラ、男性はゴという着物のような服装をする。学校制度は「7・2・2・2制」で、幼稚園にあたるプレ・プライマリースクール+小学校にあたるプライマリースクールで7年。中学校にあたるロー・セカンダリースクールが2年+ミドル・セカンダリースクールが2年。高校にあたるハイヤー・セカンダリー・スクールが2年。その上に高等教育(大学)があるのだという。食生活はヤギのチーズと唐辛子が多い。給食改善に呼ばれたはずが、著者はなぜかクッキングスクールを指導。オーブンもないなかでクッキーを教えるなど、「給食のおばさん」で磨かれた臨機応変さをいかんなく発揮する。みんな給食のときにお皿1枚にごはんとおかずを盛り付けて、手かスプーンで食べる、というのはインドネシアにいたときを思い出した。インドネシアでは、日本で言うカレー皿のような、縁が盛り上がったお皿1枚にごはんをどーんと載せて、おかずをその横に添える。それをスプーンか手で食べる。お皿は1枚で済むから洗い物も少ないし、汁気がごはんに吸われて美味しい。私は日本に帰ってからも我が家にこのスタイルを採用している。ワンプレート方式。ブータンのごはんは唐辛子が山盛り入っているそうで、私は辛いもの好きなのだけど、食べられるかなあ。ブータンに行った友人は、「不思議なんだけど、日本とすごく似ていると思った」と言っていた。いいなあ、行きたいな、ブータン。死ぬまでにしたいことリストに入ったまま。チベットにも行きたい。これは同じく小学生の頃に見た映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(これは1997年公開)の影響。子供の頃に摂取したものって、その後の人生に多大な影響を与えるよね。という話を、友人としていた。だから本は大事だよね、と。チベットよりもブータンのほうが行きやすいから、「ブータン 行き方」で検索する。ふむふむ、ブータンへはタイもしくはインドで乗り換え。意外と近い。ビザの申請と旅行の計画はブータン政府の認可を受けた旅行代理店を通じて手続き。ビザは4500円程度。全行程に公認ガイドが必要とな。滞在費はオールインクルージブで、政府公定料金1日2万円〜3万円程度。友人によるとQRコードによる電子決済が進んでいたとのこと。…なんというかさ、夢の国だって幻じゃなくて、そこに現実に存在するんだよね。そして私は大人だから、そこへ行くことが出来る。行くか行かないかを、自分で決めることが出来る。著者が言っていたように、まさに「いつか、あれをやりたい」を「〇〇が〇〇になったら」と待っていたら、「いつか」はずっと先になってしまう。お金が貯まったら。仕事が落ち着いたら。子どもが大きくなったら。それはまあそうなのだけど、それは言い訳でもあるわけだ。ぽん!と行きたい場所へ行ける友人を、私は羨ましく思った。でもそこへ行っていないのは、私なのだ。10歳だかで「ここへ行きたいな」と思って、その夢を叶えていないのは私だ。私が、そこへ行こうとしていないだけだ。よし、行くぞ。ブータン。絶対に。いまはそれを「いつか」と決めることは出来なくても。行くぞ。おばさん、ブータンへ行くよ!にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.08
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書名しかもフタが無い (ちくま文庫 よー32-1) [ ヨシタケシンスケ ]感想2023年147冊目★★★ヨシタケシンスケさんが絵本作家になる10年前に発刊されたアイデアスケッチのデビュー作、の文庫化。しかもちくま文庫から。イラスト集というより、スケッチ集。くすっとなる。この人の頭の中ってどうなってるんだろう。絵本のときに形で出てくるあれやこれやの「種」が詰まった一冊。私は「バカバカしさに忠誠を誓う」洗剤スプレーの打ち合い?雨の日の傘袋の剣士「特技:見切り発車 いいやもう出っ発ー!!」ケーキの箱が頭になった「こんくらい人をワクワクさせる存在になりたい」が気に入りました。