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2019.03.22
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テーマ: 読書(10006)
カテゴリ: 読書 Reading
Kindle Unlimited読み放題から

障害者郵便制度悪用事件で逮捕されて無罪を勝ち取った村木 厚子厚労省元事務次官のエッセイです。飾らない素朴な文章で、淡々と記される中にも胸を打つものがあり、考えさせられるお勧めの1冊です。

前半40%は誤認逮捕から無罪までの経緯が書かれています。それほど裕福でない家庭に育ち奨学金を受けながら高知大学を卒業し、上級国家公務員になって誠実に勤めてきた筆者が、部下の偽証だけで逮捕されることに怖さを感じました。手に汗握る展開で一気に読ませます。

これまで検察というのは正義の味方と思っていましたが、この本を読むとどうやらそうでなさそうで、有罪にするのに都合の良い部分だけしか調書に記載してくれなかったり、数々の威圧的な言動があたりまえだったようで、今回はおまけに証拠偽造があったりでびっくりしました。また無実の証拠を名探偵コナンのファンである著者自身が見つける過程が面白かったです。間違って逮捕されたときにくじけないために、サバイバル読本として読んでおくと安心です。無罪請負人の広中弁護士が登場しますが、こういう先生に万が一のときは頼みたいものです。

今回はたまたま調書を丹念に読んで証拠を自ら見つけられたから良かったものの、見つけられなかったら有罪ということもあっただろうし、検察のこういったやり方が一般的だとしたら、これまでの大阪地検特捜部の事件に冤罪があってもおかしくないと思いましたが、その辺どうなってるんだろうとちょっと疑問に思いました。

拘置所生活の描写も堀江さんの作品と一味違って面白いです。

後半の60%は、決裁、統計等の公文書や企業の製品データの改ざんや、日大アメフト部問題等、近年目立つ日本型組織の問題点を指摘するとともに、少女の非行や知的障碍者の犯罪問題への取り組み等や、近年の活動について触れられています。バングラデシュのグラミン銀行の貧困者向けの融資の話が面白かったです。この話をされたオーストラリア大使館の公使には20年前に当時彼女がマーケティング担当だった頃にお会いしたことがあり、いい意味で強烈な印象がまだ残っていました、まだ日本にいたんだと知りビックリ。

またこの事件で証拠のフロッピーを改ざんした大阪地検特捜部の元主任検事がヤフーニュースに個人ニュースを寄稿しているのをよく見ますが、豊富な知識や体験をもと寄稿するのも良いかと思う一方、いくら罪を償ったとはいえ、無実の人をはめようとした人が、プロフィールにその説明も無く、なんかこういった公的なところにかつての専門分野で登場するのはちょっと違和感があります。



Kindle版村木 厚子 (著)


■抜粋


様々な仕事を経験する過程で私が重要だと感じたのは、組織の一人ひとりがあるべき方向性を主体的に考えることのできる組織を作ることです。

例えば、知的に障害がある人たちです。新規受刑者の四分の一から五分の一に知的障害の可能性があるともいわれています。ついでにいうと、男性、女性とも新規受刑者の四割近くが中卒以下で、高校中退も少なくありません。法務省の二〇一四年の調査では、二〇一二年一~九月に刑務所に入った知的障害者の六割以上が再犯です。 知的に障害を持つ人たちの中には、福祉に結びついていないために困窮して犯罪を繰り返してしまう人たちがいます。

Wikipedia:村木厚子
人物
高知県出身。夫は労働省入省同期の村木太郎[2][3]。2女の母でもある。
土佐高等学校を卒業し[4]、高知大学文理学部経済学科に進学した[5]。社会保険労務士の父の背中を見て育ち、大学卒業後の1978年に、労働行政を管轄する労働省に入省した[5]。なお、その際の国家公務員上級試験では、高知大学からの合格者は村木1名だけであった[5]。
東京大学出身者の男性キャリアが多い霞が関の中央省庁の幹部の中では、珍しい地方国立大学出身の女性で、さらに厚生労働省では少数派の旧労働省出身であった。事務処理能力や、頭の良さ、法への強さなどが特に目立つような存在ではなく、誰もが認める次官候補や、エースと呼ばれるタイプではなかったが、障害者問題を自身のライフワークと述べ、人事異動で担当を離れた後も福祉団体への視察を続けるといった仕事に臨むまじめな姿勢や、低姿勢で物腰柔らかく、誰も怒らせることなく物事を調整することができる、敵を作らない典型的な調整型官僚として有能であることが評価されていた。女性としては松原亘子に続き2人目となる事務次官就任の可能性もささやかれていた[6]。
2008年には、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長に就任した。2012年9月10日に社会・援護局長。2013年7月2日から2015年9月まで事務次官を務め退官。
2016年6月、伊藤忠商事社外取締役に就任[7]。
凛の会事件
「障害者郵便制度悪用事件」も参照
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長時代に、自称障害者団体「凛(りん)の会」に偽の障害者団体証明書を発行し、不正に郵便料金を安くダイレクトメールを発送させたとして、2009年6月、大阪地方検察庁特別捜査部長の大坪弘道や同部副部長の佐賀元明の捜査方針のもと、虚偽公文書作成・同行使の容疑で、同部主任検事の前田恒彦により逮捕された。逮捕時に舛添要一厚生労働大臣(当時)は「大変有能な局長で省内の期待を集めていた。同じように働く女性にとっても希望の星だった」と、容疑者となった村木に、賛辞ともとれる異例のコメントを発表した[6]。 しかし同年7月、大阪地検は虚偽有印公文書作成・同行使罪で、村木を大阪地方裁判所に起訴した。

