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本日ご紹介するのは人気劇団クロムモリブデンから客演してくれた『渡邉とかげ』ちゃん。ここ数回、公演ごとに出演いただいているクロムメンバー4人目の使者です。とかげちゃんの芝居を観て早数年、彼女の感情の爆発力にずっと魅かれておりまして。去年のクロムの公演を観に行った際、堪えきれずにその場で出演依頼をさせていただきました。愛くるしい、とは彼女のための言葉。飾り気も虚勢もなく、ありのままの剥き出しの感情を見せてくれる。そんな彼女には『くらげ』という役をあて書きさせてもらいました。「とかげちゃん」に「くらげちゃん」をやっていただくという個人的なオモシロはおいといて、本番中、誰かが本名を呼び間違えてしまうのでは、とひそかにヒヤヒヤしてました。くらげちゃん。お気に入りの登場人物です。感情が読めず、何を考えているか分からない。だけどどこまでもまっすぐな心。そんなくらげちゃんを僕の想像を軽く飛び越えて演じてくれたとかげちゃん。彼女のハートもとびっきり。間違いない。とかげちゃんが何よりも素晴らしいと思ったのは稽古場での居方。自分の役作りに決して妥協をせず、他のシーンの芝居からも常に吸収出来るものを探している。そして、作品に対して本当に愛を持ってくれていることが分かる。稽古場でこれほど心強い役者はいませんでした。賭けてもいい。今後、間違いなく客演殺到な女優さんです。それにつけてもクロムモリブデン。毎度思うことだけど本当に良い役者が揃っている劇団です。今まで出て頂いた方々全員、必ずまたやりたい。心からそう願うのです。
2012.04.28

本日は「深海のカンパネルラ」で主役の『ジョバンニ/りく』を演じてくれた、演劇集団キャラメルボックスの多田直人くんについて書こうかと。(ちなみに顔合わせの時に「僕は君のことを『直人くん』と呼ぶ」と宣言したのですが、稽古開始三日目にして気恥ずかしくなり、『直人くん』が『多田くん』に変わり、最終的には『ただっち』で落ち着きました)実は多田くんは、5年くらい前からずっと空想組曲に出て欲しいと思っていたのです。今回念願叶ってついに出演してくれることになりました。そんな長年の思いもあって、やってほしいと考えていたことを、これでもかと言わんばかりに全部やっていただきました。遊ぶ多田くん。戦う多田くん。悩む多田くん。残酷な多田くん。キラキラの多田くん。ボロボロの多田くん。多田くん多田くん多田くんでございました。ご覧になった方はお分かりかと思いますが、多田くんが演じたりくという役は体力的にも精神的にも相当しんどいです。走り回って動き回って感情ぐちゃぐちゃにされながらえっらい量の台詞を言わなければならない。水も飲まず、トイレも行かず、暗転なしの舞台で2時間10分出ずっぱり。はけたのはラスト間近の5秒くらい。つまり、どこのシーンの稽古をしていても必ず多田くんはいるわけです。ろくにオフもなければ休憩もない。でもまぁ、やっちゃうわけです。多田直人という役者は。どんどんアイデアを盛り込むし、挑戦的に様々なスタイルを試してくるしで目が離せない。無意識レベルで役を作り上げる天才肌の役者はたくさん見てきましたが、多田くんはきちんと有意識。見え方や表現を工夫できる器用さがあり、客観的な視点で舞台を作れる人。つまりは「ちゃんとうまい役者」なのです。稽古中にも書いたけど、彼に主役をお願いして本当に良かった。客席の最後列から本番を見ながら何度もそう思いました。ホームであるキャラメルボックスでも5月の「無伴奏ソナタ」、7月の「アルジャーノンに花束を」と、大変な主役が続くみたいです。今後ますます目が離せない役者なのです。ただっち。写真はラスト近く。相方の『カンパネルラ/けんじ』と一緒にプラネタリウムを見ているシーン。二人ともほんとキラキラしてました。
2012.04.27

