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4人がトランプのババ抜きをやっているとします。4人共実力は同じです。第三者である貴方は、最後にババを持っていない人に賭けなければなりません。貴方の賭けた人が最後にババを持っていなければ100万円もらえますが、運悪くババ を持ってしまっていたら掛け金全額を失います。貴方はいくら掛け金を払いますか? この問題の場合、「最後にババを持っていない事」に賭けていますので、勝つ確率は4分の3(75%)です。人間が合理的に行動するなら、普通は100万円X 75% = 75万円以上支払う事はないはずです。大金を失う可能性がある時に、わざわざ確率よりも高い掛け金を支払うとは思えないからです(第163回 リスク・プレミアム(2) (2006年5月15日)でも同様の問題をやりましたのでご参照下さい)。 次に、上記のような機会がたくさん提供されていたとします。例えば4分の3の確率で100万円もらえる機会に、1件70万円の掛け金で参加できるとします。4回に1回は掛け金70万円を失いますが、4回に3回は70万円が100万円になりますので、恐らく資金は増えていく一方だと思います。これが投資の概念です。 一歩進んで、貴方に誰がババを持っているか予測できる能力があったとします。そして毎回、その人を避けて賭ける事ができれば、投資のパフォーマンスは上昇するでしょう。さらに、ババを持っていない3人に賭けると共に、今度は自分が胴元にもなって、ババを持っている人を当てた時に100万円もらえるようにすれば、パフォーマンスは飛躍的に上昇するはずです。 当コラムでは3月から4回にわたって「サブプライム住宅ローンの真実」について解説させていただきました。今回の問題で打撃を受けたのはサブプライム住宅ローン専門会社と投資家であり、米国経済全体に悪影響が及ぶ可能性は低いというのが私の結論です。ただ、サブプライム住宅ローン専門会社については30社以上が破綻・廃業に追いやられている一方、サブプライムローンの価値の急落で損失を被っている投資家については今の所、マスコミ等でも大きく報じられている訳ではありません。 サブプライムローンは多くの場合、ABS(資産担保証券:Asset Backed Securities)の形に証券化され、さらにCDO(Collateralized Debt Obligation)という形でBBB以上の投資適格から投資不適格証券に分割して投資家が保有しています。しかし現時点では投資不適格のかなりの部分が紙屑同然となり、また投資適格部分のかなりの部分が投資不適格の質に劣化していると考えられます。 そしてこのように大きな問題を抱えた資産担保証券の多くが一部金融機関に保有されています。このような金融機関については格付けや会計手法の遅れにより、まだ一般に見える形で問題が顕在化していないのが実情です。このような金融機関については早晩資本が不足するか、成長性が著しく低下、または赤字に転じる可能性が高いと考えています。私の運用するファンドではこのような会社の株式は空売りのターゲットと捉えています。 先週ご紹介したように、米国の金融株は中長期的に見て割安な水準で取引されています。特にファイナンスのしっかりした金融機関の株式は数年に一回の買い場ではないかと思います。ババ抜きの例で言えば、75万円を大幅に下回る水準で取引されているという事です。しかし、一方で中には本当に爆弾を抱えている、即ち最後にババを掴んでいるであろうと考えられる金融機関があります。「ババ抜き」で勝つには、会社をよく分析し、少なくともそのような会社を避けるだけでも大幅にパフォーマンスを上昇させる事ができるはずです。
2007.05.28
4人がトランプのババ抜きをやっているとします。4人共実力は同じです。第三者である貴方は、最後にババを持っていない人に賭けなければなりません。貴方の賭けた人が最後にババを持っていなければ100万円もらえますが、運悪くババ を持ってしまっていたら掛け金全額を失います。貴方はいくら掛け金を払いますか? この問題の場合、「最後にババを持っていない事」に賭けていますので、勝つ確率は4分の3(75%)です。人間が合理的に行動するなら、普通は100万円X 75% = 75万円以上支払う事はないはずです。大金を失う可能性がある時に、わざわざ確率よりも高い掛け金を支払うとは思えないからです(第163回 リスク・プレミアム(2) (2006年5月15日)でも同様の問題をやりましたのでご参照下さい)。 次に、上記のような機会がたくさん提供されていたとします。例えば4分の3の確率で100万円もらえる機会に、1件70万円の掛け金で参加できるとします。4回に1回は掛け金70万円を失いますが、4回に3回は70万円が100万円になりますので、恐らく資金は増えていく一方だと思います。これが投資の概念です。 一歩進んで、貴方に誰がババを持っているか予測できる能力があったとします。そして毎回、その人を避けて賭ける事ができれば、投資のパフォーマンスは上昇するでしょう。さらに、ババを持っていない3人に賭けると共に、今度は自分が胴元にもなって、ババを持っている人を当てた時に100万円もらえるようにすれば、パフォーマンスは飛躍的に上昇するはずです。 当コラムでは3月から4回にわたって「サブプライム住宅ローンの真実」について解説させていただきました。今回の問題で打撃を受けたのはサブプライム住宅ローン専門会社と投資家であり、米国経済全体に悪影響が及ぶ可能性は低いというのが私の結論です。