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何度も見ている。今回は、昨年、BSで再放送された「さらば浪人」を見たばかりなので、いろいろ比較してしまう。 主人公の年齢設定としては、「さらば浪人」の方が原作に近い気がする。 映画を見て原作を読み直した。 原作にはない、藩主に身の上を語る場面の、道場破りの振りをしてすぐに「参った」と言って金品をもらう、というのは、原作にはない。これは中里介山の「日本武術神妙記」で紹介されている話。これを取り入れたのか、共通する出所があるのかはわからない。 三船敏郎の息子や黒澤明の孫を出演させ、黒澤明追悼の映画となっているが、無理を感じない。 上映時間は91分と短い。おそらく、黒澤明はもっとエピソードを増やして長くするつもりだったのではないかと思うのだが、勝手に膨らませることをせず、黒沢の残したものだけで映画化したことで成功している。
2024.03.06
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何度も見ているが面白い。 前回の感想では、最後の血しぶき以外は血が出ないことを書いたが、今回は同じ場面で違うことが印象に残った。 三船敏郎が仲代達矢を抜き打ちにする場面。 右手で、左腰の刀を抜いて相手の右側に抜けながら相手の腹を切っている。 刀を返しているはずなのだが、その太刀筋が見えない。何度か見直したが、確かに切っているのはわかるのだが、太刀筋がわからない。 殺陣の久世竜の力もあるのだろうが、三船敏郎の実力によって可能になった場面だろう。
2024.03.05
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ずいぶん前に一度見たのだが、その時はよくわからなかった。 今回は内容が理解できた。 私財をなげうってでも、負担に喘ぐ自分たちの宿場町を救おうとする物語。 藩に金を貸し、その利息で賦役の負担を減らそうという策の実現のために奔走する。 題名を見た時には、藩が金貸しをして利息で藩の財政立て直しを図るのかと思ったが、全く違う。 積極的に出資するものもいれば、出資を渋るものもいる。 世間の身勝手さもあれば、意外に簡単に理解してくれる役人もいる。もちろん、狡猾な役人もいる。 屋外ロケも多く、セットも奥行きがあって狭苦しさがない。 こんなに立派な人がいるのだろうかと思うが、基本的には実話なのだ。 よくできている映画だった。
2024.01.07
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実在した、何度も国替えを経験した松平家。 姫路から豊後日田への国替えを命じられたものの、以前の国替えの記録が失われており、マニュアルがない状態で途方に暮れる。 全く経験もないのに引っ越し奉行に任命されてしまった書庫番の片桐春之介(星野源)が、手探りながら、つてを頼り、書物で得た知識を元に難局を乗り切る。 引っ越しに備えて、声を合わせて歌ったりして、全体的にコメディタッチで、それが成功している。 走ったり鍛錬用の木刀を振り回したりして体を鍛えるが、それがうまく伏線になっている。 目的地近くで、国替え失敗をもくろむ一派の襲撃を受けて大立ち回りとなるが、その場面が白眉で、スローモーションを多用して、非常にうまく描いている。 よくできた映画なのだが、残念な場面もあった。 引っ越し前に、不要なものは処分すると言うことで、大量の書物を焼いていたが、書物は換金できるので、費用の足しにしてほしかった。 また、「甲陽軍艦」は、手に入りやすい書物だったのではないだろうか。 コミカルであるためには、それだけリアリティがなくてはならない。それだけに残念なのだが、こんな所に引っかかってしまうのは野暮なのだろう。 なかなかの佳作である。公式サイト
2023.08.04
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なんと、いつ録画したのかわからないものが出てきた。 工夫されたコメディ映画なのだが、遊び方がなかなか洗練されている。 いかに馬鹿馬鹿しい話をきちんと見せるか、というのが腕の見せ所なのだが、それがちゃんとできている。 江戸から土佐へ向かうはずが、しょうもない妨害に遭って、なんと南の島に流れ着いてしまう。 連れて行った白猫が、原住民から神とあがめられ、黒猫も混じっての攻防戦が続く。 なんと、高山善廣が、海賊の役で元気な姿を見せている。 騒動が収まり、インド映画のように踊り出したりする。主役の北村一輝がインド風の容貌なのを生かしているのだろうか。北村一輝もノリノリで、脚本にも参加している。 よくできた映画だった。
2023.04.18
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前作とは違って、「古事記」の世界とのつながりが中心になっている。 天叢雲剣と出雲系の神とのつながりに意味があり、そのことによって怪異が起こる。 登場人物の名が、日美子(深田恭子)、須佐(市原隼人)と、邪馬台国と「古事記」を入り交じらせている。 諸星大二郎に慣れ親しんでいる身としては、物語にはあまり新鮮味は感じなかったが、この映画で日本の神話に興味を持った人もいるだろう。 陰陽道と深田恭子というと、「新宿少年探偵団 」を思い出す。こちらは1998年で、深田恭子の映画初出演作。 不思議なくらい顔立ちが変わらない人だ。
2023.04.01
