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今日のまとめ 1. インド総選挙はボラティリティー増大の原因となる? 2. 今年度のインドのGDP成長率は6%程度が予想されている 3. 企業業績は大体予想を下回っている 今回はインドの政治と経済の置かれた状況、ならびに最近発表されている各社の決算を駆け足でレビューしてみたいと思います。 ■インド総選挙がはじまる インドでは4月16日から5年ぶりの下院総選挙がスタートしています。インドは広い国ですし7億人を超える有権者が居るので投票は1か月をかけて実施されます。 ソニア・ガンジー総裁とマンモハン・シン首相の率いるコングレス党(国民会議派)を中心とする与党連合とアドヴァーニ氏率いるBJP(インド人民党)を中心とする野党連合の対決となりますが、両陣営ともに明解な政策提言に欠けています。 さらに過半数を獲得するには273議席が必要となるのですがコングレス党は現在152議席しか占めておらず、過半数を形成するには1000以上も存在すると言われる小さい政党の支援を必要としています。この事情はBJPも同じです。これらの小政党は現在も合従連合を繰り返しており状況は混沌としています。 5月16日の開票を経て6月2日までに速やかに政府が組成できない場合はもう一度選挙のやり直しの可能性もあります。その場合はインド株式市場もかなり荒れる可能性があります。 ■経済に関する最近のニュース まず金利の引き下げが続いています。インド準備銀行は去年の10月以来、レポ・レートを通算で4.25%引き下げ4.75%とし、リバース・レポ・レートも2.75%引き下げ3.25%としました。さらに銀行が貸付をする際、一定の割合を中央銀行に預けなければならないとするキャッシュ・リザーブ・レシオも合計4%引き下げられ5%となっています。 次に景気対策ですがインド政府は外人投資家によるインドの社債への投資制限の緩和や39.8億ドルのインフラ整備補正予算などの景気支援策を打ち出しています。現在のインド準備銀行のシナリオでは来年3月までの今年度のGDP成長率は6%が予想されています。これは今年の3月までの昨年度のGDP成長率6.5~6.7%(未だ確定値は発表されていません)より若干鈍化することを意味します。 ■企業業績に関するニュース いまインドでは1~3月期の決算発表がたけなわです。ざっと見渡した印象ではネガティブ・サプライズが多いです。個別企業をハイライトすれば:【マルチ】:乗用車に強いマルチの決算は純利益24.3億ルピーとアナリスト予想の38.7億ルピーを下回りました。原料費の高騰と為替差損が響いています。世界経済の減速で素材価格は既に下がっているのですが同社の決算では仕入コストがタイムラグを伴って上昇したため、商品市況の下落の恩恵に浴せなかったようです。【リライアンス・インダストリーズ】:コングロマリットのリライアンス・インダストリーズの決算は354.6億ルピーとアナリスト・コンセンサスの364.6億ルピーを下回りました。リライアンスは去年、石油価格が高い時に原油買い付け契約を結んでおり、その後の原油価格の下落が利鞘縮小や在庫評価損の原因となりました。【ウィプロ】:ウィプロの決算は90.7億ルピーと前年同期比で+4%にとどまりました。欧米の金融機関が引き続き金融危機で不安定な経営状態になっていることから、来期以降の見通しに関しても弱気なコメントをしています。役務単価の値引き、賃上げの凍結を発表しています。顧客数は去年の12月末の436社から今期は427社へと減少しています。【HDFC銀行】:住宅ローンなどを中心とするHDFC銀行の決算は純利益で63.1億ルピーとアナリスト・コンセンサスの62.9億ルピーを上回りました。去年の同期に比べると+34%成長です。住宅ローンの成長や金利収入の上昇が好決算の原因です。金利収入は去年に比べて+44%成長し、425.1億ルピーとなっています。しかし金利低下局面を受けて貸付利鞘は縮小しています。