「深海のカンパネルラ」は友人の死を扱った作品でした。「友人の死」世の中に掃いて捨てるほどあるありふれたモチーフです。それを扱った映画は山のようにあり、小説や漫画を含めると、間違いなく星の数ほどあるでしょう。しかしながら、去年多くの死に直面し、改めて思ったのは、「ありふれた死など存在しない」ということです。それが友人や親、兄弟、恋人といった近しい人の死でなくても、そこに闇を見てしまう人間は必ずいる。嘆き、捕われ、何故自分がそんな状態になっているかも分からないまま沈んでいく。あるいは都合良く死者を語る。死者の物語を自分につながるものとして構築する。あるいは死者にあり得たかもしれない人生を生きようとする。端から見れば「なんでそこまで」とか「結構な時間が経つのだから」と言えることでも、その闇の深さは当人以外には決して分からない。そこからいつ抜け出せるかなんて当人ですら分からない。「銀河鉄道の夜」を扱った作品も数多くあり、同じ数だけの解釈も存在しますが、決して避けて通れないのは「カンパネルラは死んでいる」という事実です。「実は死んでいない」「全ては夢」という具合に解釈を捩じ曲げることを許されない。少なくとも僕はそう思いました。だから真っ向からこの事実と向き合う物語を描くことにしました。死と向き合う、というのは決して綺麗なことではないと思います。例えば葬式だって、残されたものが生きていくための行為です。全ては生きていくため。それが他人の死を消費することと同義でも、死者を冒涜することであっても仕方がない。日常は流れるのだから。生きている人間はそれを続けていかなければならないのだから。「深海のカンパネルラ」という作品を作るにあたり、執筆中も稽古中も、フカミリクというたった一人の男の子の出す結論をひたすらに考えていました。彼が生きていくためにはどうしたらいいのか。もしかしたら、生きていくことを放棄する方が幸せなのかもしれない。そんなことも考えました。しかし、今回集まってくれた役者さん、スタッフさん、そして宮沢賢治の作品に流れる精神と共に至ったのは、あの結論でした。あれが正しい選択だったのかどうか。彼のあの後の人生に光はあるのか。それは分かりません。僕たちもまだ生きている途中の人間ですから。けれど、作品を作った者として、彼が出した結論には希望があると信じています。ご覧頂いたお客様にも、その希望をほんの少しでも感じていただければ幸いです。
2012.04.25
空想組曲VOL.8「深海のカンパネルラ」全公演終了しました!ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。…って、千秋楽から二日も経って書くことではないですね。まったくもって申し訳ありません。稽古の終わりの方から本番中は基本3時間睡眠なもので、芝居が終わった後は泥のように眠るのが常なのです。しかしながら空想組曲は僕の一人ユニットだと言うのに、本番中のブログもあげないとは何とも情けない。これを機会に宣言しとこう。次回からは必ず本番中もアップします。それはそうとしてカンパネルラです。終わってしまったー。いつもよりはちょっとだけ長い公演だったと言うのになんとも寂しい。劇場に行けば素敵な役者さん達、スタッフさん達、そしてお客様に会えるというのは、僕にとっては本当にもう、奇跡のような日々なのです。そこから一気に現実にかえってくる。何度味わっても寂しい。しかしながらファンタジーを通して現実を描こうとしている身からすれば、その寂しさを受け入れて次に進まにゃあいかんわけです。次は7月。のんびりしてはいられません。夏のお仕事も増えそうな気配だし、早々に台本を書き出さねば。しかしまぁ、寂しさを紛らわそうと言う訳ではありませんが、今日からしばらくの間、今回の作品についてや役者さんについて、稽古場でのあれこれなど、カンパネルラ話を長々と書く予定です。まさかブログで作品を補足しよう、などとは思っていませんが、思い入れのある作品なので(まぁ、思い入れのない作品なんてないけど)結構深いことまで語ってしまうやもしれません。作品の裏側なんて聞きたくない、という方はお気をつけくださいませ。基本は劇場で観ていただいたものが全て。ご覧いただき、お気に召したなら幸いです。今後とも空想組曲をよろしくお願いいたします。