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もう20年以上も前の映画なのか。 前に一度見た記憶があり、主要キャストだけ覚えていた。 当時は安倍晴明が大ブームで、それを受けての映画だったが、時事性は入れていないので、今見ても古びない。 主演に野村萬斎を起用したのが成功している。この人は、「のぼうの城」もよかったし、「どうする家康」の今川義元もいい。 敵役は真田広之。これもよかった。クライマックスは二人の一騎打ちになる。 野村萬斎はワイヤーで飛び回るが、真田広之は生身の体で大剣を持って走り回る。 真田広之は怨念を持つ役もいい。
2023.03.30
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前に一度見ているし、原作も読んだ。 原作を読んでから見たはずだ。テレビドラマ版も見た。その時は前田愛だった。 少し複雑な話で、ヤクザの親分が実は、というところが鍵なのだが、映画ではぼかして描いている。これはこれでいいだろう。 豆腐屋と、ヤクザの親分を内野聖陽が一人二役で演じている。 泉谷しげるが出ていたり、石橋蓮司が若い役も演じたりしてなかなか興味深い。 珍しく、中村梅雀が悪人の役で出ている。ただ、なぜそこまでして主人公一家を陥れなくてはならないのか、という点は疑問が残ってしまう。 そういうことを理屈っぽく考えるより、深川を舞台にした、家族の物語として見ればいい。 決して理想的な家族ではなく、相思相愛でむずばれた二人なのに、家業のこと、子供のことでは食い違いがあり、言い争いもする。 そういうところが見所なのではないか。
2023.03.19
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かつて山本耕史主演でドラマ化され、完結したものを映画化している。 監督は「超高速! 参勤交代」の人。 画面が美しく、群衆シーンでは本当に人がたくさんいる。 殺陣も凝っている。 残念ながら、なぜ主人公が江戸で浪人暮らしをすることになったか、というところがわかりにくい。かといって、ここを描かないと、最後の場面が描けない。 シリーズ化するつもりで、理由はわからないが一人暮らしの浪人が活躍する話として描いて、好評だったら、その前後を描くというように分けるわけにはいかなかったのだろうか。 惜しい。
2023.02.23
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安土城を築いた職人たちの物語。 信長が、安土城建設のために、奮闘するのだが、複数の設計者に依頼があって設計段階での競争があったり、材木を仕入れるための苦難があったり、信長の命を狙う一味が味方に紛れ込んでいたりする。 しかし、戦国ものというわけではなく、戦闘シーンなどはない。 ヒロインが福田沙紀で、恋人が帰ってこなかったり、女たちも協力したりというよくある展開。 なぜ信長は天守に執着したのか、今ではその実態のわからない安土城とはどういうものだったのか、というところを掘り下げて描いてほしかった。
2022.09.07
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三船プロダクション制作の時代劇。 相楽総三(田村高廣)の赤報隊に加わり、社会状況など理解しないまま官軍の一員として出世したと思い込んでいる主人公。 故郷の沢渡宿に、先乗りとして、赤毛のカツラを借りて意気揚々と単身乗り込む。 官軍がすぐに来ること、世の中が変わることを訴えて、女郎屋の女たちを自由にし、代官(伊藤雄之助)のところに乗り込んで、無理に納めさせた年貢米を開放する。 たちまち町のヒーローとなり、かつて恋仲だった女も取り戻し、単純な主人公は舞い上がるが、代官や博徒の親分(花沢徳衛)らは狡猾に立ち回り、また身元を隠していた幕府の隠密たちが独自の動きを見せる。 一方、相楽総三は反逆者として処刑され、結局主人公たちは圧倒的な戦力の官軍と対峙する羽目になる。 主人公と決闘することになるかと思われる男(高橋悦史)が、ありがちではあるが人間像がよくできており、単なる敵では終わらずに活躍する。 最後は、官軍への怒りで目覚めた民衆が、武力ではないエネルギーで官軍を圧倒する。 話もよくできており、見応えがあった。
2022.08.26
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懐かしい映画をBSプレミアムで見ることができた。 真田広之と薬師丸ひろ子は、当時の二大アイドル映画スターだった。 JACの全盛期でもあり、出演者の顔ぶれも懐かしい。 姫(薬師丸ひろ子)を守る八犬士が登場するが、人数が多いので、一人一人の背景が描き切れていないのが残念。ただ、この映画公開時の若者から大人までは、NHKで放送されていた「新・八犬伝」を知っているはずなので、なんとなく背景は理解できていたはず。もちろん、映画の中でも過去の因縁は説明はされている。 アクション時代劇を作ろうというよりも、ファンタジー映画を作ろうという意気込みが感じられる。SFブーム、特撮ブームの延長線上にあったことは確かだが、予算や時間を十分に使えない日本映画としては、よく頑張った。 東映映画ではなく角川映画であり、主題歌に洋楽を用いるなど、それまでの殻を破ろうとしているのがわかる。角川映画では、「幻魔大戦 」のテーマ音楽にキース・エマーソンを起用するという思い切ったことまでしていた。 特撮は、ミニチュアや着ぐるみからCGに移行する過程にあり、アメリカの特撮映画に比べれば見劣りはするが、日本的な柔らかさでそれを補っている。 八犬伝を下敷きにした映画としては、同じ深作欣二監督の「宇宙からのメッセージ」がある。1978年の春に公開されたもので、「STAR WARS」の日本公開がその年の夏まで遅れるので、その前に急いで作ったという感のある映画。 これでも、最後に仲間の印を受け取ったのは真田広之だった。 いろいろと、懐かしいことを思い出させる映画だ。
