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November 29, 2009
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トリセツ・カラダ
海堂尊 ヨシタケシンスケ(挿画)
宝島社 A5並製
☆☆☆☆☆
 副題が「カラダの地図を書こう」と「カラダの中はどうなっているのか」。これが、この本のテーマ。難しい漢字(多分当用漢字以外の字だと思う)にはルビがふってあるところからして、中学生くらいの子供も読むことを考えて作られている。(つか、この本にはお医者さんになりたいなら、中学生のうちにこのくらい勉強しておこうと書いてあった…当時を思い起こすと私にはムリだ)
 私も「カラダの中はどうなっているのか」ということを意外に知らないな~と思って購入。それで、一番分かり易く面白かったのは、内臓の収納。収納という言葉が使われている通り、どういう風にカラダの中に納まっているのかが説明されている。
 また、カラダの各部分のうち内臓、脳、呼吸器、循環器の説明は比較的詳しいが、内分泌系・生殖器系・血液系はざっくり。ただ、内分泌系は素人にはややこしそうだし、生殖器系も特にこの本で説明しなくても、保険体育や生物の教科書でもカバーできるかな。
 ただ内臓・脳・呼吸器・循環器なんて、高校生物の授業でもそんなに詳しくやらないと思う。テレビなどで名前を聞く「十二指腸」「脾臓」がどんな臓器なのかも漠然と分かる。結構マメ知識・雑学的な知識も仕入れられる。たとえば、膀胱の容量は約500mlで通常300mlを超えるとトイレに行きたくなるとか…。
 挿画もユーモアに溢れていてとても面白い。写真も白黒だが(つかこれがカラーだとちょっとね…)実際の臓器・器官のCT3D写真やミクロ写真も豊富に挿入されている。著者は医学物の小説で有名な人だが、人体について「ざっと」解説してある本がない、ということで上梓された本で、確かに全く医学に素人であっても我々の体の仕組みがよく分かる。

 そして、この著者が概念を啓蒙しようとしているAiについても最後にふれている。同時に人が死ぬということにも。もちろん哲学的・宗教的な話題ではなく、医学にとってということである。

 実は、このAi、米軍は中東から戦死して帰還する兵士全員に行っており、そこから得られたデータが非常に有効利用されている(まあ、兵器開発になので有益とは言いがたいけど)という記事を読んだこともあり、非常に有効な死因究明手段であることは間違いないと思う。なにせ、解剖をする前にAiでスキャンし、それで死因が分からない場合のみ解剖すればいいという、いわば解剖の前にワンクッション遺族の心情にももう少し優しいものを置くことになるのだ。(Aiは画像なので一切遺体を傷つけない)また、米軍のAiに触れた新聞記事ではこの兵士へのAiの結果はレポートとして遺族にも渡されることになっているが、「必ず信頼のおける友人・聖職者・カウンセラーの人と一緒に開封してください」という但し書きがついているという。(つまり嘘が絶対に書けないから、どんな状況だったかも分かってしまう)それだけ死因の詳細が分かるのだ。今、日本では死因がよく分からないまま葬られてしまう人が先進国の割に多いという。遺族感情への対応を考えた上で導入されれば、医学の進歩にも繋がるし非常に有益だと思う。





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Last updated  November 30, 2009 03:19:38 AM
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