PR
Free Space
Comments
Category
Freepage List
Keyword Search
Calendar
「それじゃ、敵は、絶対に、夜襲をかけてこないってことですか?」
「そうだ。
だから、俺も、夜の奇襲はかけない」
アンドレスは、「え!」と、さらに目を見開いた。
「そのような状況なら、それこそアパサ殿なら、敵の油断をついて夜襲をかけそうなものかと…!!」
そんなアンドレスを、アパサは、いっそう冷ややかに横目で一瞥した。
彼は新たに注いだチチャ酒をすすりながら、やや真面目な口調になって言う。
「アンドレス。
この反乱で、白人どもの汚いやり口ばかり見せられて、おまえ自身までが、泥に染まってしまったのか」
「!!」
アンドレスは、カップを両手で握り締めたまま、ますます顔を紅潮させた。
「だっ…だって、アパサ殿ではないですか!
昔、俺に戦術指南をしてくれた時、ズルくなれって言ったのは」
「ふん…!
あれは、相手が、姑息(こそく)な奴の場合だ」
「…――!」
【登場人物のご紹介】 ☆その他の登場人物はこちらです☆
≪アンドレス≫
トゥパク・アマル(インカ皇帝末裔で反乱軍総指揮官)の甥で、インカ皇族の青年(18歳)。
若くして剣術の達人であり、2万の軍勢を率いるインカ軍最年少の連隊将。
スペイン人神父の父とインカ皇族の母との間に生まれた。混血の美青年(史実どおり)。
現在は、ペルー副王領の隣国ラ・プラタ副王領に遠征している。
≪アパサ≫
「ラ・プラタ副王領」の豪族で、トゥパクの最も有力な同盟者。年齢は30代半ば。
「猛将」と謳われる一方で、破天荒で放蕩な性格の持ち主だが、実は、洞察と眼力が鋭く、全体をよく見通している。
かつてアンドレスを戦士として鍛え上げた恩師でもある。
◆◇◆◇◆ホームページ(本館)へのご案内◆◇◆◇◆
◆◇◆はじめて、または、久々の読者様へ◆◇◆
現在のストーリーの概略はこちら HPの現在連載シーンはこちら
ランキングに参加しています。お気に入り頂けたら、クリックして投票して頂けると励みになります。
コンドルの系譜 第八話(323) 青年インカ 2008.02.28 コメント(4)
コンドルの系譜 第八話(322) 青年インカ 2008.02.27
コンドルの系譜 第八話(321) 青年インカ 2008.02.26