2022.06.29
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これは前にも見たことがあるのだが、例によってほとんど何も覚えていなかった。 南北戦争後のアメリカで奴隷だった黒人たちが、だまされて、アフリカではなく西へ向かう船に乗せられてしまう。 ジャズが生まれたばかりの頃で、彼らはジャズの演奏を楽しんでいる。 そのあたりのやりとりが、英語の台詞に日本語の方言の台詞をかぶせるという凝った手法で描かれている。 よくこういうことを考えついたなあ。 船は遭難し、海沿いの小藩に流れ着くのだが、そこの城主は政治には興味がなく、篳篥《ひちりき》を趣味としている。 時は幕末の動乱期で、大政奉還の後、徳川方と西軍との衝突もあるのだが、ジャズの演奏を聴いた城主はそれに夢中になり、世の混乱をよそに、城を挙げての大セッションを繰り広げる。 特に結末があるわけではない。 出演者を見ていたらタモリと山下洋輔の名があったが、気がつかなかった。 タモリはラーメンの屋台の人だったのかな。 製作は大映なのは意外だった。こういう映画を作に思い切った決断がいったことだろう。
2022.06.20
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「武士の家計簿」を意識したものであることは明らかだが、全く別の話。 「包丁侍」と呼ばれる、料理担当の武家の物語。武家の話ではあるのだが、上戸彩演じる天才的な料理の才を持つ女性が主人公。 作りは丁寧で安心してみていられるし、包丁侍の世界も興味深い。 加賀騒動が背景にあるのだが、残念ながらその事件に関する知識がないので細かいところはわからないが、全体の話はわかる。 なかなかいい映画だった。
2022.06.13
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中村錦之助が主演で、坂本龍馬を演じる。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を原案にしているようだ。 土佐を脱藩してから近江屋で暗殺されるまでを2時間にまとめて描いているが、幕末の知識があれば話が理解できないということはない。 身分の差や、仲間としては対等のはずの亀山社中内でも、以前の身分によって差別があり、それが悲劇を生むことなどが描かれるが、このあたりは有名なエピソードではあるが、かなりフィクションが入っているのだろう。 そもそも坂本龍馬というのは何をした人なのか、実態はよくわかっていないはず。したがって、龍馬ものはフィクションとして楽しむしかない。 龍馬に折って襲来を知らせる恋人役は吉永小百合。 錦之助との顔合わせは珍しいのではないだろうか。 後藤象二郎役で三船敏郎も出ている。
2022.05.15
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前にも一度見ているのだが、例によってほとんど覚えていない。 自分のブログを見直して、前回の感想を確認したら、今回と全く同じだった。 感想はこちらをごらんください。
2022.03.30
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JAC最後の輝きというところだろうか。 とにかくアクションは見所満載。 「少林寺」に出ていた胡堅強も懐かしい。 湯屋での攻防から意気込みを感じる。 ただ前に見たときも感じたことだが、将軍家光の乱心や男女の因縁など、とってつけたような部分がわかりにくく、そこだけ魅力が下がっている。東映の悪いところがでちゃったなあと思う。 もっと単純に、世継ぎの敬語のために雇われたグループと、その世継ぎを亡き者にしようとする幕府高官の命を受けた武士集団との戦いに絞れば良かったのに。 アクションはすごい。人間もすごいが、馬もすごい。 爆破された橋から人を乗せたまま川に落ちる馬たちのリハーサルはどうやったのだろう。 惜しい、とにかく惜しい映画だ。
2022.03.13
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郷ひろみ主演の映画。原作は近松門左衛門で、芝居がかった設定があり、会話のやりとりも舞台風。 茶道を巡ることから二人で逃避行に出る男女の話がクライマックスになるのだが、そこまでが長い。 どうしてもこういう映画を作りたくなるのだろうが、興行的にはどうなのだろ。 郷ひろみファン以外の人も見に行ったのだろうか。
2022.03.07
