《櫻井ジャーナル》

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2015.09.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 安倍晋三政権は9月19日未明、「安全保障関連法案」を強引に参議院で成立させた。18日にすると柳条湖事件(注)と月日が重なるためにずらしたとも言われているが、こうした種類の法案が成立することは2013年の参議院選挙が終わった段階で確定的だった。そこへたどり着くまでに果たしたマスコミの「功績」は大きい。

 6月1日に開かれた官邸記者クラブのキャップとの懇親会で 安倍晋三首相は「安保関連法制」について、「南シナ海の中国が相手」だと口にした と週刊現代のサイトが紹介していた。そうしたことを安倍首相に言わせているのはアメリカの好戦派だ。

 アメリカの国防総省系シンクタンク RANDはアメリカと中国との軍事衝突が起こった場合の分析を発表 している。想定されている舞台は台湾と南沙(スプラトリー)諸島。兵器を近代化、ロシアのジャミング・システムやミサイルを導入している中国をアメリカは警戒している。

2013年9月3日、地中海の中央からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されたことをロシアの早期警戒システムが探知 している。アメリカがシリア攻撃を始めると言われていたタイミングだったので開戦かと思われたのだが、2発とも海中に落ち、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表している。

 しかし、事前に周辺国(少なくともロシア)へミサイルを発射すると通告されない。攻撃のつもりだったのだが、ジャミングで GPSが狂って墜落したとする話 もある。2014年4月には、黒海に入ってロシア領へ近づいたイージス艦の「ドナルド・クック」の近くをロシア軍の電子戦用の機器だけを積んだスホイ-24が飛行、その際に船のレーダーなどのシステムが機能不全になり、仮想攻撃を受けたと言われている。



 ここにきて中国はロシアと合同演習を実施、日米が中国を攻撃すればロシアも出てくるというメッセージだろう。中国とアメリカにしろ、中露と日米にしろ、沖縄の嘉手納空軍基地は早い段階で弾道ミサイルの攻撃を受け、2週間ほどで壊滅すると見られているが、嘉手納以外の基地が無事だとは考えられず、沖縄全域が大きなダメージを受けるだろう。アメリカ軍はアラスカ、グアム、ハワイなどから出撃することになる。

 沖縄ほどではないにしろ、日本全域が無傷でいられるとは考え難く、少なからぬ原発が破壊される事態も覚悟すべきだ。そうなると影響は太平洋、そしてアメリカへも及ぶ。状況によっては、そのアメリカもミサイルで攻撃される可能性がある。

 アメリカで好戦的な戦略を立てているのはネオコン/シオニスト。そのシオニストはソ連が消滅した直後、1992年に世界制覇を目指すプロジェクトを始めた。本ブログで何度も書いたように DPG(国防計画指針)の草案、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」 だ。旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配すとしていたが、ソ連が消滅したことから中国が最大のターゲットになり、東アジア重視が言われるようになった。

 1991年1月にアメリカ軍はイラクを攻撃するが、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領はサダム・フセインを排除しないまま停戦、80年代からフセインを排除してイラクに親イスラエル国を作る計画を立てていたネオコンは怒る。そうしたひとりの ポール・ウォルフォウィッツ国防次官はイラク、シリア、イランを5年から10年で殲滅すると口にしていた というが、その一方でアメリカがイラクを軍事侵攻してもソ連が出てこなかったことにほくそ笑んでいる。

 1991年3月、ロシアと8つの共和国(人口はソ連全体の93%)で行われた国民投票の結果、76.4%がソ連の存続を望んでいた(Stephen F. Cohen, “Soviet Fates and Lost Alternatives,” Columbia University Press, 2009)のだが、西側の支配層は違う方向を目指す。

 この年の7月にロンドンで開催されたG7の首脳会議に出席したミハイル・ゴルバチョフは西側から巨大資本にとって都合の良いショック療法的、つまり新自由主義的な経済政策を強要され、難色を示した。そこで西側支配層に目をつけられたのがボリス・エリツィンだ。エリツィンは1991年7月にロシア大統領となり、12月にウクライナのレオニード・クラフチュクやベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチとベロベーシの森で秘密会議を開き、そこでソ連からの離脱を決め、ソ連消滅へ導いた。西側の傀儡エリツィンが率いるロシアはアメリカの属国になった。

 その一方、アメリカ支配層は中国対策も進めていた。1980年代初頭から中国では新自由主義が導入され、アメリカへ留学したエリートの子どもたちは強欲な価値観を洗脳されている。そうしたこともあり、ウラジミル・プーチンがロシアを再独立させた後、中国とロシアが手を組むとは想定していなかったようだ。

 何度も書いていることだが、アメリカ支配層はソ連の消滅、冷戦の終結を見て、1992年から世界制覇を目的とする戦争を始めた。ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリアなどを攻撃してきたのだが、ここにきてロシアや中国と直接対決する段階に来ている。

 安保法にしろ、特定秘密保護法にしろ、TPPにしろ、そうした状況の中で出て来たということを忘れてはならない。今後、アメリカの戦略に都合の悪い動きが日本で現れないようにマスコミは宣伝を始めるだろうが、それでも駄目なら「偽旗作戦」が実行される可能性もある。

柳条湖事件





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最終更新日  2015.09.20 12:29:28


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