《櫻井ジャーナル》

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2015.11.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 イスラエルのためにアメリカ政府の機密情報を盗み、 1987年3月に終身刑の判決を受けていたジョナサン・ポラードが11月20日に釈放された

 スタンフォード大学を卒業したポラードは1979年から海軍の情報部門で働くようになり、84年から機密情報をイスラエルへ流し始めたと言われている。そうした情報の中にはアメリカの情報機関が作成するソ連の戦略兵器システムに関する年次報告、アメリカの外交官が通信に使用する暗号、イスラエルが核攻撃の目標にしている油田やソ連南部におけるソ連軍の配備状況に関する情報、アメリカやソ連の極秘の航空機や部品のリストなどが含まれ、合計すると1800件、約50万ページになる。

 ポラードの逮捕には「イラン・コントラ事件」、つまりイランへの武器密輸とニカラグアの反革命武装勢力コントラへの違法支援が関係している。ポラードを使っていた人物はLAKAM(科学情報連絡局)のラファエル・エイタン局長だが、このエイタンはイラン・コントラ事件に関係していた。

 この事件のはじまりは1979年にイランであったイスラム革命。11月にテヘランにあるアメリカ大使館を「ホメイニ師の路線に従うモスレム学生団」と名乗るグループが占拠、大使館員など52名を人質にとったのである。1980年はアメリカで大統領選があり、人質がどうなるかで選挙結果は大きく影響すると見られていた。

 そうした中、共和党陣営はイスラエルのリクードと手を組み、人質の解放を選挙後に遅らせるよう交渉する。実際に人質が解放されたのは1981年1月20日、ロナルド・レーガンの大統領就任式が行われた直後のことだった。解放を遅らせた代償として共和党政権はイランに対し、TOWミサイルとランチャーを売却している。(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 イスラエルでは1984年にシモン・ペレスを首相とする労働党政権が誕生、前政権がアメリカの共和党政権と手を組み、資金調達のためにイランやコントラと行っていた取り引きに気づく。そこで同じことを労働党政権も始めることにし、アメリカ海兵隊に所属、極秘プロジェクトCOGにも参加しているオリバー・ノース中佐と手を組んだ。

 この2グループは対立するようになり、暴露合戦を開始、ノースはエイタンとポラードのスパイ活動を明るみに出したのだが、これに激怒したリクードはノースの仲間だったロバート・マクファーレンがイスラエルの手先だという事実を明らかにする。イスラエル軍情報局の長官だったエウド・バラク少将が電話で意図的にエイタンがマクファーレンのスパイだと口にしたのだ。言うまでもなく、アメリカには全世界の通信を傍受しているNSAという電子情報機関があり、マクファーレンの話を知ったNSAのウィリアム・オドム長官はマクファーレンの秘書、ウィルマ・ホールに接触する。この女性はノースの秘書だったフォーン・ホールの母親だった。ウィルマの協力でマクファーレンとエイタンとの会話をNSAは盗聴することに成功、1985年の終わりにはマクファーレンがイスラエルのスパイだということを確認、その直後に彼はNSC(国家安全保障会議)を辞めさせられ、自殺騒動を起こしている。(つまり、「テロリスト」の通信も彼らは把握しているはず。)

 このほかにも「権力犯罪」が明るみ出ているが、詳細は割愛する。興味があれば、拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を読んでいただきたい。



 バヌヌはディモナにある核施設で原爆用のプルトニウム製造を担当、生産のペースからイスラエルは150から200発の原爆を保有していると推計していた。水爆に必要な物質、リチウム6やトリチウム(三重水素)の製造もバヌヌは行い、別の建物にあった水爆の写真を撮影したという。また、イスラエルは中性子爆弾の製造も始めていたとしている。本ブログでは何度か書いたが、イスラエルは中性子爆弾を何度か使用した疑いが濃厚だ。

 イスラエルの情報機関はバヌヌをローマへ誘い出すことに成功、そこで拉致してイスラエルへ連れて行く。大きな箱に押し込められ、船で運ばれたのだが、外交特権で箱が調べられることはなかった。

 その後、バヌヌは裁判に掛けられ、1988年3月に懲役18年の判決を受けて出所したのだが、ジャーナリストや外国人との接触を厳しく制限、9月10日にもイスラエルのテレビ局「チャンネル2」の取材に応じたとして逮捕されている。核兵器の保有数や中性子爆弾の話以外にも隠しておきたい情報があるのかもしれない。





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最終更新日  2015.11.22 02:09:47


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