ふだん同じものを見ていても、この人にはこう見えているんだろうなあ。というのが分かって面白い。こうやって絵にしてかたちにして見せてもらうと、「ああそうだよね」ってなる。ヨシタケシンスケさんが好きで、最近LINEスタンプをついに買いました。それもふたつ。笑いつ使えばいいか分からんやつがあって「いつ使おう」ってなってる。あと友達がいないからスタンプ送る相手がいなくて誰かとLINEしたくなってる。(うちの夫はSNSのたぐいを一切やらないので、LINEもやらない。連絡はメール…。)ヨシタケさんのイラストと文章を見ていると、「こんなふうに描けたらなあ」と思う。さらさらーっと簡単そうに描いているように見えるから、自分にも描けそうな気がするんですよね。もちろん描けないんだけどね。自分が思ったことや考えたこと、思いつきや言葉遊び、ばかばかしいこと…。そういったことをノートにイラストメモで残しておいたら、自分が楽しいかもしれない。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.07
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書名ニッポンのアンティークしおり [ 豊嶋 利雄 ]目次1章 企業宣伝2章 プロパガンダ3章 広報・告知・啓蒙4章 抒情画5章 子供時代とスクールライフ6章 メディアと金融・保険感想2023年146冊目★★★明治・大正・昭和の風俗、世相、流行が反映されたしおり、466枚が紹介された一冊。「へえ〜!ほお〜!」と思いながら読んだ。すべてのしおりに発行時期、デザイン者、メーカー、サイズ、裏面、備考の注釈があり、これはもうすんごい労力で作られた本。テレビもネットもなかった時代、宣伝として用いられた「しおり」。日本では明治20年頃から宣伝媒体として使用され、昭和初期にかけて様々な宣伝活動に「しおり」が使われたのだそうだ。今でもあるメーカーの商品、ペコちゃんやグリコ、カルピス。著者の解説文にはメーカーの創業話も入っていて面白かった。セーラー万年筆は軍港都市・呉にあり、将来は自らの製品を船によって輸出し、海外に覇を唱えたいという念願と、ひとりの提督より多くの「水平(セーラー)」が大切だという民主主義的思想を盛り込み商標を「セーラー」と命名。なんだって!はじめて知った!ミズノ(美津濃)が文房具を作っていたというのも知らなかった。しおりの裏面にはやたらと時間割表が多い。ものを買うのは大人だろうに、小説を読むような大人には時間割表などいらぬだろう。なんでなんだろ?と思っていたら、子どもに対するプロバガンダが、戦局悪化と反比例して活発化していったからなのだそうだ。しおりも年代順にこう並べてあると、戦争がいかにして日常に入り込み、そして人々の認識を変えていったのかがよく分かる。しおりを通してみる歴史。教科書で戦争を学ぶより、こういったものを眺めるほうが、私は戦争を身近に感じる。ふだん自分が手にしているものと、同じもの。それが戦争のさなかにも、存在した。戦争を時系列で習っても、それは何というか、「出来事」のポツポツとした点を繋いだ線のように見える。けれどしおりは滑らかな、点のない線だ。それは日常という名前の、何月何日に起こった「〇〇」と名前がつかない毎日の連続。戦地の人が持っていたしおり。その昔、下鴨納涼古本市に出かけていった際、古本ではないものもたくさん売られていることに驚いた。絵葉書に、それこそお菓子の包み紙だって。そういったものを集めていた人がいて、またそれを集めている人がいて。絵葉書なんかは、使用済みで、私信が書いてあったりするのだ。誰かの人生がそこにある。見知らぬ誰かの目に留まる。忘れないで、と言われているような気がする。点ではないそれを、糸のように今に繋いで。私がそこにいたことを。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.06