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藤田まことの中村主水が登場する仕事人シリーズのいったんの区切り。 後に作られた「必殺! 三味線屋・勇次」にも藤田まことがゲスト出演しているが、中村主水とは全く異なる役だった。 話は、将軍の世継ぎを巡る大奥の権力闘争と、中村主水の過去の二つが絡み合っていて、大奥の方の話が少しわかりにくい。 家定と捨蔵を細川ふみえが一人二役で演じている。女でありながら男姿で生活している捨蔵の場面が多いが、かなり頑張っていて好感が持てる。 その話に、20年前に因縁があった、捨蔵の育ての親の名取裕子と、仕事人とは異なる組織の津川雅彦の三人の話が絡んでいる。 主水は仕事の相手の強敵と闘って命を落とすわけではなく、意外な形で最期を迎える。 残念なのは、主水の死後のせんとりつの様子が描かれていないこと。消息不明になった主水をどのように待っていたのだろう。
2022.02.19
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すでにNHKでドラマ化されているのだが、どうしても映画化したい人たちがいたのだろう。 驚くのは映像の美しさ。室内の場面以外はほとんどすべて屋外。 夏の場面も雪が積もっている場面も本物。ロケ地を探すだけでも大変だったろうし、物語にあった状態に合わせて撮影するというのは大変な手間だろう。 話は映画用に脚色してあるが、大きな流れはわかる。 殺陣の場面がもっと長くてもいいのではないかと思うが、そういう派手な場面よりも、地味な場面を丁寧に描きたかったのだろう。 かつて日本にはこんなに美しい風景があった、ということを記録するための映画に思えるほど、画面は美しい。
2022.02.12
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監督が深作欣二で、ゲスト出演者が千葉真一と真田広之となれば、いつもの必殺シリーズとは違うJAC映画になるだろうというのは予測がつく。 新しい奉行が就任すると、それが真田広之で、化粧をしたお小姓のような姿。その取り巻きも同様。 髪を染め、派手な着物を着て傍若無人の振る舞いを繰り返す旗本連中はJACの人たちだったのだろう。 このあたりは深作欣二らしい様式美。 娘が身を売って作った金で仕事を依頼するが、流れ者の仕事人も揃ったところに、その娘が入り込んでしまうのはいかがなものか。 結局、中村主水と、独楽を使うなぞの流れ者の仕事人(千葉真一)が旗本連中を狙うが、実はもっと悪いやつがいた、ということになっていく。 千葉真一は流れ者の仕事人だが、娘と息子がいて、その二人との親子関係も一筋縄ではいかない。 奉行の後ろ盾になっていた悪党武士が成田三樹夫。 千葉真一と、実は忍びだった蟹江敬三の死闘があり、廃墟と化した長屋での戦いが見所。 最後は、仕事人グループと真田広之グループとの全面対決で、集団での殺陣も一つのカットが長く、JACの人たちの見せ場だったのだろうと思わせる。 最後の敵である真田広之も、悪党になるにはそれなりの事情はあったのだが、だからといってそれまでにした悪事が許されるわけではない。中村主水との一騎打ちも、スタントを使って派手に動き回るのだが、観客の予想を裏切る形で決着がつく。 いつもの必殺シリーズを期待して見ると驚くが、常に新しい者を取り入れていったのが必殺シリーズだ。
2022.02.11
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すでにNHKでドラマ化され、いくつものシリーズを経て完結までしたもの。なぜさらに映画化しようとしたのかわからない。 若い人はテレビを見ないからどんな話か知らないだろうと、松坂桃李ファンを目当てに作ったのかもしれないが、それだけでは中高年客が入らない。いや、どんな映画でも中高年は映画館に足を運ばないか。 映画としては非常に丁寧で、画面が暗いことが残念だが、時代劇としての違和感を感じない。監督はどういう人なのかと思ったら、「超高速!参勤交代」の人だった。 映画ではなく、二時間ドラマであればもっと世に知られた作品になったろう。 松坂桃李は時代劇も悪くないので、何かもっと違うシリーズものでできないかなあ。もったいない。
2022.02.08
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平次が十手持ちになるきっかけを描いた映画。 テレビ放送に先立って公開されたのかと思ったが、テレビで人気が出たので映画化したものらしい。テレビ放送開始は前年の1966年。 身を持ち崩していた平次が、博打が理由で一晩留め置かれ、そこで八五郎や幼馴染み(小池朝雄)と出会う。 八五郎は林家珍平ではなく、初代の大辻伺郎。残念ながらこの人の八五郎の記憶はない。万七親分は遠藤辰雄でテレビと同じ。大友柳太朗と舟木一夫が非常にいい役でゲスト出演。 平次は心を入れ替え、十手持ちとなって親方の仇を突き止める。お静とのなれそめも描かれるが、お静が水野久美で、設定も原作とはかなり違っている。水茶屋で働いている娘ではない。 一時はヤクザものとの付き合いもあった、という設定は「半七捕物帳」の影響だろうか。 とにかく出演者が若いのが楽しく、また、小池朝雄が複雑なキャラクター設定で、若いのに存在感があって感心する。 大川橋蔵はこれが最後の劇場用映画出演なのだそうだ。 出演者を見ているだけで楽しい映画だった。
2022.01.24
