《櫻井ジャーナル》

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2015.03.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 モスクワで殺されたボリス・ネムツォフがウラジミル・プーチンに殺された可能性はきわめて小さく、限りなくゼロに近い。ただ、ニューヨーク・タイムズ紙など、アメリカの有力メディアはネムツォフの死を利用して反プーチンのキャンペーンを展開、西側では利用価値があったようだ。和平へ傾いているEUを牽制し、アメリカ国内の好戦的な雰囲気を維持しようとしているのかもしれないが、ロシアに対しては効果がなさそうだ。

 アメリカの支配層が有力メディアを使って偽情報を流すのは毎度のことで、今回も証拠は示さず(示せず)、間接的な表現でロシアやプーチンを非難している。有力メディアで働く頭脳明晰な人びともプーチンと暗殺を結びつける証拠がないことは重々承知だろう。そこで考え出したシナリオのひとつが「殺しのライセンス」のようだ。

 命令を受けなくても暗殺することが許された部隊が存在、ネムツォフはその犠牲になったというわけだが、これは 推測に基づく推測 。つまり何の意味もなく、飲み屋で酔っ払いがする程度の「陰謀論」だ。

 実は、こうした暗殺部隊がいくつか存在しているとアメリカの情報機関で分析官を務めていた人から聞いたことがある。(これは実体験に基づく話。)ただ、その部隊を持っているとされたのはアメリカの省庁。当然、その中にはCIAも含まれている。

 アメリカでは、ジェドバラ(第2次世界大戦終盤)、OPC、CIA(計画局)、CIA(作戦局)、NCS(国家秘密局)もそうした活動も行ってきた。要人暗殺計画「ZR/RIFLE」では、キューバのフィデル・カストロもターゲットのひとりだった。

 1980年代からジャーナリストに対する支配層の攻撃が激しくなるが、そうした中、変死した記者は少なくない。広く知られている出来事には、イラン・コントラ事件を含むアメリカの秘密プロジェクト(おそらくCOG)を調べていたジョセフ・ダニエル・キャソラーロの「自殺」も含まれる。

 ソ連が消滅へ向かい、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた1991年の8月、取材先のホテルで死体となって発見されたのだ。バスタブの中に横たわり、遺体の両手にはいくつもの切り傷があった。身だしなみに気をつけ、ベッドから出るときも何かをまとっていた人が裸体を曝すような死に方をするはずがないと恋人は語っている。(同じような事をダグラス・グラマン事件で取り調べを受けていた日商岩井の島田三敬常務の「自殺」でも聞いた。)

 警察は自殺と発表したのだが、死の4週間前からキャソラーロと連絡を取り合っていたFBI捜査官のトーマス・ゲイツによると、遺体が発見される数日前の彼は上機嫌で自殺するようには思えなかったという。しかも、警察は現場を封鎖せず、鑑識が到着する前に部屋の掃除は済み、司法解剖の前に防腐剤が注入されて薬物検査ができない状態だった。



 キャソラーロは身の危険を感じていたはず。自らが死ぬ7カ月前、重要な情報源のひとりだったNSA(国家安全保障局)のアラン・スタンドフが殺され、飛行場で遺体が発見されていたのである。

 1991年7月、グアテマラのアパートでフィナンシャル・タイムズ紙のローレンス・グ記者も射殺されている。彼はBCCIとグアテマラにおける武器取引との関係を知られベていたとされているのだが、BCCIは「CIAの銀行」のひとつで、アフガニスタンでの秘密工作資金を動かしていた。1990年3月、チリのサンチアゴで「首吊り死体」となって発見されたイギリスの作家ジョナサン・モイルもキャソラーロやグの死と関係があると推測する人がいる。そのひとりがワシントン・ポスト紙のコラムニストとして有名だったジャック・アンダーソン。モイルはチリを経由した武器の密輸を調べていたという。

 アメリカでは政治家が飛行機事故で死ぬことが珍しくない。2001年9月11日に世界は戦乱の時代へ突入するが、その時の大統領を決める選挙が2000年にあった。その前年、世論調査で最も人気を集めていたのは民主党のアル・ゴアでも共和党のジョージ・W・ブッシュでもなく、出馬を表明していなかったジョン・F・ケネディ・ジュニア、1963年11月にダラスで暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領の息子だった。

 そうした有権者の希望は1999年7月に打ち砕かれる。JFKジュニアが操縦する小型機が墜落、同乗していた妻のキャロラインとその姉、ローレン・ベッセッテと一緒に彼も死亡したのだ。

