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December 23, 2010
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カテゴリ: ミステリ(日本)

【送料無料】カンナ(奥州の覇者)


【送料無料】カンナ(戸隠の殺皆)


【送料無料】カンナ(鎌倉の血陣)
高田崇史
講談社ノベルス
☆☆☆☆☆
 また三作連続で読んだ。ネタバレ部分は背景色と同色になっています。

*奥州の覇者
 鴨志田甲斐は実家の神社の伝わる社伝を盗んだとされる年上の幼馴染で失踪していた、早乙女諒司から連絡を受け、水沢へ。そこは桓武天皇の時代、坂上田村麻呂と蝦夷の族長アテルイの因縁がある土地柄だった。
 ここでもまつろわぬものvs大和朝廷という戦いの構図は変わらない。しかも神代の伝説から何も変わることなく、アテルイ達は田村麻呂に謀殺されたのだろうという。田村麻呂に都まで連行されたアテルイともう一名が都に挨拶だけすればいいと思っていたら、田村麻呂の命乞いにも関わらず殺されてしまったというのは、私も知っていたし、これはどー考えてもウソ臭い。この権謀術数が先の第二次大戦の時にもあれば、負け戦でももう少しマシな戦だったかもね。
 そして、甲斐の実家の社殿を巡り それを付けねらう波多野村雲流だけでなく出羽三山が背後にいるらしい修験も 関わってくる。歴史の裏事情を巡って現代の忍び達の戦いが繰り広げられるのだ。そういえば、昨今外交文書だの一般公開禁止の動画だのが公開されて大騒ぎになっているが、ここでは千数百年前の政治機密の漏洩がモンダイになっているのだ。社伝の盗難はそれを持って逃げている諒司にも何か事情がありそうだし、歴史の裏に潜む忍者達の複雑なネットワークがどう絡むのかこれからの展開も楽しみだ。また、巻末付近で QEDシリーズの主人公タタルと奈々が出加茂神社を訪れるシーンが甲斐の視点から

*戸隠の殺皆
 これも剣呑なタイトルだが、アクションは激しいものの、あまり血なまぐさくない。歴史関係も甲斐たちが遭遇する事件も。だからといって人死にがないわけじゃないんだが。戸隠の神社に関わる謎や戸隠の伝説についての話も出てくるのだが、こちらのシリーズではどうしても薀蓄が薄味になってしまう。それにここはQEDでもタタルが興味を示しつつ出てきてないし。だが天照大神の天岩戸の描写は確かにこの本に書いてある通りかも。そして、前巻より盗まれた社伝を巡る組織の暗闘があからさまになってくる。 甲斐の婚約者聡美の祖父や甲斐が憧れる諒司の妻志乃芙の父 が背後で組織の糸を引いているようなのだ。でも、これを読んでいて戸隠にも行ってみたくなった。

*鎌倉の血陣
 ここでこのシリーズの既刊は全部読破。甲斐は婚約者の聡美と鎌倉でお茶会に招かれる。しかし、そこでは主催の家元が殺されてしまうのだ。それに鎌倉幕府を巡る謎が語られる。「いざ鎌倉」の解釈はかなり面白い。それに北条政子と源頼家・実朝との関係もここに書いてある通りだとわりとしっくりくるのだ。またその推測が現実の事件にも重なる。 諒司も出てくるのだが、どちらかというと彼は怪しげなのに危ないときは甲斐の味方のようにも見える。 この回はあまり社伝盗難には関係なさそうで、甲斐と友人達の危機を察した 諒司がお節介をしにきたようにも見えなくもない。 また、棚旗奈々が「北鎌倉の夏」にも出てきた友人の中村晴美とともに登場する。そこで奈々の語る 御名形史紋のことが、師事しようと思っていた先生の学説の変節で大学休学中した貴湖に大学に戻る決心をさせることになる。 こういう登場人物同士の関わりってシリーズ読者にはとても楽しいので、今後もこんな記述が出てくるのだろうか?





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Last updated  December 24, 2010 03:49:44 AM
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