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書名首取物語 [ 西條奈加 ]目次第一話 独楽の国第二話 波鳥の国第三話 碧青の国第四話 雪意の国第五話 消去の国第六話 和茅国第七話 波賀理の国引用「その国ではな、何百何千と独楽が回っておるに等しい。独楽のひとつひとつで同じことが無限にくり返されて、終わりがない。不変こそが、人を安堵せしめるからだ」「よく、わからねえ」「人の暮らしというものは、似たような毎日のくり返しで成り立っているからな。それこそが、幸いのひとつの形なのだ」感想2023年145冊目★★★和紙のちぎり絵のような表紙・挿絵がきれい。「小林系」さんという方。絵本の表紙も色々手掛けていらっしゃるよう。・心淋し川 [ 西條奈加 ]・曲亭の家 [ 西條奈加 ]・六つの村を越えて髭をなびかせる者 [ 西條奈加 ]の西條奈加さんの本。竹取物語みたいな話?と思って読み始めたら、和風ファンタジーだった。ふたりが旅する不思議な国々は、どれも映像が目に浮かぶよう。私はなかでも「雪意の国」がいいなあと思った。こういう雰囲気の話、大好き。ぜんぜん違うのだけど、昔読んだ、宮部みゆき『ICO -霧の城- 』を思い出した。記憶をなくした少年・トサは、ぐるぐると同じ場所を回り続けていた。なぜここにいるのか。ここから出るにはどうすればよいのか。何巡かめで、トサは首だけの侍・オビトを拾う。ふたりはともに旅をすることとなるのだがーーー。なぜ、ふたりは記憶をなくしているのか。トサが唯一覚えている名前・「おふう」とは、誰なのか。オビトは、いかなる理由で首を斬られたのか。そして、ふたりの間には、何があったのか。それが不思議な国をめぐるうちに少しずつ明らかにされてゆく。のだけど、最終章で「もう連載終わりやから全部詰め込みました!」くらいの勢いでばばーんと盛大に明らかになって終わるのがちょっと残念だった。もうちょっと小出しにしてほしかった。「おふう」の名前が、まさかそれだったとは。トサの過去は哀しかった。「おれが生き延びれば、おれたちの勝ちだ」弱き者は奪われる。だから、生き残るために、奪い返す。オビトもまた哀しかった。殺して殺して殺して、その先に見た希望。それを一瞬で奪われ、憎しみに捉われる。最後にふたりは、波賀理の国に辿り着く。そしてそこで、己のしたこととこれまでの旅路を秤にかけられ、問われる。憎しみは、何よりも重いのか。悔い改めることは、出来るのか。ひとを赦すことは、出来るのか。相手を憎むことは、相手を知らないことなんだろう。愛は憎しみを乗り越えるのではない。慣れ親しみ、馴染むことが、知ることが憎しみを超えていく。ーーー反対に知ることで憎しみから逃れられないこともあるけれど。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.05
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書名答えは市役所3階に 2020心の相談室 [ 辻堂ゆめ ]目次第一話 白戸ゆり(17)第二話 諸田真之介(29)第三話 秋吉三千穂(38)第四話 大河原昇(46)第五話 岩西創(19)引用「つくづく思います。カウンセラーって無力だなぁ、と」「晴川さんが以前、教えてくれたじゃないか。カウンセリングとは、相談者が自分自身と対話する場なのだと。私たちはただ、彼らを映し出す鏡になればいい」「ええ、限りなくピカピカに、いつでも磨いておきたいものですね」感想2023年144冊目★★★・二重らせんのスイッチ [ 辻堂ゆめ ]・君といた日の続き [ 辻堂ゆめ ]の辻堂さんの新作。令和2年7月8日。新型コロナウイルス感染症流行における心の不調を相談できる「こころの相談室」が立倉市役所の三階会議室に開設された。NHKの合唱コンクールを目指し部活に励み、高卒でブライダル業界へ就職することを夢見ていた女子高生は、コロナで将来の夢を失った。医療従事者の婚約者に仕事を辞められないか打診し、彼女と破局した男性。立ち会い出産も不可となり、激務の夫は家にも帰って来ない。出産後にワンオペで赤ん坊を育て、虐待寸前まで追い詰められた女性。