 墜落した位置から考えて、パイパー機は自動操縦で飛んでいた可能性が高く、ケネディは左足首をけがしていたので、副操縦士を乗せていたとする情報もある。実際、直前の飛行では副操縦士を乗せていたという。操縦ミスとは考え難い状況で、天候も原因ではなさそうだ。墜落した飛行機にはボイス・レコーダーが搭載され、音声に反応して直前の5分間を記録できるのだが、その装置には何も記録されていなかったという。

 墜落現場の特定に時間がかかりすぎているとする指摘もある。緊急時に位置を通報するためにELTという装置も搭載されていたのだが、墜落から発見までに5日間を要していることに疑惑の目を向ける人も少なくない。

 中間選挙があった2002年にはポール・ウェルストン上院議員が飛行機事故で死んでいる。「ラディカル」と言われていた政治家で、ブッシュ政権のイラク侵攻作戦にとって邪魔な存在ではあった。天候が「雪まじりの雨」だったことから悪天候が墜落の原因だとされたが、同じ頃に近くを飛行していたパイロットは事故を引き起こすような悪天候ではなかったと証言、しかも議員の飛行機には防氷装置がついていた。

 ウェルストン議員のパイロットは氷の付着を避けるため、飛行高度を1万フィート(約3000メートル)から4000フィート(約1200メートル)に下げると報告しているが、その付近では5マイル(約8キロメートル)先まで見えたという。

 電子技術の発達した現在、航空機や自動車をコントロールしているコンピュータはハッキングされ、乗っ取られる可能性も指摘されている。2013年6月にはマイケル・ヘイスティングスというジャーナリストが運転するベンツが木に激突して炎上、本人は死亡している。

 ヘイスティングスはアフガニスタン駐留軍司令官を務めていたスタンリー・マクリスタル大将を密着取材、記事にまとめたことがあるのだが、その記事が原因でマクリスタルは退役することになった。記事の中で、マクリスタルの側近がバラク・オバマ大統領への不満を口にし、ジョー・バイデン副大統領、あるいは安全保障問題担当の大統領補佐官だったジェームズ・ジョーンズ退役大将などホワイトハウスの高官を軽蔑したことを明らかにし、問題になったのである。

 マクリスタルは特殊部隊で活動してきた人間で、ドナルド・ラムズフェルドやリチャード・チェイニーと緊密な関係にあり、その一方でCFR(外交問題評議会)の軍事特別会員選抜会議の議長にも選ばれている。イラクでは「死の部隊」として機能したJSOCの司令官を務めた。



 このグラディオと緊密な関係にあったのが非公然秘密結社のP2。これを率いていたリチオ・ジェッリには娘がいるのだが、1982年7月、ローマの空港で彼女が持っていたスーツケースから「極秘」のスタンプの押された文書が見つかった。

 同盟国におけるコミュニストの反乱に対するアメリカ陸軍の情報工作員がとるべき対応が記述された文書で、1970年3月18日付け。例えば、友好国政府が共産主義者の脅威に対する警戒心をゆるめている場合、友好国の政府や国民を目覚めさせるために特殊作戦を実行しなければならないとされている。

心理戦 の戦術として、配下の中から何人かの「生け贄」を出すというものもある。工作の相手に殺させるということもあるが、その相手を装って殺すということもある。例えば昨年2月、キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で行われた狙撃もそうした種類の作戦。この狙撃を指揮していたとされているのがアンドレイ・パルビー。似たことは、シリアなどで戦乱の引き金として実行されている。

 西側の有力メディアはネムツォフを大物として扱っているが、ロシアでは影響力がほとんどない。もし ネムツォフ

 ユーゴスラビアを先制攻撃して以来、大統領に関係なく、アメリカ政府は偽情報を広めながら軍事侵略を繰り返してきた。言うまでもなく、偽情報を伝えているのは西側の有力メディア。2008年に撮影された無関係な写真を振りかざしてロシア軍がウクライナに軍事侵攻したと叫んでジム・インホフェ上院議員は恥をかいたが、そうしたこともせずにすんだはず。

 ロシア側にネムツォフを殺す意味はなく、「敵に塩を送る」ような行為。プーチンがそれほど「お人好し」だとは思えない。ネムツォフは「生け贄」にされたと考える人が西側でも少なくないのは当然だろう。プーチン黒幕説に執着するのは根っからのロシア嫌い/嫌露派か、アメリカの有力メディアを盲目的に信奉しているのか、プロパガンダを役割としているのだとしか考えられない。





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最終更新日  2015.03.04 23:32:27


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