シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年07月08日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回、神秘主義に関する要約の中で、マイスターエックハルトからアンジェラスシレジウスに至る中世の神秘主義において現れた内なる深化に関する特別な形態について述べた。その特徴は、神秘家が外界から来る経験全てから、自身を自由にし、独立させる方法を求めることにあった。

 神秘家は、通常生活に関係する全てを消し去り、魂を自身の中に引きこもらせるときでも、魂自身の世界を、その中にもつことを明らかにする経験へと押し進ませる。この魂の世界は常にそこにあるが、外からの経験が人間をあまりにも力強く照らすため、ほとんどの人々が、気づかないほど弱い光のように見える。

 このため、神秘家は、しばしば、これを小さな閃光と呼ぶ。けれども、神秘家は、その小さな閃光を、存在の源泉や、その根底を照らし出す力強い炎へと燃え上がらせることができる。言い換えれば、神秘家は、人をして、自身の魂の道を通り、魂の起源への認識に導くことを確信しているが、それこそ、正に「神の認識」と呼ばれるものである。

 いま、同じ要約の中で、中世の神秘家たちが、その小さな閃光を、その本性は不変のままで、いかに自然に成長すべきものかと考えていたことを観察した。これとは反対に、現代の精神的探求においては、これらの内なる魂の力を意識的なコントロール下で発達させることで、イマジネーション、インスピレーション、インテュイションと呼ばれる、高次の形態をもつ認識への上昇が要求されることを強調した。

 だから、この内なる献身へと向けられる中世の神秘主義は、真の精神的探求への一種の第一段階として、我々の前に現れる。

 もし、自身をマイスターエックハルトの内なる熱情の中に沈めることが可能なら、もし、この神秘主義的な献身が、ヨハネスタウラーに与えた精神的知識の測りがたい力を認めるなら、もし、ヴァレンチンワイゲルやヤーコブベーメが、物質的献身を通して(とはいえ、彼らは明らかに、物質的献身以上に進んでいたが)達成する全てによって、いかに深く存在の秘密へと導かれたかを認めるなら、もし、アンジェラスシレジウスが、いかに、この同じ献身を通して、精神的世界の秩序に関する一般法則への開明的洞察の獲得だけでなく、世界の秘密に対し、その著作の中で、心温まるような美しい表現を与えることができたかを理解するなら、もし、この全てを心に留めるなら、この中世の神秘主義の中に潜む力と深みと、そして、それが、人智学的な道を、自ら辿ることを望む全ての人に、無限の援助を与えることを実感することになるだろう。

 このように、中世の神秘主義は、特にこれまでの要約の光に照らされたとき、人智学的探求のための素晴らしく偉大な準備のための学校と見なされるものである。一体、このような神秘主義が、学校とみなされないことなどありえるだろうか?

 結局のところ、人智学者の目的とは、その小さな閃光を、自身の内なる力を通して発達(進化)させることなのである。異なるのは、神秘家が、魂の安らぎの中で、その小さな閃光に、自身を捧げ、その犠牲が、自身の調和の中で、益々明るく輝き出ると信じていたのに対し、人智学者は、その閃光を明るい炎へと点火するために、自身の意志に仕えさせ、世界の叡知により置かれた能力と力を使用しなければならないと確信しているという点である。

 もし、そのとき、その神秘的な心の炎が、人智学の良き準備となるなら、今度は、神秘的献身のための準備となり、真の意味で、「祈り」と呼ばれる魂の活動になる。



 ここ何世紀かにわたって、「祈り」の本性は、様々な精神的運動によって、実に多様な方法で誤解されてきた。「祈り」に関する真の理解の獲得は容易ではないが、もし、ここ何世紀にわたり、特に利己的な精神潮流が幅広い人々の集団を捉えたという点で特徴づけられることを思い出すなら、「祈り」が利己的な望みや欲望のレベルにまで引きずり下ろされたことは、特に驚くべきことではないとわかる。





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Last updated  2008年07月09日 20時42分22秒
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