2012.04.24
いよいよ小屋入りまで秒読み段階。あたりが出ていないシーンは一つもないけど、そう簡単に安定できる作品でもないので、集中力の維持が難しい所。うちにしてはちょっとロングランだしね。あと、今回は劇場に入ってからでないと確認出来ないことがいくつかあるので、そのへんがどうなるか、いろんなケースを想定しておくことも必要。さてさてどうなることか。「深海のカンパネルラ」面白いことは保証します。笑いに来た方は笑っていただきますし、ずしーんときたい方にはずしーんときていただきますが、どちらか片方のみをお好み、という方には向かないかもしれません。楽しいだけの人生もなければ、苦しいだけの人生もない。「渡る世間は鬼ばかり」で泉ピン子さんあたりが言いそうなことですが、僕はこれを一つの真実だと信じているので、空想組曲の作品もその考えに寄るのです。悪い所で終わればバッドエンド。良い所で終わればハッピーエンド。それだけの違いです。でも、バッドエンドだったとしても、それまで起きたハッピーなことはハッピーなままだし、今後ハッピーになれる可能性だってある。「泣いた赤鬼」だって、いつか青鬼と再会できるかもしれない。逆に「シンデレラ」は大変な結婚生活を送るかもしれない。何しろ相手は一目惚れの女を探すために国中巻き込んで大騒ぎするような足フェチ王子ですから。なんだか微妙に脱線してきましたね。まぁ、なんというか、当たり前の話ですが、良くも悪くも人生は続くということです。舞台上の役者達がどう苦しみ、どう生きるのか、劇場にてご覧頂ければと思います。
2012.04.12
固定稽古場に入ってからは遠し通しでございます。昨日の通しでは音響も入り、みんなすごい集中力で、ラストシーンでは自然と拍手が起きましたね。こういう瞬間ってたまにある。今までの作品でも何度か体験している、すごいもの作れるかも、な瞬間。ダメ出しすることがたくさんあっても、キャスト全員がキラキラ輝いて見え、一緒に体験した時間を愛せるようなそんな瞬間。ラストシーンでは観ててちょっと泣いてしまった。以前は演出席で泣くなんてどうかと思って、鉛筆を腕に突き刺して必死に泣くの堪えるという、幻術にかかるのを防ぐ忍者みたいなことやってたけど、「作り手側の心が動いてないのに、観客の心を動かそうとするなんておこがましい」と考えるようになってからは、まぁ、いいじゃん泣いても。垂れ流しても。と開き直るようになりました。でも、こういう作品に限って、不安定要素が本当に多い。幕が開くその瞬間まで、果たして観客にどう見えるのか分からない。これって面白いの? 本当に? きちんと伝えられてる? そこに是、是、是、と繰り返し、自分を奮い立たせて作っていくのです。「深海のカンパネルラ」どぷどぷ、ぐちゃぐちゃ、だけどキラキラ。そんな作品になってきてます。是非是非ご来場くださいませ。それにしても、何度か通して改めて気づいたけど(遅い)本当に本当に多田直人くん、大変。彼はまぁ、がっつりと主人公・ジョバンニを演じてもらうわけなのです。でまぁ、何が大変かと言うと。まず、絶対トイレに行けません。そしてやることがほんとぅーに盛りだくさん。こういう作品やるのは726に書き下ろした『坂口安吾 白痴』の時以来。あれはあれでイジメか、というくらい主人公を追い詰めた作品でしたが、多分あのとき以上に追い詰め要素が満載。渦のど真ん中で、毎日真摯にぐちゃぐちゃになっていく多田くんを見て、この人にこの役をお願いして本当に良かった、そう思っているほさかなのです。さて、明日も稽古!
2012.04.09
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