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こんにちは。大型連休ですね。雨が振ったりやんだりヘンな天気です。皆さん楽しい休日をお過ごしください。 暫く休んでいましたが、続きを書きますので読んでください。 青春の戸惑い (三十六ページ) ほんの数秒のこではあるが、二人の脳の中で、驚愕に高ぶった感情の起伏が波濤となって激しくぶつかり合っていた。 ヒロシは、まさかこんなに早く遠藤が留置所から出てくるとは思っても見なかった。もし帰ってくるのが分かっていたら、夕子の部屋に泊まるようなことは決してしなかった。 女の娘一人の部屋に男が泊まれば、誰だって不信を抱くのは当たり前のことで、疑われるのは目に見えていた。まして、それが友達だったら、どれほど気まずいことになるのか。 だが、ヒロシは遠藤に対して何も疚しいことはなかった。そのことが,うろたえることなく遠藤の顔を真正面から見つめる自身に繋がっていた。 互いの物言わぬ視線が、二人の気持ちを代弁し,信頼の回復を果そうとしていた。二人が冷静になるのに、それほど時間はかからなかった。遠藤も 戸惑いの色を見せてはいたが、直ぐに穏やかな顔になり部屋に入ってきた。 遠藤はテーブルの反対側に座ると、「今朝留置所から出てきたばかりなんだ」と話した。店長が相手の学生と話し合って、示談にしたとのことだ。はっきりとは分からないが、相手の学生は左目を失明するかも知れないと遠藤は言った。 もう一人前、トンカツと目玉焼きが遠藤の前に置かれた。「ヒロちゃん、いろいろ面倒かけてすまなかったな。店長から訊いたよ。あの後、店長と一緒に此処に来てくれたんだって。アイツのことが心配だったけど助かったよ」 遠藤は、台所に立っている夕子の方に視線を投げ、言った。「アイツ頬にガーゼ貼ってるだろ。前に、この店で俺が客と喧嘩になったことがあったんだ。その時、アイツが止めに入ったんだけど、俺が振り回したビール瓶が割れて、アイツの顔に当たったんだ。 頬に十針ほど縫った大きな傷があるんだ。だからアイツ、外に出るを嫌がるんだ。整形手術でもして治してやりたいと思うんだけど、金がなくてね。あの日から俺は、この店には出ないことにしたんだ。可哀想なことをしたなと今でも思っているんだ。 この店は、アイツがやりたいというので借金をして始めたんだ。だけど赤字でね。アイツも意地っ張りの所があるから、止めようとしないんだ。顔の傷のこともあるしね。だから俺がキャバレーで働いている訳さ」 遠藤は、しんみりとした口調で話した。 始めて訊く話しだった。今まで、遠藤が私生活について話しをすることなど一度もなかった。一週間の留置所生活で人恋しさを覚えたのかもしれない。 「俺、一度部屋に戻ってから店に出ますけど、遠藤さんはどうします」 ヒロシはテーブルから立ち上がり、遠藤に訊いた。「俺は二、三日休ませてもらうよ。今ちょっと疲れているんだ。」 遠藤は、味噌汁のお椀を持ったまま、ヒロシの顔を見上げて言った。久しぶりにくつろいだ気分になったのか、のんびりと味わって食べているのが分かる。「それじゃ、俺帰ります」「ヒロちゃん、店長に俺、二、三日休むって言っといてくれよ」「うん、伝えときます」 ヒロシは車を走らせながら、遠藤にビール瓶で投げられた学生のことを考えていた。きっと傷跡は残るだろう。もしも失明することにでもなったら・・・・・・。イキガった代償はあまりにも大きなと思った。 続く
2007.05.04
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