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「アパサ殿…!!」
アパサの口角から飛び散る唾を全身に受けつつも、アンドレスは、アパサの前に身を低めて懸命に礼を払いながら、必死で言葉を継いでいく。
「アパサ殿の案じられるお気持ちは、よく分かります!!
ですが、全ては、あのギリギリの本陣戦の最中に、やむなく決定されたこと…!
トゥパク・アマル様が囚われる前夜のことだったのです。
ラ・プラタ副王領に遠く離れているアパサ殿にご相談することは、不可能な状況でした!
分かってください、アパサ殿!!」
足元に縋(すが)って平伏しているアンドレスの肩を、アパサの豪腕が激しく握り締めた。
そして、そのまま襟首を掴んで、己の鼻先まで、ぐいっと、相手の顔を突き上げる。
「アンドレス…――!
俺は、トゥパク・アマルが俺に相談しなかったことに腹を立ててなどいるんじゃない!
あの英国軍が、本気で攻めてきやがったら、この国は、どうなる?!
いや、それどころか、もう来ちまったかもしれねぇって、そんな話ってあるかよ?!
今度は、この国は英国の植民地か?!
一体、何のために、ここまで甚大な犠牲を払って、反乱を続けてきたってんだ?!!
あ?!
どうなんだ?!
アンドレス!!」
【登場人物のご紹介】 ☆その他の登場人物はこちらです☆
≪アンドレス≫
トゥパク・アマル(インカ皇帝末裔で反乱軍総指揮官)の甥で、インカ皇族の青年(18歳)。
若くして剣術の達人であり、2万の軍勢を率いるインカ軍最年少の連隊将。
スペイン人神父の父とインカ皇族の母との間に生まれた。混血の美青年(史実どおり)。
現在は、ペルー副王領の隣国ラ・プラタ副王領に遠征している。
≪アパサ≫
「ラ・プラタ副王領」の豪族で、トゥパクの最も有力な同盟者。年齢は30代半ば。
「猛将」と謳われる一方で、破天荒で放蕩な性格の持ち主だが、実は、洞察と眼力が鋭く、全体をよく見通している。
かつてアンドレスを戦士として鍛え上げた恩師でもある。
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