迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2026.07.29
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カテゴリ: 浮世見聞記
大阪日本橋の國立文樂劇場で、チャップリンの名作映画「街の灯」を新作の人形浄瑠璃劇に脚色した「まちの灯」を觀る。



チャップリン研究の權威が脚本をつくり、文樂太夫が字句に手直しを加え、洋樂の心得もある若手の三味線方が作曲、たしかに原版の名曲の旋律を一部取り込んだところに遊び心が窺へ、時代を幕末から明治にかけての大坂に設定して時間の流れを効果的に表はし、浄瑠璃劇の傳統的な役柄もしっかり活かすなど原版から適度に離れた筋立ては、1931年の映画「街の灯」を觀たことのない人でも充分樂しめる現代浄瑠璃「まちの灯」ではあった。



ただ、原版はサイレント映画で、チャップリンの放浪者もヴァージニア・チェリル扮する盲目の花賣り娘も、劇中では當然ながら一言も“こゑ”を發してゐない。

こちら文樂脚色版では、當然ながら太夫が“与次郎”と“お花”の聲を發してゐる。

人物を觀てゐてそこはかとなく違和感を覺えたのは、「街の灯」がサイレント映画の傑作と云ふ印象があまりに強いからかもしれない。

令和の現在進行形に生きる傳統藝能の挑戰を樂しみたい人にはオススメだが、あくまで映画の印象を大切にしたい人には、さうしておいたはうが無難かナ……。





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最終更新日  2026.07.29 22:08:12
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