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これは、初めてロードショーで見た「必殺!」シリーズの映画で、たしか招待券をもらったか何かでたまたま見たのだが、監督が工藤栄一だったので驚いた記憶がある。工藤栄一と言えば、なんといっても「十三人の刺客」だ。これを見たときには、こんな映画があったのかと驚いたものだ。 この映画も、工藤栄一らしい作品になっている。 コミカルな部分や様式美はできるだけ廃し、悲しみや怒りがにじみ出ている。 中村主水の隣に住む同僚の清原(川谷拓三)とその妻のおこう(松坂慶子)の夫婦。夫は実は商家をゆすっていたことで殺され、妻は行方を消す。 珍しいのは、成田三樹夫が悪党の両替商人の役で出ていること。商人姿は新鮮だ。 中村主水と加代(鮎川いずみ)以外はテレビ版とはつながらない設定になっている。 途中で、おこうの行方を知った主水が、清原が実は殺されたことをおこうに教えに行くところがいい。 真実を話す前に、おこうの態度から、実はおこうはそのことを知っていたと察知する。そして両替商組合に狙われるようになり、奉行所からも、命を落としかねない仕事を押しつけられ、必死に切り抜ける。 クライマックスは、工藤栄一らしく、圧倒的に数で勝る敵に少人数で立ち向かっていく。 仕事人仲間は、得意の武器を失い、次々に倒れていく。 豪雨の中の決戦は迫力満点。しかし、救いはない。 その実力を、途中で奉行所の連中に見せてしまった以上、今まで通りの中村主水として生きていけるのかどうかはわからない。 ただ、妻と姑は、何も事情を知らないまま主水を支えようとするところだけが救いではあるのだが、それも空しい。 傑作である。
2022.01.16
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津川雅彦が別名義で監督した作品。年末にテレビで放送したものをやっと見た。 内容は鶴田浩二版で言うと「甲州路殴り込み」のあたり。 出演者はなかなか豪華で、黒駒の勝蔵は佐藤浩市。あまり悪党ではなく、それなりに筋を通す男として描かれている。悪党の三馬政の竹内力がなかなかいい。保下田の久六が蛭子能収で、素人くさくはあるが悪くない。 法印大五郎が笹野高史なのはちょっと意外だったが、当然うまく演じていた。女優も大勢出ている。投節お仲の高岡早紀が「旅姿三人男」を歌ったりする。 と、キャストにばかり目が行ってしまうが、アイドルが出ていないので若い人はあまり食指が動かないだろう。 「映画を作りたい」という監督の気持ちが伝わってくる映画だった。
2022.01.12
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テレビドラマとして放送していたときに何回か見た記憶があるのだが、あまり内容が理解できなかった。 映画版はテレビ版とは話が違うらしいが、一つの話として完結しており、面白かった。 凄腕でありながらなぜか職を解かれた浪人(北村一輝)。なんと妻と娘がいたのだ。 ヤクザ同士の猫派と犬派の争いが元で、雇われて猫を斬りに行ったりするのだが、斬ることはできず、やはり腕の立つ浪人(寺脇康文)と出会う。 斬るはずだった猫を飼っている内に、親の敵として浪人を狙う若侍(浅利陽介)が現れる。 さらに、ちょっとかわいそうな境遇の娘(蓮佛美沙子)もからむ。 刀を交える場面はあるのだが、血は流れない。 話がよく工夫されていること異常に驚いたのが、映像の色鮮やかさ。緑も赤もくっきりとしている。何か特別な処理をしているのだろう。 蓮佛美沙子は、「ハナミズキ」で初めて見て印象に残っている。顔立ちもきれいで演技もいい。
2022.01.01
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高倉健が大石内蔵助を演じる忠臣蔵。 松の廊下の場面はない。 さらに、浅野が刃傷に及んだ理由は全く説明されない。 吉良上野介(西村晃)が、最後に「理由を知りたくないか」と言うのだが、倉之助は「知りたくない」と言って殺してしまう。 自分たちの意地を通すことが目的であって、刃傷の理由などいらないのだ。 それにしても、かる(宮沢りえ)との間に子どもができたりして、内蔵助はけっこう好きなように行動している。 映像はいかにも市川崑らしい。
2021.12.31
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テレビ版の出演者による劇場版第1作。 誰かと人違いされて命を狙われた梅安(緒形拳)が、小杉十五郎(林与一)と出会い、それぞれの事情で敵を追い詰める。 適役が佐藤慶と小池朝雄でなかなか豪華。 必殺シリーズの原型で、よくできている。 仕掛人は、梅安と元締めの音羽屋半右衛門(山村聡)。小杉はこれでは仕掛人ではない。また、必殺シリーズにいろいろ出ているけれど、いつも何のためにいるのかわからない秋野太作が、この映画にもすでに出ていて驚いた。 何か意味のある登場人物なのだろうが、それがよくわからない。
2021.12.30
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三船敏郎の生涯を描いたドキュメンタリー映画。 冒頭は、時代劇を中心とした、日本での映画発展史。 黒澤明の映画への出演からスターとなり、東宝の経営が悪化したことによって三船プロを作る。 数多くの映画の映像が使われている。 共演経験者や息子のインタビューも多く、丁寧に取材して作られている。 驚いたのが、三船プロがテレビ番組を作ることになったときに、気落ちしていた、ということ。 その時の証言とともに「荒野の素浪人」の映像が流れた。 不本意だったのか。私は「荒野の素浪人」が大好きだったのに。
2021.12.04
