DISCOVERRY AT THE FIVE SPOT/THELONIOUS MONK これはセロニアス・モンクのアルバムとはなっているものの、演奏を聴けばコルトレーンのアルバム。すさまじいエネルギーで次から次へと吹きまくるコルトレーンは、スポーティだ。コルトレーンミュージックにはいわゆる口ずさむような歌がない。しかしこれはある意味彼の独特な世界で、②IN WALKED BUDなんかを聴くと、純・器楽音楽演奏的に良く歌っているのが理解できる。この曲のスムーズなマイナーメロディラインをこれほどまでに生真面目に吹き切ることはなかなかできるものではない。彼の場合、ジャズをサックスで演奏するという「行為」の中に、ある異常なまでの投入をした結果、こういった音楽が生まれたのだということが納得できる演奏。コルトレーンの音楽の場合、演奏したい音楽が先にあるのではなく、演奏「行為」からどのような音楽が生まれ出るかを彼自身も実験している。どんな即興演奏もそういう性格をいくらかはもっているだろうが、彼の音楽の場合それが突出しているのではなかろうか。ハイデガー(/ニーチェ)の芸術論に似たところがあると思われる。