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March 1, 2006
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カテゴリ: ミステリ(海外)
真夜中への挨拶

ハヤカワポケットミステリ1782
☆☆☆☆☆◎
 一部、ネタバレのところは反転しています。
 待望の新刊。
 しかし…。相変わらず(私の単純なアタマには)プロットがフクザツ(自爆)。今回は、前作二作とはちょっと趣が変わって、サスペンス調。10年前、実父が自殺してて、現在売り家になっている家でその息子が自殺。状況に疑問を抱いたパスコーは調査を始めるが、そこから出るわ出るわ…。
 小説の構成もイラン・イラク戦争から始まって、 イラク駐留米軍で終わる。この展開はちょっと「幻の森」に似ている。 が、一番繋がっているのは「甦った女」「武器と女達」だ。残念ながら、私のお気に入りの女性キャラダフネ・アルダーマンは出てこないが。代わりにラヴィニア・マカイヴァーというなかなかかっとんだおばあちゃんが出てくる。こういうエキセントリックな人物の描写力はイギリスの作家が一番上手いような気がするなぁ…。
 また、パスコーもダルジールもどうも一癖ある女性が好きなようで、彼女達がデモに行く、というとき、

パスコー「よくわかります」
 この二人の会話に思わず笑った(^◇^;)。
 あと、少々残念だったのは、すこ~しウィールディの出番が少なかったこと。ま少な目な出番で存在感はかなりあるし、なんとなく、パートナーとの仲は平穏だが、彼自身の内面が少しずつ変化しているんだろうか?と穿った感想も浮かぶような描写がある。

 とにかく、前二作「死者との対話」「死の笑話集」では、言葉遊びと推理の趣向が凝らされていたが、この作品では登場人物そのものにフォーカスされている。それが、非常にドラマなのだ。
 とはいえ、ヒルの次作はダルジール&パスコーシリーズではないそうだが(原書では既に出版されている)、このままじゃ、ちょ~っと先が気になる。。。また、この作品ではもう老い先長くないダルジール、出世する気のないウィールド、一番有望なパスコーと、著者自身がはっきり記述したのは始めてのような気がする…。そして、前作ではパスコーとフラニー・ルートの葛藤が底流にずっとあったが、 この作品では、ダルジールとそのプライベートの人間関係が事件の鍵にもなる。 もしかすると、ここでこの作品はまた一つの区切りになるのだろうか?
 にしても、この終り方だと先が気になる…。ど~してくれよう。。。まだヒル自身だって書いてないんだぞ。。これの続編。





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Last updated  March 2, 2006 12:58:15 AM
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