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主人公は当初は明るく父と妹との暮らしも明るく、何かあるなとは思わせるものの暗さがない。理由もなく3年の旅に出て独自の剣技を身につける。 ところが出生の秘密を知ったところから人生は暗転。 このあたりは原作が柴田錬三郎ということで、こうなるしかないのだろう。 わずか71分の長さなのに内容が盛りだくさんで話がわかりにくいという欠点はある。最後に主君の姿を探し回るあたりは、実験的な様式美というところか。 市川雷蔵は、こういう暗い主人公が似合うけれど、濡れ髪シリーズのような明朗時代劇の方が好きだなあ。
2021.11.16
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テレビ版と同じく緒形拳が梅安を演じている。テレビ放送から2年後。「必殺仕掛人」は何も知らないで第1話から見ていた。 今見直すと緒形拳が若いのに驚く。まだ30代だ。かろうじて記憶がある「太閤記」では20代だったのだから若いうちから評価されていたのだ。 林与一はテレビ版とは違う役。 当たり前といえば当たり前なのだろうが、この時からすでに「盗人宿」や「おつとめ」といった池波正太郎が作った盗人用語が使われている。 すでに池波ワールドができあがっていたのだ。
2021.11.15
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三船敏郎が近藤勇を演じる。ずいぶんとうがたっている感じがするが、歌舞伎と同じで実年齢とかけ離れた役を演じるのが当たり前というか、大物でなくては近藤は演じないという不文律があったのかもしれない。 出演者が豪華で驚いたが、もっとも驚いたのは、芹沢鴨が三國連太郎だったこと。なるほだ、だからNHKの大河ドラマ「新選組!」で佐藤浩市が演じたのか。親子二代で芹沢鴨だったのだ。 上洛から近藤の処刑までを描いている。最後に近藤の首が飛ぶのは斬新だった。
2021.10.30
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制作は三船プロダクションだが、出演者が、三船敏郎(金で腕を買われた浪人)、石原裕次郎(役人に恨みを持つ渡世人)、勝新太郎(元は医者という謎の男)、中村錦之助(生真面目な役人)と、東宝、日活、大映、東映を代表するスターの共演。こんな映画があったとは。 三船敏郎の好きな素浪人者。 三州峠の茶屋を舞台に、偶然居合わせた人間同士の関係、一体何のために主人公はここへ来たのかという謎、と、サスペンス要素も絡めた物語。 話は面白いのだが、例によって画面が暗いことが多く、小声で話すシーンが多くて台詞が聞き取りにくいところがある。 こういうところをもっと改善してくれていたらなあ。 ヒロインは、たまたま主人公が連れて行くことになった浅丘ルリ子。もう一人は茶屋の娘。この人は誰だかわからなかったが、調べたら三船美佳の母親だった。 屋内以外は野外ロケ。できは悪くないんだけどねえ。なんか残念。
2021.10.07
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おそらく勝新太郎もこれが最終作と思ったのだろう。 正直なところ座頭市が笠間出身とは知らなかった。 救いはない。しかしこれが座頭市なのだ。 十朱幸代が重要な役で出てくるが、「木枯らし紋次郎」でもそうだった。
2020.04.14
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タイトルからして屈折を感じさせる。 よく言えば実験的。悪く言えば独りよがり。 しかし勝新太郎という存在は自分の能力を持て余した人なのだろうということを感じる。
2020.04.10
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敵討ちのために江戸に出てきた若い男(植木等)が、幡随院長兵衛(ハナ肇)と知り合いって世話になり、たまたま知り合った男(谷啓)とともに活躍する。 髭の意休(進藤英太郎)が出てきたあたりで植木等が助六だということがわかる。揚巻は団令子。 谷啓は吉原で花魁となっている幼なじみ(池内淳子)を身請けしようと苦心している。 助六と幡随院長兵衛は本来接点のない存在なのだが、二つの話をうまく融合させている。 ただこれは、見る方が助六も幡随院長兵衛も知っていることを前提にしている部分がある。 もちろん知らなくても楽しめる。ひたすら明るいし、名のある女優がたくさん出演していて華やかだ。 ただ、こういうのは現代では作れないだろうなあ。
2019.09.15
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この映画は何度も見ているのだが、いろいろ忘れているので楽しく見ることができる。 主人公がなかなか出てこないというところや、京マチ子が最後に眉を落としお歯黒をつけた姿を見せるのは覚えていた。主人公が唯一苦手なことも覚えていた。ところが悪人三人組のことはすっかり忘れていた。 おそらくこういう映画を見るたびに書いたことがだろうが、田園風景が本物で、秋から冬にかけての広々とした農村の映像が出てくるのがうれしい。 この映画の撮影当時には珍しくない風景だったのだろう。そしてそれは江戸末期からあった風景なのだろう。 物語もよくできていて市川雷蔵も明るくて花がある。 もしまた放送されたらまた見てしまうのだろう。
2019.08.12
