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2002.09.18
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華国風味(著者:青木正児|出版社:岩波文庫)


 出版されたばかりの頃、買ってはみたが歯が立たず、少し読んで放り出してあったのを読み直してみた。
 文体は軽い読み物調なのだが、次から次によりどころを挙げて考証していくので、知識のない読者としては難解に感じてしまう。
 「日に曝(さら)し乾かしてから粉をこさぎ取るのである」(p31)の「こさぎとる」や、「砂糖は多い目が佳(よ)く」(p33)の「多い目」は、は耳慣れない言葉だが、方言だろうか。
 下関に生まれ、京都に長く住んだ。
 博学多識で驚くが、大正十三年の北京滞在中、王国維を訪ねて茶菓の饗応を受けたというのにも驚いた。(p99)
 これまでの思いこみをくつがえされたのは、米飯に関するところ。
 「南方、江蘇・浙江(せっこう)あたりには粘気のある良質の米を産出する」が、「北人は、かえってそれを好まない」(p110)という。
 北方の米は、粘り気がないから手で食べることができ、箸では食べにくいから匙で食べたのではないか、米飯を食べるのに箸を使うようになったのは、南方の米を食べる風習から生まれたのではないか、というのである。
 チャーハンやお粥には南方のぱらぱらの米が適しているので、南方の米は粘り気がないものと思いこんでいた。

 古今の様々な食べ物が登場するが、家庭で簡単に作れるものは少ない。
 その中で、最後の「陶然亭」に出てくるものだけは作れる。
「浅草海苔を一枚炙(あぶ)り、揉(も)んで小皿に入れ、花鰹(はながつお)を一撮(ひとつま)みつまみ込んで醤油をかけ、擦山葵(すりわさび)を比較的多量に副(そ)えて、燗酒(かんざけ)と共に差出した」(p195)
 著者が人に聞いた話の中に出てくる。華国の風味ではないのだが。実際に試してみたところ、たしかに酒の肴としてはすぐれている。少量の肴で大量の酒を飲みたい人にはぴったり。

 現在岩波文庫版は品切れ。
ワイド版 が出ている。





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Last updated  2005.04.01 21:06:45
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