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私のブログに訪問してくれてありがとうございます。 なかなか続きが書けなくてすみません。でも頑張って書いていきますので、続けて読んでください。 青春の戸惑い (三十五ページ) 女の娘は、夕子という名前らしい。さっきの男が、女の娘を夕子と呼んでいた。源氏名の夕子を店の名前にしていたのだ。 夕子は少しの野菜と卵を入れ、ラーメンを作ってきた。ちょっと甘い味だが、インスタントラーメンにしては美味しい作り方だ。 二階が寝室だった。ダブルベットが部屋のほとんどを占領し、窓際に狭い部屋には不釣合いな、白い大きな鏡台が置かれ、幾つもの化粧品が林を作っていた。 夕子は、ヒロシが「此処でいい」と言うのでベットに下にヒロシの布団を敷いた。ヒロシは下着だけになると、急いで布団の中にもぐりこんだ。ヒヤリとした冷たさが体を包み込み、ブルッと身震いを一つした。早く寝ようと思うのだが、なかなか寝付かれずモゾモゾと何度も寝返りを繰り返していた。 ベットの上で寝ている夕子も寝付けないのか、時折ベットの軋む音が聞こえてくる。ヒロシはそーと起き上がって、ベットに寝ている夕子を覗いてみた。 蛍光灯の小さい明かりにぼんやりと見える夕子は、仰向けに目を閉じ、人形のようにじっとしている。ヒロシの気配を感じて息を殺しているのか、寝息が聞こえてこない。 ヒロシの欲望が蠢きだし、夕子のベットに潜り込みたいという欲求が沸きあがった。だが、なかなか思いきれなかった。 拒絶されたら遠藤から信用を失い、恥をかくだけだ。いや、拒絶しないかもしれない。ヒロシの心は微妙に揺れ動いていた。 この部屋には夕子と自分しかいない。黙って受け入れてくれたら二人だけの秘密にしておけばいい。案外、ヒロシが布団の中に入ってくるのを、夕子は待っているかもしれないぞと思った。 ヒロシの頭の中で、理性と欲望が葛藤し、綱引きを繰り返していた。心を迷わせ時は過ぎていった。一欠けらの理性がヒロシの欲望を押さえ込んでいた。 ヒロシは静かに仰向けになると、目を閉じた。ムラムラと燃え上がった欲望が、諦めの気持ちと共に萎えていった。 次の日、ヒロシが目を覚ました時には、夕子はとっくに起きて朝ご飯の用意をしていた。ヒロシが目を覚ましたのに気付いた夕子は、さり気なく灰皿をヒロシの枕元に置いた。 ヒロシはうつ伏せに枕を胸に抱え、タバコに火を点けると、大きくフーと吐き出した。夕子の後ろ姿を眺めながら、ヒロシは今まで味わったことのない、仄々とした女の優しさを感じていた。「ヒロシさん、有り合わせで悪いけど朝ご飯食べていって」 夕子の言葉に起き上がると、テーブルの上にトンカツが行儀よく切られて皿に乗り、その脇に、目玉焼きと湯気の立った味噌汁が並んでいた。 今まで同棲した経験のないヒロシは、朝起きたばかりの部屋で、女の娘が作った朝ご飯を食べるのは初めてのことで、何もかもが新鮮に写った。沙央里は、夜、酒のツマミにと餃子やサラダを買ってくる事はあっても、朝ご飯を作ることなど一度もなかった。 ヒロシが、食べようと箸を持った時だ。部屋のドアがガシャッと開いた。驚いてドアの所に眼をやると、遠藤が立っているではないか。 ヒロシは一瞬、目が泳ぎそうになった。胸の鼓動は激しく波打ち、耳の奥でドクドクと音を響かせている。陽光を背にして立ち竦んでいる遠藤の顔にも狼狽の色が浮かび、躊躇った足が止まっている。 ヒロシには、遠藤の体が途轍もなく大きく見えた。 続く
2007.04.08
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