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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2018.11.11
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カテゴリ: 教育・子育て
​ 大阪府立高校における黒染め強要に対する2017年の提訴を受け、
 「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」が立ち上げられ、実態調査を行った。
 本著は、その調査結果に基づきながら、
 様々な個別具体の観点から、校則について問い直す一冊となっている。

   ***

  私は、羞恥刑や名誉棄損、ハラスメントやヘイトスピーチなどによって
  ストレスを与える行為は、「脳への暴力」だと言っている。(p.057)

これは、本著の編著者である荻上チキさんの一文。


  校則を誰がどのように定めるのか、
  どうして学校側が生徒側に校則を強制し得るのかという点について、
  直接的にこれを根拠づける法令は存在していない。
  つまり、現在の学校現場では、法的に明確な根拠のないまま、
  子どもたちの基本的人権を校則によって制約しているということである。(p.087)

これは、弁護士である真下麻里子さんの一文。
これにも「なるほど」と思わされた。

そして、本著の中でも、日本学術振興会特別研究員PDの内田康弘さんによる
『8 制服の「あたりまえ」を問い直す』は、
制服の機能や歴史について、とても簡潔明瞭にまとめられており、
この部分だけでも本著を読む価値が十分にあり、皆で共有したい知識である。


  これはきれいな部屋ほど細かなほこりも目立つのと同じである。
  自由服ならば多少はでな服装も目立たない。
  だがセーラー服や黒のツメ襟服で細かな規定をすればするほど
  わずかな違反も目立ってくる。
  この取締りのなかにのめり込んでいけばいくほどアラが見えてくるから


これは、内田康弘さんの記した文中に引用された
坂本秀夫さんの『「校則」の研究218頁』の一文である。
この辺りの指摘も、なかなか鋭い。
学校の、そして教師という仕事の難しいところである。

  「教育は誰もが専門家」といわれる。
  多くの大人たちは、小中高と12年の教育を経て、成人していく。
  多感な時期に十数年間、毎日のように学校文化のなかで時間を過ごす。
  だから「校則」という、学校教育のなかでいえば些細な話題についてさえ、
  誰もが具体的にその現状や問題点を雄弁に語ることができる。
  だがそれは、たかだか自分が経験したことにすぎない。
  私たちは、教育のことをよく知っているつもりでも、
  半径3メートルの視野から物申しているだけなのだ。(p.211)

これは、名古屋大学大学院教育発達科学研究科の内田良准教授の一文。
現場の教員なら、誰もが感じていることなのだが、
現場の教員が述べても世間には決して響かず、逆に反感を買うことになってしまう。
このように、ちょっと違う立場から冷静に述べてもらうことが、とても有難い。





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Last updated  2018.11.11 16:15:05コメント(0) | コメントを書く
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