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2002.02.01
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隆慶一郎全集(第1巻)(著者:隆慶一郎|出版社:新潮社)


 長編「吉原御免状」「かくれさと苦界行」二つと、短編「柳枝の剣」「ぼうふらの剣」「柳生の鬼」「跛行の剣」「逆風の剣」「柳生刺客状」「張りの吉原」収録。
 単行本三冊分。
 作者の隆慶一郎は、本名の池田一朗で、長い間時代劇の脚本を書いていた。
 「荒野の素浪人」などで、何度もその名を見たことがある。
 小説家としての第一作が「吉原御免状」なのだが、たしかに面白い。
 世界がしっかり構築されていて、 存在感があり、破綻がない。
 おそらく、書き始めるまでに、長い間頭の中に思い描いていた世界なのだろう。
 吉原は、女達を閉じこめておいた場所ではなく、むしろ外界から守っていたところであるという設定もある程度納得できる。
 続編である「かくれさと苦界行」には、岡場所が登場するが、そちらは、苦界となっている。

 執筆開始時点では、もっと長くなるはずだったらしく、そのための伏線となるはずの描写もあるのだが、これで終わりらしい。残念だ。
 短編の内、最後のもの以外は、柳生シリーズ。そして、どれもみな、「吉原御免状」の世界につながっている。
 これを読んでも、あらかじめ作者の中に一つの世界ができあがっていたことが分かる。
 白土三平の忍者ものの世界のようだ。





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Last updated  2005.04.01 21:02:30
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