ただ、サブプライム住宅ローン専門会社については30社以上が破綻・廃業に追いやられている一方、サブプライムローンの価値の急落で損失を被っている投資家については今の所、マスコミ等でも大きく報じられている訳ではありません。 サブプライムローンは多くの場合、ABS(資産担保証券:Asset Backed Securities)の形に証券化され、さらにCDO(Collateralized Debt Obligation)という形でBBB以上の投資適格から投資不適格証券に分割して投資家が保有しています。しかし現時点では投資不適格のかなりの部分が紙屑同然となり、また投資適格部分のかなりの部分が投資不適格の質に劣化していると考えられます。 そしてこのように大きな問題を抱えた資産担保証券の多くが一部金融機関に保有されています。このような金融機関については格付けや会計手法の遅れにより、まだ一般に見える形で問題が顕在化していないのが実情です。このような金融機関については早晩資本が不足するか、成長性が著しく低下、または赤字に転じる可能性が高いと考えています。私の運用するファンドではこのような会社の株式は空売りのターゲットと捉えています。 先週ご紹介したように、米国の金融株は中長期的に見て割安な水準で取引されています。特にファイナンスのしっかりした金融機関の株式は数年に一回の買い場ではないかと思います。ババ抜きの例で言えば、75万円を大幅に下回る水準で取引されているという事です。しかし、一方で中には本当に爆弾を抱えている、即ち最後にババを掴んでいるであろうと考えられる金融機関があります。「ババ抜き」で勝つには、会社をよく分析し、少なくともそのような会社を避けるだけでも大幅にパフォーマンスを上昇させる事ができるはずです。
2007.05.28
前回までサブプライム住宅ローン問題についてご説明してきました。一見よく分からないという点では人々を不安にさせるに十分なテーマであり、しかし実際には大した問題ではないという典型的な例だと思います。そしてこれだけ世の中で騒がれるとなると、自ずから「良いビジネスを安く買う」機会が訪れるものです。 現在、例えば米国を代表するような大手金融銘柄が軒並み10倍スレスレの株価収益率で取引されています。予想ベースでシティグループは10.5倍、JPモルガンチェースは11.0倍、ゴールドマンサックスは10.4倍です。これらの会社は株価収益率がこんなに低くなるほど成長率が低いのでしょうか?そんな事はありません。過去5年間の平均増益率はシティグループが11%、JPモルガンチェースが22%、ゴールドマンサックスにいたっては40%に上っています。それでは何故これほどバリュエーション(評価)が低いのでしょうか? 成長率がそこそこあってバリュエーションが低いのは、投資家の期待が低いか、不安が大きいからです。金融機関の場合、現在投資家の期待が低い理由は大きく2つ挙げられます。第一に2004年半ばから始まった急速な金融引き締めの影響、第二にその影響でサブプライム住宅ローン問題としても顕在化しているように、クレジット(信用)サイクルが悪い時期にあるという事です。しかし程度の差はあれ、どんなビジネスにも上下の波はあるものです。波の下の方で投資家が不安になるのは当然ですが、逆に「良いビジネスを安く買」えるのはそのような時なのです。 普段会社を分析する際、真っ先に目が行くのは利益が載っている損益計算書でしょう。しかしこのような時に投資を検討するにおいて本当に重要なのは財務力、即ち貸借対照表です。サイクルが悪い時には通常、利益にはそれほど期待できないものです。そのような業績が冴えない時に、その悪いサイクルを乗り越える事ができる財務力、ファイナンス力があるかどうかを見極める事は非常に重要です。逆に言えば、ファイナンス力さえしっかりしていれば、少々悪いサイクルが来ようと心配はありません。 少々の事で資金調達力がなくなってしまうような金融機関は今回のクレジットサイクルを乗り越える事ができない可能性があり、「良いビジネス」とは言えません。例えば同じ金融機関でも、前号でご説明したような住宅ローン専門会社で、ファイナンスを他の金融機関に頼りきっているような所は生き残りが難しいでしょう。審査に問題があり、何らかの形で他の金融機関に融資を打ち切られたら終りです。今回のサブプライム住宅ローン問題では実際、そのような会社が続出しています。 一方で前述のような大手金融機関は自力でファイナンスをする手段を豊富に持っており、このサイクルを乗り越えられないという事態はまず考えられません。従って中長期的にはこのような大手金融機関への投資も悪くないと思います。しかし、アメリカにはもっともっと長期的に安定した資金を確保できる金融機関があります。私が運用するファンドではそのような金融機関は「良いビジネスを安く買う」機会と捉え、実際に投資しています。 ビジネスには良い環境の時と悪い環境の時があり、今金融にとっては決して良い環境の時期とは言えず、従って株価収益率は10倍すれすれという評価しか受けていないのでしょう。しかし一旦サイクルが好転し、良い時期に入れば株価収益率が10倍でとどまっている事はない筈です。金融緩和が始まる頃には、また現在騒がれているサブプライム住宅ローン問題が昔話になっている頃には、株価収益率が20倍に戻っているかもしれません。アメリカの金融株は現在、そんな位置にいると考えています。
2007.05.16
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