2010年9月10日、大阪地裁は無罪の判決を言い渡した。長妻昭厚生労働大臣(当時)は「それなりのポストにお戻り頂く」と、無罪が確定した場合は局長級で復職させる旨を言及した。
その後、2010年9月21日に大阪地検が上訴権を放棄したため、下級審での無罪判決が確定判決となった[9]。
その同じ日に朝日新聞は、本事件を担当した前田が証拠改竄を行っていたことを朝刊でスクープし、同日夜、前田は証拠隠滅の容疑で逮捕された。その後、同年10月1日には、大坪[10]及び同副部長であった佐賀[11]が、同特捜部当時の部下であった前田による故意の証拠改竄を知りながら、これを隠したとして犯人蔵匿の容疑で逮捕された。この事件において、村木の逮捕に深く関わった検察官3人の職務遂行が犯罪の疑いをかけられ、逆に被疑者として逮捕されるという極めて異例の事態となった。詳細は大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件を参照のこと。
佐藤優は「村木厚子さんは無罪になりましたが、部下に公印を使われた上司としての責任は当然問われないといけない」と述べた[12]。2012年2月、部下の有罪確定を受けて、訓告処分を受けた[13]。

Wikipedia:グラミン銀行
グラミン銀行(ベンガル語: গ্রামীণ ব্যাংক、英語: Grameen Bank)とは、バングラデシュにある銀行でマイクロファイナンス機関。「グラミン」という言葉は「村(gram)」という単語に由来する。本部はバングラデシュの首都ダッカ。ムハマド・ユヌスが1983年に創設した。マイクロクレジットと呼ばれる貧困層を対象にした比較的低金利の無担保融資を主に農村部で行っている。銀行を主体として、インフラ・通信・エネルギーなど、多分野で「グラミン・ファミリー」と呼ばれるソーシャル・ビジネスを展開している。2006年ムハマド・ユヌスと共にノーベル平和賞を受賞した。

グラミン銀行では、貧困層向けに事業資金を融資し、生活の質の向上を促す活動を行っている。バングラデシュにおいては「16の決意」と呼ばれる価値観を広めている[11]。グラミン銀行の全ての支店で借り手は16の決意を暗唱し、守ることを誓う。その結果、借り手は良い社会習慣を受け入れるようになる。16の決意を採用するようになってから、ほとんど全ての借り手が学齢に達した子どもを入学させるようになった。このような行動は社会の変化を促し、次世代の教育にもつながっている[12]。 メンバーになるには、土地無しか、0.5エーカー(2,023.42821平方メートル)未満の耕作地しかもっていないことが条件である[13]。 銀行は顧客に対し担保を求めない代わりに、顧客5人による互助グループをつくることが条件として求められる。これは、それぞれが他の4人の返済を助ける義務があるが、連帯責任や連帯保証ではなく、他のメンバーに本人に代わっての支払いの義務は生じない仕組みである[7]。しかし、実際にはしばしばグループのメンバーが返済できないメンバーの肩代わりをすることがある。銀行はそのような行動を借金を重ねることの無いよう方針として是認している[14]。銀行と借り手の間には法的な文書の契約はなく、システムは信頼を基礎として機能している[15]。融資以外にも不慮の出来事が起こることに備え、緊急基金やグループ基金の形で定期的に預金することをメンバーに求めている[16]。得られた利益の全額が災害時のための基金にまわされる。大規模商業銀行では女性が融資を受けることができず、グラミン銀行が女性に焦点を当てているため、借り手の97%が女性である[7] 。グラミン銀行は、5000万人近くのバングラデシュの顧客の半数以上が絶対的貧困から脱出し、学齢期の子どもは全て学校に通い、全ての世帯が一日三回食事をし、清潔な水を飲み、衛生的なトイレと雨漏りしない家を持ち、ローンを週に300タカ返せるようになっていると主張している。





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Last updated  2019.03.22 00:00:06


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