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August 30, 2010
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テーマ: 本日の1冊(3712)
カテゴリ: 歴史・地誌・旅行
怨霊と縄文

朝日新聞出版 四六並製(B6?)
☆☆☆☆☆◎
 実は、この人の本を読んだのはこれが初めて。カバー折り返しの略歴を読むまで知らなかったけど、歴史学者じゃなくて、哲学者だったんだ。。。。ず~っと日本古代史には興味があり、本も読んでいたのだが、この人の本は今まで読んだことがなかった。ただ、聖徳太子と法隆寺のことなんかは読んだ本を通して知ってはいたけど。
 最初が記紀神話、次が法隆寺と聖徳太子、その次が柿本人麻呂論、そして最後の章がアイヌと日本古代についての考察。今から31年前の1979年初版。多分、随分前に古本屋で買った本だと思う。昨日大掃除をしていたら出てきて、早速読んでみた。最初の前書きによると、三日間で口述筆記したもののようで、文章全体が敬体になっていてとても読みやすい。記紀神話については、研究途中の著者と毎日のように会話していたという上山春平氏の「神々の体系」の第一作目を読んだことがあったので、わりとすんなり読めた。法隆寺と聖徳太子についても、結論は知っていたが、「なぜ」その論考に至ったのかは知らなかった。朝廷が太子の子孫を根絶やしにして、そのタタリを恐れていたフシが濃厚であり、それが法隆寺への寄進から伺えるというのは面白かった。ただ聖徳太子も不幸だったのは、多分推古天皇の娘や孫娘、蘇我氏の娘の妃たちよりも低い身分出身の妃をより寵愛したらしいことや、外交政策の失敗から推古天皇や蘇我氏の支持も次第に得られなくなっていき、本人はよかったが、それが息子の代で遂に蘇我氏にジャマにされたのだ。あとちらりと書いてあったのは、法隆寺が「隠された十字架」の上梓後、梅原氏に対して嫌がらせをしてきたこと。ま、分からんでもないが大人気ない。今は代も変わっているだろうからそんなこともないだろうけどね。あと、今ならセクハラで削除されそうな発言もそのまま文章になっていた。「おばあさんになると色気もなくなるから執着もすごい」とか。これ、今なら間違いなくセクハラでカットになってるんじゃなかろうか。それに現在の実情にもあってないし。ちなみに「おばあさんになると色気もなくなるから執着もすごい」女性は持統天皇だ。
 柿本人麻呂論については、初めて読んだ。この人も持統天皇の側近だったが、高市皇子の死後、皇后経験のない元明女帝の即位に反対したらしく、彼女からは遠ざけられ、流刑?左遷?されたようだ。それを江戸時代の国学者の研究に反証を述べつつ展開している。
 最終章は日本古代を考えるにアイヌ語や朝鮮語の必要性を述べていた。アイヌ語と日本語には共通語が多いが、それは日本語からアイヌ語への借用語ではなく、もとは一つの古い言葉だったのではないかという考察だ。これは今から30年前の論考だから、現在では当然なんらかの結論が出ているはず。「隠された十字架」は前から興味があったのだが、この人の著書の新しいものも読んでみよう。





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Last updated  August 30, 2010 03:09:55 PM
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