シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2012年01月17日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 重要なのは、植物において、分離され現われる生成過程や、人間において、組織化の一面を決定する生成過程を、正しく見据えることである。

 以前、いわば人間の外の自然特有の3つの形成過程に目を向けた。すなわち、塩の形成過程、水銀の形成過程、そして、燐や硫黄といった測定不可能な霊光の作用を、自らのうちに保持し、測定不可能な霊光の担い手となることで成立する形成過程である。

 1.塩→固体化
 2.水銀→液体化
 3.燐や硫黄→気体化

 では前回述べた反転の事実に関連して、人間の外の自然の上記の3つの異なる内的な形成過程の違いは、一体どのようなものなのか?

 塩の生成過程、すなわち、塩の形成に通じる経過全般は、端的にいえば、内(霊)的な経過を、重力の領域に移行させる生成過程である。古代の医学文書を読むなら、古代の文書の「物質の塩化」について記述されている箇所を、次のように解釈すればよい。

 「物質の塩化とは、塩化という経過により、当の物質が重力の支配下にあり、塩化とは反対の光の経過を用いれば、今度は、測定不可能な霊光を、重力から奪うことができる」、という解釈である。

 つまり、光を、測定不可能な霊光の代理や代表者とするなら、人間の外の自然においても常に一貫して、光と重力の闘い、すなわち地球外の天を目指す力と、地上の物質を(地球の)中心へと向かわせる力との間の闘いを考慮しなければならない。



 (水銀の経過は、日本語の慣用句の「水に流す」を髣髴とさせる。)

 さて、重要なのは、塩、燐、水銀の対立を、実際、宇宙全体のなかに、つまり、重力、光のなかに、そして、この両者の対立や両者の均衡を求めるなかにも置いてみることである。

 この完全な対立のなかに独特な形で置かれているのが、人間の心臓の全活動である。

 現代の自然科学の見解から、心臓に対して適用されている、例のポンプシステムを支持できないことは既に述べたが、この間違いを除外しても、あたかも心臓が、表面の皮膚により、外に対して閉鎖された活動に尽きているかのように想定するのは、実際、恐るべき間違いである。

 実際、心臓に対する今日の見解は、心臓本体を通じて生じる鼓動とだけ関係をもつかのように想定するのとほとんど変わらない。しかし、この見解は間違いで、人間の器官組織は、宇宙全体に組み込まれ、人間の心臓は、単なる生体組織のなかの1つの器官だけでなく、全宇宙経過(プロセス)の一部でもある。

 そして、植物に生じている経過、つまり、太陽より上位にある天体(火星、木星、土星)と太陽より下位にある天体(月、水星、金星)との共同作用は、人間にも起こり、その現われが、心臓の運動(鼓動)のなかに発見できる。

 心臓の運動には、人間に生じている事象が刻印(記録)されるだけでなく、人間の外にある関係も刻印(記録)される。人間の心臓を探求すれば、そのなかには根本において、宇宙の経過全体が反映している事実がわかる。

 (宇宙全体の進む方向が道徳で、道徳に合わないと、心臓が弱くなる。だから、善意の育成は心臓を強化し、悪意をもつと心臓が弱まり、脈が弱まり、自信を失う。古代エジプトでの死後の最後の審判では、心臓を天秤にかける、といわれているが、それは光と重力の均衡の事実を理解していたからだろう。心臓は、獅子で象徴され、実際、ライオンの心臓は強いので、百獣の王と呼ばれた。)

 人間とは本来、霊-魂の存在としてのみ個別化されている。人間は、宇宙の経過全体に組み込まれている。例えば、心臓の鼓動は、人間だけに起こる事象の顕現ではなく、全宇宙で起こっている光と重力の闘いの現われである、という事実により宇宙全体の経過(プロセス)に組み込まれている。

 私(シュタイナー)は、一般大衆のために、人間が上記のように、宇宙のなかに置かれている事実の説明を、次のような大まかな計算を用いた具体例でよく試みる。

 人間は、1分間に大体18回呼吸する。この呼吸数は、1日、つまり24時間では、25920回(18回×60分×24時間)となる。人生を1日から換算すると、1年は365日あり、人間の平均的な寿命、つまり大体71歳まで生きる場合(もっと長生きする可能性もあるが)を想定すると、人間の寿命の日数は、1日24時間の呼吸数とまったく同じ、25915(365日×71年)という数になる。



プラトン年
http://homepage2.nifty.com/SON/uranai/Aquariusage001.htm
http://can.ifortune.net/wiki/wiki.cgi/astro/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%B3%E5%B9%B4

 以上のように、人間と全宇宙との関係を表わす、不思議な数の例証が得られる。この例証は、人間の寿命の日数(25915)とほぼ同じ数を、太陽の運行の年数のプラトン年(25920)で示している。

 この数の例証を明白に示すことができるが、これは宇宙の存立の特別な潜在意識までも暗示する。実際、人智学において強調してきた事実に注目すればよい。つまり、人間が、夜、眠りにつくと、人間の自我とアストラル体は、物質体とエーテル体から離れ出て、再び、朝起きるときに入り込む、という事実である。



 更にまた、宇宙のなかには、この同じ数に従って、見かけ上、太陽の運行と関係する働きがある。この宇宙の進行のなかには1つのリズムがあり、このリズムは大いなる存在のなかに現われ、1人1人の人間の寿命のなかにも、人間の1日の呼吸過程(プロセス)のなかにも現われている。

 (1日は、英語では、デイ「DAY」だが、語源は、神デウスからきている。聖書の記述では、世界は7日でつくられたとあるが、この日は、現在の1日ではなく、神デウスのことである。つまり1柱という意味になる。だから、世界は、7柱の神々によりつくられているという意味なのである。すなわち、日「太陽」、月、火星、水星、木星、金星、土星でつくられるという太陽系のことになる。)

 有史以前の世界では、遺伝的に受け継がれた霊能力から、ブラフマンの昼と夜という話で、すなわち、宇宙の呼吸について語っていたことも、もはや不思議とは思わないだろう。なぜなら、この宇宙の呼吸が、人間の日々の生の経過(プロセス)のなかでは、ミクロコスモス的な像をもつことに、有史以前の世界では、気づいていたからである。

 実際、共感や反感の感情ではなく、具体的な事例に基づく認識により、太古の叡智を真に賛美できるようになる。私(シュタイナー)は、次のような出来事を、非常に頻繁に確認できなかったなら、けっして太古の叡智の賛美者とはならなかったことを保証できる。

 太古の叡智のなかに再発見でき、太古の叡智をもった人間が知っていた事実と、今日、人智学から、再び獲得できる事実との間で、現代では消滅し、全く失われていた叡智が、今日、非常に頻繁に発見できるようになった。

 真なる認識を目指して努力する人間が、太古の叡智の賛美者として育成する叡智は、太古の叡智を目指して猪突猛進することから生じるのではなく、現代にも通じる具体的な関係の洞察から生じる。





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Last updated  2012年01月18日 09時36分52秒
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