コロナで日雇いの仕事が激減し、ネットカフェを追い出され、ホームレスとなった男性。憧れのキャンパスライフは夢と消え、オンライン授業で家に引きこもる男性。それぞれがそれぞれの悩みを抱え、相談室を訪れる。読んでいて、「ああ、そうだったなあ」と思った。たった数年前のことなのに、どこかもう隔絶された遠い場所のことのように感じる。それこそ十年も二十年も前の話のように。豪華客船。緊急事態宣言。医療従事者。営業自粛。自粛警察。ステイホーム。エッセンシャルワーカー。ソーシャルディスタンス。GOTOトラベル。マスク不足。オンライン。アクリル板。消毒液。検温。そんなこともあったなあ、なんて。人間って本当に忘却の生き物だ。そして、もうこういうことを読みたくない人もいるだろう。思い出したくない人も。後の世の人が、この本を読んだって、フィクションだと思うかもしれない。「え?本当に合ったことなの?嘘でしょ」って。それくらい、非現実的なことが一斉に起こったのだから。誰もいない街にヘリコプターを飛ばし、テレビ局が中継していたんだよ。今は家にいましょう、って。この本の肝は、推理小説にある「依頼人は嘘をつく」ならぬ、「相談人は嘘をつく」。それぞれが皆、肝心のところを隠して相談室を訪れる。相談パート(相談者視点)ではそれは明かされず、微かな違和感だけが「ん?」と読者によぎる。そして相談室の内輪話のパート(カウンセラー視点)で、その違和感の正体が明かされる。ここらへんは、辻堂さんの前作『君といた日の続き』のように御本人が得意とされるところ。最初は、「あ、そうか!だから…」と答え合わせがされるような、謎解きの面白さがあったんだけど、三話目くらいから「うーん、ちょっとこじつけすぎかなあ」となった。お話が一周回って最後に一番最初とくっつくパターンで、私はこういうの好き。第一話で登場するひとつのアイテム(お守り)がバトンのようにリレーされていくのは、小説的だなあと思った。コロナが小説に現れるようになって(ここらへん、「小説の世界にもコロナの侵食を許すか」という作家の世界には葛藤があったようで、「コロナではない日常を描く」派と、「コロナがある日常を描く」派がいたように思う。)、それが執筆されて印刷されて書店に並んで…が一周回って落ち着いて、今ではコロナが取り扱われていると、「あ、コロナなんだ?」と思うようになった。いっときはコロナ禍なのに日常でマスクしていないとか、そういうことだけでリアリティがないと感じたりもしたのに、喉元過ぎれば熱さを忘れるというやつで、すっかり逆に「まだコロナなんだ?」という印象を抱いてしまう。けれど大事なことなんだと思う。将来に残すために。こういうことがありました、ということだけでなく、それが文学の世界にどう残ったかということも。コロナにより、今の子どもは心身ともに発達が2〜3年遅れているという話もある。詳細な記憶をもたないこの子たちが大きくなって、その時に「あの時、何があったのか」を知りたくなった時。記録だけではなく、感情をともなう物語が必要だ。暑さが日にしに増す令和5年の7月。私はまだ、電車や会社の中ではマスクを付ける。店に入る時に消毒液があると、手に吹き付ける。でも子どもは、この春頃からマスクを取った。さて、マスクを外すのはいつになるのだろう。なんとなく、不安であることと。社会的な「あ、あなたは『外す人』なんだ」と目線。結局それって、根拠に基づくというより気持ち的なもの。人間が不安に弱いことも、コロナで嫌というほど、思い知ったよね。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.04
