秘密兵器と一刀両断 | DokuDokuDOKUSHO

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2006年10月05日

５歳の娘が保育園から持って帰っていた上靴を、汚れていたからと洗ってあげたのは、この前の土曜日。
洗い終わり、クネクネに曲げた針金ハンガーに掛けて、“ キレイになったやん！ ” なんて思いながら、ベランダで干していたのですが・・・

「このクツ小さいから、ず～っと履いてたら足痛くなるん」

娘からのこの一言で、私は調子の悪いＰＣの如くフリーズです。えっ゛（・・;）
“ せっかく洗ったのに～！ ” とココロで叫びつつも、足が痛くなる様では履かせらないので、上靴を買いに行くコトに・・・。

娘が通う保育園では、あまり派手でない上靴らしい靴であれば何色でもよく、アニメ等のキャラクターが書かれていても問題ないので、アレ・コレ履いた結果、本人が気に入った、かわいらしい靴に決定。
小４の息子の上靴も、そろそろ『 ダメダメ状態 』な気がしたので訊いてみたのですが・・・

「え～！こんなキティちゃんの上靴なんかイヤやわ～」

誰も、そういう意味では言ってませんし、言うはずもありません。 (＾_＾;)

私もコレは履けない･･･

こんな勘違いをしていた息子の上靴は、ヨレヨレでもクタクタでもなく、小さくもないので、まだ買わなくていいと言いながらも、気になるコトがあるらしく・・・

「白い靴が、灰色靴になってんのがちょっと･･･」

「でも上靴って、マメに洗ってもだんだん灰色になるしなぁ。そんなに気になる？」

「ん～、そうでもないような･･･」

本当に気にしているのだろうか・・・。 (＾＾a)
とはいえ、聞いたからには、なんとかしてあげたいとは思うもの。
白には戻らなくても、しっかり洗えば、灰色が薄い灰色程度にはなるので、学校から持って帰ってくるように言ったところ、実は持って帰ってきてて家にあると・・・。

「出してくれてたら、ついでに洗ってあげたのに･･･。靴洗ってたの知らんかった？」

「うん、ゲームしてたし･･･。でも、お母さんから『自分の上靴ぐらい、自分で洗いや！』って言われてるから、どうせ自分で洗わなアカンねん」

「まぁ、それは今度でええやん。汚れがひどいんやから、今回は任せとき！それじゃ、とりあえず灰色をやっつける秘密兵器でも買って帰るとするか･･･」

そんな会話をしていた靴屋さんの帰りに向かったのは、比較的大きなホームセンターの『コー●ン』。
探し物は、いともたやすく見つかり、棚から１つ手に取って、裏の説明書きに目を通している私に、拍子抜けした顔の息子が・・・

「もしかして、ソレ～？秘密でもなんでもないやん！」

当たり前です。
私が若い頃にバイトをしていた ビデオ屋さん じゃあるまいし、普通のお店では取引が秘密になっているブツなんてありません。
冗談とはいえ『 秘密兵器 』だなんて、随分と大袈裟に言ったので、なにやらものすごいモノを買うと思っていた息子の期待を大きく裏切ってしまったのがコレ・・・。

秘密兵器？

「そんなん、ただの上靴用洗剤やん」

「アホ！ “ ただの ”って馬鹿にするなかれ、こういう洗剤だからこそ、普通の洗剤よりもよく落ちる･･･はず」

「はず？」

「はず！」

こうして、上靴のイラストの書かれた強力な洗剤を買い、帰宅。
早速使ってみたところ、“ ドロ・黒ずみ ” と書かれているのはダテではないのか、気合で洗ったのがよかったのか、かなり灰色をやっつけられた様に思います。

「思ってた以上にシミも落ちてるでぇ。ほら、ここの墨汁の点々もうす～くなってるやん」

「ホンマや！この洗剤、シミも落ちるんやったらお母さんに言っとくわぁ」

「なんで？」

「この前、お母さん『ハァ～、またシミになってるやん』って言うてたし･･･」

「それって、もしかしたら鏡見ながら言うてへんかったか？」

「ん～、どうやろ～」

息子の記憶はあいまいでハッキリしないのですが、多分それは汚れのシミなどではなく・・・

シミ：色素沈着
─ 紫外線を受けた際に生成されるメラニン色素が、過剰な生成や新陳代謝の具合によって表皮ちかくで肌にとどまって黒褐色になる事。

買ってきた洗剤で汚れがよく落ちたコトについては話してもいいとして、“ この洗剤でお母さんのシミも落ちるでぇ ” なんて言ってはいけません。
鏡を見ながら、ため息混じりに言っていたのだとしたらなおさらです。
家の中には雷鳴が轟き、稲妻が落ちるかもしれません。

そんな話をしていると、玄関から “ ただいま～ ” の声が・・・。
どうやら、うちの奥さんが帰ってきた様です。

「あー！お母さんやー！ほら～、保育園の靴、お父さんに買ってもらってん！」

両の手それぞれに、片方づづの上靴を持って、娘は玄関まで走って行きました。

「お～！キティちゃんやん。かわいい靴買ってもらってよかったなぁ」

そんな声のあと、そう長くはなかったと思うのですが、しばらく玄関で話していたふたり。
褒めてもらって、嬉しさに拍車がかかった『上靴自慢』を、相槌を打ちつつ聞いてあげているのかと思っていたのですが・・・。

「上靴ぐらい、自分で洗いや！って言うたはずやで！」

リビングに入ってくるなり、息子にそう言い放ち、反す刀で・・・

「どうせ私はシミだらけですわ。歳くってるからシミもできるねん！おばはんで、えろ～すんまへんなぁ」

私は、バッサリと斬られてしまいました。

姐さん

私と息子が話しているのを近くで聞いていた娘はきっと悪口を言っているとでも思っていたのでしょう。
どう話したのかわかりませんが、かなり歪んで伝わっている様で・・・。

「ホンマ、うちのオトコ共は、私がおらへんかったら私の悪口ばっかり言ってるんやろ～」

そんなコトはないのですが・・・。 (^．^A
息子の猛烈抗議もあって、すぐに誤解はとけましたが、元々は “ ただの上靴用洗剤 ” の話だというのに、なんともイヤな汗が出た次第であります。

【おまけ】

翌日の朝、ベランダに干していた息子の上靴を見たうちの奥さんの一言・・・・・・

「なんや、汚れはけっこう落ちてるけど、シミは落ちてへんやん！」

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