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子供の時に見ていた記憶がある。 大人になってから「あんかけの時次郎」が「沓掛の時次郎」のパロディだと理解できたが、テレビ番組作成当時は一般常識として理解できることだったのだろう。 意外なことに時次郎と珍念の出会いから描いていた。二人の出会いから仲良く道中を続けていく過程を描いている。 清水次郎長のことが出てきているので幕末だったことが分かる。 出演者がとにかく豪華で驚く。テレビドラマや映画というものに出るようになった頃なのだろう。 貴重な資料でもある。
2019.07.10
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美空ひばりが弁天小僧を演じる映画。 江ノ島の寺で育った菊之助が、生みの母を訪ねていったが裏切られ、やけになって裏街道へ。 盗賊の一味となり、呉服問屋をペテンにかける。もちろん「弁天小僧」そのままの筋立てを利用しており、クライマックスでは芝居小屋では白浪五人男を演じてみせる。 美空ひばりを見せるための映画なので、筋立てについてはあまり考えなくていい。出演者が若いなあと当たり前のことに驚く。 美空ひばりの弟の花房錦一も出ているのだが、この人は非常に明るい感じがしてなかなかうまい。 なるほどとおもったのは肌の色。カラー映画なのだが、肌の色が非常に人工的で印刷物のようなのだ。それで思い出したのだが、子供の頃、子供のおもちゃなどに印刷してあった芸能人の顔の色はこんなふうな人工的は肌色だった。じっさいにこういういろのメイクをしていたからあの色になっていたのか、肌はこういう色、という暗黙の了解があったのかはわからない。 同時代でも日活アクションだとこういうメイクではなかったと思う。東映独自のメイクなのだろうか。
2019.06.16
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鶴田浩二主戦の時代劇。 原作は柴田錬三郎で、それらしい雰囲気はある。 ただ、展開が忙しい。 主人公の名は「神子上源四郎」で、「神子上典膳」を思わせるところから小野派一刀流の話だろうとは察しがつく。 恩師の仇を討つ話に、美貌の姉妹、慕ってくる盗賊、投獄されているキリスト教徒など登場人物が多彩。美空ひばりも主人公に思いを寄せる。柴田錬三郎らしいのは不幸な出生と孤独な人生が中心になっていること。 見ているとスタジオ撮影が多く、画面がやや狭苦しい。出演者のスケジュールが忙しすぎて屋外ロケをしている余裕がなかったのだろう。 鶴田浩二の総髪の剣豪姿が珍しい。
2019.05.15
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主要なキャストが変更になっていたりして、冒頭に前回の話のおさらいがある。 お蝶が後を追いかけたりしなければこんな悲劇にはならなかったのに、とは思うのだが、それでは話にならないわけだ。 ひどい裏切りにあう一方で、苦労しながらも助けてくれる夫婦もいる。 最後は裏切った相手への殴り込み。黒駒の勝蔵との決戦にならない。 圧倒的に数の多い敵の中に切り込んでいって終わる。石松代参の話はこれからなので、途中で終わってしまった感はある。 今回時代劇専門チャンネルで放送されたシリーズを見たのはこれを見たかったから。 初めて見たのは四十年以上前。TVで放送されたのをたまたま途中から見たのだが、みんなで苦労している場面や最後の殴り込みの場面が印象に残っていて、その後もテレビ放送で見た記憶はあるのだが、全体像がよく分からなかった。 ただ、例によって記憶はいい加減なもので、殴り込みの歳は、三度笠をかぶっていた一行が一斉に笠を投げ捨てる場面があったと思っていたのだが、そうではなかった。合羽に顔を埋めていただけ。 女も一緒に殴り込んでいたとは思わなかった。 スケジュールの都合で主要キャストが変更になっていたのは残念。
2019.05.14
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いよいよ清水で一家を構えた次郎長。 所帯は小さいながらも町の人たちにも慕われ、相撲興行の一行を助けたりしてそれなりに充実した毎日を過ごしているのだが、いよいよ黒駒の勝蔵の黒い影が見えてくる。 幸せな生活は続かず、いよいよ大きな騒動につながっていくぞ、という終わり方。 明朗時代劇らしさはだんだん失われていく。
2019.05.13
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牢内で牢名主をやりこめたり、森の石松と追分の三五郎の話が合ったりして、清水を目指す一向に色々なことが起こる。 黒駒の勝蔵が悪い奴らしいということが分かってくる。 気楽に見られる明朗時代劇で、道中みんなで歌ったりする。鶴田浩二のソロパートもありつつ、みんなで声を合わせて歌いながら旅をしている。 もちろん口パクなのだが、ちゃんと曲に合わせて口を動かしている。 これが不自然ではなかった時代なのだ。今はこういうの作れないのかな。
2019.05.12
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鶴田浩二主演。 旅に出ていた次郎長が、道中意気投合した男を身内にしながら清水を目指す。 喧嘩に巻き込まれたりしながらも男を上げていき、次郎長一家ができあがるまでを描いている。 見直すと、松方弘樹、山城新伍、津川雅彦、長門裕之と子分役が豪華。田中春男も懐かしい。 道中歌いながら歩いたりして、明るい雰囲気を出している。 旅の場面はもちろん野外ロケだが、意外にスタジオ撮影が多いようだ。