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書名貸本屋七本三八の譚めぐり (アルファポリス文庫) [ 茶柱まちこ ]目次四月『菜種梅雨』五月『ぎいぎい』六月『ある女』七月『空の鳥かご』引用「それは違うぞ」声を上げたのは、柄田であった。「知識をつけたから弱くなる、なんてことはない。むしろ、知識は力に匹敵する刃であり鎧だ」感想2023年143冊目★★★完全なるジャケ買い。タイトルと絵がワクワクする感じ。帯には「書物狂(ビブロフィリア)、怪異を紐解く!」とあるので、京極夏彦の京極堂シリーズみたいな感じを想像していた。違った。時は大昌(たいしょう)。大陽本帝国の都は江都(えど)から藤京(とうきょう)と呼び改められ、外国の脅威に対抗すべく、文明の発展に『本』ーーー技術や知識を体得できる『術本』が求められる昨今。小説や詩歌を記した『譚本』は廃れていくばかり。そんな時流の折、紅顔の若人・夏目唯助は、恋の病に効く譚本を求め、ある貸本屋へ辿り着く。世界観がこう、『銀魂』みたいな。笑ちょっと違う、平行世界のような時代設定。作者は、茶柱まちこ(チャバシラマチコ)新潟県出身。学生時代から趣味で書いていた「七本譚めぐり」にて、第4回アルファポリスキャラ文芸大賞の奨励賞を受賞。改題、改稿を経て、書籍化デビューに至るということで、この作品がデビュー作なのだけど、筆力もあるし、何より本がすごく好きなんだろうなあと思った。面白いなと思ったのが、この世界の『術本』と『譚本』。今で言うビジネス書やハウツー本、レシピ本のような、読んで何かが出来るようになる(知識が身につく)ものが『術本』。人の想いなどを記したもの、小説が『譚本』。西洋に追いつけ追い越せの時代。空想や記憶の疑似体験のみで形が残るものが得られない『譚本』は時代遅れとなり、目に見えて読書の効果が得られる『術本』ばかりになっていく。ここらへん、「有り得た未来」という感じがした。図書館でも書店でも、小説は大人気だ。何より小説こそが本の代名詞といってもいい。というくらい、売り場の面積を占めている。でも、「小説に価値を見出す価値観」自体が、否定されていったのなら?「誰かの頭の中のつくりごと」を文字として読むことの意味を、社会が認めなくなったら?スキルばかりを売る文字が、まるで食材のように商品として並ぶ本屋。もしかしたら、の平行世界。で、この世界ではさらに『譚本』には、『原本』と『写本』が存在し、『原本』は図書館へ所蔵され保管されることが法律で決まっている。この設定、国立国会図書館の納本制度を生かしてる。「納本制度」とは、図書等の出版物をその国の責任ある公的機関に納入することを発行者等に義務づける制度のことです。 わが国では、国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)により、国内で発行されたすべての出版物を、国立国会図書館に納入することが義務づけられています。(国立国会図書館)この小説では、『譚本』には物語の核となるものが含まれる。その核は、幽霊というか、魂というか、怨念、想念…そういったもの。それが、原本には物理的に閉じ込められている。「毒」を放つ禁書として扱われる原本。しかしひょんなことから、それが市井に出回ることもある。この世界ではそれを取り扱う資格があり、彼らもまた禁書を用いて戦う。貸本屋の店主もまた禁書を用いて戦う者であり、彼の友人である帝国司書・柄田(大陽本帝国司書隊図書資産管理部禁書回収部隊第一班班長)もまたそうだ。ちょっと『図書館戦争』っぽいな(読んだことないけど)と思ったのだけど、その本から物理的に武器を具現化生成して戦うというのが本好きとしてはめちゃくちゃカッコよかった。刃であり鎧。五話収録のうち、四話は現在のお話。そして五話目は過去のお話。店主と店主の妻の馴れ初めエピソード。これを入れることによって続編が出ない感じがしたんだけど、どうなのかな。私は最初から最後まで腐視点で「唯助可愛いなあ、店主が独身なら店主×唯助なんだけど…妻帯者だから柄田×唯助か…」と思ってました。笑にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.03
