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January 2, 2012
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カテゴリ: 海外の小説
パトリック・レドモンド
早川書房 四六上製
☆☆☆☆☆
 1954年の英国の名門といわれるパブリックスクールが舞台。孤高の優等生だの、性格の良いいじめられっこだの、仲良し双子、ハンサムな若い先生と意地悪な先生、素敵な上級生などなど、アナザーカントリーやハリー・ポッターを彷彿とする道具立ては揃っているのだが、古びた施設に不味い食事、そして、陰惨ないじめ…と小説の雰囲気はとても重苦しい。
 「ゴシックホラー」と銘打ってあるだけあって、 孤高のカリスマ性ある優等生もヤンデレなどという昨今のインスタントな形容ではおさまりきらず、サイコで怖いし、この少年たちの最期の描写も 不気味だ。事件が起きていくにしても、それがどんどん深刻なものになっていくのが恐ろしい。最初は 重傷とはいえ、ただの骨折、次が父の栄転による米国への引越し、しかし、ここからコトが深刻になり、神経を病んだ末に夢遊病となって車に轢かれて死亡、不倫がばれて愛妻家出、同性愛とその相手の自殺を脅迫されて自殺、強迫観念から妻を撲殺し発狂……、心臓発作で倒れる、階段の踊り場の手すりが腐っていてそこから落ちて死亡、一番の親友が離れていくのに恐慌状態となり、その子を絞殺、自らは何か恐ろしいものを見たような顔をして首の骨をへし折られて死亡、双子の弟の死から立ち直れず銃で自殺 と陰惨だ。昨今の女性向け小説のような結末を望むなら読まない方がいい。
 しかし、この本の最初のパブリックスクールの内部を批判した文章があるせいで、これがこの作品の 恐怖の元 を生み出したということになるものの、私はこういう展開になるとは思わず、逆にこの文章にミスリードされた。でも、このバートランド・ラッセルの文章、「自分の所属する集団の不興を招くことほど大きな不幸はないと教え込まれたものは、その集団の愚かな人々に軽蔑されるよりは戦死を選び、云々(このあとパブリックスクールとそこから派生するマチズモのようなものを皮肉っている)」というのは男社会では古今東西問わず割とあることだし、もろ、日本のサラリーマン社畜により当てはまると思う。





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Last updated  January 2, 2012 06:58:05 PM
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