《櫻井ジャーナル》

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2015.09.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 国際連合人権理事会の理事国にサウジアラビアが含まれていることに批判的な人は少なくないだろう。この国には奴隷制があり、人権活動が認められていない。死刑の数が多いだけでなく内容に問題があり、IS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISISやダーイシュとも表記)と同じように斬首だ。アメリカの支配層は自分たちの意に沿わない国に対しては人権を理由に軍事侵攻を繰り返してきたが、サウジアラビアや自分たちの利益に叶う軍事独裁国家の人権侵害には寛容だ。

WikiLeaksが公表した文書 により、サウジアラビアが理事国に選ばれた選挙でイギリスが協力していたことが明らかになった。サウジアラビアもイギリスの当選に協力、工作資金としてイギリスへ10万ドルを渡したともいう。

 さまざまな人権侵害で問題になっているサウジアラビアだが、昔からアメリカとは友好的な関係にある。最大のファクターは石油だが、アメリカ経済の破綻を受け、1971年にリチャード・ニクソン大統領がドルと金の交換を停止した後、ドルの基軸通貨としての地位を守る役割を果たし始めている。基軸通貨を発行する特権をなくすとアメリカは支配力を失い、破綻してしまうわけで、両国の関係はそれまで以上に強く結びつくことになる。

 ドルを守るために考えられた仕組みのひとつがペトロダラー。アメリカはサウジアラビアに対して決済をドルにするように求め、集まったドルでアメリカの財務省証券や高額兵器などを購入させ、だぶついたドルを還流させようとしたのだ。生産力が衰えても基軸通貨を発行でき、その流通量を抑えられれば、際限なく物を買うことができる。一種のマルチ商法。

 1970年代にはミルトン・フリードマンを「教祖」とする新自由主義が世界に広がり、規制緩和で投機市場へドルが流れ込む仕組みが作られた。人間の住む社会でハイパーインフレが起こることは抑えられた替わりに投機市場でバブルが発生、その結果、富豪たちが保有する帳簿上の資産は肥大化していく。

 1977年にアメリカではジミー・カーター政権が始まり、大統領補佐官にズビグネフ・ブレジンスキーが就任する。ブレジンスキーはデイビッド・ロックフェラーと親しく、このふたりにカーターが目をつけられたのは1973年のこと。つまり、カーター政権で最も強い力を持っていたのは大統領ではなく補佐官だった。

 ソ連に「ベトナム戦争」を味合わせるというブレジンスキーの計画に基づき、1979年7月にカーター大統領はアフガニスタンの武装勢力に対する秘密支援を承認、目論見通り、同年12月にソ連の機甲部隊がアフガニスタンへ入って来た。そのソ連軍と戦わせるためにブレジンスキーが編成したのがイスラム武装勢力。資金はサウジアラビアが出し、兵器の提供や戦闘員の訓練はアメリカの情報機関や軍が担当した。

こうして訓練を受けた戦闘員、いわゆる「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルが「アル・カイダ」

 オサマ・ビン・ラディンはサウジアラビアの富豪一族に属し、サウジアラビアのアブデル・アジズ国王大学にいたとき、アブドゥラ・アッザムなる人物から誘われて秘密工作の世界へ入り、ふたりは1984年にパキスタンで礼拝事務局を設立、それがアル・カイダの基になったようだ。

 アル・カイダやオサマ・ビン・ラディンという名前を世界へ広めたのはジョージ・W・ブッシュ政権。2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎が攻撃された直後、調査もしていない段階でアル・カイダが実行したという宣伝を始めたのだ。

 この攻撃に関する報告書を議会は出しているのだが、調査は行われていない。しかも報告書のうち28ページは削除されているのだが、そこにはサウジアラビアに関する記述があるという。実行犯とされる19名のうち15名はサウジアラビアの出身なので当然だが、この「ハイジャッカー」はアメリカ軍の訓練を受けていたとも報道された。

 この「ハイジャッカー」をイスラエルの情報機関が監視していたとする話もあるが、イスラエルの情報機関員も攻撃の前後に逮捕されている。60名以上のイスラエル人が9月11日以降に逮捕され、 テレグラフ紙によると 、その前にも140名が逮捕されている。合計すると逮捕者は200名だ。

 2001年1月にDEA(麻薬捜査局)はイスラエルの「美術学生」がDEAのオフィスへの潜入を試みているとする報告を受けて捜査は始まった。その過程で多くのDEA職員の自宅をイスラエル人学生が訪問している事実が判明、どこかでDEAに関する機密情報が漏れていることが推測された。

 また、9-11でビルが崩壊する様子を白いバンの上で喜びながら撮影していた5名を逮捕したところ、イスラエル人だということが判明。そのうち少なくとも2名はイスラエルの情報機関、モサドの工作員だったと言われている。このバンを所有していたのはアーバン・ムービングという会社で、イスラム過激派を監視する目的でイスラエルの情報機関によって設立されたのだという。

 1980年代に「イラン・コントラ事件」、つまりイランへの武器密輸とニカラグアの反革命ゲリラへの違法支援が発覚し、CIA、サウジアラビア、イスラエルの連携が明らかになるが、この事件はアフガニスタンでの工作を含むプロジェクトの一環だった。この時、コントラは資金調達にコカインが、アフガニスタンではケシ系のヘロインが密輸されている。ベトナム戦争では東南アジアの山岳地帯、いわゆる「黄金の三角地帯」が違法ヘロインの最大供給地だったが、アフガン戦争が始まるとパキスタンやアフガニスタンの山岳地帯に移動する。アフガニスタンからヨーロッパへ運ばれる主要中継地がコソボ。親アメリカ派、KLA(コソボ解放軍)の資金源になっている。

 アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟は2007年にも浮上する。この年、 ニューヨーカー誌(3月5日付け)に掲載されたシーモア・ハーシュのレポート は、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始したとしている。

 工作の中枢にはリチャード・チェイニー米副大統領、ネオコンのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタンがいたようで、サウジアラビアがムスリム同胞団やサラフ主義者と緊密な関係にあるとする話も伝えている。

2012年8月にDIA(アメリカ軍の情報機関)が作成した文書 によると、2011年3月に始まったシリアの体制転覆プロジェクトで政府軍と戦っている戦闘員の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとしている。本ブログでは何度も書いてきたが、ISはAQIから派生した軍事勢力だ。





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最終更新日  2015.10.01 02:48:27


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