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基本情報・仕事でも日常でもまったく使わない完全趣味の英語学習。・2022年6月受験時はTOEIC870点(リスニング455点+リーディング415点)。・いずれ、TOEIC940点や英検1級が取れたらな。・毎朝起きてから1時間程度、勉強しています。・NHK語学講座(アプリ「らじる★らじる」「NHKゴガク」)での学習がメイン。今週のふりかえり今週は、結構まじめに頑張りました!疲れていて朝起きられない→やる時間がなくなる→やれないことが積み重なる→やる気なくなる→朝起きる気がなくなるという悪循環を断ち切ろうと、だらだら気もそぞろで時間がかかっていた英語学習を、「ぴったり1時間内」と決めました。そのうえで、これまでは洋書読みを「15分」(1日の1%に相当)と設定していましたが、やる気と時間に応じてモードを3つ用意。イージー・ノーマル・ハード的な。「10分チャレンジ」と「5分で勘弁」。そしたら「5分で勘弁」ばっかり選ぶようになりましたが笑、かわりに継続できています。しかしね〜脚パカ運動とストレッチをやるいとまがない。子どもを寝かしつけて一緒に寝ているので、寝る前にやっていると寝るのが遅くなる。かといって朝やる気力と時間はない。7月の目標に書いたけどもうやめよっかなとなっている。いつやるねんと。まあ、前もこれで頓挫したのよな〜。「言い訳だらけですよね?」「にんげんだもの。」今週のニュースで学ぶ「現代英語」月曜日放送分ウクライナのダム決壊で非難の応酬LEADERS TRADE BLAME FOR DAM DISASTER火曜日放送分男性の育休取得率 大きく上昇NEARLY HALF OF ELIGIBLE MEN TOOK PATERNITY LEAVE IN JAPAN LAST YEAR水曜日放送分“迷惑動画”で6700万円賠償請求SUSHI CHAIN SUES PRANKSTER FOR HARMING ITS BUSINESS木曜日放送分アマゾンで墜落40日 子ども4人救出4 CHILDREN FOUND ALIVE WEEKS AFTER AMAZON JUNGLE PLANE CRASH→ forest と woods の違いで、ローラ・インガルス・ワイルダーの『大きな森の小さな家』の原題を調べたら、"LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS" だった。金曜日放送分北極海の氷 2030年代夏に消滅かRESEARCHERS: ARCTIC MAY BE FREE OF ICE IN SUMMER BY 2030s来週のニュースで学ぶ「現代英語」月曜日放送分米国務長官 習近平主席らと会談ANTONY BLINKEN MEETS XI JINPING火曜日放送分エンタメ業界に広がる“イマーシブ”体験JAPAN'S IMMERSIVE EVENTS LET VISITORS BE PART OF THE SHOW水曜日放送分ロシアの戦術核 ベラルーシへ搬入RUSSIAN NUKES ARRIVE IN BELARUS木曜日放送分世界の難民・避難民 過去最多にUNHCR: RECORD 108 MIL. PEOPLE FORCED TO FLEE HOMES金曜日放送分フランス 航空ショーで“空飛ぶクルマ”PARIS AIR SHOW FEATURES SMALL VERTICAL-TAKEOFF VEHICLE来週の計画まあ出来ることをやろうぜ。7月に突入です。今日、朝顔が咲いていました。蝉も鳴き始めました。去年はヴァ夏(バーチャル夏休み)にTwitterで参加させてもらっていたなあ。最近孤独でSNSしたくなってきています。だれか!だれかある!これまで、公式アカウントの閲覧だけしていたりしたんですが、ついにTwitterの閲覧すら見れなくなりました!どんだけクローズドにしていくの。検索につぎ閲覧まで…!まあ、検索・閲覧用のアカウント作ればいいじゃんっていう話なだけなんですけどね。にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.07.02
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