2019.05.11
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大映ではなく東宝から配給されている。 森繁久弥が出ていて非常に新鮮。さらに石橋蓮司や蟹江敬三の若い時の姿を見ることもできる。 行きがかりで赤ん坊を抱いてその身内を探すことになった座頭市。 人助けをしたのに濡れ衣を着せられ、ヤクザを敵に回し、炎の中での大立ち回りとなる。 悪党が三國連太郎で、ただのならず者という感じではなく実に憎らしい。 一件落着かと思いきや、強い男と戦いたいと市を狙っていた浪人(高橋悦史)との対決が待っていた。すっかり忘れていた。高橋悦史は非常に声がいい。 余韻を残すことなく終わるのが斬新だった。
2019.05.01
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植木等主演で、一般的な「太閤記」の内容をコメディタッチで映画化したもの。 橋の上での蜂須賀小六(東野英治郎)との出会いから、桶狭間での勝利で出世するまで。 織田信長がハナ肇、徳川家康が谷啓で、それ以外のクレージー・キャッツのメンバーは出ていない。 今川義元が藤田進なのは意外なキャスティングだった。 物語は「太閤記」を踏まえていて大きく踏み外すことはなく、後の朝鮮出兵の伏線まである。 主題歌が「だまって俺について来い」だったので驚いた。この映画のための歌だったのだ。ほかの映画でも使っているような気がする。
2019.04.13
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タイトルと大野智が出ているということしか知らないで見た。 何となく、織田軍の侵攻に対して伊賀の忍びたちが抵抗して戦う、という図式を想像していた。伊賀は一度は撃退したが、次に信長が乗り出してきた時には壊滅的なダメージを受けたはずなので、明るい結末だったら変だと思っていた。ところが、全く違っていた。 みんなカネのために働いているので、カネにならないことはしない。伊賀が滅びようが知ったことではないと半数は逃げ出す。 もちろんその後いろいろあって織田軍を撃退することになるのだが、ちゃんとその後の話があった。 忍者の動きにはワイヤーアクションやCGをふんだんに取り入れ、見た目も面白くしてある。 注目すべきは主人公を演じた大野智。やる気がなく飄々としているところがぴったり。 なりたくて忍びになったわけではないところが、なりたくて嵐になったわけではないところにかぶる。 同じジャニーズの知念侑李は、「超高速!参勤交代」以来の時代劇だろうか。前は自信たっぷりの男だったが、今回は未熟な男の役で、線が細く見えるところがぴったり。 織田と伊賀のことは、白土三平のワタリでも描かれている。久しぶりに白土三平を思い出した。
2019.04.04
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タイトルから忠臣蔵に関係があることはわかる。(浅野内匠頭の辞世の一部) 忠臣蔵の裏側の話で、同時期に、親の敵を捜し求めている武士(岡田准一)と、同じ裏長屋に住む人々のそれぞれの人生を描く。黒澤明の「どん底」は念頭にはあったろう。 武士であるが故に仇討ちをしなくてはならない運命もあれば、寺坂吉右衛門のように生まれながらの武士ではないために武士らしくしなくてはならないと思う者もいる。「武士」とは何か、というのがテーマではあるのだが、あえてそれを中心に持ってこない。 忠臣蔵の話はほとんど説明がなく話が進むので、知識があった方が楽しめる。 討ち入りを年寄りの寝込みを大勢で襲った、と長屋の住民が否定的に捉えるのは新しい視点。 全体としてはいいのだが、あの時代に、ブタは身近なところにはいなかったのではないか。 脇役がとにかく充実していてそれぞれ持ち味を発揮しているのだが、かってバラエティ番組のようになってしまっている感もある。 あえてそれを狙ったのではないだろうか。
2019.01.14
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大川橋蔵主演の明朗時代劇。 シリーズものということだからなのか、若さまの素性は明かされない。ただ葵の紋の家柄だということはわかる。 陥れられた酒屋の危難を救う話で、難しい話ではなく気楽に楽しく見ることができる。 ちょっと変わっているのが、琉球から来た一座。岡田ゆり子という人が、沖縄民洋風の歌を歌う。映画の中では外国から来たという扱い。 千秋実や山形勲が若い。 映画全盛期の勢いを感じる。
2019.01.13
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舟木一夫版一心太助もあったのか。知らなかった。 大久保彦左衛門が加東大介というのは新鮮だ。ヒロインは藤純子。悪役大名が小池朝雄。この時すでに結構キャリアがあったのだな。悪い商人が懐かしい遠藤辰雄。万七親分だ。まだ若い里見浩太朗も出ている。 太助と家光を舟木一夫が一人二役というのはお約束通り。 物語は取り立てて新趣向ではないのだが、大久保彦左衛門が死んでしまうのには驚いた。続編を作る気はなかったらしい。
2019.01.09
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