純金利マージンは4.2%でした。【ICICI銀行】:ICICI銀行の純利益は74.4億ルピーでアナリスト・コンセンサスの83.4億ルピーを下回りました。同行は現在を経営の地固めのときと捉え、立て直しの施策を次々に打ち出しています。例えばホールセール市場からの資金調達を減らし、小口預金を集めることで預金基盤の安定化を促進しています。融資ポートフォリオには急激な劣化は見られず、所謂、ノン・パフォーミング・アセット比率は安定的に推移しています。さらに貸付利鞘と調達利鞘の差額である純金利マージンは上昇しています。また自己資本比率を示すティア・ワン・キャピタル・レシオも11.8%とインドの銀行の中では最も高い水準を維持しています。
2009年04月27日

今日のまとめ 1. このところの急激な融資成長には危惧の声が上がっていた 2. IPO再開をチラつかせることで株式市場の過熱をスピード調整 3. 実態経済にお金が回ることがたいせつ ■急激な融資成長 このところ中国では銀行の融資が急激に成長しています。最近発表された2009年第1四半期の人民元建て融資成長率は29.78%とここ数年では最高の水準でした。 融資を増やすことは景気対策上不可欠なことであり、好ましいことです。問題はこの融資が政府の期待するようなターゲットにお金が行き渡る結果を生むかどうかです。 融資の増加が消費を刺激したり、資金繰りに苦しんでいる中小企業を助けたりして、それが雇用の拡大につながれば理想的なのですが、折角の融資の増加が株式投機に「直行」してしまったのでは効率の悪い政策になってしまいます。 もちろん、いきなり融資成長を絞り込んだのではぶち壊しです。そうかと言って株式市場にバブルが発生するのを放置すれば、長い目でみると中国経済にとってマイナスになります。 ■大陸市場におけるIPO再開の噂 そこで中国政府は「大陸市場でIPOを再開する」というシグナルを市場に送り始めました。この場合、大陸市場でのIPOとは政府系企業の株式の放出を意味します。2年前のA株市場での経験から中国の投資家には「政府がどんどん株式を放出しているときは、余り調子に乗るべきではない」という学習効果があります。 「株式市場で荒稼ぎさせてくれないのなら、しっかり本業で稼ぐしかないな」そういう態度を経営者や投資家に持ってもらいたい、そういう政府のメッセージが今回のニュースには含まれているわけです。 ■実態経済にお金を回そう! それでは具体的に何がなされるべきかですが、先ず証券融資などを減らし、実業界への長期貸し付けを増やすこと、借り手の信用チェックを厳格化すること、ひいきや縁故による融資を慎み、本当に頑張っている人や成長のための資本を必要としている企業への融資を増やすことなどが望まれているのです。 ■少し頭を冷やして、期待値を下げよう 中国の銀行は1年のうちで第1四半期にいちばん積極的に融資を伸ばすことが知られています。その経験則をあてはめるなら、今後融資は鈍化すると考えるべきです。また今回、こういう形で大陸株に実質的な「冷やし司令」が飛んだことでもありますから、投資家は期待値を少し下げるべきだと思います。
2009年04月23日
今日のまとめ 1. プロ・シクリカリティーの議論とは? 2. 雨の日のための準備を怠らなかった中国 3. 次に誰が信頼されるパートナーとなるかは自明だ ■外交問題評議会でのスピーチ ベン・バーナンキ連邦準備制度(FRB)議長が3月10日に外交問題評議会(CFR)でスピーチを行い、この日を境に世界のマーケットは急反発しました。 外交問題評議会は雑誌『フォーリン・アフェアーズ』の出版元でもあり、アメリカの実業界が政府関係者と政策討論する重要な場です。従ってCFRにおける議論はアメリカ国内のみならず世界の政府関係者から注意深く観察されています。 さて、バーナンキ議長は3月10日のスピーチでいろいろな事柄に言及しましたが、その中で特にマスコミや日本の市場関係者に良く伝えられなかった発言はプロ・シクリカリティーPro-cyclicality)の問題(です。