ベルギ-永住ミステリー小僧のブログ

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2023.09.14
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カテゴリ: ベルギ-の日常


私はそれを妄想サ‐フィン、と呼んでいる。

寝入りばなや、夜中にトイレで目が覚めて眠れなくなったときなど、突然、これは、というアイディアが降ってわいてくることがある。
一度そのスイッチが入ると、ある一つの事柄から次から次から止めどもなく妄想が湧いてきて、それらが勝手に物語を紡ぎだしてくれる、そんな魔法の様な事が起きることがある。
特にブログを始めて数週間した4月初旬から、そんなことが時々起こるようになった。
ただ、それには法則のようなものがあって、ある事柄から頭の隅にうずくまっていたような昔の微かな記憶を掘り起こすと、それがまた別の埃の積もった記憶を勝手に探し出す、それがまた別の…、という具合に、まるでネットサーフィン(今では使わなくなってしまいましたが)のようにである。時には全く関連が無いことも思い出し、それがまた別の記憶を呼び起こしてくる…、それがある意味無限に続くような錯覚に陥ってしまう。

よく小説や映画にあるように、科学者が突然あるアイディアが閃いて、そばのホワイトボ-ドや紙切れに、その発見が霞みの中に消えてしまう前に数式を殴り書きする時のように、私にも頭の中にその妄想アイディアを書き留めておけるメモ帳が欲しいと思う。

そう、書き留めたり声に出して録音しようとするものならば、書いているその場から瞬く間にそのアイディアや考えが消えてなくなりそうな淡くて脆いものなので、頭の中で考えていることをそのままワードに打ち込めるようなソフトが出来るといいな、とも思うクール

そう思っていた時に、不意に25年ほど前に読んだ阿刀田高のエッセイを思い出した。
ミステリ-短編を得意とする作家だが、その日常を綴ったエッセイも数多く出している。
その中で、ミステリーのネタ探しに窮した彼が思いついたのが、夜中に見た夢を、記憶が無くなる前に枕元に置いたメモ帳に書き留めるという事であった。それが思いもかけなかったトリックとか伏線とかに利用できるのでは、と考えたのである。

そう、考えてみてください。夢から目覚めて直ぐに記憶を探ろうとすると、どうしても完全に覚醒してしまうものである。その結果、彼はひどい寝不足に陥ってしまったとのことであった。
しかし彼を断念させたのは、実は寝不足がその理由ではなかったという。
本当の理由は、夢のメモが彼の小説のネタには全く役立たなかったのである。
夜中に寝ぼけ眼で書いた文字は乱雑で読めないばかりか、その内容も全くとりとめがないもので、何を言いたいのか「読め」なかったという。
そう、夢というのはある意味妄想と言ってもいいかもしれない。

ここ数週間、ベルギ-及びシニア関連の投稿が少なくなっているのは気にはなっていたが、どうにも書きたいことが浮かんでこないのであるしょんぼり
一方、私のブログの一翼を担う野球関連ブログは、日本のプロ野球が今まさにクライマックスを迎えようとしており、毎日のように試合があるので書くネタには困らない、つまり触手が動きやすいという事なのだ。

ところが、今朝5時過ぎにトイレで起きた後、何となく寝そびれてしまったなぁと思った刹那、突然に例の「妄想サ‐フィン」が襲ってきたのである。

久し振りやなぁ。

と、その時は何処かの歌のセリフみたいに呟いたものでした。(ここからは何故か語尾が丁寧口調になります)
しかし、このブログを書いている今、何とか覚えているのはこの話題だけで、もう2つほどあったものは覚えていません。
正確に言うと、覚えている忘れたのとはちょっと違っていて、
「妄想サ‐フィン」が襲ってきたときの様な興奮が消えてしまっているので、「この何がそんなに面白かったのかな?」と、大げさに言えばその時の「感激」した感覚が失われてしまったのです。

そしてまたもや突然と思い出しました。
こんなことってなかったですか?

あなたは高校1年生の少年少女です。恋する彼女/彼に手紙を書こうとします。ラブレタ‐はメールでは無くて手紙に限ります。
今の時刻は午前2時です。あなたは思いのたけを手紙
に書き綴り、何とか書き上げてホッとしたら眠気が襲ってきました。
気が付くともう日曜の昼近くです。どうやらいつの間にか机で寝てしまったようです。机の上のラブレタ‐を読んで見てビックリ仰天します。
これって僕/私が書いたの?

って恥ずかしくて真っ赤になるほど、その内容は情熱的だったのです。
でも私は知っています。夜中には魔物が棲んでいる、と。それは妄想サーフィンという悪魔が、無意識のうちに頭の中を心の中を駆け巡り、恋する人への思いを情熱という名の炎の中に焚きつけているんです。(これこそ妄想です大笑い

こんな経験てなかったですか?

私はありました。余りの恥ずかしさに破って捨てましたが。
それでも諦めずに何度も書き直しては破りを繰り返しすこと4度目に、ついに彼女当てに投函しました。
もう賽は投げられたのです。
そうなると今迄のうじうじしていた気持ちは明け方の霧が急速に晴れるように霧消してしまい、後には清々しい気持ちと待つ愉しさだけが残ったものです。

そんなある日、全く予想していなかった事態が起こりました。
1歳年上の姉が、何かを企むような気持ち悪いほどにこやかな表情で話しかけてくるではありませんか。
手に持っている何かをひらひらさせながら、こういうのです。
「こんなのが郵便受けに入っていたよ」
まるで魔女から死刑判決を受けたいたずらっ子のように、私はがくがくと震えながらそれを受け取ったと思います。ついに来たのです

「でもね、彼女に出すときはもっとよく確認しなきゃだめよ」
と哀れな弟を慰めるように優し気な口調で言うではありませんか。

全く 事態を呑み込めない私は、手に持った封筒を見て愕然としました そして瞬時に悟ったのです。
当時16歳だった私にとって、それは生涯忘れられない程の、人生で1度あれば十分な屈辱的な瞬間でした。
その封筒は確かに私が恋する彼女当てに出したものでした。それが戻って来たという事は…、そう、大事な切手を貼り忘れていたなんて…。
その時私は思ったものでした。 この世に神はいないのか、と。

あの頃の私は、アホでバカで間抜けで、でもとても純粋な少年だったのですね、
今からは信じられない程の…。

実はこの話を小説化してブログに投稿しようと考えた時期がありました。今年の5月くらいでしょうか。
他にもいくつかのアイディアがあったので、恋愛小説の短編集にしようともくろんでいたのですが、結局は断念しました。そうなんです、魔法の「妄想サーフィン」が来なくなり、スト-リ-が上手くいかなかったので…ウィンク

でも、いつか機会があればまた挑戦してみたいですねぽっ


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最終更新日  2023.09.16 02:38:57
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