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「豊穣の海」四部作のテーマは「輪廻転生」。

生まれ変わった人物が彼だとわかるためのキーワードが描かれていますが、
「輪廻転生」の物語であることがこの本だけでは、はっきりしてきません。
映画の方はその先も暗示したストーリーになっているとかで、
このテーマがわかりやすくなっているようです。

「豊穣の海」、読み進めておりますが、第二部の主人公・「勲」は
第一部・「春の雪」の主人公「清顕」の生まれ変わりであり、
清顕の親友・本多と転生後に再会する場所が聖なる「三輪美輪さんの前のお名前）山」。
また、妻夫木聡さん演じる清顕の相手役が「聡子」。
行定勲監督と美輪さん、妻夫木さんと、皆それぞれご縁がある作品なのですね。

行定監督、美輪明宏さん、リー・ピンビンさんのコメントを中心に
「めざましＴＶ」の特集をまとめてみました。
よろしかったらどうぞ。

***

軽部さん
監督としてはだいぶ気になったことではないですか？

行定監督 　いやもう、ものすごく心配でしたね。
いらっしゃらない三島さんを、最も知っている人の一人、であろう
美輪さんには、ぜひ観ていただきたい。恐い思いもあるんだけど。

軽　もしも、美輪さんが気に入らなかったら、これは、「私は一切、コメントはしない。」

行

軽　「私は一切、協力はしませんよ。」

行　それが、一番の試練というか、ま、完成した作品の通るべき道だろうと。

美輪さん 　いろんな方が、いろんな作品をお手がけになりましたけれど、なかなか。
ああ、これは三島さんのとは違うなというのが多かったんですけれど、
今度の「春の雪」はね、もう、三島文学そのものが、ただ映像化されたというんでね、
私は粗探しの名人なのに、どこも難点がないんですね。
これだけ見事な映画っていうのは・・・。とにかくないですね。

行　褒めすぎだろうとは思ったんですけど、いや、うれしいですね。

美輪明宏さんも大絶賛の行定勲監督作・「春の雪」。

侯爵家の子息・清顕は、伯爵家の令嬢・聡子に思いを寄せられていたが、
冷たい態度を取り続けていた。
しかし、聡子の縁談が決まるや、一変して激しく彼女を求め始める。
だが、それは許されない禁断の愛だった。
三島由紀夫が記した、美しくも儚い試練。その結末は・・・。

行　ここまで屈折した中に、なんか愛を見つけてゆく姿っていうのは、
どちらかっていうと感情移入するっていうのではなくて、非常に底を見ていて、
清顕の行動を見てゆくだけで、すごく不可解なんだけれども、ただ、いつのまにか
取り込まれるようなものになるといいなという風に思ってましたね。

昭和を代表する作家・三島由紀夫（1925-1970）。
２４歳のとき「仮面の告白」で文壇デビュー。
その後、「潮騒」「金閣寺」など、耽美的な作風を生かした数々の名作を発表。
そしてこの「春の雪」に始まる「豊穣の海」四部作を書上げた４５歳のとき、
自衛隊・市ヶ谷駐屯地で割腹自決を遂げた。

美輪さん 　三島さんはね、純粋なものが大好きで、ご本人自身も、
永遠の少年のようなね、あの、純朴なものをお持ちな方でしたから。
でも作品になるとそれをストレートにはお出しにならないでね、
あの、一筋縄じゃいかないような表現をなさるんですよ。

軽　これだけ美しい映像の日本映画ってそうそうないと思うんですよね。
で、またまたキーパーソンということで。えー、リー・ピンビンさん。

行　はい。

リー・ピンビンが協力。彼の参加自体がミラクル。

行　特に三島さんっていうのは日本の美というもの、ものすごく美意識強いんで。
で、それをこの、美しく撮るカメラマンは何処にいるだろうって思った時に、
海外の目だなと思ったんですね。外側の目から切り込まれたときに、
僕たちはそれをどう受け止るか、そういう風に日本の美しさを撮るんだという。

リー・ピンビン氏 　私個人の感想ですが、三島由紀夫氏の小説の中の
「美しい世界」を完全に表現することは不可能です。
しかし、とても近づいてはいます。

美輪さん 　本当に、日本の芸術ここにありっていう感じがしましたね。感動しました。

***

春の雪、行定監督、三島由紀夫氏、最後は妻夫木さんと
Yuki　Uki繋がりでタイトルがまとめられていました。

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