プロ・シクリカリティーというのは平易な言い方に直せば、「悪い時に悪いことが重なるような規制や金融行政をわざわざやってしまうこと」という風に形容できるでしょう。 つまりサブプライム問題でアメリカの銀行の体力が衰えている今日このごろ、わざわざこのタイミングで「銀行の自己資本比率規制は低すぎる」とか「会計ルールをもっと厳格にしなければ」などという議論がどんどん出てきてしまうことを具体的には指しているのです。 本当なら、そういう事は景気が良くて銀行の体力が充実しているときに「備えあれば憂いなし」の心構えから準備するべき事であり、今のように問題が起きてしまってからでは「後の祭り」なのです。 つまりバーナンキ議長は「この局面で規制を強化するのはただでさえ下降線に入っている世界経済の落ち込みを、一層助長(=つまりpro- cyclical)する結果に終わるだけだ」と主張したわけです。このバーナンキ議長のスピーチ以降、議会による「覆水を盆に返そうとするような」低レベルの発言は鳴りをひそめました。 ■人民銀行のG20宣言 さて、中国の人民銀行は先のG20に先立って中国のG20に向けての抱負を盛り込んだステートメント(宣言)を発表しましたが、その中に「中国はプロ・シクリカリティーの問題には一昨年の景気が良かった頃にしっかり取り組んできた」という一文が盛り込まれてありました。これはバーナンキ議長のCFRでの呼びかけに答えるものであることは間違いありません。つまり中国は「われわれは、ちゃんとやるべきことをやっている。」と主張したわけです。 ■バランスシートのリストラクチャリングは好景気時にやるべきだ それでは具体的に中国の銀行セクターでのプロ・シクリカリティー問題への取組というのは何を指すのでしょうか?それは景気が良い時を選んで不良債権の焦げ付きに悩まされていた中国の四大銀行に対して政府が資本を注入し、回収の見込みのない債権を損金計上するとともに、株価が高いときにちゃんと公募増資して自己資本を補強しておくということを指します。 ■公募のタイミングという事に関する評価 我々投資家は一般に有償公募増資を嫌います。公募は株式の供給を増やし、需給関係を壊すことからそれが嫌気されるのは当然ですが、逆にイシュアー(発行体)の側からすれば多少人々に嫌われてもやっておかねばならないことなのです。 例えば製造業の場合、原料をなるべく安いときに仕込んでおいて景気の良い時に完成品を売るということは誰にでも納得できる企業行動です。いまそれを公募増資に置き換えて考えると経済の状態が良く、企業も儲かっており、株価が高いときというのは逆に資金調達のコストは安い状態なのです。なぜなら高い株価で増資すると同じ金額を調達するにも発行する株数は少なくて済むからです。難しい言葉で言えば「希釈化が少なくて済む」というわけです。 銀行にとって自己資本は融資(=それはメーカーの場合の「商品」に相当します)を実行するための「原料」です。原料はコストが安いときに仕込むに越したことはありません。つまり中国の銀行はどこもコストが安い時に沢山原料を手当て済みになっているのです。 ■ゴールドマンの中国工商銀行株売却取りやめでアメリカの投資は我に返った 先々週、「ゴールドマン・サックス(GSが中国工商銀行(1398)の持ち株を場で処分するのではないか?」という観測がニューヨーク市場に走りました。バンク・オブ・アメリカ(BAC)が中国建設銀行(0939)の株を一部処分し、UBSとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が中国銀行(3988)の株式を処分した経緯などから考えて、「背に腹は代えられない」と投資家は覚悟を決めていたわけです。しかしゴールドマン・サックスは如何に経営環境が厳しいとはいえ、わざわざ安値を叩いて本来「中身の良い」中国工商銀行の株を処分するような「ダサい」ことはやりたくなかったに違いありません。ゴールドマンが「中国工商銀行の株式は保有し続ける」と宣言したことでアメリカの投資家は(そうか、ゴールドマンにとって中国工商銀行は「虎の子」なんだな)とハッと我に返ったわけです。そうしてよく考えてみれば中国の銀行は上に書いたように「コストが安いときに原料を仕込んでいる」ことに気づいたわけです。香港に上場されている中国株に対して、アメリカの投資家の関心が俄然高まったのはこのためです。 ■投資銀行の「飯のタネ」 さて、これまで書いてきたように中国の銀行セクターは今回の世界金融危機に際して極めて準備万端整った立場でこれに臨んでいます。従って回復も早いでしょう。世界の資本市場が安定すればいずれ予定表に乗ってくるのは中国農業銀行のIPOです。その場合、折角、安定株主になってもらおうと考えて中国銀行や中国建設銀行が西側銀行に割り当てた株式が今回のような形で市場に出てきてしまったことは中国の金融関係者は後々まで忘れないと思います。バンク・オブ・アメリカやUBSなどが中国の金融関係者の信頼を取り戻すのは容易ではないと思います。
2009年04月10日
今日のまとめ 1. 次の相場のリーダーはベア・マーケットの最中に頭角を現す 2. 知的所有権価値の高い銘柄が上位を占めている 3. ネット・携帯関連が多い ■次の相場の先導役は往々にしてベア・マーケットでも新値を取る 今日はテクニカル分析の話をします。なにもチャートの事を扱うだけがテクニカル分析ではありません。セクター・ローテーションや日柄(ひがら=どのくらい休養しているか)について考えることも広義でのテクニカル分析です。欧米の投資家に広く信じられている考え方として:次の相場のリーダーシップはベア・マーケットの最中に既に頭角を現しているというのがあります。もう少し厳密に言えば現在のように世界の株式市場が新安値あたりをウロウロしている状況の中で上場来高値とか過去5年くらいの最高値を窺っているような元気の良い銘柄がこの定義に当てはまると思います。理想的にはそれらの、流れに逆行して値段を切り上げている銘柄群に共通するテーマなりストーリーが見つけ出せれば、それが即ち次のリーダーシップだという風に認識することができるでしょう。 ■世界の株式市場を見回してみれば、、、 さて、世界の株式市場を見回してみると今新値を取っている、ないしは限りなく新値に近いところにつけている銘柄というのはたいへん少ないです。新興国の国別で言えばテバ・ファーマシューティカルズ(イスラエル/米国)を除けば中国関連しか無いと言い切って良いでしょう。以下は網羅的なリストではありませんが、目についた銘柄だけを列挙したものです。銘柄名コード高値までの%BYD121118.19%騰訊控股70021.12%香港電燈616.99%台湾セミコンダクターTSM16.33%シャンダ・インタラクティブSNDA2.61%ネットイーズNTES新値テバ・ファーマシューティカルズTEVA9.90% ■共通点はあるか? さて、これらの銘柄に共通する点はあるでしょうか?ディフェンシブ(=不況に強いこと)な業種に属する香港電燈を除けば、いずれもハイテクなどの知的所有権価値の高い業種であることが指摘できます。 また商売上の支払い条件という観点からはいずれも集金に困らない企業ばかりだという共通点が浮かび上がってきます。それは見方を変えれば価格プレッシャーが限定的という風にも言えるかと思います。 台湾のハイテク産業が極端な輸出不振に陥っている中で台湾セミコンダクターが新値を狙う位置につけていることは意外です。同社はモバイル・デバイス絡みのチップの受注が好調です。中国における3Gのロールアウトも需要喚起要因のひとつですし、アメリカにおけるスマートフォンの好調も後押ししています。その意味では台湾セミコンダクターも騰訊控股、シャンダ・インタラクティブ、ネットイーズなどと並んでConnected world(インターネットを通じて常に「つながった」暮らし)関連銘柄だと言えます。
2009年04月06日
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