乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2018.10.08
XML
カテゴリ: 教育・子育て
​ 「どこかの誰かの成功体験や主観に基づく逸話ではなく、
 科学的根拠に基づく教育を。」
 教育経済学者である著者は、冒頭でこう述べます。
 とても納得のいく言葉です。

 第2章「子どもを”ご褒美”で釣ってはいけないのか?」
 第3章「”勉強”は本当にそんなに大切なのか?」
 第4章「”少人数学級”には効果があるのか?」
 第5章「”いい先生”とはどんな先生なのか?」といった興味深いテーマに、


しかし、しばらく読み進めると、
そこに示される数々のデータに、ちょっと首を傾げたくなってきます。
それは何故かと考えてみると、思い当たりました。
それらのデータは外国のものばかりで、日本のものがないのです。

そのため、「外国で、その時に行われた実験ではそうだったかもしれないが、
それは、日本でも同じなのか?」とか、
「実験を行う時期や年代、国や地域が違えば、結果も違って来るのではないか?」
といった疑問を感じずにはおれないのです。

異なる時期・年代で、異なる国・地域で行われた実験結果が一致するならば、
それはかなり説得力を持つものとなりますが、
そうでなければ、「この時だけの結果ではないか?」という疑念を拭えません。


それというのも、教育現場においては「実験」を行うことが難しいからでしょう。
多数の子どもたちを、その実験に巻き込んでしまい、
その期間に行われた教育については、事後に修復するわけにはいかないのですから。
それは、日本でも外国でも同じです。

その困難さは、著者も本著の中で繰り返し述べており、

しかし、それでも、「科学的根拠に基づく教育」が必要だと、私も強く思います。
「どこかの誰かの成功体験や主観に基づく逸話」に左右されていてはダメです。

それでは最後に、私が本著の中で特に興味深かった箇所を示しておきます。

  私たちが期待しているほどに、
  学校の資源は生徒の学力に影響を及ぼしていないかもしれません。
  そうだとすれば、学力テストの県別順位は、
  単に子どもの家庭の資源の県別順位を表しているにすぎない可能性もあるのです。
  (p.120)

あくまでも、「可能性がある」ということで。

  学力には、家庭の資源と学校の資源の両方が影響を与えており、
  そして家庭の資源の影響はかなり大きい-このことを正しく理解せずに、
  学力テストの結果を学校名とだけ紐づけると、
  本来学校や教員が負うべきでない責任を、彼らの責任にしてしまいます。
  これでは、正しく学校や教員にプレッシャーをかけ、
  学校間や教員間での健全な競争をもたらすことにはなりません。
  むしろ、有害である可能性すらあります。(p.124)

当たり前のことを、普通に書いているだけだと思いますが……

  ある子どもを、他の子どもや集団と比較するのではなく、
  過去のその子自身と比較して
  昨日より今日、今日より明日と伸ばしてやれる先生こそが、
  「いい先生」なのです。(p.147)

これも、納得。

  これまでの海外における研究蓄積をみる限り、
  「給与を上げる」「研修を受けさせる」「免許制度を撤廃する」という
  3つの選択肢の中では、教員免許制度を変更し、
  能力の高い人が教員になることの参入障壁を低くすることが
  有力な政策オプションなのではないかと、私は思っています。(p.158)

「教員免許更新制」について、改めて考えさせられる提言でした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2018.10.08 12:30:36コメント(0) | コメントを書く
[教育・子育て] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: