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今日のまとめ 1.輸出はダメ、財政投資に直接関係する業種はOK 2.ビッグ・チケット・アイテムには復活の兆しが見える 3.いまのところ広範囲の消費ブームにはなっていない ■中国経済の内需シフトはすでに経済統計にも表れている先週発表された中国の5月経済統計を見ると中国経済が急速に内需依存型へとシフトしていることがわかります。先ず輸出ですが▼26.4%と4月の実績である▼22.6%より悪化しました。中国は原料ないし仕掛品を輸入し、それを最終製品に組み上げて輸出するという、いわゆる加工輸出型の経済ですから輸入の数字がある程度のタイムラグを経ていずれ輸出にも反映されるというパターンを持っています。その輸入の数字を見ると▼25.2%であり、4月の実績である▼23%より悪化しています。つまりこの面から考えても中国の輸出が本格的に出直るのはしばらく先になりそうだということです。この一方で中国の財政投資に関わり合いの深いデータには加速が見られます。まず5月の固定資産投資ですが+38.7%と、2004年以来の高水準を記録しました。また5月の鉱工業生産は+8.9%と、アナリスト予想の+7.8%を上回りました。輸送機器、セメント、鉄鋼などが好調でした。中国政府の積極的な撒布は建設や工業のセクターに恩恵をもたらしているほか、自動車販売や住宅の取引量の増加など、いわゆるビッグ・チケット・アイテム(高額商品)にもプラスに働きはじめています。このため小売売上高も安定してきています。ただ、それが消費ブームにつながるまでの力を持っているか?というと、そこまでのパワーは無いように思えます。それが証拠に物価はブームとはほど遠い様相を呈しています。 ■経済に占める割合アメリカの場合、消費がGDP全体に占める割合は7割に近いと言われています。これと対照的に中国の場合、重要な順番から言うと貿易>固定資産投資>消費の順番です。つまり極めて単純化した言い方をすれば現在の中国は経済に占める割合が小さい分野への集中投資で、なんとか全体を押し上げようとしているわけです。いまのところその作戦は功を奏していますが、このやり方には自ずと限界があることも事実です。アメリカの消費は(1)所得が増えない、(2)住宅価格の上昇からくる「含み」が増えない、という2つの要因から、しばらくは低迷することが予想されます。すると中国経済は輸出をアテにできないので、当分の間、積極的な国内財政投資に依存ぜざるを得ないと考えるべきです。従って財政投資で直接に恩恵を蒙るセクターなり企業に物色を絞り込むというのが引き続き正しいスタンスのように思われます。
2009年06月15日

今日のまとめ 1.コモディティー価格は最近高騰している 2.その背景には中国の積極的な買いがある 3.安値での在庫手当が終われば中国からの需要が一段落するリスクもある ■コモディティー価格が高騰している 世界経済は底なしの淵に落ちてゆくような、いわゆるフリーフォールの状態をどうやら抜け出し、ある程度安定化してきています。しかし世界的に見れば未だ経済は縮小しています。さらに先進国では住宅価格が未だ下がっているのでデフレ圧力が存在しています。そういう状態にもかかわらずコモディティーの価格は下のグラフのようにどんどん上昇しています。 ■中国の「大人買い」 このようにコモディティーの価格が上昇しているひとつの要因は中国が去年来の不景気の局面を利用して、この機会にどんどん原料や資源の買いだめをしていることによります。例えば鉄鉱石の輸入は過去最高の水準に達しています。石炭は鉄を作るときのコークスとか、火力発電所の燃料として使われますが、その石炭の輸入も最近、激増しています。 鉄鉱石や石炭の運搬には最も大きな船種であるケープサイズ(下のグラフの青線)のバラ積み船が適しています。実際、ケープサイズの船は中国の積極的な徴発により最近、傭船料が急騰しています。この一方でH型鋼の輸出やアジア域内貿易などで活躍する、比較的小さいパナマックス(オレンジ色)やスープラマックス(黄色)などの傭船料は余り上昇していません。 ■今後気をつけること 中国によるこうした積極的な資源の確保は「安い時に買っておこう」という、言わば「逆張り」の発想で行われています。実際、世界の最終製品の需要は強くありません。このため買い置きしてある輸入鉄鉱石で中国の埠頭在庫はキャパシティー一杯に膨れ上がっています。すると今後これらの在庫が順調に消費されない限り、現在の高水準の輸入ペースを維持することは困難と思われます。 中長期で見たコモディティーの見通しは明るいと思われますが、その反面、中国の「大人買い」が一巡した場合、市況が短期的に下がるリスクもあることも忘れてはならないと思います。中国の「大人買い」で直接・間接に影響を受ける企業ティッカー銘柄名業務内容ARAアラクルーズパルプBHPBHPビリトン鉄鉱石、石油MTLメチェル石炭、鉄PBRペトロブラス石油RTPリオチント鉄鉱石SDAサディアチキンSIDナショナルスチール鉄鋼SLTスターライト鉱業SSLサソル石油・天然ガスVALEバーレ鉄鉱石
2009年06月08日
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