シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年07月10日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 「祈り」は、何らかの形のエゴイズムに浸透されているときほど、酷く誤解される。なので今回の話では、いかなる宗派からも、或いは、その他の影響からも自由な人智学という光の下に、「祈り」について探求してみる。

 そこで最初のアプローチとして、次のように言うことができる。

「神秘家は、自身の神秘的献身によって、どこまでも明るく輝くようになる、ある種の閃光が、自らの魂の中に見い出される、と考え、「祈り」とは、その閃光を生じさせるために意図されるものである」、と。

 そして、「祈り」とは、それがいかなる前提から出てきたものであれ、正に、魂をかきたて、徐々に、小さな閃光、つまり、もし、魂の中に小さな閃光があればだが、その煌きながらも隠された閃光を見い出すことで、或いは、閃光を点火させることで、唯一その有効性を証明するものである。

 もし、「祈り」の必要性と、その本性を探求するなら、以前の要約でも引用した古いギリシャの聖人、ヘラクリトスの

「汝がいかなる道を探求しても、魂の境を見い出すことは決してできない、魂の存在とは、それほど包括的なものなのである。」

 という、普遍的な妥当性をもつ言葉を心に留めながら、魂に関する深い記述へと入っていく必要がある。

 最初は、「祈り」の中に、魂の内なる秘密を探し求めるが、「祈り」により、かき立てられる親密な感情は、最も素朴な人でさえ、魂生活の無限の広がりに関して、何らかの示唆を与えることができる。魂が、生なる進化の過程(プロセス)に携わっていることに気づく必要がある。

 魂は、過去から来るだけでなく、絶えず未来に向けて旅している。過去からの影響が、現在の瞬間、瞬間へと展開するように、それはある意味、未来からの影響も同じである。



 しかし、過去と同様に、未来の現実性もまた否定すべきではない。というのも、未来の出来事が、まだ生起していないにも関わらず、魂の中に侵入するのを観察できるからである。結局、明日起こりそうな何かに対する恐れや心配とは、一種の未来に関する感情や知覚ではないだろうか?

 魂が恐れや心配を経験するとき、その感情という現実が示すのは、それが、過去だけではなく、未来から、現在に向けて急いで来るものを、非常に生き生きとした形で、計算に入れていることである。勿論、これは単純な例だが、魂を探求する人は、未来がまだ存在しないために、現在にその影響があるはずがないという抽象的な論理に矛盾する無数の例を見い出すのに、この恐れや心配は十分だろう。

 このように、2つの流れ、1つは未来からの、もう1つは過去からの流れが、魂の中で出会い(自分を観察する人なら、誰がこの事を否定するだろうか?)、2つの川の合流点に比べられるような一種の渦巻きを形成する。更に詳しい観察では、過去の経験から、我々に残された印象が、その印象の中で、その経験を処理するが、そのことが現在あるような魂を形作ってきたことを示す。

 我々は、過去に行い、感じ、考えたことの名残りを、我々の内に担う。これらの過去の経験を、とりわけ、その中で活動的な役割を演じた経験を振り返るとき、非常にしばしば、自身の評価を強いることになる。我々は、過去に生起した、ある行為に対し、現在の立場からは同意できないような、過去の行為の幾つかについて、恥じらいをもって、振り返ることさえできるような段階に到達する。

 もし、このように、過去を、現在と比べてみるなら、自身の力により、自身から創り出した、いかなるものよりも、遥かに豊かで、遥かに重要なものが、我々の内にある、ということを感じるようになる。もし、意識的自我を超えて、広がる、そのようなものがなかったなら、我々は、自身を非難し、或いは、自身を知ることさえできないだろう。

 だから、過去において、自身を形成するために用いてきた、いかなるものよりも偉大なものを、我々の内に有している。もし、我々が、この意識を感情にまで変化させるなら、過去の行為における、あらゆること、つまり、記憶が我々の前に、はっきりともたらす経験を振り返ることができるようになり、そして、これらの経験を何かより偉大なもの、つまり、魂の中にある、我々をして、我々自身に直面させ、そして、現在の立場から、自身を評価させるように導くものと比較できるようになる。

 要するに、過去から、我々の中に流れ込むものを観察するとき、我々は、自身を超えて広がるものを、我々の内に有することを感じる。これに親しむことが、我々の内の神についての感情、つまり、我々の全ての意志の力よりも、偉大な何かが我々の中に潜んでいるという感情への最初の目覚めなのである。

 このように、我々は、限定された自我を超え、神的、精神的な自我に向かうように導かれる。この事が過去を凝視することから生じ、そして、それは知覚的な感情へと変化する。





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Last updated  2008年07月10日 20時20分26秒
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