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February 27, 2010
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カテゴリ: 歴史・地誌・旅行

私の大和路(秋冬紀行)

私の大和路(春夏紀行)
入江泰吉
小学館文庫
☆☆☆☆☆◎
 大和路の写真で有名な故入江泰吉氏のエッセイと写真をフルカラーの文庫本にまとめたもの。2002年初版。
 最初に秋冬紀行を読み、次に春夏紀行を読んだ。来週末に東大寺に修二会を観に行こうと思っているので、この本の秋冬編の最後にその写真が載っていることもあって先に読み始めたのだ。私は特に氏のエッセイが興味深かった。写真も好きなので(多少入江氏への憧れもあると思うが…)氏の撮影メモは面白かった。
 一番写真が気に入ったのは、白黒の追憶の大和路という章。1950~60年代の風景なのだが、私が訪れたこともある白毫寺の参道は1970年の写真では人一人ならまだ余裕で通れそうだったが、私が行った数年前はすでに石段の両脇の萩が生い茂り、人一人でもスレスレだった。それに、「白毫寺村」のスナップとして石彫りの白毫寺への道しるべが写っていたが、その背景は田圃に囲まれた田園風景で、鋤だか鍬だかの農具を担いだ農婦の姿も映っている。が、しかし今このあたりはどう考えても奈良市の郊外となり、いかにも郊外の住宅地になっており、田圃なんぞどこにもない。大仏開眼1200年祭の写真は資料的な価値も高いだろう。また、氏と交友のあった奈良の寺院の高僧たちの思い出も綴られており興味深い。奈良の仏像がアメリカへ持ち出されてしまうのでは、という心配から奈良の風物を撮り始めたと書いておられるが、終戦直後、大阪の大空襲で焼け出されて故郷の奈良に戻った日は修ニ会満行の日であり、疎開先の仏像が東大寺に戻ってきたときの様子、面白い語りで有名だったあのお寺のお坊さん、若い頃は美男だったそうで…など、往時の様子を読むのも奈良好きにはいいと思う。
 秋冬、春夏どちらもいいと思うが、花の写真も多い春夏編の方が和むかな。





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Last updated  March 1, 2010 01:41:03 AM
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